かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

そのうち眼鏡を忘れたままバイクに乗ってしまわないか、不安になってきました。

2007-12-20 22:52:51 | Weblog
 最近朝が寒くて、目が覚めてから実際に布団を出て身支度を整え始めるまでの時間が次第に延びております。最低でも15分、下手をすると30分近く、そろそろ起きようかどうしようか、とぐずぐず悩む時間が増えているのです。どうせ時間が来れば出かけないといけないわけですし、そのための身支度の時間や朝食を摂る時間などを考慮するとほとんど余裕などありえないことは重々承知しているのですが、どうしても、寒気漲り火の気ひとつ無い中にわが身をさらす勇気がほんの少し不足しているのです。
 それでも今朝は例外的にまずまず早めに起床し、重厚な防寒体勢を固めての出発準備も順調に整え、家を出るところまでは良かったのですが、好事魔多し、というべきか、ヘルメットを装着してバイクの保管庫まで移動する途上で、自分が眼鏡をかけていないことに気づきました。
 最近老眼が出だしたせいか、あるいは永らくPC画面を見つめすぎて目が疲労してきているせいか、はたまた日常眼鏡をかけて過ごすのが面倒になってきているせいか、とにかく、普段家の中では眼鏡を装着せずに過ごすことが多くなってきております。裸眼では0.1無い近視で乱視も入っている目ですので、もちろん眼鏡なしではまともに見えるわけも無く、全体がまさにピンボケ状態なわけですが、PCのモニタは30センチとはなれていないところで動いておりますし、コントラストも十分ですので割と不自由なく使うことができます。また、それ以外の日常生活でも、ぼんやりするだけで見えてないわけではないので、大体どこに何があるかはわかりますし、以外に不自由することはありません。そんな生活に慣れつつあるせいか、最近ではちょっと買い物に近所のスーパーマーケットに出かけるときなど、うっかり眼鏡を忘れることも結構あって、これはさすがにお店で値札とかが見えなくて困るのですが、それでも道を歩く分にはさほどの問題も無いのです。
 多分そのせいで、玄関を出るまで眼鏡を忘れたことに気づきませんでした。あわてて取りに戻ったのですが、今度は眼鏡をどこに置いたかわからなくなってしまい、探すのに結構手間取りました。でもいずれこの分ですと、バイクで走り始めてからやっと眼鏡をしていないことに気づく、なんていう日が来てしまうのではないか、という気がいたします。さすがにそれは無いだろう、と今のところは高をくくっておりますが、眼鏡をしていても今日の帰り道では、犬の散歩をしているおじいさんの姿がまったく視界に入っておらず、一歩間違えれば衝突しかねない状況に陥ってしまいました。対向車のライトに幻惑されたのも原因のひとつではありますが、眼鏡をかけていてさえ見えないといけないものが見えないこともあるのですから困ったものです。
 私としては、一刻も早くCCDカメラみたいな人工の目が視神経とリンクできるような装置を装着したいとその完成を心待ちにしているのですが、なかなか満足できるレベルの装置になる日は遠いようです。

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11.怪盗の賭け その4

2007-12-19 22:50:06 | 麗夢小説『ドリームジェノミクス』
 夕闇迫る常磐道を、まっすぐ東北に向かって突き進んでいた一台の真っ赤なプジョー二〇五カブリオレが、左にウインカーを出して出口へと車線変更した。道標に白く書き付けられている文字は、「茨城県先端科学技術工業団地」と読める。助手席に納まる墨染め衣に剃髪の若い僧侶、円光は、つむっていた目を再び開き、ようやく目的地が近づいていることを確かめた。高速で移動する狭い車中という条件の悪さにも関わらず、既に何度目かになる精神の集中を解いた円光だったが、目的の波動は一向に拾える気配がない。それでも、初めに感じた悪い予感だけは、ほとんど確信と言っていい強さにまで成長しているのが何とも不気味であった。はたしてこの先に一体何が待ちかまえているのか。円光は、いつになく厳しい顔つきでハンドルを握る麗夢に、語りかけるきっかけも無いまま一人黙然と前を見つめた。
 一時間ほど前、鬼童の研究所を出てさあ榊を追いかけようと意気込む麗夢に、また新たな異変が襲った。アルファ、ベータというかけがえのない二匹の消息が、判らなくなっていることに気づいたのである。麗夢とアルファ、ベータは、常にどこかで互いの存在を意識することが出来る、一種独特のテレパシーを共有している。夢に入る能力を失った麗夢ではあったが、この絆だけは失わず、これまでずっと頭のどこかで二匹のことを意識出来たのである。ところが、鬼童邸を出たところで、いつの間にかその信頼の糸が切れていることに気がついた。これは麗夢にとって深刻なショックだった。夢に入れなくなった今、あの二匹ほど麗夢にとって支えとなりうる存在は他にあり得ない。いわば一心同体と言うに相応しい繋がりが、この少女とあの小さな毛玉のような二匹にはある。それが失われた事に気づいた瞬間、麗夢は耐え難い孤独感に呑み込まれ、全身を引きちぎられそうな不安と焦燥におののいたのである。
 この時、麗夢の訴えに円光も早速念を凝らして見た。円光にも、麗夢やアルファ、ベータの心を感じとることは出来る。今回の件でもそうだったが、そもそも円光がいつも麗夢達のピンチをタイミング良く助太刀できるのは、苦難の修行の末培った法力ので、彼女達の状況を察知することができるからである。だが、この時ばかりは、しばらく念を凝らした末に、円光も首を振ってこう麗夢に言うしかなかった。
「駄目だ。拙僧にも二人の波動が感じ取れぬ。よもやとは思うが・・・」
「そんな! あの子達に限って・・・」
 麗夢の絶句は、しかし、その内容とは裏腹に、内心の不安と絶望を反映したものになった。
「いや、拙僧もアルファ、ベータに限って万一などあり得ぬと思う。だが、何かよからぬ予感がするのもまた事実。いかがなさる麗夢殿?」
「・・・とにかく行ってみましょう。そのナノモレキュラーサイエンティフィックって所に」
 今の麗夢にはそれしか選択肢が無い。とにかく謎が多すぎて、何がどうなっているのかさっぱり判らない以上、その解決のきっかけになるかも知れないものがあるというのなら、今はそれに賭けてみる以外にやれることはなかった。
「・・・しかし、これもやはりあの死神の仕業であろうか・・・」
「・・・ええ」
 麗夢は躊躇いがちにあやふやな返事をして、愛車のハンドルを握った。
 こうして一時間余り。麗夢は道標に従って高速道路を降り、一番星が瞬きつつある空の下で暗くわだかまる山塊へ向けて、車を走らせ続けていた。
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異様な眠気に襲われつつ、異常なPCをだましだまし使っています。

