かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

マウスとうとうお陀仏に。代わりに急場を故障もちのものをメンテして使ってみました。

2009-06-17 22:27:30 | Weblog
 具合のおかしかったマウス、だましだまし使っていたのですが、今朝、とうとう完全に動かなくなりました。ボールを転がしても何度クリックしても、画面のカーソルが固まったままになり、USBを差し直したりしても、新しいデバイスが見つかりました、というような表示もなく、ぜんぜん認識されている様子がありません。しょうがないのでこれはもう寿命とあきらめ、コードやらなにやら詰め込んであるリンゴ箱から、以前使っていた光学マウスを取り出しました。光学マウスがありながら何故ボールマウスを使っていたかというと、このマウス、購入当初は快適に動いていたのですが、いくばくもたたないうちに左ボタンが一回しかクリックしていないのに勝手にダブルクリックするようになり、それが次第に頻繁になってきたため、これは使い物にならない、とお蔵入りならぬ箱詰めにしたのでした。もともと確かあの当時で千円もしなかったものですし、安物買いの何とやら、というやつだろう、と反省しつつ、今回壊れたボールマウスを改めて出してきて、使っていたのです。でも、さすがにマウス無しでは日常の作業がどうしようもないので、不調は承知でもう一度光学マウスを取り出したのでした。これが本当に駄目なら、あとうちにはマックで使っていた1ボタンのマウスしか残っていません。USBで繋げて問題なく動くことは確認済みなのですが、何せボタンが一つしかありませんから、左クリック相当の動きしかできません。急場をしのぐくらいなら我慢も出来ますが、ウィンドウズでずっと1ボタンで我慢するわけにも行きませんから、ぜひともここはこの光学マウスにがんばってもらいたかったのです。
 シングルクリックが勝手にダブルクリックになる原因としては、ソフトの問題とハードの問題があるとのことです。確か以前不調になりたての頃は、まだ存在した公式サイトからドライバを入手して試したこともあったような記憶があるのですが、恐らくそれで駄目だったから使うのをやめたのでしょう。今更サイトを探すのも億劫ですし、そもそもメーカー名も不明ときては、今更いかんともしがたいです。で、原因は左ボタンの異常だろう、とあたりをつけ、分解してボタンの部分を見てみました。といってもねじ一個はずしただけで、カパっとマウスのガワが上下に分離したのですが、そうやって露出したボタン部分を見ても特にさび付いていたりというような異常は肉眼では確認できません。とは言え、せっかく開けたのですから、少しはメンテナンスもしようと、薄紙に接点復活剤を染みこませ、そっとボタンの接点部分を拭った後、乾いた薄紙で更に拭いて、なるだけ復活剤を拭い去ってから改めて組みなおしました。
 で、結果はというと、残念ながら完全には良くなりませんでした。今でも10回に1回くらいは勝手にダブルクリックするようで、PCをいじっていると予想の付かない動作をすることがあってちょっと驚かされます。ただ勝手な動きをする頻度はずいぶん減った感じがしますし、何よりクリックしてドラッグする、なんてことが問題なくできるようになったのは収穫でした。接点をきれいにして治るものなら、そのうち改めてもう一度分解掃除をしてみようかと思います。それで駄目ならあきらめも付きますし、その時点でちゃんと使い勝手の良いマウスを、それなりの投資をして購入するようにしようと思います。

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頭上にも虹が出来ることがあるんですね。

2009-06-16 22:30:38 | Weblog
 今日も午後から南の空に分厚い雲が張り出し、ごろごろと不気味な重低音が窓を震わせましたが、結局一滴の雨も降らずに一日が終わってしまいました。思い切り地面を打ち据えるような激しい雨を見てみたかったのですが、それは当分お預けのようです。
 代わりに、ちょっと面白い空の現象を見ました。



 ちょうど午後0時、空の真上に、サークル状になった細い虹が見えていたのです。
 残念ながら撮影場所に恵まれず、サークルも切れていますし余分な電線も入っていますが、薄い雲に覆われた空に輝く太陽を取り囲む輪っかがあるのが見て取れます。
 雲に覆われているとは言え、お日様を直接撮影するので、携帯のデジカメではたして捉えられるのか疑問ではあったのですが、想像以上にちゃんと写っていました。よく見るとちゃんと虹と同じく光の色が分かれているのも見えますし、ほんと、最近のデジカメの進化は大したものです。
 いわゆる、お日様の笠、というのがこれになるのだろうか、と思いながら見上げておりましたが、カメラを持ってン十年、初めてこのような気象現象を目の当たりにして、ちょっと得した気分です。

 

 それから、ようやく咲いたところに出くわした、海王丸の花です。真っ白の花弁に薄いクリーム色のおしべという、色合いは清楚で控えめな花ですが、本体を覆い隠すほどの大きさ自体が派手ともいえる見事な花です。青王丸、緋花玉、雪晃といった美麗な花たちと同時に咲いてくれたらもっと素晴らしいのですが、なかなかそういう光景はお目にかかることが出来ません。いずれ温室を建てて、栽培する本数や種類も増やして行けば、5月から6月まで、百花繚乱絢爛豪華なサボテン達の艶姿を楽しむことが出来ることでしょう。それまでは一つ一つの花をそのときそのときに愛で楽しむことにいたしましょう。

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どうもニュースが胡散臭いものばかりな気がします。

2009-06-15 21:39:19 | Weblog
 今日は昼間は真夏を思わせる蒸し暑さでしたが、夕方になって、南の山からおどろおどろしい雲が沸き立ち、ごろごろと不気味なうなり声が鳴り響いてきました。気象庁サイトの降雨レーダー画像を見ますと、紀伊半島の真ん中をかなり強い雨が通過中です。多分この雨の一番端っこが、私の目に入ってきているのでしょう。幸い雷も雨もなく、風だけが強めに吹いて結構涼しくなりましたが、これからこんな風に雷や夕立に見舞われる季節が始まったのだな、と感慨深く空を見ておりました。これで蝉が鳴きだしたら完璧なのですけど、まだカッコウが深い音色でのんびり鳴いているのが聞こえるばかりです。

