オショロコマの森ブログ5

渓流の宝石オショロコマを軸に北海道の渓流魚たちと自然を美麗画像で紹介します、

渚滑川水系サクルー川の虎虎オショロコマ

2012-10-31 21:17:14 | 渓流魚、蝶、自然
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2005年8月14日
今年も天塩川水系のオショロコマを発見出来ず残念であった。まだ多少の時間があったので、峠を越え渚滑川水系サクルー川の支流の一つにオショロコマ撮影に向かった。この付近はいかにも自然度が高く清冽な美しい渓流はうっそうとした森、まさにオショロコマの森の中を流れている。




渚滑川サクルー川水系のオショロコマの特徴はパーマークが比較的色濃く縦長に細くなるためいわゆる虎虎模様を呈することだ。色調も一般に黄色味が強く腹部の着色は黄色。ヒレは黄色から淡いオレンジで赤くはならない。多少の例外はあるがかなり特徴的な色調・斑紋の個体群で渚滑川水系サクルー川上流のオショロコマと言い当てるのはさほど難しくはない。この林道のみならずサクルー川上流域はいくつもの橋があり、どの橋から川におりても、その前後にはおびただしい数のオショロコマがみられ、その気になればいくらでも釣ることができると思われた。撮影させていただいたオショロコマたちは全て丁寧にリリースした。

























ナガボノシロワレモコウに産卵中のゴマシジミ♀




















渚滑川水系独特の虎虎オショロコマの特徴がよくおわかりのことと思います。



滝上町では渚滑川にキャッチアンドリリース区間を設定してニジマスを大量に放流して壮大な人気ニジマス釣り場作りを行ってきた。これは本物の自然ではなく、いわゆる偽物の自然であることはここに釣りにくる誰もがよく知っている。本州によくある気の利いた天然の環境を利用した管理釣り場みたいなものだ。本物の自然がほとんど失われつつある現代では偽自然はある程度必要なものである。それを利用する人たちもそんなことは周知のうえでそれを満喫している。人工だろうが何だろうが美しい緑は一杯あった方が良いし、魚も一杯いた方が良いとなるとある程度の妥協は必要だ。しかし、今の渚滑川水系に偽自然を作るのはあまりにももったいない。ダムだらけで既に本物の自然が消えてしまった阿寒川や札内川(ダムの下流域)や千歳川水系ならいざ知らず、正真正銘の本物の自然が残っている北海道でも数少ない貴重な水系だ。少なくともオショロコマの棲む水域にはニジマスが侵入することがないよう徹底した配慮をお願いしたい。最近、天然大型ヤマベ釣りのメッカ渚滑川OSR川水系を調べたがここにまでニジマスが入り込んでおり、しかも源流域にまで達しており驚かされた。残念なことだ。最近ではオショロコマやアメマスなど在来種の生態系保全に先進的な考えをもつ北見市の隣町、置戸町ではニジマス放流は一切止めた。ダム下流域に限ったヤマベの稚魚放流のみを行うようになった。英断である。置戸町には幸い、まだ本物の自然が残っている。滝上町も、生態系破壊につながる時代錯誤のニジマスの無制限放流はもうそろそろ再検討をお願いしたい。ニジマスは釣り圧に弱いので放流をやめれば速やかに消えてくれると思います。

 滝上町で空っぽになったガソリンを補給。レストランでエビフライ定食を食べた。食堂に放流ニジマスの40--72cmを抱えて満面笑みをたたえた釣り人たちの写真がところせましと飾ってあった。ニジマスをブラックバスに置き換えると、これらの写真を見る目も多少変わってくるかも知れない。



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十勝の大平原、ブラウントラウトの川は静かに流れる。

2012-10-30 19:32:32 | ブラウントラウト
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朝9時に北見を出発。十勝の大平原を流れるブラウントラウトの川を見に出かけた。

昨日は午後に北見近郊に集中豪雨がありバケツをひっくり返したような猛烈な豪雨であった。そのためか常呂川水系、利別川水系は増水し褐色の濁流と化している。今日はこれらの水系では釣りは無理だろう。




十勝の大地はどこまでも広く、豆やビートなどの畑がえんえんと続く。ゆっくり走って11時30分に目的の川に入った。

一見すると単なる用水路のようにも見えるが、よくみるとそうではなかった。

こんなところに場違いとも言える実に変化に富んだすばらしい渓相が混在している。ブラウンが大繁殖してサケの稚魚を食い荒らすと問題になった道南のS川に実によく似ているのに驚かされた。

