オショロコマの森ブログ5

渓流の宝石オショロコマを軸に北海道の渓流魚たちと自然を美麗画像で紹介します、

オショロコマの群泳する滝壺が消えた

2013-04-30 20:09:46 | 渓流魚、蝶、自然
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知床半島の早春、淡黄灰緑色調のオショロコマの棲む滝壺が消えた。
20XX年5月12日。
川は細かな砂礫混じりの雪解け水で相当に増水して笹濁りになっている。

この知床半島羅臼側にある流程の短い渓流には昨年秋には海からすぐのところに大きな深い滝壺があった。

昨年秋の大雨で土砂が堆積しその滝壺が埋まってしまった。

昨年までの深い滝壺にはオショロコマの大群がいたのだが、浅くなってしまった滝壺に今日は魚影がなかった。

その少し下流に小高い砂防ダムがあり海側からの魚類の遡上は絶望的だ。

そのダムから河口までの間は普段オショロコマはいないのだが今日は何故か魚影があった。

滝壺に棲んでいた群れが全部ダム下まで流され落ちたのか、それとも海から遡上してきたのかどちらかであろう。

いずれにしてもこの渓流のオショロコマの生息環境があっという間に大きく変化してしまったことは明白だ。

寒い。海から冷たい強風が吹きつけ、体感温度は既に零度以下だ。一方、水温5℃の川の水中のほうが暖かい。

そうはいっても撮影のため水中に入れた手は、ずーんと痛みを伴うしびれがきて、やがて感覚が麻痺して何も感じなくなってしまった。

魚は次々にかかるがこのまま撮影を続ければ低体温症に陥ることは何度も経験している。体の震えが止まらなくなってきたので、そろそろ危険かな。今日はこのくらいにして撮影を中止した。

この渓流独特の淡灰黄緑色調の淡いくすんだ色調のオショロコマ。赤点紋理は細かく体色が明るいせいか鮮やかさがない。腹部、ヒレは淡いオレンジに着色するが色調は薄い。成熟した♂は緑色調を帯びる傾向がある。

オショロコマたちは手早く水中で撮影してすべて丁寧にリリースした。




















さて、何万年もかけて出来た深い滝壺が大雨で流れてきた土砂であっと言う間に埋まってしまったのは、近年すぐ下流に作られた砂防ダムの効果であろう。

しかし50年から100年もすれば、この砂防ダムも寿命で崩壊するか、底抜けするか、埋まってしまうか、いずれにしてもやがて砂防ダムとしては機能しなくなるだろう。

そのとき、滝壺の土砂は再び海へと流出し、また深い滝壺とオショロコマの大群が復活するのだろうか。

それとも、その前に地球温暖化が進んで知床のオショロコマは消えてしまっているのだろうか。



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標津川水系源流域初夏の渓流魚 その弐

2013-04-29 18:06:34 | 渓流魚、蝶、自然
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野性的に美しく躍動する標津川水系初夏のオショロコマ その2
20XX年7月11日。 

ヒグマとの接近遭遇を避けて撤退してきたので時間が余って、ちょっと物足りない。

近くの標津川水系の別のオショロコマの棲息する渓流に車を走らせた。

いつもは源流域をめざすのだが今日はなんとなく予感がして比較的下流域で、一般の釣り人は普通入渓しないと思われる水域に入ってみた。
思いがけず、入渓地点のすぐ下のたまりで良型オショロコマが入れ食い状態で釣れた。
























































ヒグマの臭いで撤退した渓流のさきほどのオショロコマよりは色調が明るく虎虎模様が比較的目立つものが多い。

赤点紋理はやや大きめで鮮明オレンジ系の色調だ。腹とヒレは♂も♀も黄色で、どちらかというとめりはりのはっきりした紋様の個体群であった。体色が明るいのは、ここの環境がやや開けているせいかも知れない。

この渓流ではオショロコマははや瀬にもでておりここぞというたまりや瀬には必ず魚がいて、ほとんど釣り人が入っていない状態と思われた。

川底の石が小さく、ダラ瀬の部分が多く歩きやすい。ここはある理由のためヤマベはいない。

約30匹ほどのオショロコマを釣って手早く水中で撮影し、すべて丁寧にリリースした。

ところで淡水ヒルガ付いている個体が1匹いましたがお気づきだったでしょうか?

500mほど釣り下りそこまでで十分撮影できたので引き返し、昼食を食べた。

気温が低く小雨が断続的にぱらついてくる。

そのたびに川岸の大きなフキの葉を傘がわりにして濡れるのをしのいだ。


川岸には道内の渓流では、近年急速に減ってきたバイカモが川面に広がり真っ白い花をつけていた。



終わり。





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標津川水系源流域初夏の渓流魚 その壱

2013-04-28 18:33:03 | 渓流魚、蝶、自然
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野性的に美しく躍動する標津川水系初夏のオショロコマ   その1
20XX-7-11  曇り 一時雨 のち曇り 寒い。

道東の標津川水系にはヤマベとオショロコマが生息する渓流が多い。標津川水系はヤマベの周年禁漁河川もふくめすべての支流のオショロコマの棲息状況を調査してきた。

ほとんどの標津川水系の支流にはオショロコマが分布する。しかしヤマベに圧倒されていたり、絶え間ない釣り圧で激減したり、河川環境が変化したり種々の理由で容易に入渓できるところではオショロコマは近年見る影もなく少なくなっている。

