conparu blog

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時代の変容

2021-05-16 22:11:44 | 随想

現代ほど宗教の色褪せた時代はないと感じるのは何故だろう。大宗教の一つをとっても、時代を引っ張るだけの精神的牽引力が従前ほどにはないのも理由の一つではないか。時代が大きな壁に突き当たり、価値観が崩れて、今までのものの見方では確証が持てない。何を頼りに生きてゆけば良いのか、今までの社会的規範となるものは一様ではなく、個々の思考と洞察による内的構造の変革が求められて、それぞれの世界観を自分の内に求めなくてはならなくなった。折しも新コロナの出現が、今までの社会の在り方を大きく変えようとしている。時代の変革という未知の波動によって、押し出されてきた歴史の変容ではないか。もちろん人間の行う作用も歴史に変容をもたらすだろうけれど。

LGBT性の多様やジェンダーにみる世相など、多様化の傾向を示していて、多様性を認め合う社会の出現が、世界の潮流に躍り出ようとしている。新しい時代の兆候が知らず知らずのうちに、人間をあるべき方向へと移行させようとしているのではないか。

世界の政治的混乱と軍事的動乱も、怪しい雲行きになってきた。他国を干渉するが自国がやっていることも他国から干渉されるという、世紀末症状の露出は、大国が大国としての責務を放棄しているからで、内的志向の弱小化にある経済と軍事力の疲弊は、民心の疲弊を呼んで心の余裕がなくなったことにある。力の平準化が進む一方で局地的な争いも起きている。リードしてきたタガが外れて、頭の悪い連中が共生を考えなくなった。これも時代の変容だ。

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