不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
[ブックマーク『conparuの白い航跡』もよろしく]

ブーメラン効果?

2020-09-30 22:33:35 | 随想


暗雲は天空の殆どを覆っている。しかしこのまま行くはずはない。
見通しの利かない空模様ではあるけれど、薄い層雲より陽の陰りを感じて、それとなく晴れる日の来るのを期待している。
コロナ禍も発生以来半年を過ぎた。たった半年と云うべきか、半年もと云うべきか、この間に社会状況は大きく変わって、サービス業を主体に経営が破綻、失業者の増大を招きました。不思議な現象としては株式市場の値が落ち込んでいないように見えること。一部上場の限られた株かも知れないけれど、TVニュースでは円安株高が報じられています。経済がぎくしゃくすれば真っ先に首を切られるのは非正規雇用の社員たちですが、何とも後味の悪い構造的弱点を見せられたようで、企業の谷間に落ちた不条理の産物とも云える非正規雇用制度が、否応なく時代に呼応した制度だったとしても、今日の荒んだ社会情勢に少なからず影を落としているように感じます。その人たちを救済するための失業給付金と云うのも限定的です。
思えば2004年3月に施行し、坂口力厚生労働相が「労働者派遣法」を承認したことで、企業にとっては使いやすい雇用の調整弁ともなる利便性を提供されたことになる。当時としては遍く労働者を救い上げる良案として発布されたと記憶している。良い悪いと一概に言うよりも、この制度が今後に及ぼす国の在り方に一抹の暗雲を翳している気がしてならない。

アシナガ蜂の巣が見事に大きくなって、軒下の一角を専有している。群れの主はひときわでかく多くを随えて、せっせと巣作り中である。それを観ている家主に気を留める様子もない。八方睨みの多層眼で警戒しているに違いないが、当然駆除の対象だ。ジェット噴出の駆除剤を巣に向けて放出。最初は懸命に守ろうとしていた主だったが、勇ましくも家主に向かって攻撃してきた。家主は蜂の主に向けて駆除剤を狙い撃ち続けたが、それでも突っ込んできて神風特攻隊のように、家主の太ももに体当たりして一撃死となった。それから、、、みるみる大きな腫れが。医者には診せなかったが時間を掛けて腫れと痛みを取り除いた。もう一度蜂に刺されると、アナフィラキシーショックが待っている。もう何年か前のことだけど、これもブーメラン効果?と言えそうだし、上記の一説と何処かで繋がると思うのだが余興であってもいい。

コメント (1)

昨日今日妄言

2020-09-18 19:39:02 | 随想

菅内閣が発足しました。空前絶後の総理出現とあって、東北秋田の歓喜が伝わってきましたが、国内外の問題山積を思えば、漕ぎ出す船の先行きこそ案じられます。
見えないコロナ感染の危惧を抱えて、ひたすら住まい近辺に限定した生活パターンになっているけれど、別に不満もない。新聞を見る限り都内の感染者数は日毎に増えて、都心23区では5区が4桁を示し、他は3桁ながら高い感染値を出している。多摩地区ではベッドタウン化したところは相応に高い数値を示していて、感染していないのは島嶼部を除いて奥多摩町のみ。

安倍政権を引き継ぐと会見で述べた菅内閣ですが、剛腕の政策執行力に期待してか、米ロ中の首脳が祝電とともにエールを寄せてきました。ロ中はそれぞれに対米対欧関係の悪化から改善のきっかけが欲しいところ、迂回路を通じて日本がキーポイントを握れる可能性もあることを示している。ゴチャゴチャまみれの世界情勢を洗濯してアイロン掛けするには、男丈夫の女房役が必要になるかも。

コメント (1)

池の水

2020-09-13 21:54:42 | 随想

21世紀になっても前近代的な意識に囚われている所がある。ある地方においては呪縛的なしがらみに囚われて、歴史の残滓を褥とした家柄だとか伝統的家風に取り巻かれて、今なおその環境を温存している輩がいる。他者に対しても陰鬱な圧力を加えて暗黙の制裁を果しているのは、ジゴロとの繋がりがあるからだ。地方の政治家とジゴロとの関係は古くから在るようで、時の止まったままの古いしきたりに君臨している、現代のドン・キホーテではないか。

