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オショロコマの森ブログ5

渓流の宝石オショロコマを軸に北海道の渓流魚たちと自然を美麗画像で紹介します、

ムハンオショロコマと錦鯉オショロコマ、およびその他の斑紋異常

2018-08-30 20:41:56 | ムハンイワナ
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ムハンオショロコマと錦鯉オショロコマ、およびその他の斑紋異常




知床半島のとある閉鎖的渓流には以前からムハンオショロコマがみられる。



この渓流は流呈が短い上に海との交通を遮断されているため遺伝的には血が濃くなる一方の環境であり、種々の斑紋異常がみられるが、今回はムハンオショロコマの画像をしめすにとどめる。



ヒレの色彩に異常をきたすものも多い。
























もうひとつ、オショロコマの特徴的斑紋異常としてこのブログでしばしば現れるのは 錦鯉オショロコマ で実際にこのオショロコマを見るとあたかも錦鯉みたいにとても美しく見えるのが名前の所以である。












この斑紋異常個体はとある斜里川水系支流の、とあるピンポイント的な閉鎖的水域でのみ見られる。





錦鯉オショロコマの異常斑紋出現には種々の程度があり、ごく軽度の異常のみ発現するものもみられる。











このほかの 斑紋異常としては カワマス や アメマス との雑交個体が このブログに しばしば登場しています。







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ムハンニジマスから偽自然が自然へ移行してゆく未来の話へ

2018-08-26 11:44:42 | ムハンイワナ
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ムハンニジマスから偽自然が自然へ移行してゆく未来の話へ



養殖場では数万匹に一匹程度でムハンニジマスがみられるといい、ムハンニジマス同士の交配では100%ムハンニジマスがでるという。


昭和40年に発見され、その後種苗化されたムハンニジマスは発見地の 愛知県蓬莱町にちなんでホウライマスと呼ばれるようになったという。


北海道各地ではごく稀に釣られるようです。


しかし本物はそう多くはなく画像検索するとムハンモドキがほとんどで完全なムハンニジマスはかなり稀であることがわかる。



田中篤さんからのすばらしいムハンイワナ・ムハンヤマメの玉稿をいただき、そういえば以前に釧路川水系の湿原渓流で在来種のアメマスが駆逐されニジマス一色になっているところを発見したおり めずらしい正真正銘の天然のムハンニジマスを釣っていたことをおもいだしました。







体側の赤い帯は消えずに残っていますが、ホウライマスではこれも消えるのでしょうか。


最近はニジマスの養殖技術も進んで、いわゆるムハンニジマス(ホウライマスと総称)や、コバルトや真っ白いアルピノ(目が赤い)やイワナとの交配種ロックトラウト  染色体操作種苗(3倍体)その他 etc. なんでもありの世界である。


しかし、いかに外来種放流による偽の自然とはいえ北海道の渓流や湖でこんなのが釣れたら今のところかなりの違和感を感じてしまうだろう。


現在のところは管理釣場等にかぎって欲しい代物だと思うが人間の考えは日々おもわぬ方向へと変遷してゆくのが恐ろしい。


長い時間の経過とともに今ある生態系もそれなりに変遷してゆき、いつのまにか偽自然が自然とみなされる時期が来るかも知れない。


本州ではアメリカザリガニは市民権を得たようだし、北海道でも鯉や鮒が国内外来種であったという認識は薄れてしまった。


たとえば実際にニジマスがもともと北海道の川に棲んでいた魚だと思っている子供さんは増えているとおもう。


恐らく、種々の理由から外来種、在来種といった教育が行われにくいのかもしれない。


それだけに、今現在、奇跡的に残っているオショロコマのピンポイント的生態系や、本州でのニッコウイワナ、ヤマトイワナの原種の棲む稀少な生態系は、単に心情的に大切というだけではなく貴重な遺伝子資源としても保護してゆくべきと思います。


北海道屈指のオショロコマ生態系を誇っていた水域に、長年、養魚場からのデカニジマスをドボドボ放流することを惰性的に続け、自然豊かであった渓流をニジマス一色にすることに血道をあげている自治体があることは悲しい限りです。


滝上町民のなかでも、はやそのことに気づいてニジマス放流を憂いている方々からのメールをいただいており心強く感じている昨今です。


地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全し、生物資源を持続可能であるように利用し、および遺伝資源の利用から生ずる利益を公正かつ衡平に配分することを目的とする といった内容の 生物の多様性に関する条約 (生物多様性条約:Convention on Biological Diversity、CBD) を 我が国も1992年から批准しています。