しかし、当然ながら色々な理由で釣り人が入って行かない水域はいまだ魚影が濃い。道東のヤマベ釣り解禁日の7月1日は、例年至る所ヤマベ釣りの車がびっしり入って標津川水系は釣り人でおおにぎわいだ。しかし、おおかたのヤマベはあっと言う間に釣りきられ、7月も10日を過ぎると釣り人はほとんど見かけなくなる。静かになった標津川水系に渓流魚の撮影に出かけた。

容易に川にアクセスできるところは釣り人の痕跡が目立ち、さすがに魚がいない。木の枝に引っかかったままの多数の仕掛けや新品の釣り手袋の片方(何故かけっこう落ちている)や、岸辺で釣った魚をさばいた跡などヤマベ釣り解禁日の戦の跡がいたるところで目に付いた。

標津川水系はもう30年来通っているので、私だけの秘密のポイントはあちこち熟知している。種々の理由で誰も入って行かない場所を狙って入渓するのだ。

林道にヒグマの糞が見えますでしょうか。



この時期は一年のなかでオショロコマのお肌が最もみずみずしく美しくなる季節だ。オショロコマたちは、瀬にも出てきて盛んにエサを追う。標津川水系ではこの時期、オショロコマの活性は高く、最も野性的に美しく躍動する。

標津川水系上流域は広大な低山地に広がった自然度の高い森林地帯を流れている。当然ながら、そこはヒグマの一大生息地でもある。奥に入るほどヒグマの気配は濃厚になりヒグマの糞などはそれこそいくらでもある。


ヤマベやオショロコマが入れ食い状態になってきたらそこはもう相当なヒグマ危険地帯と言っても過言ではない。

急に渓流の水が濁ってきたり、猛烈な獣の臭いがしたり、大きな獣が移動する音などで命からがら逃げ帰ったことは何度もある。

この日は朝8時過ぎに釣り人が入っていない場所を狙ってゆっくり入渓した。今年はヤマベが異常に多いのに驚かされた。特にシンコヤマベが多いが二年魚や三年魚も混じる。立派なたまりがあるとヤマベがひとしきり釣れてから、やっとオショロコマが釣れ始める。

22cmを筆頭にヤマベがよく釣れた。

















オショロコマは暗い褐色調で赤点紋理は鮮やかである。♂の腹やヒレは黄色く、標津川水系のこの支流に多いタイプである。尾叉長10-25cmと小振りだがいかにも野生を感じさせる体型の美しいオショロコマが多い。

オショロコマの個体数の多い場所の常だがヒレに小さなヒルの寄生を受けているものが多い。ヤマベやオショロコマたちは手早く水中で撮影後、すべて丁寧にリリースした。












淡水ヒルガ寄生している個体もしばしば見られる。











































ワンキャストワンフイッシュの完全入れ食い状態が続く。せっせと釣っては撮影し進んでゆくと1時間ほど釣り登ったあたりで猛烈な獣の臭いを感じた。ヒグマがいると判断、ただちに決心して竿をたたんだ。

25年ほど前、標津川上流で入れ食い状態のヤマベ釣りに夢中になっていると、急にガサガサと大きな音、川の水が激しく濁って猛烈な獣の臭いがしてきたためパニックになり妻と二人で大急ぎで川を下った。

無我夢中で10分ほど下って、後ろを見ると妻がいない。恐怖のあまり足がもつれてやっと逃げる妻を置いてけぼりにして真っ先に逃げてしまった自分に気が付いた。幸いしばらく待つと真っ青な顔で妻が追いついてきた。その後、妻の機嫌をとりもどすのに半年かかった。 我を忘れて真っ先に逃げてゆく夫を妻はどんな気持ちで見ていたのだろう。

今日は妻を先にして熊スプレーの点検などしながらホィッスルを鳴らし、すみやかにその場から遠ざかったのだった。


この項 続く。



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オホーツク早春、巨大ニジマスとの格闘

2013-04-27 13:20:10 | 大型魚
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20XX-4-26(金) 晴れ のち曇り

早春、オホーツクの各渓流には、それぞれの渓流独特の種々の理由で大型ニジマスが遡上する。

朝9:30 北見市近郊の渓流へ出発。








例年この時期、大型ニジマスが遡上する川だが、うまく群れにあたるかどうかは運次第。行ってみなければわからない。

やや標高が高くなると日陰には残雪が目立つが、川は雪解け増水でいつもの倍ほどの水量だ。

エゾアカガエルが大きな水たまりに多数集結し大合唱しながら産卵していた。
 

コヒオドシ、エルタテハ、クジャクチョウなど越冬タテハが陽が照ると盛んにフキノトウの花に吸蜜していた。 
 

森のなかには鹿の食害で樹皮をむかれた木々が目立つ。今年は北見市では1600頭のエゾシカ駆除を行う予定だが、それでもエゾシカは減らない。












目的の場所で期待に胸を振るわせながら振り込む。魚がいれば大抵一発で食いついてくる場所だ。

反応なし。 あちこち移動しながらポイントをさぐるが、まったく当たり無し。



30分ほど粘ったが、生体反応がなく仕方なくあきらめて引き上げることにした。

竿をたたんでいると、滝のようになっているところを一瞬、大型ニジマスが激しく体を震わせながら滝登り。

そのまま、ぴゆーっとその上流に消えるのが見えた。

おお、デカニジマスが登ってきている。いるぞ。

そこでまた気を取り直して釣り始めた。

急流に流されないよう相当重い重りで、ハリス止めでのハリス切れのパターンを避けるため、太い道糸に直接、頑丈な針を結んだデカニジマス専用の仕掛けだ。そんなわけで、これは根掛かり必発の仕掛けでもある。そのうち、やはり、心配していた根がかり。びくともしない。