大抵は地方の資産家であり、有力者を輩出してきた家系の末裔なのだが、時代に上手く乗れなかっただけではなく、大昔の栄枯盛衰を背負い過ぎて、その重さに地盤が陥没してしまった場所なのである。低地は水が溜まりやすい。まして絶えず流れていないと腐りやすい池水の道理で、易学上は『死水』と云うらしい。

地方の政治家でなくとも、役所のような公的職務に就いている方が、上記のような行為をすれば地方公務員法第29条、30条に触れることになる。こんなことを記すのも、コロナ時代の妖怪が暗躍する時代であるから、時代の割れ目から這い出してくる妖気を何としても防ぎたいのである。「池水の死水」を活水の世間川に注がねばならない。

コメント

老いのザワメキ

2020-09-12 21:48:01 | 随想

老いると人は自己の内面化に向かっていく。若いときは他者と相対することで己の位置づけを探ってきたが、内面の構築によって洞察力が高まり、やがて社会に対する判断力を身につけて、何の迷いも無く、、、と云いたいところだが、ちょっとした異見に出会うと直ぐに信念が崩れて、液状化の傾向を辿るといった、砂上の楼閣時代が若年時代ではなかったか。人生は生涯修行の場だと云うから完璧に全うすることもないのだが、死を迎えたときに人の評価が決まるとは、なんともヤルセナイ。
人物の偉大さ、卑小さと云うのは確かにある。社会への貢献度や影響力が結果として評価される場合と、自分のことに汲々として他者の事など構っていられない場合とでは、評価は雲泥の格差となって子孫にも受け継がれるだろう。よい影響を与えて感謝されるか、迷惑ばかり掛けて憎まれるかで振り分けられてしまう。

最近は『人が死んだ後に魂は残るか』とか、『死という最後の未来』と題した本も出ている。後者は石原慎太郎と曾野綾子の対談であるが、内容については語る資格がない。読んでいないのだから、此所に載せるのも気が引ける。死後の世界については憶測で語るものはあっても、死を経験した者はいないから、全ては仮定の話である。臨死体験を語るにしても、死に際まで行ったが死ななかった人が語るものであって、死んだ後は音信途絶の無明空間に浮遊するだけの、いわば宇宙組成の原子レベルに収まってしまうのだから、物質としての還元だ。これさえも仮定の話であって、哲学者の書の中でも真面目に饒舌に仮説を述べているのだから、素人が含蓄を垂れても何ら差し支えないだろう。
『死とは何か』――魂は存在するか、多岐にわたるDr.シェリー・ケーガンの題目と解析は面白いのだが、何処か実体のない暗中模索の体で、胃の中に空気をため込んだ感がする。「血に潜む遺伝的過去の記憶」なんてのも一考したら如何だろう。

