日中暖かいと思えば、夕には冷え冷えとした冬の夜気に包まれる。寒気の中の空を見上げれば、十三夜の月の他は残照の薄明かりに隠れて、一番星の姿も見えない。
孤月は煌々として孤高の眼差しを地上に放射し、月は月なりに青い惑星の孤高を思う。
太陽系惑星間の距離が宇宙探索によって、心理的に縮まって来た感じがするけれど、地球年齢が壮年晩期の今日、遠い未来の人類移籍の星を求めて、系外惑星の探索も行なわれている。今朝の朝日新聞の科学欄には、100光年以内の太陽以外の恒星は75個もあり、水のある惑星は29個もあると記されていた。1光年は光の速さで一年かかる距離だから、100光年という天文学数字は想像を絶する大宇宙の果てなのか、大々宇宙の一部なのか、兎に角電波望遠鏡で覗ける範囲というものだろう。水のある惑星の中には当然高等生物が存在する可能性も言われている。地球人よりも遙かに知能的な宇宙人がいても可笑しくはない。近々青い空の一角から異星人の地球侵略があるとするなら、世界のリーダーは何とするか?オミクロン対処で精一杯のところであるから、維新前夜の薩長と徳川慶喜の禅定による政権移譲といったような、異界からのバッシングに防御の手を回せるだろうか。夏の夜ならぬ冬の夜の寒気充満する中で、アンドロメダ星雲の妖しい星図が思い浮かばれる。