2007-12-19 22:46:34 | Weblog
 昨日はお風呂で半身浴していたら20分ほどで熟睡してしまって、一応目覚めた後もなぜかとてつもなく眠くて、そのまま早々に寝てしまいました。普段より1時間は早い就寝でした。半身浴して本を読んでいると、体全体が温まってくる15分から20分くらいで眠気を催すのはいつものことで、ここ数日は本を読んでいる途中で眠りこけることも珍しくなかったのですが、昨日ほど眠いのは久しく覚えの無いことでした。今日も湯船の中で結局寝てしまったのですが、まだ眠気は昨日に比べれば軽く、こうしてブログの更新もしていられるほどには目が覚めています。これも寒さが本格的になりつつあるからでしょうか? そろそろバイクもチェーンを積んで走らないといけないな、と思っているのですが、果たしてこの冬は何回雪の中を走ることになるか、戦々恐々としているところです。
 さて、一時安定していたPCが、また最近異常な状態に陥ることが多くなってきました。突然勝手にリスタートしたり、そもそも立ち上げても無事立ち上がらなかったり、ついこの間難儀した症状が再現しつつあるようです。さすがにそろそろ、電源、ハードディスク、メモリ、と寿命がきてそうな怪しげなパーツを新調していくしかないのでしょう。一つ一つはそれほどの金額でなくても、積み重なれば結構かさばるもので、現在ならびにここ3ヶ月程度に予測される財布の中身を勘案し、ほかに使う必要のあるお金を吟味して、もっとも危なっかしい部分から順番に更新していくよりありません。ただ、できれば日本橋に出てショップを回って安いのを手に入れたいのですが、それだけの時間を捻出することがかなり大変です。せめて近所に、価格が少し高めでもいいから自作PCショップの一軒でもあればいいのですが、田舎町ではそううまくもいかぬようですし、となれば通販しかないのかもしれません。もう少しお金があったら、あっさり新しいのに更新してもいいのですが、しばらくはいろいろ苦心惨憺していくより無いようです。

 ところでこの間から週半ばと土日のどちらかで小説の更新をしていくように試行しています。そろそろクライマックスを迎えるにあたり、一回一回あんまり間が空くのもどうかと思ったもので、ためしにやっているところです。たまに忘れそうな気もするのですが、取り合えずしばらくは水曜日と土日どちらかの週2回更新でやっていくつもりです。

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UFO、信じたいなら心の中でそっと信じていればいいんじゃないですか?

2007-12-18 21:08:14 | Weblog
 今朝はそれほど寒くなく感じたのですが、いつもの国道の電光掲示板は2℃を示しておりました。2℃ですと、耐えられないことは無いまでも結構凍てつき感を覚えるものですが、それほどまでも無かったところを見ると、ようやく体が寒さに慣れてきているのかもしれません。知り合いの大学の先生に伺った話では、南極越冬隊に参加した同僚の先生は、しばらくすると氷点下何十℃という極寒の中でも特に防寒具など身に着けなくても、平気で過ごせるようになったそうです。多少の誇張はあるかもしれませんが、この話からすると、人間の適応能力というのは想像を絶したものがあるといえます。それからすれば、氷点付近の温度に慣れるくらいは造作もないと言えるかもしれません。
 もっとも、2℃といっても小数点以下は表示されていないので、多分小数点以下は切捨てないし四捨五入と考えられます。切捨てなら2.9℃、四捨五入なら2.4℃までは2℃の範疇ですので、その最大値付近の温度なら割合に寒さはやわらかく感じると思われます。わずか1℃未満の気温差でも、冬の朝バイクで疾走するには重要な温度較差といえるのです。

