奈良市の今朝の最低気温は21℃、昼の最高気温は26.6℃、五條市の今朝の最低気温は14.9℃、昼の最高気温は25.3℃でした。今日は朝からどんより曇り、雨が近いことを教えてくれていましたが、それでも午前中は降らずにいました。雨が降り出したのは昼からで、その後は降ったり止んだりしながらだんだん雨脚が強くなり夜を迎えています。雨が降り出すまでは蒸し暑さがいや増しでしたが、降り出した途端5℃位一気に下がり、蒸し暑さは軽減しました。ただ今夜はなかなか気温が下がらず、寝具を調整しないと寝苦しい夜になるやもしれません。
さて、国立科学博物館が困窮する予算不足に対応するために始めたクラウドファンディングについて、当初1億円を目標としていたところ、のべ5万6562人から合計9億1556万円と目標の9倍以上のお金を集めることが出来たとして、館長の篠田謙一氏が会見の場で「予想よりはるかに多い支援で、非常に感謝している」とお礼を述べられました。9億円のうち、3億2千万円を返礼品の費用に当て、残り6億円を、標本や資料の維持・管理:4億4千万円、他館と協力したコレクションの充実:約1億円などで活用していくとのことです。
まずはクラウドファンディングの成功おめでとうございます。これだけの額が集まったのは、国民の関心の高さの現れとも言えるでしょう。大変喜ばしいことだと思います。
ただ個人的に不安なのは、この結果を元に、来年度以降じゃあ予算はいらないだろうと独法の交付金を更に削られるかもしれないことです。そもそも独立行政法人は、行財政改革の一環として公務員数や予算を削減するために政府から切り離された組織であり、いきなり無一文ではやっていけないだろうと毎年少しずつシーリングをかけて削られていきながら交付金の形で予算を支給されています。つまり予算を削り込む圧力は常からかかっており、よそからお金を持ってこれるなら政府からはいらないよね、と予算が削られてしまいかねないと思われるのです。また、財務省のことですから、国立科学博物館ができるなら他もできるだろうと、大学等他の独立行政法人にもクラウドファンディングの強要と予算の削減を迫りかねません。いくら篤志家が浄財を積み上げても、毎年何億円も負担することは難しかろうと思いますし、1回成功したからと言って恒久財源などと位置づけられたら独法側もたまったものではないでしょう。科学や文化の保護・育成にお金を出せない国などとても文明国とは言えません。クラウドファンディングにより独自に調達された資金は、あくまで交付金の予算外の資金として博物館の更なる発展的な展開のために使われるべきです。そのためにも、交付金のシーリングは即刻中止し、数年前の水準に戻して毎年安定的に予算を出すべきです。