 さて、どうも胡散臭いニュースが相次いでいるような気がします。まずは厚生労働省局長の逮捕の話。別にこの局長さんと知り合いでもなんでもないのである意味どうでも良い話なのではありますが、これ、本当に「犯人」なんでしょうか? 史上4人目の女性局長で上下に人望厚く、仕事も出来て、将来の有力な次官候補に上がっていたそうですが、省として二人目の女性次官、それも高知大出身、ということで、ひょっとして妙な圧力があったか何かのわなにはめられたかしたのではないか、と邪推してみたりもします。厚生労働大臣が、インタビューで既に過去の人扱いっぽい話をしていたり、早速「手段を選ばないタイプ」とネガティブな報道が出てきてみたり、いかにもこの人が不正を働きました、といわぬばかりな情報が既にあふれているのですが、捜査はまだ始まったばかりですし、とりあえず局長自身全面否定しているのですし、犯人扱いで情報操作しているように見えるのはあまりにあざとい気がするのです。いずれ明らかになるにせよ、現段階での扱いはもっと慎重であってしかるべきではないか、と私などは思います。
 もう一つ、胡散臭いのは各地で「降り」注いでいるらしいおたまじゃくしの話。でも誰一人空から落下してきている所を目撃した人とてなく、きわめて限定されたところに散らばっているのが発見されただけとあっては、まずそれが本当に空から降ってきたのかどうかを疑ってかかるのが常識的な見方じゃないのか? と私には感じます。静岡の例なんて、発見した教師が「サギが吐き出したのかもしれない」とコメントしていて、そのことをしっかり記事にしているのに、その数行しか離れていないところに、「空からオタマジャクシやカエルが降ったとみられる珍現象があった」なんて書いているのは何をかいわんや。あんたは東○ポか? とその全国紙に突っ込んでやりたくなりました。不思議で面白い現象を報道するのは別に悪くないとは思いますが、判らないことは判らないでいいじゃないですか。何で勝手に空から降ってきたことにしてしまうのか。全く、報道が創作してどうするというのでしょうね。

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どうして正しい知識が可能な限りのルートで情報として即伝えられないのでしょう?

2009-06-14 21:19:42 | Weblog
 連載小説「アルケミックドリーム 向日葵の姉妹達」、今日の更新でやっと麗夢らしい活躍のシーンが出てきました。別に出し惜しみしているわけではないのですが、割とこういうシーンはこれまで本当にクライマックスになるラストの方でしか描かないことが多かったような気がします。あっさり敵の正体もバレていきなりクライマックス? な感じではありますが、ここはまだまだ中盤に過ぎません。分量としてもそろそろ半分きたかな?という頃合で、本当のクライマックスはこれからですので、ご存じない方はお楽しみに。なんといっても、本作の主役はシェリーちゃんとロムちゃんであって、麗夢ちゃんでは無いのですから。
 
 さて、まだ新たな感染者がどこそこで出た、というニュースが相変わらず垂れ流されている新型インフルエンザですが、関西で一時学校閉鎖した高校には、相当な誹謗中傷があったと聞き、なんだかな、と思いました。まるで感染した人が悪いかのごとく喧伝され、学校ぐるみの犯罪であるかのように扱われたのは、明らかに行きすぎでしたでしょうし、その風潮を助長したマスコミや、その報道に悪乗りしたかのごとくひたすら意味の無い露出を繰り返した厚生労働大臣などは己の所業を大いに反省するべきでしょう。でも結局、スーパーの入り口で消毒薬をスプレーされたりマスクしてないと電車に乗ったり町も歩けなかったり、という一般市民の不安と不審が誹謗中傷にも繋がったのでしょうし、マスコミもそんな国民の不安に付け込んで煽り立てることにしたのでしょう。国立感染症研究所感染症情報センターの研究官は、「感染した人が悪いのではない。感染症を不必要に怖がる必要はないし、『正しく』怖がるべき。病気に対して粛々と対応していけばいい」と講演されているそうですが、この「正しく」怖がるためには「正しい」知識と情報が必須なわけで、それを提供する役目は政府であり、厚生労働省であり、マスコミ各社であったとするならば、彼らはほとんど機能していなかったようにしか見えません。もちろんそれなりの報道なりはあったとは思いますが、それよりも遥かにヒトの危機感を助長するような話ばかりが伝わってきたように感じます。
 感染の主要地域が南半球に移り、WHOも世界的流行は避けられないとしてパンデミック警戒レベルを先ごろフェーズ6に移行しましたが、秋以降また流行が北半球に戻ってくるまでに、政府もマスコミも研究者も今回の戦訓分析と今後の対策を急ぐ必要があります。そのときにこのウィルスが強毒化していなければよいのですが、万一ということもありますし、鳥インフルエンザだっていつ襲ってくるか判らないのですから、備えあれば憂いは無いはずで、関係者や専門家なら私のような無責任な素人がぼそぼそ言わなくても当然考えていることでしょう。
 でも、きっともう少し立つとマスコミも永田町も衆院選一色に染まるのでしょうし、本当に有効な対策が練られて実行に移せるのかどうか、という不安はなかなかにぬぐえません。マスコミは相変わらずですし、厚労省は将来の次官候補、というエリートな局長さんが逮捕されてまたぞろがたがたしそうですし、こんな不安な面ばかり見せられますと、冗談抜きでクーデターなんてこともありうるかも? と思ってしまいます。