すなわち 締結国の基本的な義務は 多様な生物をその生息環境とともに保全 することです。



オショロコマ生息水域にニジマスを放流することは明らかにこの条約に違反していることになることも認識してほしいとおもいます。




どうも、このブログの性格上、在来種と外来種の話へと話が進んでしまうのはご容赦ください。



次はムハンオショロコマの画像がでてきます。




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ムハンイワナ(後篇、ムハンモドキと特殊斑紋)

2018-08-23 03:02:03 | ムハンイワナ
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ムハンイワナ(後篇、ムハンモドキと特殊斑紋)



先に紹介したムハンイワナはムハン遺伝子が発現し、普通の紋様のイワナの集団の中に一定の出現率で現れるものです、


しかし、世の中にはこの出現メカニズムとは違うメカニズムで発生するムハンイワナが存在します、


斑紋が無いので確かにムハンイワナと呼びたいのですが、このメカニズムの違うものを私はムハンモドキと呼んでいます。


(発現のメカニズムについては、あくまで私の個人的見解です)



パターン1



天竜川水系のヤマトイワナはもともと白点が無く、朱点も薄いものがいます、


中には朱点が無いものもいて、これをムハンイワナと呼ぶ人もいます、


しかしパーマークは存在します、全ての斑紋が無いムハンイワナとは形態も出現メカニズムも違います。



22天竜


23木曽


木曽にもまれにいます。




パターン2

北陸の某河川には一定の割合で白点の無いイワナが出現します、


ただしパーマークはあります、


だから先ほどの天竜ヤマトのケースに似ていますが、 天竜ヤマトは元々白点が無いのに対して、こちらは白点の存在するニッコウイワナの中に一定の割合で白点が消失したものが現れます。



24北陸(釣り人S氏)



25北陸(釣り人S氏)





パターン3


木曽川水系に放流されたニッコウイワナと在来のヤマトイワナの混血種は、 幼魚の時は白点が多く、ほとんどニッコウイワナの姿ですが、成長するにつれて背中の白点が消え、
体側の斑点がオレンジ色になり、ヤマトイワナの形態に近づきます、



その中には、体側の斑点まで消えるものがいます、なので見た目はムハンイワナです、


大型になると斑点が消失するので、このタイプのムハンイワナはほとんどが尺前後のサイズです、


木曽川水系で釣れるムハンイワナはほぼこうしたメカニズムで発生するので本来のムハンイワナではありません、


混血種ですから養殖魚の系統や血の濃さなどにも影響を受け、ムハンになる条件は不明です、


このタイプは良く見るとお腹に着色班がぽつんとあったり、非常にイレギュラーなタイプです。


26木曽(釣り人Y氏)


斑紋が無いのに本来のムハンイワナではなかったり、 本来のムハンイワナなのに白点があったりと、話はややこしいですが、 私は出現メカニズムで判断したいと思います。





他の特殊斑紋



カメクライワナ



出現メカニズムはムハンイワナと同じ、


パーマークを含む全ての斑紋が消えた上に新たに唐草模様が出現しているように見える、



出現率も1/50くらいのようである。(データ不足)


27カメクラ



28カメクラ





ムハンヤマメ



出現メカニズムはムハンイワナと同じ、 完全無班であるが、遠目に見ると体側に薄く黒い帯が見える、


出現率も1/20くらいである。



29ムハンヤマメ


30ムハンヤマメ




ナガレモンイワナ



良く見ると白点が存在する、普通のイワナのパーマークが唐草模様になったタイプである、


出現率100%だったそうだが、現在は放流魚と混じり出現率60%くらいである。



31ナガレモン


32ナガレモン




背面朱点イワナ


複数生息することは確認したがデータ不足、出現率と出現メカニズムは不明である。



33背面朱点




34背面朱点



                        おわり





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ムハンイワナ(前編)

2018-08-16 20:53:59 | ムハンイワナ
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前回、衝撃的な 毒キノコアマゴ の情報をいただいた田中篤さんから、このたびイワナの斑紋の謎として知られる ムハンイワナ の寄稿をいただきました。
ムハンイワナのまとまった総説のようなものを見る機会はほとんどありません。とても貴重な記事になるとおもいます。

    


     ムハンイワナ(前編)

           田中 篤


サケ科の魚には時としてイレギュラーな斑紋の個体が発生します。


特に多いのがムハンタイプ、斑紋のない魚です。


このムハンタイプはヤマメ、アマゴ、イワナ、オショロコマに見られます。


ここではムハンイワナについて紹介したいと思います。


私が釣ったのは東北地方の某河川。


それは全くの偶然でした。


イワナとヤマメの混生域を釣っていた時に釣れた17cm位の魚、 釣り上げたら模様が見えなかった。


あれ?こんな所にもウグイがいるのか?