そこで釣り糸を持ってはずそうとすると、なんと急に道糸が動き出し、まさかの魚がついていて大暴れして逃げられた。

まったく当たりが無く引っ掛かったとばかり思って糸を引くと初めて動き出したのであった。

しばらくすると別の場所でまた根がかり。どうしてもとれず、糸を引っ張るとまた魚がついていて大暴れの末逃げられた。

うそみたい。夏場のニジマスとはまったく違う。

要するに夏場のすざましいファイトがなく、あまりニジマスらしくない。そのあと一匹ヒット、大暴れされ、また針がはずれた。

当たりは極めてかすか。さらに今度はスレで一匹かかり、取り込み寸前に結局逃げられた。

また一匹ヒット。これもランデングネットですくおうとする間に針がはずれ逃亡。

当たりがとれないために思い切り合わせていないので針かかりが甘いのだ。

私がついに大きなニジマスをかけた。想像を絶する重さだ。ひたすら、じわーっとした強い引き。でかい。

悪戦苦闘のすえ、なんとかネットにはいったとたん、きっと竿を折られるの予感どおり、ぐきっと変な音がして3.0mの渓流竿がぼっきり折れた。

やたら大きな♀であった。大きさ重さはあえて記しませんが、写真でご想像下さい。

てばやく撮影してリリースした。疲労困憊。

昼食のおにぎりを食べ、再度釣り場へむかう。

今度は3回ヒットあり。45cmほどのを1匹確保し、撮影してリリース。

この日は ニジマスの当たりがとてもかすかで、十分な合わせができなかったせいか逃げられてばかり。

それでも、早春の楽しいニジマス釣りであった。

この時期のニジマスは食べてもおいしくないのと、この渓流はニジマス以外には放流ヤマベがいる程度なので駆除の意味はない。

すべて、てばやく撮影して丁寧にリリースした。
















アキアジ(サケ)よりも大きなニジマスでした。持ち上げていられるのは5秒だけ。重いのだ。








終わり。



  



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知床半島S川上流域早春のオショロコマ、♂♀の比率

2013-04-26 19:34:19 | 渓流魚、蝶、自然
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早春の知床半島S川上流域のオショロコマ、♂♀の比率
20XX-5-10  晴れ 風が冷たい

下流域に魚がいないのでどうにもならない。

そこで思い切って、いつもはヒグマを恐れて入って行かない上流域へ、今回初めて行ってみた。

奇岩が並び、ちょっと変わった独特の風景だ。










落差溝の下流から海までと、その上流とではオショロコマの外観がやや変わる。

上流域では河口付近と違いオショロコマは小型で、下流域の個体群と似た個体もいるが、概して多彩、かつ野性的な外観だ。

小型だが個体数は多い。しばらくいくと遡行が難しい雰囲気になり無理をせずそこから引き返した。

♂は昨年秋の産卵行動の傷跡が残る個体が多かったが、これから初夏にかけては十分に摂食して、またみずみずしいお肌になってゆくと思われた。

今日、この水域での♂と♀の比率が気になり、釣れた魚を全て撮影して♂♀の比をみた。

明らかな♂、明らかな♀のほかにどちらかな?と判断にとまどう個体もいる。

オショロコマは一体どの発達段階から♂♀にはっきりと分化してゆくのだろうか。

今日のところは明らかな♂15匹、明らかな♀16匹、♂か♀か迷うもの10匹であった。











明らかに♂と思われる個体たち。

















明らかに♀と思われる個体たち。



















♂か♀か、 外見的に迷ってしまう個体たち




















夏場は圧倒的に♀が多くなるのだが、早春のこの時期、上流域では ♂と♀の比率は 約1 : 1 であった。




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激しく変遷する知床の渓流とオショロコマ

2013-04-25 18:40:49 | 渓流魚、蝶、自然
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年早春の知床半島S川下流域のオショロコマ
20XX-5-10  晴れ 風が冷たい
激しく変遷する知床の渓流とオショロコマ
9時30分に北見を出発。知床の渓流S川に向かった。この渓流では以前、6月に降海型オショロコマをかなり撮影したことがある。

それではこの時期はどのような状況か、降海型は出現しているのかどうかを調べに向かったのだった。

途中、秀峰羅臼岳に雲がかかっているのを撮影できた。


この日はおおむね一日中晴れであったが風が肌を刺すように冷たいのはこの時期の知床の特徴だ。

目的の渓流S川はいつもと比べてかなり水量少なく白い川底の石があちこちに出ていた。


以前、降海型オショロコマを釣ったときよりは、はるかに川の状態が良くない。

向こう岸の降海型オショロコマが多かったところは水量少なく魚がたまるような環境ではなくなっていた。

知床の川の状況は毎年同じとは限らず、むしろ思いがけないほどに変化することが多い。

普段オショロコマの多いこの渓流の下流域には、この時期意外なほど魚が少なかった。

下流域の個体群は、この時期には海(汽水域から沿岸域と推定している)に移動しているのだろうか。

やや良型で緑色調の濃いこの川の下流域独特のオショロコマは、今回少し見られたに過ぎなかった。 














いつもと較べると大型個体は少なく、目的のギンピカ降海型オショロコマは一匹もいなかった。撮影させていただいたオショロコマたちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。