 さて、今日ニュースを見て、内閣支持率急落、という話に何をいまさら、と思った直後、もっとトンデモ話を見て、目が点になりました。時の官房長官が、UFOを肯定した、という話です。その前に、昨日民主党の参院議員が未確認飛行物体(UFO)に関する質問主意書を出し、今日、政府として存在の確認はしていないとする答弁書を出した、という話にまず唖然といたしました。質問するほうもするほうですが、答えるほうも答えるほうです。前後の経緯が全く不明なのでどういう話からそういうことになったのか、皆目わからないのですが、ただでさえ難問山積みの国政において、こんなやり取りに貴重な時間を費やしていていいのか、と激しく疑問に感じました。その上、官房長官が個人的にと何度も断りながらも、ナスカの地上絵を引き合いに出して、自分は絶対いると思う、などと記者会見という公式の席上でのたまうとは、正直信じがたいものがあります。
 私はUFOについて、どちらかといえば否定的な考えを持っていますが、いれば面白いだろうな、とは思いますし、否定しさるだけの根拠も持ちあわせていないので、否定も肯定もするつもりはありません。
 したがって、個人的にそれを信じようが信じまいがそれはその人の勝手だと思うのですが、そう思う一方で、これだけ子供達の理科離れが問題視され、怪しい新興宗教の類や胡散臭い占い師などが跳梁跋扈し、霊感商法など悪徳業者が後を絶たない今日的状況において、時の政府要職がこのような発言を軽々に行うのは、やっぱりどこかおかしいと感じざるを得ないのです。

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ホラーの基本はやっぱり怖くなければいけないと思います。

2007-12-17 23:00:15 | Weblog
 先日横浜出張の折、見つけた古本屋さんで手に入れた富士古文書資料「神皇紀」、現在少しずつ読んでおりますが、なかなかの難物です。本自体は昭和59年の出版なのですが、中身は大正10年の復刻版で、仮名遣いや漢字が旧いままなうえ、ややこしい神様の名前にルビがふってなかったりするもので、いちいちそれを調べたりしているので、遅々として先に進めないのです。とはいえ、まださわりではありますが、中身はまあまあ面白く、先々読みこんでいけば、あるいはネタになりそうな何かが見つかるかもしれませんので、それを楽しみに今しばらくがんばってみようと思っています。

 ところで、もう一冊、暇つぶしに軽く読んでみようと同じ店で買った文庫本があります。ちょっと都市伝説というものに興味があったこともあり、手にしたのが『渋谷伝説』(福谷 修著 竹書房文庫)という本です。裏表紙の紹介に曰く、『童謡「サッちゃん」に隠された真の意味を始め、さまざまな”都市伝説”を紡いで繰り広げられる〈心霊都市伝説恐怖譚〉。』とまあなかなか振るった文句で、興味を引かれたのでした。ただ、買ってから気づいたのが、これが映画先行の小説本だったこと。ホラー映画のノベライズは前に大変つまらない思いをしたことがあったので不安が募りましたが、どうもその不安は的中したみたいでした。
 ぜんぜん怖くない。
 内容が滑稽ですらあり、何が面白いのかさっぱり判らない。
 あとがきまで読みますと、作者の方は小説の出来にまずまずの感触を持っておられるようで、「映画と同じでも、より小説として想像することで恐怖度がアップするように工夫を凝らしたエピソードもある」とか、「単体としても一風変わったテイストのホラー小説に仕上がったのではないかと思う」とか書いておられます。映像を見てないので余計そう思うのでしょうが、どこを読めば恐怖度がアップしているのかよくわかりませんし、変わったテイストのホラー小説、というのは、怖くないホラーという意味なのか、と疑問符が浮かんでしまうくらい、私には理解の難しい話でした。結局裏表紙の煽りも大した意味は無かったみたいですし、都市伝説の何たるかも、期待したほどの内容もありませんでした。古本屋さんで半額セールで買ってなかったら、きっとかなり後悔していたでしょう。
 ただちょっとだけ気になるのは、ひょっとして私の感性がどこかずれていて、いまどきの若者の感性では、この本は十分怖いものだったりするのではないか、という疑問です。私は小野不由美や貴志祐介の小説では、行間から底知れぬ闇があふれ出てくるのが見えるようで、ページを繰るたびとてつもなく怖い思いをしたものですので、ホラー小説において恐怖に麻痺している、ということは無いはずなのですが、そもそもの感性がずれているとすれば、楽しめないのもやむをえないことなのかもしれません。
 まあ、他の方はどうあれ、私にとってはあまり娯楽の対象にもならなかった小説ということになります。作者の方には申し訳ないですが、早々に処分させてもらうことにいたしましょう。
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11.怪盗の賭け その3