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08 悪夢 その2

2009-06-14 11:11:41 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 画面の映像は、時折稲光のように白い光が瞬間的に明滅を繰り返している。一体何を、と麗夢は改めて問いかけようとしたその時、暗い画面に、突然鮮やかな色彩が浮き上がった。
「し、シェリーちゃん!」
 麗夢も、まさかここでシェリーの姿を見せられるとは思わなかった。
 仰天して食い入るように見る映像の中で、シェリーの輝くばかりな笑顔がアップになる。まるで今自分に笑いかけてきているようだ。
「ど、どうしてシェリーちゃんが出てくるの?」
 麗夢は正面を向き直って佐緒里に言った。すると佐緒里は、感情が欠落した目でまっすぐ麗夢を見つめながら、小さく口を開いた。
「私は発見した」
「な、何を?」
 恐る恐る問う麗夢に、佐緒里は答えた。
「私を完成させる因子。解けなかった全てを手に入れる鍵」
 そうして再び映像に目を向ける。麗夢もつられてシェリーの笑顔をもう一度見た。今度は少し映像が引いて、シェリーの上半身が映っている。どうやら映像の中のシェリーは、浴衣を纏っている様だった。どこで手にしたのか、ピンクがかった大きな綿菓子を右手に持っている。左手の指には、輪ゴムで口を縛った、色鮮やかなリンゴほどの大きさのゴム風船がぶら下がっているようだ。それはまるで、どこかのお祭りか縁日をそぞろ歩いているかのような光景だった。
 と、すっと映像の右端が肌色にぼけた。ぼけはシェリーに近づくに連れ焦点が合い、可愛らしい手であることが判った。その手がシェリーの頬に到達し、何かをつまみ上げて再び戻る。触れた瞬間、シェリーがいかにも「え?」と思わず声を出したかのように驚いた表情を見せ、すぐにまた少し頬を染めて明るい笑顔に戻った。
 ……一体これはなんの映像なのだろうか?
 麗夢はふと思いついた考えに悪寒めいたものを感じつつ、目の前の佐緒里に問いただした。
「あなた達、『繋がって』いるの?」
 すると佐緒里は、また麗夢に視線を戻して、幽かに頷いて見せた。
「あのデバイスの主目的は、私が完成するための因子を探し求めること。そしてそれは発見された。マスターの求めた究極の存在になるために解かねばならぬ謎の答えが、あそこにある」
「シェリーちゃんをどうするつもり?」
「私の完成因子として私に加える」
「つまりどういうことよ」
「有機体としての活動は停止するだろう。だが、その存在は私の中に移される。無くなりはしない」
 麗夢は思わずぎりっと奥歯を噛み締めた。やはり、ROMはROMでしかなかった。真野昇造は失敗したのだ。バグは修正されることの無いまま、得物を求めるための肉体を得てしまった。
 麗夢はわき上がる怒りを視線に込めて、無表情の佐緒里を睨み付けた。
「シェリーちゃんに指一本触れてご覧なさい! 絶対に許さないわよ!」
 佐緒里=ROMはただ黙して麗夢を見返すばかりである。麗夢は銃をゆっくりと構えると、銃口をまっすぐ佐緒里に向けた。
「今すぐ馬鹿な真似は止めなさい。いくらあなたが望んでも、あなたには手に入らない。命の大切さを理解できていないあなたに、屋代修一が夢見た完成の時は絶対に訪れないわ!」
「お前に止めることは出来ない」
 冷たい目に妖しい光が宿った瞬間、麗夢は躊躇いなく引き金を引いた。
 夢世界を震撼させる、重厚な炸裂音が迸った。同時に佐緒里=ROMの夢を、先端に十字の切れ込みを入れた聖なる銀弾が超高速で貫いていく。だが、魔を退ける力の象徴も、佐緒里=ROMにはなんの意味も持たないようだった。続けざまに撃ち込んだ三発の弾丸は、そのまま佐緒里=ROMの肉体に吸い込まれ、エネルギー保存則がねじ曲げられたように、佐緒里=ROMの足元にぱらりと堕ちて散らばった。
「お前を私の計画の障碍として認証する」
 佐緒里=ROMの宣言は、そのままセキュリティーシステムの起動キーワードとなった。これまで、所在なげにその銃身を得手勝手な方向に向け、あるいは垂れ、あるいは跳ね上げしていたバルカン砲群が、突然全砲口を麗夢に向けるや、いきなり真っ赤な火を盛大に吐き出し始めたのである。麗夢の拳銃に数倍する轟音が夢世界を乱打し、薬莢の散乱する悲鳴じみた金属音が、和音を無視した耳障りな合唱をわめき立てる。鼻をつく硝煙臭がもうもうたる煙と共に辺りに満ち、秒間数十発の発射速度を誇る弾丸が、麗夢の柔らかな肉体をまさにすりつぶしたと思われたその時。
「はあああぁっ!」
 気合いのこもった雄叫びが、砲声を圧して響き渡った。たちこめる硝煙を吹き飛ばす膨大なエネルギーの奔流が、真っ白な光を伴って夢世界を席巻した。佐緒里=ROMもさすがに目を細めて光の焦点を凝視したが、やがてその中心に現れた戦士の姿に、わずかな感情を揺り動かされたかに見えた。肩と膝のみ硬質のプロテクターで守る、防御よりも攻撃に徹したかのようなビキニスタイル。翻る碧の黒髪越しにかいま見えるティアラの中心に填め込まれた青い宝石。そこから発する光が、あらゆる魔を滅する清浄な輝きをきらめかせている。手にするは自らも光を迸らせる夢世界最強の破邪の剣。人の夢を守る光の戦士、ドリームガーディアンがここに降臨したのである。
「でやぁっ!」
 一声鋭く発すると同時に、振り上げた剣が宙を瞬断する。一瞬遅れて刃先から生じた衝撃波が、間断無くそそがれる砲弾を蹴散らかし、背後のバルカン砲群に襲いかかった。
 正面でまともに浴びた砲身が、異音を発して砕け散った。
 左右の砲もあるいはひしゃげ、あるいはねじ曲げられて、瞬く間にスクラップへと変じていく。
 かつてあれほど麗夢達を手こずらせたセキュリティーシステムも、夢の中では所詮ドリームガーディアンに敵う力ではなかったのである。ただ、佐緒里=ROMだけは、豊かな黒髪とワンピースをはためかせつつも、麗夢の放った衝撃波の奔流に耐えていた。麗夢は、静けさを取り戻した夢の中で、佐緒里=ROMに剣を向けた。
「もうあなたを守るものは何もないわ。観念してもらおうかしら?」
 しかし、佐緒里=ROMは相変わらず無表情のまま、ぼそりと呟いた。
「障碍は排除する」
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旅客機墜落、原因不明なまま捜索打ち切り、ということにはなりませんように。