この渓流は河口から数百mで魚止めの落差溝があり、一応魚道はあるが機能していないことが多いと思う。

そこから上流はヒグマの巣窟であり、私たちはそこから上流へは怖くて入ったことがなかった。

この日は意を決して、上流域へ入ってみることにした。


この項 続く。



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知床の小渓流のオショロコマを全滅させるには。

2013-04-24 20:14:55 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX年5月13日。 知床半島羅臼側の小渓流。
この川は海から数百mで砂防ダムがありオショロコマの棲息範囲はこの狭い水域に分断され、上流域との交流を遮断されている。

この渓流の♀若魚の腹部は白くその側面に淡い黄褐色のふちどりがあるのはこの川の個体群の特徴といえる。

川はすぐ函になり、日照が少ないせいか尾ビレ、腹ヒレが暗黒色調になる個体が半分ほど現れる。

魚体は小さく尾叉長10~15cmのものが多い。とても特徴的な姿形のオショロコマで、一目みればこの小渓流の個体群と判別できる。







ここの川岸はフキノトウがびっしりとあり夏場は川岸はフキの葉で覆われる。

日当たりの悪いところではオショロコマの体色は暗色調を帯びる傾向が強い。20匹ほどを釣って手早く撮影させてもらい、すべて丁寧にリリースした。この川では遺伝子解析のためかアブラビレを切り取られた個体がいた。 

ところで、このダムから海までの狭い水域に棲む個体群の大きさは今現在どれほどのものだろうか。

当てずっぽうで申し訳ないが、成魚はせいぜい百匹程度に過ぎないと思う。

知床ではここと似たりよったりの小渓流が多い。それぞれ渓流ごとの特徴を有する貴重なオショロコマ個体群が棲息するが、数人の釣り師が本気で釣ればほぼ全滅させることはきわめて容易だ。

この川をはじめ多くの知床の渓流の今現在は極めて危うい状況で、もはや知床のオショロコマは釣っても川から持ち帰るべきではないと思う。

ちょっと前までは川にオショロコマがあふれていたのだが、この5-6年で状況はまったく変わっている。




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スズメバチに頭を刺されパニック

2013-04-23 20:25:18 | 渓流魚、蝶、自然
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北見市近郊の無加川支流、アメマス、ヤマベしか生息せず。スズメバチに頭を刺されパニック。

20XX年9月9日(日) 曇り~小雨 21℃
昨日夜、九州別府からもどった。疲れた。別府はものすごく暑くて湿度が高くて、北海道オホーツクの北見市に住んでいる人間にはちょっときつい気候であった。台風9号は東京に上陸し、大雨でかなりの被害があったようだが、北海道にも雨と風で猛威をふるって昨日、去ったようだ。七飯町ではリンゴがたくさん落ちてしまいもったいない。確か、東京ではラフランスが大量に落下した写真が一面に大きく出ていた。
 
今日は朝10時、北見市のすぐ近くなのに、何故かこれまで未調査であった無加川支流二本の源流域を調査にでかけた。家から近いので川にはすぐ着いた。こんな近くにこんな立派な渓流があったとは知らなかった。川は昨夜来の台風9号の影響でかなり増水している。水は笹濁り程度で下流域の濁流とは違い森の中の川は泥川にはならない。従来この川の地図にはダムなどなかった。ごく最近までにいつのまにか4基もの大きな砂防ダムなどが出来ていた。

急ごしらえの枝道には立派な真新しい橋まで出来ているがその橋の前後は草がひどく生い茂り熊やキツネしか利用していないことは明白だ。その橋の前後100mもがっちり護岸されている。だれも知らない山奥でこの小さな渓流にいつのまにか大工事が行われていた。 当然ながらここまでやられると魚はいなくなる。実際、下流域でまだダムの影響の少ないところではネイティブのヤマベが釣れたものの、源流域までさぐったがオショロコマは発見できなかった。








また、一見うっそうとした森にみえるが、気をつけて良く見るとここの山全体が植林の山で大規模伐採などで、いったん丸裸になった時期もあると思われた。ここでは原始のオショロコマの森は既にいったん破壊され、植林で消えてしまったのだと考えられた。古くから開発が繰り返されてきた北見市のすぐ近くなので当然といえば当然か。熊がフキを食べた跡がいたるところにある。

今日はちょっと不思議な経験をした。リスやカケスや鹿が出てきたが、ここでは何故か車を恐れず逃げない。ゆっくり近づくと数mまで接近できた。鹿など車のほうへゆっくり歩いて来る始末。写真を撮ろうかと車から降りるとさすがに、森の中に入ってしまった。



次に入った森は最初から二次林であった。見事な植林地でここまで大規模だとそれなりに美しい。かなり入ったところに小学校跡地を示す大きな石碑があった。いまはうっそうとした広大な植林地であるが、かってこの付近一帯には開拓農民の畑が広がり集落や学校、お店があって子供たちが元気に駆け回っていたのかと思うと感無量。私はこういう風景に弱い。

川は台風の影響で増水し笹濁りだが、この川ではアメマスが多かった。川がにごっているせいか当たりがかすかで、そのためあわせが甘くなる。大きな個体は猛烈に一暴れされると針かかりが甘く逃げられてばかり。やっと小振りのアメマスを撮影することができた。川底のこげ茶色と同じ色のハナカジカも釣れた。標高が低く比較的平らな植林地の中を流れているせいか、この川でもオショロコマは確認できなかった。

