2007-12-16 22:39:54 | 麗夢小説『ドリームジェノミクス』
 麗夢が円光と共に姿を消して半時間が経過した。鬼童は一人ディスプレイを見つめながら作業に没頭していた。何度か条件を変えてリトライを繰り返した末、ようやく画像修正に成功しつつある所だった。
 もっと気づくのが早ければ、と鬼童は思う。あの一瞬の映像に残った不審な男の影に気づいていれば、さっきも麗夢に対しもっと鮮明な画像を提供できただろう。今更言っても詮無い事ながら、鬼童は実験に気を取られて検証を怠っていた自分の怠慢を呪った。だが、その憤懣をバネに取りかかった作業は、ようやく実を結びつつある。
「よし、これでどうだ!」
 鬼童は試行錯誤の末編み出した、最後のコマンドを打ち込んだ。見る間に映像が補正され、ゆがみやぶれが無くなっていく。やがて鮮明な映像が現れたとき、衝撃を伴って、鬼童の頭に古い記憶が甦った。
(こ、これは! 高原先生・・・!)
 それは、鬼童が研究者としてスタートしたばかりの頃の事である。
 ちょうど心理学と大脳生理学、それに発展著しい分子生物学が互いに接点を求め、一つの大きな潮流を作りつつあった、その最初期。鬼童は城西大医学部が主催した大脳生理学会に出席し、自分より十近く年上のこの男に、並みいる研究者達の面前で、若かりし頃の自尊心を完膚無きまでに叩きつぶされたのである。
(こいつは、私の尊敬するジグムント・フロイトを名指しし、その後の精神分析学の方向を誤らせた、科学者の名に恥ずべきペテン師だと言ってのけたんだった・・・)
 一度思い出すと、後は自動的にその時の光景、科白の一言に至るまで、鮮明に甦ってくる。
 高原は質問に立った鬼童を轟然と見据え、一気にこうまくし立てたのだ。
『君はフロイトを尊敬していると言ったな。その後の精神分析学をねじ曲げたあの似非科学者を尊敬とは恐れ入る。確かにフロイトはそれまでの閉鎖的で非科学的な心理学を撃ち破る鉄槌にはなっただろう。それに、フロイト自身が大脳生理学と心理学との融合を求めており、結局周辺科学の発展が間に合わなかったと言う、生まれるのが早すぎた悲劇も認めてやろう。だが、当時でも充分に科学的思考に基づき、正しい推論をもって、将来の科学者のためのよき架け橋となる種々のデータや意見を残すことは出来たはずだ。ところが、かの有名な『夢分析』でも判るように、あの男が取り上げている夢は、ほとんど自分の見た夢だけだ。それも本当にごくわずかな数で、自分の考えに都合のよいものだけを取り上げて夢理論を組み上げるという欺瞞を行った。 
 今なら誰でも知っている「REM睡眠」だって、どうして夢の研究者たるフロイトは気づきもしなかったんだ? 理由は簡単だよ。夢を見ている人間の観察など、ただの一度もやらなかったからに他ならない。この一事をもってしても、あのペテン師には、客観的に物事を観察する、と言う、自然科学者なら基礎中の基礎と言うべき資質に欠けていたことが証明されよう。いやそればかりではない。結局あの尊大で傲慢な権威主義者は、自らを精神分析学の王と位置づけることに腐心して、自分の考えに合わない未来ある研究者達を弾圧し、有益かつ今日的批判に耐えうる理論の数々を葬り去ってきた。フロイトは言ったな。夢は表に出すには恥ずかしい抑圧された無意識の願望の現れであり、直接的な表現を避けるため、色々と加工され象徴化されるから、一見理解不可能な現れ方をする、と。だがそれは、あの似非科学者が生きた時代背景、キリスト教的宗教観その物ではないか。今日のように、あの時代とは比較にならぬほど「恥ずかしい」行為が公然と語られ、恥が恥でなくなった現代社会においても、全く同じように無意識の欲望が抑圧され、それが夢に象徴化されて出てくるのだと本気で言えるのか? 尖ったものをみんな男根にしてしまうような根拠のない象徴化が通用するのかね? 君はどう思うんだ。教えてくれたまえ・・・』
 鬼童は、この高原のフロイトに対する弾劾に、何ら有効な反論を加えることが出来ないまま、うち萎れて会場を後にしたのだった。
(確かにフロイトには高原の言うとおりの問題があった。だがその大半は時代的制約と言うものであり、あの時代に、精神、そして夢に対して積極的にアプローチを掛けた功績は無視できない巨大なものだ。だからこそ僕は夢の研究にのめり込み、フロイトの名誉を回復しようと思ったんだ)
 その後の鬼童は、高原の挑戦的な言葉に反発するように好んで危ない橋を選び続け、遂に夢見人形を巡る実験で、琴線に激しく叶う一人の少女と出会った。
 綾小路麗夢。
 実験対象と言うだけでなく、その後の人生に大きな影響を与える存在を知ることで、今や鬼童の夢に関する理論は飛躍的に強化されて来たのだった。
 。だが、単なる脳生理学者に過ぎないはずの高原研一が、どうして今、このような不可思議な現れ方をするのか。ひょっとして人違いの可能性もある。鮮明さを求めるばかりに画像に処理をかけ過ぎ、予想もつかないノイズを呼び込んで、一見そう見えるように加工されてしまった可能性も否定できない。
 早速その所在を突き止めようと、ネットの検索エンジンに高原の名前を打ち込んでみた鬼童は、現れたリンク先に、難なく一つのベンチャー企業を見つけることが出来た。
「ドリーム・ジェノミクス社中央研究所長? 随分出世したものだな。ええと住所は、茨城県・・・、ん? この場所って、確か・・・」
 慌ただしく再びキーボードを叩いた鬼童は、在所名までピッタリ一致したさっき調べたばかりの住所を見つけて驚愕した。
「ナノモレキュラーサイエンティフィックの隣じゃないか! まさか、いや! これは大変だ!」
 周辺捜査のつもりが、いきなり核心をついたかもしれない。あれから数年、一介の研究者に過ぎなかったはずのあの男が今一体どんな危険な力を持っているのか。その想像に戦慄した鬼童は、大急ぎで白衣を脱ぎ捨て、愛用のジャケットをひっ掴むと、研究室を飛び出していった。

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年賀状完成! 昨年より2週間早い、驚異的なハイペースです。