コメント

総裁選に観る

2020-09-09 17:39:22 | 随想

自民党総裁選の火ぶたが切られた。候補三者の舌戦は、安倍政権の政治路線を継承すると言う菅官房長官と、『オール・リセット』自民党の姿を一から変えると云う石破さん。透明性と丁寧な政策の説明が必要だと言う岸田政調会長の、それぞれに主張の違いを明確化しようとした姿勢は窺える。『幕が開けたと思ったら、すでに緞帳は下りていた』告示前に大勢は決まっていたわけで、菅さんが5派閥の後押しを受けて本命と目される。その菅さんが告示日に言っていることと、当選後に遂行する政策に大きな違いはないと思うが、安倍政権が何故に政権を放棄したか、その何故を無視して安倍政権のやり残した政策を引き継ぐと云うのか、今ひとつ分からない。苦労人の菅さんは自分の経歴を披瀝して、下隅の地方出身者から横浜の市会議員を振り出しに政界に入ったと、ある意味大衆を意識した、同情を寄せる内容に思えたのだが、実直な東北人と云う印象は残った。実際に強面の官房長官が記者会見する姿は、取っ付きにくい影の宰相のイメージがあって、表舞台に出るには、そこを何とかしなければと云う参謀の指摘もあったかも知れない。これまでの豪腕とも云える施策の遂行が国内では功を奏してきたとしても、国際の場では如何か。来年九月までの仮の政権という見方もあるが、本人はその先も見据えていると新聞評にあるので、安倍政権を継承すると言っても独自の政策を打ち出さないと、持ち堪えられないのではないか。
多くの国民にとって、一党の総裁争いに期待感はさほど無いと思うが、イコール総理であることで破天荒な世界情勢に一石を投じるほどの気概を見せられるか、見所だと思う。
方や多くの党員党友の意見を吸い上げて、ボトムアップを主張する石破さんも、支持票を削がれたことでトーンがやや弱くなった。岸田さんの中間層を重視して格差を是正すると云う経済政策も、何故今まで出来なかったかと、今までの自公政権の性格からして、木で鼻を括った感もする。やはり一強体制のおごりを糺すには野党を育てるしかない。

コメント

新聞の対談記事から

2020-09-01 22:33:35 | 随想

朔日の今日、朝日新聞朝刊に興味深い対談が載っていた。京都大学総長の山極壽一氏と千葉工業大学学長の松井孝典氏である。『人間と生命について考える』と言うやや硬いテーマながら、時局にあった問題意識を述べ合っている。お二人の対談を逐一載せることは出来ないが、双方を要約した自分なりの理解の範囲で記してみよう。
先ず、人間とウィルスの類似性については、外部のモノをハードとして利用する点であるが、人間はAIを、ウィルスは人体を利用して生きている。
類似性の一端を述べたもので、人間もウィルスも進化の過程で影響を及ぼしてきたとして、その元になっているのが『生命の進化には時間が関係している』という概念である。

『生命の営みとは、時間と共に解体されてバラバラになるはずのモノを、その流れに抗って秩序を保とうとすること』『増大するはずのエントロピー(エネルギーの変容)を、そうならないように捨て続けていくのが生命の働き』だと。生命体が個体として原姿を保っているのは、エントロピーを捨て続けているからだと理解していいのだろう。
『地球や他の星についても歴史的経過を見れば、時間作用によって存在の系と環境が生れてきた。人類やウィルスと同様に変化を辿ってきたのである』『時間の概念については、人間の意識と深く結びついたモノと捉える。時間は開放系であるが、エネルギーの流れの中で熱という利用できないエネルギーの発生と関係している』『我々は個々の素粒子であるミクロの世界を感知できず、素粒子の膨大な集まりであるマクロの世界しか識別できないため、個々の素粒子の情報を平均化して得られる、熱や温度という、ある意味アバウトな概念を導入して現象を理解しようとしてきた。』

宇宙の成り立ちも人体の生命も、ミクロの組成からなるマクロの世界を通して、時間と共にエネルギーの流れの中で育まれてきた、とする一体論と観てよいのだろう。この様に宇宙と生命の生成が、時間の経過とエネルギーの作用によって進化してきた事を述べた上で、更なる進化としてAIのディープラーニングに及んでいくのである。ディープラーニングの蓄積はやがてシンギュラリティのラインを超えて人間の知をリードする領域へと進化しかねない問題を含んでいる。

『人間は自らの他にAIといった知能を持ったことで、ディープラーニング(を獲得した)AIによる環境の変化に直面している。』『情報のレベルではAIの決定した思考の詳細までは理解できない』ので、AIの先行した環境が人間の今までの生活環境を大きく変える可能性を秘めている。
来るべき人間社会が、AIのディープラーニングによって、予期しない環境の変化に迫られている、と云うものだ。折しもコロナ禍のリモートワーク、スティホームと言ったビジネス環境の変化が、AIの情報化社会と結びついた時、社会環境は一変する。
新聞記事の印象から思いを綴ってみた。

コメント