午後2時35分。よいたまりがあって柳の太い古木が倒れ込んでいた。その枝につかまってそっと振り込むとアメマスが吹っ飛んできて針かかりしてキラリと白い腹が見えた。その瞬間、右後頭部をゴツンと強く殴られたような電撃ショック。

思わず手で払うと青い帽子が飛び、大きなスズメバチが逃げた。激烈な刺すような不愉快な痛み。スズメバチが柳の古木の裂け目から出たり入ったり、何匹も飛んでいる。私は知らずにこの木の枝につかまって蜂の巣を揺すってしまい蜂を怒らせたようだ。大急ぎで逃げた。

やっと林道にもどって後頭部を見てもらうと5cm四方が赤く腫れ上がり針穴からかなり出血して帽子にも血が付いている。以前にも蜂に頬をひどく刺されたことがある。全身症状はまだ無いが、アナフィラキシーショックを恐れ、さっそくいつも携帯しているステロイドホルモン(リンデロン0.5mg 4錠)を服用した。それにしてもズキンズキンと刺されたところが激烈に痛む。

釣りはこれまでにして大急ぎで北見の自宅に引き返した。帰宅してからも強い痛みは続いたが、午後10時、痛みはかなり和らいできた。明日までに落ち着いてくれるとよいが、思わぬハプニングであった。青や黒の衣類や帽子はスズメバチに狙われやすく、私も青い帽子の頭をやられた。今後、スズメバチ刺創によるアナフィラキシーショック時のためにアドレナリン( エベピン注射液0.3mg )も持参する必要もあると思われた。あと1か月ほどはスズメバチは気をつける必要がある。



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斜里川、黒オショロコマの本流釣り

2013-04-22 20:26:36 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX年9月30日(日) 晴れ のち曇り
秋の斜里川、精悍・野性的な黒オショロコマの本流釣り

朝9時30分北見を出発し斜里川本流のオショロコマを撮影に出かけた。

いつもは斜里川上流~源流域に点状に存在する小規模な生息地をさぐってオショロコマの撮影をすることが多い。

今日は久しぶりに斜里川本流中流域の黒オショロコマを狙うことにした。普通、斜里川本流ではオショロコマはとても少ないが、この時期、とある理由で斜里川本流でオショロコマが集結する場所がある。川幅の狭い源流域と異なり、流れの速い広い本流に立ち込んで竿もいつもとは違ってかなりの長竿を使う。

いつもとはまったく異なり、正にオショロコマの本流釣りである。少ないながらヤマベも釣れる。



























この日のオショロコマは尾叉長25cmが最大であったが比較的良型個体が多く30匹ほどを釣って撮影した。

黒オショロコマの名のとおり全体に暗い色調のものが多く、ヒレは黒色になるものが多かった。

体色が暗色調なので赤点紋理は比較的よく目立つ。





















いわゆる のどくろオショロコマも見られる。





斜里川本流の強い流れに棲むせいか、体型は引き締まり、やや細身で、黒っぽい色調がさらに精悍さを強調して文字どうり精悍・純野生そのものだ。

一方、種々のタイプの個体も多く遺伝子の多様性はとてもよく保たれていると思われた。

オショロコマの本流釣りは、魚が流れに乗って相当強烈な引きになるので結構面白く興奮する。

今日この場所のオショロコマは生傷のある個体がしばしばみられる。産卵行動によるものだろうか。

しかし♀にも生傷があり、より大型のアメマスやイトウ、サクラマスやサケ、カラフトマスなどに襲われているのだろうか。

オショロコマの体に噛みきずがめだつのはなにか他の大型魚に補食されている可能性がある。

そういえばオショロコマたちが何かに追われるような感じであちこちで激しく跳ねていた。この水域から考えると犯人はイトウかな?.

この日も撮影させていただいたオショロコマたちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。






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ヒグマに襲われ死亡。ヒトを襲うヒグマとは。

2013-04-21 10:09:03 | ヒグマの被害など
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2013-4-16、函館近郊の山林でヒグマに襲われ死亡。

 2013年4月17日北海道新聞朝刊などによれば、2013-4-16 道南の檜山郡せたな町の集落から200mほどの山林でカタクリ採集に出かけた葛西和子さん52歳がヒグマに襲われ死亡した。頭や両肩など全身数十か所にひっかき傷や熊の爪跡があったという。恐らく若いヒグマと被害者が突然接近遭遇して両者動転した結果の惨劇ではあるまいか。ヒグマは逃げ、猟友会が探しているが発見されていない。いつきのヒグマとは思われず、箱ワナをかけたというが一日10数Kmも移動する動物なので、もう現場付近にはいないかもしれない。

 2008年4月6日の北海道新聞朝刊によると 午後3時30分頃 道南函館の近くの北斗市峩朗(がろう)の山林で山菜採りをしていた会社員掘抜誠一さん50歳が熊に襲われ死亡しているのを捜索中の北斗消防署員が発見した。 全身に爪痕、噛まれた傷があり顔面、大腿からの出血が高度であった由。 ヒグマは北斗市のハンター谷地田龍司さん(37歳)に射殺されたが 体長1.2m 体重70Kgの5歳くらいの雄。人間くらいの大きさで巨大なヒグマではないことに注目してほしいとおもいます。状況は不明だが恐らく突然の接近遭遇で驚いた熊が攻撃したのではないかと推定されている。現場はギョウジャニンニクなどの山菜が豊富な熊のエサ場的な場所で4月2日にも別の熊が射殺されたばかりであった。