2007-12-16 22:34:08 | Weblog
 今日は年賀状の作成と印刷に明け暮れました。しばらく使ってなかったので、プリンタのインクカートリッジが軽く目詰まりを起こしており、そのクリーニングに思いのほか時間と紙を費やし、ついではがき印刷でちょうどいい位置に画像が来るよう印刷位置の微妙な設定に時間と紙を費やし、どうも画像の色が気に入らないので、少しでも満足できる出力結果を得るべく時間と紙を費やし、まあまあ満足して連続印刷を開始し、ほどよく動き出したと思ったらプリンタが紙詰まりを起こして時間と紙を費やし、などなど、とにかくすったもんだして、結局1日がかりになってしまいました。すんなり行くときは拍子抜けするくらいすっとできてしまうのに、ちょっと引っかかるとたちまち無限に時間を喰らうというていたらく。最終的には、午前中の苦労は一体なんだったの? と首を傾げたくなるほどスムーズな印刷が実現できましたけど、できれば最初から苦労はしないでできたらありがたいといつも思います。ま、これでリアル社会向けの年賀状はできましたので、あと筆ペンで宛名書きと一言メッセージを添えて年賀状としてポストに投函するだけです。まあ今週中には片付くでしょう。昨年は年賀状完成が28日、宛名書き完了して郵便局まで持って行ったのが29日でしたから、今年の段取りは格段に改善されたといってよいでしょう。こうして余裕を持って諸事片付けていけるようになってみると、昨冬まで当たり前のように続けていた同人誌作成、という作業にどれほど多くの時間と手間を費やしていたのか、改めて判るというものです。だからといって、もうやめた、というわけではありません。まだもう少し書きたいネタもあることですし、肝心の『ドリームハンター麗夢」が復活の兆しを見せ始めていることでもあり、来年は、ここ1年すっかりご無沙汰の同人誌作りも来年は復活させたいと思っています、ただ、だんだん使える時間も無くなって、体力も衰えてきつつあるところですので、今まで以上に工程を綿密に計算し、早め早めに作業していかないと、多分できるものもできないでしょう。このあたりは来年の主要課題になるでしょうね。

 というわけで、当面のところは、ここで小説を出していきます。「ドリームジェノミクス」、ようやくお話の流れが急転して、キャラクター達が激流の只中に飛び込んでいくところです。ここからはラストまで一気に話を運びたいと思います。

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そろそろ年賀状作らないと、と思うときになって、機械が故障したりするのはなぜなのでしょう?

2007-12-15 23:40:39 | Weblog
 PCに繋いでいるペンタブレットが急におかしくなりました。画面サイズとペンタブの描画サイズとを同じように設定してあるのに、ペンタブの端から端までペンを走らせても、なぜか画面の5分の1くらいの面積しか、カーソルが移動しないのです。何か設定をミスったかおかしくなったか、と思ってタブレットの設定を見直してみてもおかしいところは見つからず、結局いろいろ試した末、タブレットをマックのほうに繋いで試してみました。すると、まったく問題なくペンの動きにカーソルの動きが追従し、走査面積も画面と同じで、ペンタブ自体は完全動作していることが確認できました。このことから、怪しいのはPCのドライバと考えられるのでいったんドライバを削除して、新しくペンタブのサイトから落としてきた最新ドライバをインストールすることにしました。まだ入れてませんが、多分何とかなることでしょう。
 うちはマックとウィンドウズを併用してますから、ペンタブのように双方共通で使っている機器もあり、どちらか一方で動きが変になっても、こうしてクロスチェックすることができます。でも、世の中の大多数の家庭では、普通PCは一台なんじゃないかと推測するのですが、そういう場合、こういう事態に遭遇したら一体どうやって問題解決を模索するのでしょうね。まあそもそもそういうときにいちいち自分で何とかしてやろう、などと考えたりせず、買ったお店なりに相談などいったりするのかもしれませんが、これだけPCが普及してしまうと、そのサポートも結構大変なのではないか、と思います。
 うちでも、PCではないですが、実家の母から年賀状印刷用の簡易プリンタが、インクカートリッジを入れ替えた途端動かなくなった、と電話がかかってきました。とりあえず電源を切り、カートリッジをいったん外してから取り付けなおして、改めてコンセントを繋いでスイッチを入れるよう電話口で指示したところ、何とか問題なく再起動できたようで、その後何もいってこないところを見ると無事印刷できるようになったものと思われますが、PCや関連の周辺機器等で、同じようなことが全国的に結構な数発生しているのではないでしょうか。特に今は年賀状のシーズンですし、一年ほこりをかぶっていた機械を取り出して、うろ覚えの操作でうまく動かず四苦八苦している我が母のごとき人が大量発生しているんじゃないか、と想像いたします。
 ・・・そういえば、うちの年賀状がまだだった。早く作らないと、家人に怒られてしまいます。さて、うちのプリンタは無事動いてくれますかどうか。

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光る猫、って、何かそれだけ聞くと怪談めいた話ですが、一応科学のお話だそうです。

2007-12-14 23:18:56 | Weblog
 韓国のキョンサン国立大学の研究チームが、猫の皮膚組織の蛍光タンパク質を遺伝子操作して、紫外線を当てると光る猫を作り出したのだそうな。夜光るのは猫の目だったわけですが、これで全身ぼうっと光る、それこそ猫又か何かのような猫が生まれたことになるんでしょうか。蛍光という現象はホビーから科学分析分野まで幅広く利用されておりますが、この猫はいったいどういう目的で光るようにしたんでしょうか。蛍光によるマーキングで人間の遺伝病研究に役立てられそうだ、という大まかな話はニュースに書いてありますけど、もう少し具体的な将来の見込みを記載してほしいものです。
 とはいえ、ちょっと考えてしまうのは、この話、確かなものなのかどうか、という点。韓国にはES細胞で世界的スキャンダルに発展した前科がありますから、こういう話を聞くと、まず最初に浮かぶのは、それはすごい、という前にその話本当? という疑問符なのです。こうして、一応疑いの眼でニュースを読む自分に気づいてみると、つくづく、あの事件は大きな傷跡を残しているのだ、と改めて感じます。韓国もあれで多少は学習してくれていればいいのですが、信用できるか否かはもう少し様子を見てみないと判らないのも厄介なところで、あの捏造だって、最初は世界初の画期的な成果だ、ということで祭り上げられていたのですから、しばらくは評価も保留せざるを得ないでしょう。まあ、本当ならいいですよね。一応それを祈って、続報を待とうと思います。