2009-06-13 22:39:35 | Weblog
 大西洋上に墜落したエールフランスのエアバスA330─200型旅客機について、ブラジル海軍は今月25日で捜索を一旦打ち切る予定そうです。今のところフランスとあわせて50遺体を収容しているとのことですが、遺体の漂流は長くても3週間程度、また、現場海域水温が28度前後と高いために、遺体の浮沈が速くなりがちで発見がより困難になる、というようなことが理由になっているとのことです。当初、全く所在不明だった状態からすれば、大海原の只中でおよそ2割の人を見つけられたのは僥倖ともいえる成果だったのかもしれませんが、一方で原因の方は現在もほとんどわかっていません。恐らくピトー管の凍結等による速度計の変調で、速度を落としすぎて悪天候を乗り切れなかった、とか雷撃にやられたのではないか、というような推測がされているばかりです。頼みのブラックボックス、フライトレコーダー・ボイスレコーダーも、所在を示す発信機の出力は約1ヶ月で減衰してしまうとのことで、原潜も加えての懸命の捜索が功を奏するのを祈るよりありません。
 ピトー管の凍結とかは特に珍しい現象ではなく、凍結防止のヒーターが切れたりして速度表示がおかしくなる、というのは昔から結構あるみたいで、映画のネタになったりもしていますが、もし本当にそれが事故の主原因だったとするのなら、たったそれだけのことで、まるで神隠しにあったかのごとく200人以上の人間が瞬時に死亡してしまうというのは、滅多に飛行機には乗らないとは言え、やっぱり何か恐ろしい気がいたします。現代の旅客機はもっとも安全に配慮して作られた乗り物であり、事故に遭遇する確率は車の方が遥かに高い、という客観的な数字は、私も判っているつもりですが、せめて事故原因がはっきりしてくれませんと生理的な不安はなかなか払拭できそうに無いです。あと2週間あまり。乗客の収容と飛行機の残骸の回収、そしてブラックボックス発見による事故原因の特定に期待したいです。



 
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またPCがアウト? と思いきや、壊れたのはマウスの方でした。

2009-06-12 20:23:16 | Weblog
 どうも最近、マウスの調子がおかしいな、と思っておりました。普段はちゃんと動くのですが、時々、まるでPCがビジー状態になっているかのように、突然カーソルが固まってしまうのです。でもそれは一瞬で、気が付いたときに改めて動かしてやるとカーソルが再び何事も無かったかのごとく動き出します。これに気づいたのは突然停止した時にカーソルを見失うことが次第に目立ち始めたためでした。ひょっとして、知らない間にバックグラウンドで何か怪しげなソフトが動いていてCPUリソースを食いまくっているのか? と疑ってタスクマネージャーを立ち上げてしばらく観察したり、OSが不安定になっているのかもしれない、と再現性を確かめようとしてみたり、色々と試してみたのですが、どれも的外れなのかいっこうに原因がわかりません。ところが、マウスボールのところが汚れているのかもしれない、と思い、何気にマウスを見てみますと、USBケーブルが、マウス本体から出てくるところで一部断線しているではありませんか。黒のケーブルなので多分グランドだと思うのですが、その線だけ妙にささくれて見事に分断しています。ひょっとしてマウス不調の原因はこれかも? と、早速切れたケーブルを半田でつなぎなおしてみましたところ、何事も無くマウスの不調はおさまりました。ただ、マウスを分解してまた組み直す時にはめ込みがいまいちだったのか、マウスの右ボタンの反応が悪くなり、右クリック操作がやりにくくなったのと、半田付けした部分が不恰好になってしまったのとが残念な所でした。
 このマウスは、確か日本橋のとあるお店の軒先で安売りしていたのを購入した、初めてのUSB接続マウスです。今時ボールのマウスで、割と頻繁に掃除をしてやらないとすぐ動きが鈍りますし、もうずいぶん以前から使っており、結構荒っぽく床に落としたり踏んづけたりとかもしましたから、いろいろな意味でさすがに寿命なのかもしれません。
 当面は、動き自体は右ボタン以外問題ないですし、しばらく使うつもりですが、機会があれば、光学マウスで、手にしっくりとなじむのを選びに日本橋へでも出かけたいですね。

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モモの木を植える夢を見ました。

2009-06-11 21:54:04 | 夢、易占
 一晩中しつこく降り続いた雨も朝には上がって、まるで梅雨が明けたかのように晴れてしまいましたが、入梅、まだだったんでしょうか? 天気予報を見ても当分雨の気配がなさそうですし、せっかく雨になってイネ科花粉も少しは落ち着くか、と期待していたのに、なんとなくだまされたような気分です。

 さて、今朝は久しぶりに明瞭な夢を見たので、それを記録しておきましょう。どうやら雨音のせいでやや眠りが浅かったのと、午前1時半ごろ、トイレに行きたくなって目が覚めたのとで、記憶に定着したようです。
 
 その夢ですが、木を植える夢でした。
 私はとある街中の広い歩道にいます。中国のどこかの都市だという認識です。私はこの歩道に、街路樹として桃の木を3本植えることにしました。ユンボで土を掘り返し、その人が入りそうな大きな穴に牛糞堆肥を入れてよくかき混ぜ、土を戻して、子供の背丈ほどの木を植えます。その土は、水持ち、水はけのよさそうな、良く肥えているのが一目でわかる綺麗な茶褐色をしていて、ほろほろと砕ける柔らかな土です。1mくらい離して道に沿って3本しっかりと植えつけました。少し目を離していると、いつの間にかその木の根元までびっしりとレンガで固めてありました。植樹のために壊れた道の舗装を誰かがやり直したのですが、ちゃんと連絡が行き届いていなかったのか、あまりにきっちり根元まで固めてしまったために、これでは木の生育に悪影響が出ます。私はぷりぷり怒りながら、木の根もとのレンガだけ取り除いていきました。