最近のヒグマによる死亡事故は2006年6月に日高管内ひだか町で山菜採りに出かけた男性(53歳)がヒグマに襲われ死亡し、2006年10月には道東の釧路管内浜中町でヒグマ駆除に出た男性ハンター(62歳)が返り討ちにあって死亡している。

北海道では2000年以降、ヒグマに襲われ死亡したケースは14件15名。うち8名は春の山菜採りの時期に襲われているという。越冬からさめたヒグマはやわらかい山菜の草や新芽を好むので、それらを求めて山に入る人間と接近遭遇しやすいのであろう。

このようなヒグマによる死亡事故は、オショロコマを求めて年中ヒグマの巣窟奥深くへ入る私たちにとってまったく人ごととは思えない出来事だ。これまでヒグマとの危険な超接近遭遇をはじめヒグマの気配で釣り場から撤退したことは数知れない。


その結果、ヒグマに対する有る程度の度胸ができているがこれがまた危険であると自らをいましめている。一応、熊撃退用スプレー(高額)3本や、かなわぬまでも対決用の鉈(なた)を携行するが、幸いこれまでに使用したことはない。きっといざというときには屁のつっぱりにもならないだろう。釣り場に入る前には呼び子を目一杯鳴らしたり、クラクションを鳴らしたりしてこちらの存在をアピールするようにしている。しかし一旦川に入ると流れの音で音響作戦はあまり効果は無いと思われる。

ヒグマの糞や、フキのなどの食痕や、熊の足跡、獣の臭い、その他、ヒグマの気配が濃厚になってきたら、いかに魚影が濃くなったとしても早々に撤退すべきと思われる。とはいっても、やっとオショロコマが釣れ始めたらそんなことは忘れて撮影に夢中になってしまう。 2011年、秋には私たち夫婦の眼前10m に突然ヒグマがあらわれ万事休すと思ったが、幸い向こうが逃げてくれたのでことなきを得た経験がある。川の流れの音がはげしく、お互いに接近に気づかなかったせいと思う。
いづれにしても道南の悲劇は明日は我が身かと背筋も凍る痛ましい事故であった。




若いヒグマの糞。私たちはこのような、まだ人生経験の浅い、好奇心旺盛な人間と同サイズほどの若いヒグマとの接近遭遇を恐れています。 経験豊富な大型成獣はめったなことでは人間とばったり接近遭遇するようなドジをおかなさいものと思っています。


調べていると こんな記事もありました。



ヒグマ避けようとして車転落、1人死亡1人けが

読売新聞2011年 10月29日(土)20時53分配信

 29日午後1時55分頃、北海道中札内村南札内西4線の道道で、道路を横切っていたヒグマを避けようとした乗用車が、道路左わきの電柱などにぶつかり約2メートル下の路外に転落した。

 この事故で、助手席の音更(おとふけ)町木野、無職江端望さん(31)が収容された病院で間もなく死亡、運転していた帯広市西9北4の公務員鈴木拓也さん(32)も軽傷を負った。

 現場は、山あいの片側1車線の右カーブ。帯広署の発表によると、鈴木さんは「路上にクマを見つけてかわそうとした」と話しているという。同署はバランスを崩して路外に逸脱したとみている。現場では、地元猟友会が、路上にクマの足跡があるのを見つけた。足跡は、乗用車の進行方向から見て、右から左に向かっていた。.

最終更新:10月29日(土)21時14分


読売新聞 2011年10月25日(火)14時43分配信

 24日午後11時40分頃、北海道広尾町紋別の道道で、大樹町の自営業女性(51)のレジャー用多目的車(RV)が、道路わきの防雪柵付近から飛び出してきたヒグマをはねた。

 車は前部が大破し、女性は胸などに軽傷。現場近くの道路わきで25日正午前、はねられたとみられるヒグマ(体長約1・7メートル)の死骸が見つかった。女性は読売新聞の取材に「あっと思ったら、大きなクマが突然、出て来て、ブレーキをかける間もなくぶつかった。車が動かず、怖くて車外に出られなかった」と語った。

 広尾署の発表では、現場は山林に近い片側1車線の直線道路。十勝では今月、ヒグマがらみの交通事故が今回で3件目。道警で注意を呼び掛けている。

 女性によると、現場は街路灯や他の通行車両もなく、シカの出没も多い。自宅に帰る途中で、車はボンネットがめくれ上がって大破したが、エアバッグが作動、大けがを免れたという。

 幸い携帯電話が通じたため、夫と警察、保険会社に連絡できたが、連絡後、張り詰めていた気が一気に抜けて「そばにクマがいる」という恐怖に襲われ、車外に出られなかった。事故後20分以上過ぎて夫が迎えに来た時、ようやく「助かったと思った」と話した。

 ヒグマの生態に詳しい帯広畜産大の柳川久教授は「今年は記録的なドングリの不作。冬眠に向けて栄養を蓄えるため、ふだんなら活動しない時間帯や場所でも餌を求めて行動しており、人間との接触の機会も多くなっている」と分析している。.