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東海道在来線の旅がまだできるかどうか、最近ちょっと自信がありません。

2007-12-13 21:52:06 | Weblog
 遠征帰りで久々の職場には、メールと書類が山と溜まって、私の処理を待っておりました。まあほとんどはどうでもいいものばかりなのですが、およそ1%くらいの濃度で、きわめて重要なものが混じっていたりするので、むげに全部を捨てたり適当に読み流すわけには行かないのです。メールには、幸いスパムをはじく機能がサーバとメールソフトに備わっていて、さほどその山を処理するのは苦労せずにすむのですが、書類のほうは自動処理システムなどもちろん存在しないので、いちいち表書きを見て、中身まで見る必要があるかどうかをチェックする必要があります。迂遠で面倒ですけど、まあしょうがないですね。昨日、テレビに人を案内したりお茶を運んだりするロボットが映っておりました。いよいよ世の中は「夏への扉」を開けつつあるのだな、と感慨深いものがありましたけど、オフィスにおいては、そんなお茶汲みよりも、山のような書類を重要度で適切に分類し、不要なものは処分してくれる優秀な秘書ロボットこそ求められるのではないでしょうか。少なくとも私はそんな一台が欲しいです。できれば外観にも凝っていただいて、あのテレビのような子供が宇宙服を着ているみたいな格好ではなく、やっぱりすらりとした美人秘書っぽい姿をしていてくれたら、素直にうれしいと思います。

 さて、そろそろ12月も半ばに差しかかろうか、という頃合で、年末最後の一大イベントに向けた準備にぼちぼち取り掛かっております。といっても、有明に行くつもりはありません。12月29日の晩に、東京に行く用事があるのです。そこで、青春18切符を使って29日の早朝からほぼ1日がかりで上京し、その夜にセッティングしたイベントに参加、南千住の安宿に1泊の後、翌日30日また1日がかりで帰宅しようという、なんだか東海道線の電車に乗りに行くのが目的みたいな計画を立てております。もちろん東京までの往復運賃をケチりたいがための貧乏旅行なのです。それなら帰りも29日の夜行にできれば完璧だったのですが、さすがによる年波には勝てず、10年前なら本気で考えた強攻策も、今では到底検討の俎上にすら上げる気もありません。更に、最近腰の調子が今ひとつですので、ホテルで1泊するとはいえ、果たしてそんなことにわが身が耐えられるのか、疑問な点も無きにしも非ずです。年をとる、というのは、こうして少しずつ無理が利かなくなっていくことなのだな、と最近つくづく思います。
 イベントについては主だった方々にメールでお知らせしましたけど、どなたか関西からイベント参加を希望される方がおられたら、青春18切符がもう一人往復分あまっていますので、一緒に東海道線往復20時間鉄道の旅を楽しんでみませんか?(
笑)。1人ではしんどいことも、2人いれば案外楽にこなせるかもしれませんし。