 さて、桃は東洋では幸運の果物で、わが国では桃太郎の昔話やヨモツヒラサカを逃げるイザナギの命が追いかけてくる魔物に桃の実を投げて何を逃れる日本神話の話、中国では十日神話の荒ぶる英雄神を倒す棍棒の材料や桃源郷のお話、不老長寿の仙人の薬などに登場しています。どうやらそのような関係からか、夢占いでも桃を植えるというのは幸運を意味するそうですが、私は仕事柄モモやカキを植えることは珍しくは無いので、はたして吉の運勢をこの夢が約束してくれているのかどうかは判りません。まあモモかどうかよりも、木を植える、という行為の方が、夢分析的には意味のあることかもしれない、と思っています。

 というわけで、というほど脈絡があるわけではありませんが、季節の花、栗が今満開になっているので、写真を撮ってみました。独特の異臭がするので姿が無くてもすぐ咲いていることが分かる栗の花ですが、見かけは結構繊細な姿をしております。これがあのイガをまとう栗になる素なのか、と思うと不思議な感じがします。



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温室効果ガス削減目標1%上乗せとは、なかなか思い切ったことを言うものです。

2009-06-10 22:02:28 | Weblog
 昨日はいかにも梅雨らしい曇り空でしたが、今日はいかにも梅雨らしいしとしと雨が一日中降り注ぎました。何でも四国・早明浦ダムでは早くも貯水率が落ちて給水制限を実施していたそうですが、この雨が続けば早晩その制限も解除されることでしょう。通勤途上で見かける水田にもたっぷり水が張られ、あちこちで田植えが始まっています。いかにも6月にふさわしい光景。四季ある国を実感する瞬間です。

 さて、そんな四季を狂わせかねないとされるのが地球温暖化で、何年か先には日本の大半が熱帯・亜熱帯になってしまう、なんていう話が割りと真剣になされていたりもします。そんな問題の原因の一つに温室効果ガスが取りざたされておりますが、今日の帰宅途中、何気にラジオをつけておりましたら、時の首相が、その削減量について2020年までに「05年比15%減」と決めた中期目標を麗々しく発表しているのが生中継されていました。ところどころ、たぶん原稿を読んでおられるのでしょうが、言葉が妙な間合いでぶれたりつっ変えたりしていたのはご愛嬌というところで、全体としては、まあ判りやすい話だったように感じました。また、記者の質問で、当初14%減が有力視されていたのに、あえて1%積み上げて15%減とした理由をたずねられたのを受けて、一通り答えた後、「1%削減と簡単に言ってくれるな。1%で10兆円かかるんだ」というような追加発言をされたのは、結構良かったように感じました。なんといっても原稿ではない首相の生の声のように聞こえましたし、具体的にどれだけ大変かが数字で出てきたのは、国民に覚悟を求める点でも良かったのではないでしょうか。
 それだけに、ラジオが30分で会見中継をやめたのは残念でした。その後何分質問に答えていたのか判りませんが、1時間も2時間もだらだらとしていたわけではないでしょう。多分あと1、2問程度、長くても30分とはしてなかったのではないでしょうか。それなら、わが国の何はともあれ首相が大きな課題について発表しているのですから、一時的に番組を変更してでもそれを全部流すべきだったのではないか、と思いました。少なくとも私は最後まで首相の答弁を聞きたかったですし、どこのマスコミがどんな質問をしたのかにも興味がありました。

 というわけで久々にこの種の政治報道で面白いと思ったわけですが、一方で温室効果ガスの削減が果たして地球温暖化にちょっとでも効果があるのか、という点については、疑問に思わざるをえません。たぶん地球の気温は、太陽活動のちょっとした変化の方がよほど影響は大きいでしょうし、最近の太陽活動は観測以来はじめてみる状況になっていると聞いたことがありますから、あまり温室効果ガスのせいにするのはどうかと思いながら聞いておりました。地球の気温を下げたければ、赤外線をカットするものを静止衛星軌道上で広げたらどうか、お金をかければ、多分今の技術力でも何とかなるのでは? と思ったのです。
 ただ、省エネを進め、燃料の必要量を減らして行くのは資源のないわが国としては間違っていない方向ですし、中国のような大喰らいにそれを適用できれば、世界のエネルギー需要もずいぶんと楽になるわけで、それはそれでわが国にとってもありがたい話になるはずなのです。ただでそれを伝授する、というのはなんとなく抵抗があるのですけれど。

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梅雨になる前に咲いてくれればもっと楽しめるのですが。

2009-06-09 21:27:56 | サボテン
 今朝、ロビオプシスの2輪目の花が咲きました。
前の花は斜め上方に手を上げるようにして咲きましたが、今日のはほぼ水平につぼみが伸び、そのまま咲いてました。ちょっとした長砲身の大砲みたいにも見えます。
 これで天気が良ければ、海王丸(中央奥のつぼみ)の白い大輪の花や、青王丸(右の黄色いつぼみ)の二輪咲、その手前の緋花玉の真っ赤な花が揃ってなかなかに壮観だったのですが、残念ながら梅雨の手前ということもあってか朝から曇り空で、残念ながらロビオプシス以外は閉じたままでした。ロビオプシスの花は1日しか持ちませんので、絢爛豪華なカルテットを楽しむのは、また来年、ということになります。




 一応青王丸と緋花玉は日曜日には咲いておりまして、昨年に引き続き見事な花を開いてくれました。特に青王丸の花は花弁に金属光沢があり、一番外側の辺りが半透明になっていて、その微妙なグラデーションが実に素晴らしいのですが、デジカメでは残念ながらつぶれてしまったようです。



 海王丸のつぼみもいつ開いても良い状態に育っているのですが、雨の日は綺麗に開きませんし、花の寿命は3日程度なので、この分だとちょっと見られないかもしれません。残りのつぼみに期待して、できれば休みの日に開いてくれたら、と願うばかりです。