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釧路川水系源流域 NO川の渓流魚

2013-04-20 09:45:14 | 渓流魚、蝶、自然
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阿寒湖ー屈斜路湖以南の釧路川水系にオショロコマは分布するか? その6
結局、阿寒湖ー屈斜路湖以南の釧路川水系にオショロコマは確認できなかった。

20XX年9月23日(日)晴れ 午後は気温が下がって9℃。
夕暮れの釧路川水系源流域NO川のヤマベとアメマス

最後に釧路川水系源流域のひとつNO川上流に入った。

このNO川のずっと下流域では今から40年近く昔のことだが、私はイトウを狙って川の近くに3日ほどテントを張り、春先にドジョウ引きをやった。

30cm程のアメマスしか釣れなかったのを思い出す。今にして思えば、大型イトウ達は産卵のため上流域 ヘ移動しそこにはいなかったのであった。当時はそんな知識も無くイトウを追い回していたのだった。

あらかじめ地図をよく調べてきたつもりだったが、道がわからなくなった。

試行錯誤してあちこち走り回って、ついにあきらめ戻って来る途中、支流の土管橋のすぐ下流を流れているNO川をやっと発見できた。

源流域に到達する道が本当にわかりにくい川である。


屈曲蛇行する浅い小さな川で時々どよんとしたたまりがある。小型アメマスとシンコヤマベのほか産卵行動に参加した2-3年魚ヤマベが少しいた。





























小型アメマスは振り込むとワッと群がって来る程多かった。まるで、遙か昔の礼文島の渓流みたいだ。これではオショロコマ棲息の可能性は相当厳しいものと考えられた。結局、入念にさぐったが、ここNO川源流域においてもオショロコマはいなかった。

アメマス30匹、ヤマベ20匹ほどを釣って撮影したがアメマスはいろいろなタイプがあるが概してエゾイワナ型ばかりであった。




撮影させていただいた渓流魚たちはすべて丁寧にリリースした。

夕刻、もうあたりが暗くなり、途中で釣りが困難になったので撮影を終了した。

弟子屈へでて屈斜路湖畔の三八式歩兵銃の飾ってあるレストランで夕食にトンカツ定食を食べたがおいしかった。

美幌峠を抜け、午後8時に北見にもどった。

2日かけて大急ぎでこれまで未調査であった釧路川水系源流域の残り6本を調べたが、かなりの強行軍であった。

結局、今回の調査では当初の予想通り、阿寒湖ー屈斜路湖以南の釧路川水系にオショロコマは確認できなかった。  

オショロコマ発見は無かったが、こんな調査をした人間はこれまでにきっといないだろうと思う。

これはこれでとても貴重なデータだと思う。

心底、疲れて果てすぐに泥のように寝こんでしまった。


この項 終わり。



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釧路川水系上流K川の秘密のニジマス釣り場

2013-04-19 13:49:10 | ニジマスによる被害
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阿寒湖ー屈斜路湖以南の釧路川水系にオショロコマは分布するか?
その5

10年前からニジマスに完全制圧されている釧路川水系源流域K川

20XX年9月23日(日)晴れ 午後は気温が下がって9℃。

引き続き今度はPK川が合流する本流K川上流へ向かった。

どこまでも自然度最低の植林の山ばかりで離農した酪農家の廃屋が多い。

牧草地とデントコーン畑がえんえんと続く。ヒグマ出没中で入林禁止などと看板がある。

いたるところ広範にフキがかじられた跡がめだつ。

道が林道に移行するあたりで急に道が荒れはじめ、今度は私有林につき発砲禁止、入林禁止の看板があった。

そこで右折し、最後の酪農農家の前を抜け、荒れた林道を下ってゆくとやっとK川上流にでた。



渓相は良く、さぞや魚がいるだろうと思ったが、やはりニジマスしかいない。








最初に小型1匹、その上で25cm2匹。その上の良いたまりでニジマス26cm 30cm の二匹、合計5匹釣れたのみ。







ふと、人の気配がした。思いがけずフライ竿の地元釣り人が釣り登ってきたので、少し話をした。

このK川は彼が本州からここに移住してきた10年前から、すでにニジマスしかいない川であったそうだ。

きわめて稀にアメマスが釣れる程度だという。正にニジマスの自然繁殖河川と化しているようだ。

オショロコマはもちろん、ヤマベもまったくいない。ヤマベ、アメマスはニジマスに駆逐されてしまったのだろうか。 

彼は、10年間この川で彼以外の釣り人を全く見たことはないとのこと。

秘密の釣り場が知られてしまったといった面持ちでやや狼狽している感じ。

何故私たちがここに来たのか驚き、とても不思議に思っているようであった。

オショロコマの調査にきただけでニジマス狙いではないことがわかって少し安心したようであった。

今後とも、このK川は彼専用の贅沢な秘密のニジマス釣り場として存在してゆくのであろう、



最後にこのK川の下流域を釣ってみたがやはり小型ニジマス2匹のみ。

澄んだきれいな水の本当にすばらしい川なのに外来魚ニジマスしかいないのはとてもさみしい。

ニジマス放流がこの渓流の生態系を大きく変えた可能性は否定しえないと思う。

この項 続く。




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ニジマスに完全制圧された釧路川水系PK川の無斑ニジマス

2013-04-18 19:44:18 | ニジマスによる被害
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阿寒湖ー屈斜路湖以南の釧路川水系にオショロコマは分布するか? その4
ニジマスに完全制圧された釧路川水系PK川の無斑ニジマス