と思ってよ~く見ると、顔つきがウグイじゃない、イワナの顔なのだ。


脂鰭もついている、模様は無いけれど確かにイワナだ。


ムハンイワナは本では見た事はあったが実物を釣ってしまってビックラこいた。


そして証拠写真を撮ったのだが、その時はフィルム式のコンパクトカメラで、 接写ができなかった。


なので撮った写真は遠くから撮ったもので、被写体は写真の中央に小さく写っていた。


せっかくのムハンイワナなのに、本当にムハンイワナなのかウグイなのか判別が困難なものになってしまった。



その直後に接写に強いデジカメが出てきて、これを持ってこの川に通うことになった。






    


ムハンイワナの川で釣れるほとんどのイワナは普通の東北のイワナ。


白点のある普通のイワナだ、その中に一定の確率でムハン遺伝子が発現したものが現れるらしい。


でも釣っても釣ってもムハンイワナは釣れなかった。


どの程度の確率で生息するのかもわからないし、もしかすると養殖魚の放流によってすでにムハン遺伝子は消滅しているかもしれない。



そんな不安のなか約3年が経って、やっと2匹目が釣れた。


実は3年間はその川だけではなく、周辺の川も釣っていたのでなかなかムハンに出会えなかったようだ。


ある一本の河川にムハンイワナがいたら、隣の河川にもいるかもしれない。



本流を通じて繋がっている別の支流にもいるかもしれない、と思って同じ水系の近くの支流を手当たり次第に釣った。



現在は友人も含めて15匹ほど釣れましたが、釣れるのは最初に釣ったあの川だけ、 結局は最初に私が釣ったあの川にしか生息していないという事がわかりました。



現在の記録では、ムハンの出現率は約50匹に一匹の確率です、簡単に出会えるものではありません。



1ムハン(釣り人U氏)


2ムハン(釣り人N氏)


3ムハン

4ムハン


5ムハン


6ムハン


7ムハン


8ムハン


9ムハン


10ムハン


11ムハン


12ムハン


2匹目が釣れて以降も同じ水系の別の川を手当たり次第にほとんど釣りましたし、 地元の人に聞き取り調査しても、あの1本の川でしか釣れないようです。


そう考えると私はそんな川にいきなり、偶然入ってしまったようで、それはほんとうに奇跡的な事だったと思います。




この川の普通のイワナ。


13普通


14普通


15普通


16普通


17普通


18普通


そしてこの川は魚類学会が認知しているムハンイワナ生息河川10河川には含まれていない、新たな生息地である事も判明しました。



と言っても地元の人達は昔からここにはムハンが棲む事を知っていましたから、それを学会が知らなかっただけの事ですが。



その後、私の情報で魚類学会員の方が入って調査しました。


私も同行しましたが、さかんに釣れた普通のイワナの脂鰭を切除してDNAサンプルとして取っていました。


この時、実際にムハンイワナは2匹釣れましたがこの魚のサンプルは取らずにリリースしていました。


私はなんでムハンじゃない普通のイワナのサンプルを取っているのだろう?と不思議に思いました。


でも調べるDNAはミトコンドリアDNAなので、その集団に共通の遺伝子なのでこういうサンプリングになるようです。


その結果は詳しくは聞いていませんが、比較的古いタイプの遺伝子だそうです。


そして一時、この川を希少魚種保護のために禁漁にしようという話が持ち上がりました。


そうなると一般人の私はここで釣りをしてムハンイワナに出会う事ができなくなってしまいます。


結局、禁漁処置は取られず、現状のままになりました。



もしここを禁漁に設定すると、全国的にここに希少種のムハンイワナがいますよ、と宣伝する事になる。



そうすると良からぬ人達がやってきて、この川を荒らして行くかもしれない。


結局は人に知られずこのままが一番良いのかもしれない。


ムハンイワナの形態的特徴は、まさに無班、イワナ特有の紋様が何も無い事です、パーマークも完全に消えます。



しかしお腹は黄色くなります、これは普通のイワナと同じです。



沢山釣ったムハンイワナの中には若干の斑紋が存在するものがいました。


尾部の側面に白点のあるタイプ
白点も小さくて、イワナの本来の白点がここの部分だけ残った、という感じではありません。
全ての紋様が消えた上に出現した別の班紋のような印象です。


19白点(釣り人M氏)






尾部に黒点があるタイプ 。
側線のあたりに薄くて小さな黒点が沢山あります。


20黒点(釣り人U氏)






額の丸い2つの対照的な紋様
これは白点を持たないヤマトイワナにも良く現れる紋様です、
額に白点が無い場合に薄いこの紋様が現れる場合があります。



21白班




                        この項、続く。






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