 ロビオプシスの花はまた来年ですが、しっかり育てて球体が大きくなれば着くつぼみの数も増えますし、更に育って仔ふきしているモノも十分な大きさになればこれらにも花がつきます。恐らく数年後には10以上の花が咲いて、あでやかな春を演出してくれることでしょう。今からそれが楽しみです。
 それと、青王丸のノトカクタス属のサボテンは大抵黄色の花ばかりなのですが、私の知る限りでは1種類だけ、赤い花を咲かせるのがあります。これがまた見事な大輪の鮮やかな赤花で、そのうち手に入れたいと思っています。でもその前に、せっかく家も引っ越したことですし、今の出来合いのフレームをたたんで、もっと多くのサボテンを並べられるしっかりした温室を庭に建てたいとひそかに計画しています。中でサボテンを眺めつつ昼寝できるくらいの大きさに出来れば言うこと無いですが、庭はそこまで広くないので、とりあえず建設予定場所に収まる大きさで、しっかりしたものを建てたいと考えております。できれば、この冬までには何とかしたいですね。

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秋葉原連続殺傷事件から一年。まだ裁判始まってなかったことにちょっと驚きました。

2009-06-08 21:58:54 | Weblog
 秋葉原での連続殺傷事件から1年、ニュースでも現地での献花追悼の模様などを伝えておりましたが、そう言えば犯人たる男の裁判は一体どうなったのか、と思っておりましたら、22日に第1回公判前整理手続きが行われるのだそうな。こういう事件のときの捜査やら起訴やら裁判やらの手続き、必要な時間など門外漢の私にはわからない話ではありますが、事件発生直後に現行犯逮捕、犯行自体は明々白々で本人も否定していない、という犯罪の裁判が、1年たっても始まっていない、というのはどういうものなのでしょうか? 裁判は時間がかかるとは聞きますが、ちとこれはかかり過ぎというものではないか、と素朴に感じてしまいました。精神鑑定の末、起訴されたのは10月との事ですから、そのときからしても既に8ヶ月も経過しています。ひょっとして、審理の順番待ち、とかあるんでしょうか? これだけの大事件、しかも被告の犯行時の心理状態初め、謎の多い事件なのですから、他を差し置いてもなるだけ早くやって欲しい、と思うのですが、そうは行かない事情でもあるんでしょうね。
 ところで、この事件も「裁判員制度」で裁かれることになるのでしょうから、どういう風に裁判が進行するのか、ちょっと興味があります。自分が裁判員に選ばれたとしたらどうするか、なんて想像してみたりもして、もちろん管轄が違ういから選ばれるはずも無いのでしょうが、不謹慎を百も承知で、この裁判に選ばれる裁判員の方がうらやましく感じる自分がいます。
 何より、責任能力の有無の判断を保留する、という弁護団が、どのような展開でどう弁護するのか、が大変興味深いです。マスコミ報道はどうしても微妙に、あるいは盛大に内容が偏向しそうですし、生でその意見を拝聴できる裁判員の方々は、ほかには得られない1次ソースの情報を手にすることが出来るのです。それだけでも、うらやむに足る事情がある、と私は思います。
 でも、国民に開かれた裁判を行おうというのなら、こんな重大事件はいっそ一般公開で裁判してみたらどうでしょう? テレビでなくてもネットで流してみるとか、映像が無理ならせめて国会のごとくラジオで中継するとか。報道バラエティのつまらないやり取りよりよほど興味深い内容になると思いますし、ネットを通して意見を言ったりすることまで出来れば言うこと無しです。匿名厳禁、実名での意見表明に限るとか、まじめに裁判に取り組むように制度を設計するやり方は、いくらでも出来そうに思うのですが、いかがでしょう?


 
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戦うべきときは戦うべし、という当たり前のことが、ようやく言えるようになってきたのでしょうか。

2009-06-07 22:06:21 | Weblog
 連載小説「アルケミックドリーム 向日葵の姉妹達」も新章に入り、いよいよ夢の世界が舞台になります。この夢、果たして表題どおりの「アルケミック」な夢になっているかどうか。もう少しで折り返し地点に差し掛かるところまで進んだこの小説。色々なことはおいおい確かめていただければと思います。

 さて、エールフランス機の大西洋遭難事故、とうとう決定的な発見があり、男性二人の遺体を初めとする、事故機のもの、と推察される様々な残骸が回収されたそうです。フランス原潜の到着までもう少しかかるようですが、果たしてブラックボックスは回収されるのか。生存者、という本当の奇跡はありうるのか、原因究明まで進めるのか、などなど、まだまだ興味は尽きません。日本の報道機関ももう少し情報を流してくれたらいいのですが、日本の会社の事故ではなく、日本人も乗っていなかったということで、その関心はごく低いようです。でも、現代のこと、搭乗者の中には、日本と縁のある人がいるかもしれませんし、日本人と友人とか、ひょっとして親戚とか、無関係とはいえないような人もあったかもしれません。そんな少数のために貴重な紙面を割くわけには行かない、ということなのかもしれませんが、現代の最新鋭旅客機の謎の事故、というのは、原因が解明されない限り常に機体設計の不備などの不安を抱え込むことになりかねません。正直どうでもいいようなニュースにしかみえないものも散見されるわけですし、もう少しだけ関心を持って報道してもらえないか、と思うのです。

 ところで、総理大臣が、核実験、長距離弾道ミサイル実験準備、など矢継ぎ早に緊張を高める隣国への対処として、「我々は戦うべき時は戦わねばならない。その覚悟を持たなければ、国の安全なんて守れるはずがない」と勇ましくも宣言してくれました。色々と物議をかもし、正直あまり評価できない総理ではありますが、この断固たる姿勢はまずまず好感が持てます。もっともわが国の戦力は近接防衛のみに特化していて危ないところを強制的に消火しに行くだけの能力を持っていないので、単なるリップサービスにとどまるのかもしれません。そこでできれば、露骨な選挙対策でも何でもいいですから、実のあるところも政策として見せて欲しい気がいたします。あるいはアメリカなり中国なりがちょっと本気を出しつつあって、そんな流れが総理の耳に入っていたりするが故の強気だったりするのかもしれません。韓国軍も緊張を高めている様子ですし、本当に近々「何か」あるのかもしれませんね。いずれにせよ、マスコミや政府には、信頼できる情報を出来るだけ多く提供してもらいたいです。