20XX年9月23日(日)晴れ 午後は気温が下がって9℃。

今日は、まず湿原の中を頭蓋骨の縫合線みたいに屈曲蛇行して流れる釧路川水系源流域の一つ、PK川に入った。

湿原の川にアクセスできるポイントはただ一カ所。そこから湿原の渓流に入った。


木々や草、灌木が密生し、しばしば竿を振ることはおろか遡行するのも大変な場所が続く。



この川では思いがけずニジマスがいた。というより、まさかのニジマス一色の川であった。







かってはアメマス、ヤマベの渓流だったはずだが今は放流ニジマスが大繁殖し、ニジマスによって完全に制圧されている。

歩きにくい湿原の渓流を、なんとか頑張って2時間ほど遡行してみた。

灌木が覆い被さり、とても釣りにくいが、ニジマスがワンキャストワンフイッシュで必ずヒットする。

こちらの姿が丸見え状態にならなければ、振り込んだとたん、15-30cmのニジマスがいとも簡単に釣れてくる。

激しく水面上に飛びあがったり、跳ねたり、逆走したり、力任せに走りまわったり、野生化ニジマス釣りは本当に快感だ。














初めはリリースしていたが妻が食べるので持って帰ると言いだし、結局一番おいしいサイズ、20cmくらいのを5匹ほどキープした。


ここまでになってしまってはニジマス駆除はもはや陳腐な話だ。

引き返して入渓地点からまた50mほど釣り下ってみたが、やっとこの川初めてのアメマス18cmが1匹釣れた。


アメマスは大繁殖したニジマスにほぼ駆逐され、かろうじて生き残っていた感じだ。

今日この湿原の渓流で、かなり釣り逃がしたものも多いが、少なくともニジマスを100匹以上は釣ったとおもう。



残念ながらこの水域はオショロコマは勿論のことヤマベも生息しない完全なニジマス川に変わってしまったと思われた。

正に、おもいもかけなかった釧路川水系源流域の状況に愕然としたのであった。突然変異個体と思われるが珍しい無斑ニジマスが1匹釣れた。
しばしば ホウライマスと呼ばれるものとよく似ているかも知れない。






この項 続く。




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釧路川水系シセツリ川源流域の渓流魚

2013-04-17 19:22:34 | 渓流魚、蝶、自然
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阿寒湖-屈斜路湖以南の釧路川水系にオショロコマは分布するか?
   その3 シセツリ川源流域の渓流魚たち
20XX年9月22日(土)晴れ 午後は曇って急激に気温が下がった。

今度は釧路川水系支流シセツリ川源流域へむかった。ここはやや標高が高いようで針葉樹が多くしかも自然度が高い。


































もうすぐ上流でこの川は終わるのだが意外と水量が多く、小型アメマス、小型ヤマベが多かった。渓流釣りの対象としてはあまりに小さい。

目的のオショロコマはまったくみられなかった。ここでもヤマベ2-3年魚は産卵行動の跡が生々しかった。

川もきれいですばらしい原始河川の雰囲気であったが大型動物が広範にフキをかじったと思われる跡があってそれを見たら急に恐怖心がこみあげてきた。




妻が川で転んで衣服が濡れた。折しも急に曇ってきて陽がかげると、気温は急速に低下し身震いするほどになった。

橋のたもとにはたき火の跡があり、この渓流も釣り人がかなり入っているようだ。

シセツリ川に沿って林道をどんどん下ってやっと里に出てきたところで橋を渡る。

林道に鹿の親子。



橋の下に良いたまりがあり釣ってみた。産卵行動後のヤマベ2-3年魚3匹、アメマス10-20cmのもの5匹が釣れた。

このあたりにくると川岸には柳が多くなり水量もかなり豊富である。

橋からダンプが砂利採り場へ往来している。

妻は川で転倒して衣服をぬらしたせいか体温が下がり、がたがた震えだし頭痛、吐き気、倦怠感でぐったり。

今日は温泉で体を暖めようということになった。

夕方、弟子屈の温泉ホテルに電話、宿泊は出来るがもう遅いので夕食なしとのこと。

夕食は町中のソバ屋の出雲で和定食を食べたが豪華でおいしかった。暖かいソバがつくがこれがまたうまかった。

温泉に入り、ビールを飲んで午後10時には寝てしまった。

妻はバッファリンと温泉でやっと頭痛は治り体調がもどってきた。

今日は釧路川支流源流域の渓流を三本調査したが小型アメマス、シンコヤマベは多いがオショロコマはまったく確認できなかった。

この日、撮影させていただいた渓流魚たちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。

この項 続く。



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釧路川水系支流ポンシセツリ川源流域の渓流魚

2013-04-16 20:49:10 | 渓流魚、蝶、自然
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阿寒湖-屈斜路湖以南の釧路川水系にオショロコマは分布するか?
   その2   釧路川水系支流ポンシセツリ川源流域の渓流魚。

20XX年9月22日(土)晴れ 午後は曇って急激に気温が下がった。

今度は、ひどい石だらけの荒れた林道を走りポンシセツリ川上流へむかった。


ここは釣り人が入りやすい川で、釣り下ってゆくと釣り人の痕跡がとても多く、矢羽根目印の仕掛けの切れたものが落ちていた。

ここは標高が低いのか針葉樹は少なく広葉樹が多かった。

















シンコヤマベと小型アメマスが多くオショロコマの気配はまったくなかった。

釣り人が多いようだが、釣れる魚はどれもあまりに小さく渓流釣りの対象魚としては小さすぎる気がした。

ヤマベ2-3年魚が少しいたが産卵行動後でキズだらけであった。

アメマスはすべてエゾイワナ型である。ここで昼食。





ここでもオショロコマはまったく発見できなかった。撮影させていただいた渓流魚たちは全て丁寧にもとの場所に
リリースした。



この項 続く




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