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11.怪盗の賭け その2

2007-12-12 22:57:25 | 麗夢小説『ドリームジェノミクス』
 興奮気味に早足で玄関口まで到達した高原は、そこに待つ初老のひげ面を見て、一瞬だが確かに虚をつかれた。確かに追い返したはずのよれよれなレインコート姿が、そのままそこに立っているではないか。ふと、海外有名刑事ドラマの主人公を連想して、高原は思わず失笑を漏らしそうになった。さっき吉住を操って適当にあしらったのだが、最後の場面で蘭達3人のいらざる手出しに離れざるを得なかった。吉住にはうまく追い返すように言い残してきたが、それが何らかの齟齬をきたしたのかもしれない。とはいえ、こちらは二度目でもあちらは初対面だ。高原は気を落ち着けると、仏像のような微笑みを口元に浮かべ、その警視庁警部に歩み寄った。
「お待たせしました。私はこのDG社中央研究所長の高原と言います」
 榊は一礼して警察手帳を取り出すと、改めて自己紹介した。
「私は警視庁の榊と言います」
「で、一体警視庁の方がなんのご用ですか? 今取り込み中なので出来るだけ手短に願いたいのだが・・・」
 なるほど、かなり苛立っているようだな。榊は、一見物腰柔らかく見える高原の外観に、切迫した雰囲気を感じ取った。実験の途中だったのだろうか? たまに鬼童のところに行くと、こういう雰囲気をたっぷりまとって応対されることがある。榊はそれを敏感に感じ取って、とにかく手早く用件だけ済まそうと心がけた。
「実は先日、警視庁宛に怪盗二四一号、通称夢見小僧で知られている窃盗犯から犯行予告状が届いたのですが、その件について少しお話を伺えたらと思いまして」
 また白川蘭か! 高原はさっき重要実験施設に置き去りにしてきた娘の小面憎い顔を思い出した。が、細心の注意で心の内にその姿と瞬間的にわき上がった感情とをしまい込み、素知らぬ体で榊に言った。
「それで? 我が社と何か関係があるんですか?」
「その予告状に記された犯行目的が、御社の研究資料にあったんです。御社には予告状は届いていませんか?」
 なるほどそう言うことか。高原は、ようやく榊が「また」現れた事情を理解した。警視庁に届いた予告状を、一応確かめに来たというわけだ。それもたまたまナノモレキュラーサイエンティフィックへ捜査に来ていたために、ついでに立ち寄ったと言うことだろう。まさか何か感づかれたかと構えていた高原は、その取り越し苦労にほっと心の中で溜息をついた。
「いや、大じょうぶです。うちにはそんな予告状は届いておりませんよ。何かの悪戯ではないのですか?」
「そうですか、やはり来てませんか。いや、お忙しいところお邪魔しました。ですが、もし万一何かありましたら、必ずご一報下さい」
「判りました。必ず連絡します」
 高原はいつもの癖で握手の右手をさしのべた。榊も釣られて右手を差し出す。そして、あれ? と思った。ついさっき、かわしたばかりの握手と雰囲気がそっくりだったのだ。それも、ナノモレキュラーサイエンティフィック代表取締役社長、吉住明と交わした初対面の時の方の握手と。妙なこともあるものだ、と神妙な顔つきになった榊だったが、とにかくこれ以上長居は無用と、高原に見送られて玄関を出た。
 駐車場の車に戻った榊は、ここでも入り口で手渡されたバッチを思い出して、襟元に手を伸ばした。ところがちょっと建物の上階に気取られた隙に、あっという間もなくバッチが榊の手からこぼれた。丸いバッチは絶妙の角度で着地したらしく、たちまちころころと転がって、駐車場脇の花壇に隠れた。やれやれ、と榊は花を踏まないように注意しながら、転がっていったバッチを探した。そこで、ふと榊の手が止まった。何か見覚えのあるものが、その花壇の中に見えたのだ。榊はバッチを後回しにしてその物体に手を伸ばした。玄関の警備員に背を向け、何を拾ったか見えないように気を配りながら、そっとそのものを内ポケットに滑り込ませる。そして何喰わぬ顔でバッチを拾い上げ、じっと見つめている警備員に、照れくさそうな笑顔を向けた。警備員は、ふん、とあからさまな軽蔑の視線を投げかけてきたが、榊が懐に飲んだものにはまるで気づいていないようだった。
 榊はそれでも慎重に車に移動し、警備員達が近寄ってこないことを確認してから、車をスタートさせた。来た道をまっすぐ戻って正門でバッチを返し、ゆっくりと車を走らせる。榊は、しばらく走ってDG社の建物が見えなくなるところまでくると、いったん車を止め、改めて誰一人追いかけてくる様子もないことを確かめてから、改めて思い切りアクセルを踏み込んだ。
(まさかとは思うが、とにかく確かめてみよう)
 工業団地の出口まで降りると、榊は逸る心を抑えながら携帯電話を取り出した。


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どうしたら整理上手になれるんでしょうね。

2007-12-12 22:54:48 | Weblog
 ようやく帰宅いたしました。というような始まりの日記を今年は何度も書いたような気がするのですが、どうもこのところお出かけが多くて結構大変です。特に今回は仕事時間もアフター5もとにかく密度が高くて内容が濃くて、普段の倍以上疲れた気がしました。その分得られたものは大きかったですし、これからのことを考えると、この数日間はきっと欠くことができない必須の時間だったとあとで振り返ることになるのは間違いないと思われます。毎日さまざまな仕事をしておりますが、こういう充実した、後々まで多大な影響が予測される仕事内容というのは、そうそうないような気がします。今回の成果はまだ小さな種に過ぎないものがほとんどなのですが、きっと早いものは来年早々にも芽を出して、来年の今頃、とてつもない充実した内容の濃い一年だったと振り返る成果を生み出してくれることでしょう。今から来年の活動が楽しみです。

 さて、どこに行ったものやら、この1週間ほど、愛用のUSBメモリが行方不明で、今回「ドリームジェノミクス」を持っていくのもできずにいたのですが、手軽でそこそこ大容量でどこでもとりあえず使えることの多いので重宝するこの種の記憶媒体も、ここまで小さくなると今度はなくさないように気をつけるのが大変になってきます。特に私のように片付けとか整理とかが下手で、机の周りが常に混沌状態にあると、あれくらい小さなものは容易にまぎれてしまい、往々にして行方がわからなくなってしまいます。これまでも何度か見失ったこともあったのですが、そのつど数日後にはひょっこり現れたりして、何とか事なきを得てきました。そのためか今回もいずれ出てくるだろうと高をくくっているのですが、以前初めて買ったUSBメモリは紛失以来ついに姿を見せることがなく、その中のデータとともにいずこかに消えてしまいました。それに懲りて、今回のメモリにはとりあえずこれにしか入っていないデータ、というのはないはずなのですが、その分あちこちのパソコンにデータが分散しているので、万一二度と出てこなくて新調したとしたら、同じ状態を復元するのに相当な手間が必要になってきます。なまじメモリ容量が大きくなってきているがゆえにこんな苦労も新たに生じてきているのですが、日ごろから身辺の整理がきっちりできていればこのような苦労を背負い込むこともないはずで、どうして自分の周りはエントロピーがひたすら増大するばかりなのか、本当に不思議で難儀なことだと思います。

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迷いに迷って無駄な歩きをいっぱいしてしまいましたが、成果としては十分でした。