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08 悪夢 その1

2009-06-07 09:26:43 | 麗夢小説『向日葵の姉妹達』
 夢に入るという感覚は、スカイダイビングに似ているかもしれない。
 夢の中に上下がはっきりあるわけでも無し、重力が働いていると言うわけでもない。そもそも心の問題なのであるから、現実世界の物理法則などここではほとんど意味がないと言えばそう言えてしまう。だが、いかに夢があらゆる事において自由自在だと言っても、それが人間に起こる事象である以上、自ずとその制約を受けることになる。人は、まだ重力のくびきからは逃れられていない。だからこうして夢に入るときは、形として、下へ下へと落ちていくイメージを伴うのだ。
 麗夢の周りを、30分も眺めていれば気が触れてしまいそうな極彩色の光の渦が、奇怪に歪みながら下から上に流れていく。ひしゃげたあぶくのような灰白色の塊が、ぶよぶよと蠢きながら堕ちていく自分の両脇を避けるように浮き上がっていく。そんな様子を見ると、これはスカイダイビングと言うよりは深海探査艇のそれに近いとも言える。
 ただ違うのは、いくら潜っても圧力が増すことがないことと、多分こちらの方が重要なのだが、命綱の類がないことだろう。いつもならそんなことは百も承知で飛び込む麗夢なのだが、今回に限っては、どうもいやな予感がしてならなかった。多分、アルファ、ベータがいないことや、円光等の助力も期待できないことが、余計不安を助長しているのだろう。
 でも、それよりも麗夢の心に引っかかっているのは、結局まだこのこと自体に釈然としない思いを拭えないでいることだ。今、麗夢が侵入を試みている夢。これは、黒髪のロムこと真野佐緒里嬢の夢なのである。
 麗夢は正直気乗りしなかった。第一、ROMはプログラムのバグから暴走したのである。真野昇造氏はそのことを理解し、そのバグを修正してから佐緒里嬢に移したのであろうか。真野氏はその事について何も語らなかった。つまり、最悪ROMの暴走部分を、佐緒里はそのまま受け継いでいる可能性があるのだ。それでも、まさに土下座して頼み込む昇造氏の願いを、麗夢は無下にすることもできなかった。結局首を縦に振った麗夢は、ようやく降り立った佐緒里の夢にその建物を見たとき、あの苦戦した闘いのことを思い出して、嫌な予感に囚われた。
 麗夢の目の前にそびえ立つ建物。それは間違いなく屋代修一の屋敷そのものに違いなかった。思わずごくりと息を呑むほどの威圧感を覚える。しかも今回は円光の助太刀はない。何かあっても、麗夢一人で切り抜けなくてはならないのだ。
(でもまあ、ここは夢の中なんだから……)
 前回は現実世界での闘いだったから、自ずとこちらにも力の限界があった。だが、今いるのは間違いなく夢の中。確かに普通の人の夢とはどこか違和感を覚えるが、ジュリアンの夢に比べればはるかに自然だ。それに、麗夢の持つ本来の力を掣肘する物は何もない。麗夢は懐の拳銃を確かめると、意を決して記憶のままの扉に手をかけた。
 ぎい。
 古風で重厚なドアを引きあける。
 中はうっすらとほこりが溜まり、調度品や天井には、ほこり塗れのくもの巣が乱雑にかかっている。
 永らく生きて動く者がないまま、封じられた世界。
 あの時もそうであったように、麗夢は慎重に辺りをうかがいながら、屋敷の中に足を降ろした。
 ふわっと浮いたほこりが足元を舞い、そっと降ろした足音が、小さく屋敷の奥にこだましてささやきかえしてくる。そのままじっと耳を澄ましてみるが、自分の足音以外聞こえてくるものは何もない。
 麗夢はそっと入口から離れて、三歩エントランス・ホールへ足を進めた。その背後で、再びぎいと音を立て、入り口のドアが閉まる。どうやら麗夢が侵入してきたことを、夢の主はご存じらしい。そしてその気配は決して友好的とは思えなかった。
「どうやら、ただの調査行ではすみそうにないかもね……」
 麗夢はチラとドアをかえりみると、不敵な笑みを浮かべ、まっすぐ奥へと進み出した。
 前回、屋代邸を訪れたときは、グリフィンの設置場所が判らず、闇雲にドアというドアを開けながら奥に進んだが、今回はその必要はない。
 麗夢は、左右に並ぶドアの数々を無視しながら、最奥の突き当たりに歩を進めた。
 その奥に目指すグリフィンがある。
 そして、おそらくは夢の主、ROMのプログラムで構成された、佐緒里の精神がいるに違いない、と麗夢は確信していた。
 やがて麗夢は、暖炉のある古い応接間に入り、正面にあるドアの前に立った。
 本物の屋代邸では、このドアの向こうで待ちかまえる凄まじいセキュリティシステムの波状攻撃に、円光と二人危うくやられるところであった。
 麗夢は左脇のホルスターから愛用の銃を取り出すと、左手をドアのノブにかけた。
 その奥で待つのは友好の握手の手か、はたまた手荒い歓迎の嵐か。
 がちゃり。
 思いの外軽くドアが開き、麗夢は電子の神殿、グリフィンの元へと侵入した。
 同じ光景。
 同じ雰囲気。
 唸りを上げて稼働する巨大なグリフィンが奥に鎮座し、その周囲に、かつて雨霰と弾丸を浴びせかけてきたバルカン砲の銃口が並び立つ。
 ただ唯一の違いは、一人の少女が砲列に取り囲まれるようにしてグリフィンの前に立ち、無表情にこちらをじっと伺っていることだった。
 その姿形は、さっき真野昇造の横に佇んでいたのと同じ、ストレートの黒髪に、清楚な白のワンピースといういでたちである。
「やっぱりここにいたわね。佐緒里さん、いえ、ROMと呼んだ方がいいかしら?」
 すると佐緒里は問いかけには答えず、黙って軽く首を右に振った。
 その視線の前にある壁に、突然音もなく四角い明かりが瞬いた。
 見ると四〇インチはありそうなディスプレイが壁に埋め込まれている。
 あの時はこんなのは見なかったな、と麗夢は興味深げにその画面に目を向けた。
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通勤時間を楽しく過ごすための新しいおもちゃを導入してみました。

