かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

マリア様がみてる「くもりガラスの向こう側」ネタばれ感想です。

2006-04-09 22:16:38 | マリア様がみてる
 今日の更新は結局トップ絵を換えただけになってしまいました。「死神博士は何博士?」というお題の「かっこうのたわごと」は、まだ現段階は資料集めの状況で、まとめるにはもう少し時間がかかりそうです。もっとも、何博士かは既に頭の中で決めているので、調べがついたところで一気に書ききるつもりでおります。何とか今週中に片づけられたらいいんですが、はたしていかが相成りますことやら。

 さて、長々と引っ張ってきた感がございますが、発売から10日ほど経ちましたから、いい加減ネタばれも解禁と言っていいでしょう。というわけで、マリみて新刊「くもりガラスの向こう側」の感想を今日のお題にしてみたいと思います。
 今回のお話は、前作「未来の白地図」の続きも続き、実に「白地図」のラストシーンから始まっておりました。刊行前は、題からしてもなんとなく今度こそ祐巳と瞳子の関係に進展があるか、と言う期待がありました。もやもやした今の状況を突破してくれるんじゃないか、と思ったわけですが、結局今回もそれはかなわずじまいだったのは、マリみてファンならすでに周知の通りです。私はといいますと、表紙が公開された時点で「ああ、これはないな」とあきらめました。祐巳と祥子だけで瞳子が出ていないのですから。これで本文が祐巳と瞳子のオンパレードだった日には詐欺同然だったでしょうけど、これまで「マリみて」で表紙と内容が著しく食い違うことは無かったですし、決着は多分夏か、あるいは秋まで持ち越しだろうと踏ん切りを付けたのです。これで祥子が祐巳に「妹を作れ」とのたまってから5巻。人気作の引き延ばしはこの出版社の常套手段ではありますが、さすがに期待して待つのはそろそろ限界ですね。できれば次こそすっきりケリを付けて、新たな展開につないで欲しいものです。

 といいつつも、今回不満たらたらな内容だったかというと、私個人としてはけしてそんなことはありませんでした。むしろスール・オーディション以来久々に手放しで楽しかったと言えるのではないか、と思っている次第です。それはまずカバーのあらすじにあった、「……祥子について衝撃の事実が明らかになり…?!」という文章で「なになに?」と目を見張り、ついにネットでまことしやかに言われていたような「祥子不治の病説」でも本編で飛び出すのか、と疑ったところから始まり、それが実は祥子と優の婚約解消とわかるところ、更に祐巳が優の家の前までいって、瞳子の秘密について聞き出すのを断念する場面まで、純粋に楽しめたと思います。
 特に、小笠原邸新年会を中心に端々で描かかれる祐巳と祥子の甘々な交流、「永遠のお嬢様」清子小母様の浮世離れした魅力が存分に引き出され、ほほえましい限りの一遍だったと思います。邸宅全体を使った双六という発想も楽しいですし、それぞれの部屋に「ミジンコの間」とか「フリソデウオの間」とか適当もいいところな名前を付けて入り口に張り紙したり、それぞれの部屋に指令を書き付けておいたり、その指令遂行に必要なものを準備したり。あの食事を作らせたらとんでもないことになる「お嬢様」が、一体どうやってあれだけの準備を娘に悟らせることなく成し遂げたのでしょう? もう含み笑いを押し殺しつつ、ただ嬉々として準備にいそしむ姿が想像されて、本当に楽しかったです。それにしても改めて思いますに、アニメの方はこの年齢不詳といってもいいような気がする「お嬢様」ぶりをちゃんと描けておりませんね。マリみて世界では1,2を争う位楽しいキャラだと私は思うのですが、新作では少しは改善されるでしょうか? 

 さて、続刊に期待する上で今回伏線になっているのかな? と妄想をたくましくしておりますのが、ラスト近く、優のところに行くために家を出る寸前、祐巳の足を止めた回覧板。ピッキング被害が多く出ている、という話は、ここだけですとあろうが無かろうがどうでもいい、単なる無駄話に過ぎないくだりです。従って、何らかの形で祐巳と瞳子の間を取り持つ事件として、次の巻でこれが活かされるのではないか、と期待しているのです。そして、はじめの方で弟の祐麒に連れられて詣でたお稲荷さんへ、祐巳と瞳子がお礼参りに上がるようなまとめをしてもらえたら私としては大満足と言うところなのですが、はたして3ヶ月先にはその結果が出てくれるでしょうか?

コメント
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