2007-12-11 23:59:14 | Weblog
 今日は結局5時に目が覚めてしまい、午後の仕事は襲い来る眠気との戦いでした。それでも、仕事が片付いたとたん目が冴えてくるのだから現金なものです。
 そんな状態だった為か、普段でさえ重度の方向認識障害を患うというのに、更にその症状が悪化して、道を間違えてばかりおりました。それも比較的道を知っているはずの場所で、なぜか必ず目的の方向と真逆にベクトルを描いてしまうのです。ここまできたら、もう最初から、どっちだったかと迷ったりせず、「こっち」と思った方向と逆に進むことを選択するべきでした。特に最後の最後で、ホテル最寄り駅である南千住の駅を降りるまでは何とか良かったのですが、ここですんなりホテルに向かえばよいものを、たまたま車窓からいつも目に付いていた、つくばエクスプレス開通に伴い開発されたと思われる、郊外型のショッピングセンターにツイふらふらと行ってしまいました。それでも行きはきらびやかにライトアップされた看板を目標に歩いていたので迷うことなく到達できたのですが、テナントの一つであるスーパーの成城石井で買い物を済ませ、店を出たところで道が分からなくなり、熟慮の末選択した方向がまたきっちり逆方向で、しばらく林立する高層マンション街で迷ってしまいました。結局360度ぐるりと回って一旦元の店に戻り、改めて反対方向に歩くことで危地を脱したのですが、下手をすると永遠に見知らぬ街をさまよう羽目に陥っていたかもしれません。なんにせよ無事ホテルにたどり着けてよかったです。
 今夜はなんとしてもゆっくり寝て、明日こそ迷わず帰宅したいです。
 最後になんともばかばかしいことにはなりましたが、それを除けば、今回の出張は、横浜や中央卸売市場での「正規の仕事」も、某所秘密危地における「裏の仕事」も、どちらも十二分な成果を得ました。これをもとに、明日からの展開をまた改めて楽しもうと思います。



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今日の仕事先、横浜で思わぬ収穫でした。

2007-12-10 22:44:07 | Weblog
本日は横浜市の弘明寺という町で一仕事しました。少し時間があったので、町の名前の元にもなっている弘明寺を参詣しました。そういうお寺がある、という以外予備知識なしで行ったのですが、こじんまりとした境内からは伺い知れぬ歴史と伝統を誇る古刹であることに少々びっくりしました。縁起には奈良時代創建とありましたが、事実だとしたら本場奈良の古寺にも匹敵する古さを誇るお寺です。代々源氏の信仰厚いところともありましたので、少なくとも鎌倉時代にはあったのでしょう。それも浄域は遥かに大きかったに違いありません。ご本尊の観音様を配管する時間もなかったのでお賽銭を納めてお祈りし、なぜかおみくじがあったのでそれだけ引いて後にしましたが、仕事先でこういうお寺を見つけたのは、ちょっと得した気分でした。
 ちょうど昼食の時間だったのでどこで食べようかと迷ったのですが、結局門前町の風情を色濃く残す商店街の入り口右側にあった鄙びた中華料理やののれんをくぐりました。時間が時間だったのでほぼ満席だったのですが、その全員がおばあちゃんとおじいちゃんだったのにまたおどろき、とはいえ今更Uターンする訳にも行きませんので席に着き、名物らしい観音ラーメンなる一品を注文しました。かなり甘めのスープに柔らかめの麺で、やはり客層を意識した味付けなのか、とも思いましたが、まずいという訳ではありません。好みの問題でしょうけど、私は割とおいしいと感じました。
 その後仕事先に移動するため商店街を通り、その出口付近に古本屋を発見して思わず入ってしまいました。私は出先で古本屋を見つけると寄らないで済ます事ができない性分で、それで空振りだった事はあまりなく、何か出物を見つける事が多いような気がいたします。今回も時間がまだ少しあったのを幸い、迷わず入り口を潜ったのでした。
 さほど広くもない店内をそぞろ歩く事数分、今回もどうやらジンクスは生きていたようで、一冊の古い本を入手いたしました。『富士古文書 神皇紀』という、正統派の歴史学からは全く相手にされない昔々の歴史書です。いわゆるトンでも本のはしりみたいな本ではあるのですが、いわゆる紹介本で内容の概略を触って以来、一度読んでみたいものを思っていた一冊でした。定価1万2千円の本を3000円で売っていたのですが、さらにそのときは歳末セールとの事でその値段をさらに半額に割り引いてくれましたので、たった1500円という事で、早速そのまま購入しました。おかげでこの年末年始は退屈しないで済みそうです。
 さて、明日は早朝から東京の中央卸売市場である太田と築地をはしごします。とにかく朝が早いので、寝坊しないようにもう寝ます。

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唐突ですが、今日は東京に居たりします。

2007-12-09 19:05:17 | Weblog
 今日は明日からの横浜での仕事にかこつけ、色々こっちでやりたいことがあったので、早めに出てきました。関空ー羽田間にスターフライヤー就航記念価格とかで安く飛行機に乗れたのですが、そうして作った時間で、昼間は取材をかねて中央線沿いを歩き回り、今は東京某所の『秘密基地』にきてこれも色々雑談したり案を練ったりしながら、こんなふうにパソコンを借りてブログ更新なぞもしております。
 いずれ年が明ければ、その成果がいくつか表に出てくることもあるだろうと思います。その時を私自身も楽しみにしつつ、とりあえず今日のところはここで止めておきます。一応今回はネット環境を確保してますので更新は出来るはずですが、うっかりして小説原稿データを忘れてきてしまいましたので、そちらの更新はまた帰ってからやります。せっかく佳境に入りつつあるところなので、そのタイミングを大事にしたいのですが、水曜日には帰りますので、それから更新かけたいと思います。

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