2009-06-06 21:53:32 | Weblog
 エールフランスの事故機捜索、とうとう原潜まで派遣して探すことになるのだそうですね。フライトレコーダーなどを収めたブラックボックスには、居場所を知らせる発信機があって、そのシグナルを探知し、回収するのが目的だそうですが、なんとも大掛かりな話になってきているように感じます。一方同じ時間帯に同じ航路を12機のジェット旅客機が飛んでいたそうですが、いずれも悪天候など飛行に影響するような事態には遭遇せず、ほぼ定刻どおり目的地まで到達していたことが判ったとかで、一段と謎めいた話になってきています。まあ高速で飛ぶ飛行機のこと、同じ時間帯といっても幅がありますし、同一航路といってもぴったり同じ高度で同じところを飛んでいるわけでもないでしょうから、だからどうした、というレベルの話なのかもしれませんが、あまりに手がかりも無しだとかえって不思議な感じが強くなってきます。まさか本当に、ミステリーの分野な出来事だったりしたんじゃないか、なんて気がしてくるのも否めないです。

 ところで、私が通勤に使う車はほとんど何もついていないに等しいシンプル構成のマニュアル車で、最近は気温が上がってきていることもあるのか燃費も更によくなり、ほとんどリッター20キロ近くまで伸びていたりもする孝行モノだったりするのですが、通勤時間の数十分をAMラジオだけで過ごすのも退屈なので、以前からスピーカー付のこのMP3プレーヤーを愛用しておりました。



 メモリは2GB、1GBのSDメモリカードも挿せるので、容量的にも十分なものがあります。でも、これだとスピーカーはマニュアルですし、音量を上げると電池の消耗も早くなるのが悩みの種でした。そこで、色々調べてみましたら、このプレーヤー専用のスピーカーがかつて売られていたことが判り、ネットオークションに出るのを待っておりましたら、ついに入手できました。



 残念ながら色違いですが、こうして直接プレーヤーとスピーカーをUSBで接続して使うことが出来ます。



 まあこれだと車の振動で接続部が不安なので、普段はUSBケーブルで繋いでそれぞれ安定したところにおいて使っています。スピーカーも単4電池で3本使う仕様なのですが、プレーヤーよりも持ちがよく、恐らく連続で20時間くらいは行けそうです。音は昔のCDラジカセくらいのもんでしょうか? 室内で静かに聞く分にはさすがに力不足な気がしますが、車内でアニソン聞く分には十分な音量と音質なんじゃないか、と思います。一応ちゃんとステレオで聞こえますし。
 初めは車のヒューズボックスから電気を取り、このスピーカーのACアダプタを改造してつないでやろうか、とも思っていたのですが、電池のもちが想像以上によいので、このまましばらくは使ってみようと考えています。高いものでもないですし、そのうちオークションで同色のものが出てきたら、予備に落として見るのも一興でしょうね。
 それにしても、私などはこれくらいの機械で十分なのですが、もうこのスペックの機械が市場に出ることは無いのでしょうね。

 
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大西洋の飛行機捜索は振り出しに戻り、月は今までに無い素顔を魅せてくれています。

2009-06-05 22:24:18 | Weblog
 今日は朝から午後遅くまで梅雨のような雨が降ったせいか、あるいは先日飲んだ抗アレルギー剤の効果がまだ残っているのか、イネ科雑草による花粉症症状はほとんどでないで一日を過ごすことが出来ました。薬の副作用も一晩寝てほぼ解消し、久々に快適な一日を過ごしたような気がします。毎日こうだったら良いのですが、本格的な入梅は来週後半だそうですし、しばらくの間、外出時は暑くても我慢してマスクするよりないようです。

 さて、昼休み、ネットでニュースを眺めていますと、CNNのサイトで、大西洋上で昨日までに見つかった残骸は、墜落したエールフランス機のモノではなかった、という衝撃的な話が出ていました。もう一つ、海上に広範囲にわたって油が浮いていて、これが同機のものかも? という話もあったのですが、これについても別口の油で、飛行機とは関係ないことが明らかになったのだとか。これで旅客機失踪の謎は振り出しに戻ってしまいました。代わりに、海上で消息を絶った時刻に強烈な閃光を見た、というような複数の証言が出てきており、これが果たして消えた旅客機の最後の光だったかもしれない、という話になっているようです。
 夜の大西洋に忽然と消えたジェット機の行方やいかに。まさか新たなトライアングル伝説の始まりでもないでしょうが、そんな超常現象はともかくとして、とにかく一刻も早く発見してもらいたいと切に願います。このまま一切手がかりなしのままというのは、恐らくは犠牲になったと思われる228名も浮かばれませんし、原因不明では危なっかしくて飛行機に乗るのも躊躇してしまいます。

 謎ばかりが募るエアバス失踪に対して、月のほうではその実相をなめるような距離からの映像で明々白々になってきているようです。
 あと1週間ばかりで任務を終え、月にとどまる予定の「かぐや」から送られてきた映像を、JAXAがYouTubeに公開しましたhttp://www.youtube.com/watch?v=gJmT3dPbwHE&feature=channel。不規則に波打ち、隆起する地面のあちこちに、小さな穴のようなクレーターが散らばり、遠くに巨大なクレーターの一部が覗く、そんな様子が70秒にわたって展開されます。高さ11キロからの映像だそうですが、じっと見ていますと言い知れぬ厳かさのようなものを感じて、軽く身震いしてしまいました。かぐやはこれから少しずつ高度を落として行くそうですが、できるだけ長く、ぎりぎりまでその映像を楽しませてもらえるようになってくれればいいな、と思います。前に見た地球の出も感動的でしたが、ほとんど手の届くところから見る月の表面、というのも、きっと言葉にならない感動を与えてくれるはずです。

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