川面に美しいバイカモが繁殖し白い花を一杯つけている。

畑のど真ん中の川なのに川の水は冷たくて比較的きれいだ。
適度な深さのよどみ、たまり、低い落差工による大きなプールなどブラウントラウトにぴったりの環境が次々に現れる。




多少のニジマスの他は、現地ではブラウントラウトしか生息しない川としてあまりにも有名な川だ。


今日も地元の若者3人がブラウントラウト釣りを楽しんでいた。話を聞くと夏場はブラウンがよく釣れるので、週に数回はブラウントラウト釣りに来ているという。

フライやルアーではなく、太い長竿に太いテグスで、たまりにドボンと振り込んでがっぷり食いつくまで待つという確実素朴な釣り方だ。

40cm台は時々釣れるが50cm台のブラウンはまだ見たことが無いという。ほどなく25cmくらいのブラウンがかかったが釣り上げたブラウンは胃袋まで大きな釣り針を呑み込んでいた。


彼らにブラウントラウトが放流され繁殖していることについてどう思うか聞いてみた。


広大な畑ばかりが広がるこの付近の川には、もはや在来の魚はいない。今現在、川にブラウンが沢山いるのはとてもいいことだ、ブラウンがいなければここは魚のいない川になると明快な答えであった。


欧米の論文など引用しながら圧倒的なブラウンの害のみを説く識者たちやマスコミよりも現地の彼らの言葉は重い。未来は私たちではなく若い彼らが造るからだ。

そのあとは魚信がなく、若者たちは別な川に大繁殖しているニジマスを釣りに行くと言って車で走り去った。

この川には相当な数の釣り人が入っている。めぼしいポイントは踏み跡だらけ。釣り針の入っていた紙ケースやブドウ虫や柳虫の入っていたプラケース、タバコの吸い殻、紙くず、あちこち木の枝に引っかかった釣り糸などが放置され、釣り人の痕跡がいたるところに目に付く。


もうこの時期になるとブラウンは大方釣りきられたようで、めぼしいポイントではまったく魚信がなかった。


そこで私たちは作戦を変更、釣り人が入っていないと思われる水域(要するにフライもルアーも振り込めない相当釣りにくい場所)をあえて捜して、かなり無理をして川へ降り、川のなかを腰まで浸かって遡行しながら釣ってみた。

















人が入っていない場所には魚がいた。そこでは、ちょっとしたよどみや深みには大抵ブラウンがいた。

かすかな当たりで合わせると、細い渓流竿にブラウン特有のずしんと重い引き。ニジマスは魚の動きがとても速く、跳躍したり逆走したり派手やかだ。ブラウンはぐーんと強く重い引きだ。道南の川でブラウンは相当数釣った経験があるが、この川のブラウンも同じ引きである。


15-30cmの小型ブラウンばかりだがせっせと釣っては撮影した。




現在、この川を含む十勝川水系の中・下流域は、すでに広くブラウンが生息していると言わざるを得ない。特にこの川では既存の生態系は完全に破壊され、正にブラウンの川と化している。


逆に言うとブラウンを中心とした新しい生態系が完成しているかにも見える。現代の北海道で、実に多くの外来生物に囲まれて生きている私は、いわゆる生態系原理主義者ではないのでこの状況には個人的にはとても興味がある。


現在、多くのダムなどで寸断され、十勝川水系上流~源流域にブラウンが遡上してくることはまずない。しかしニジマスのように人為的に持ち込まれればオショロコマや陸封型アメマスはひとたまりもないだろう。近年、ブラウンの移植・放流を禁じた法律はオショロコマにとっては大きな福音だ。


ブラウンは下記の理由で危険視され、周知のごとく、すでに北海道では移植・放流が法律で禁止されている。罰則は予想外に重い。

1.移動性が強く、海や湖沼に面した水域では降海(シートラウト)、降湖型となり
   さらに別の水域に侵入して分布を広げる可能性がある。

2.大型化しやすく、大型化すると魚食性が強い。

3.実に旺盛な繁殖力でニジマスに比べ釣り圧にも強い。

4.在来種との自然交雑の恐れがある。(アメマスとの雑交をタイガートラウトと呼ぶ) 

5.在来種の産卵床を破壊。

6.いったん定着すると駆除が難しい。 

7.移植、放流で危険なウィルス病や寄生虫が広まる危険がある。

8. 誰もが予想しなかったネガティブな状況が発生する可能性がある。


3以降はニジマスではさほど問題とならない特性で私が個人的に特に心配している点である(いわゆる科学的例証は少ないが、現実に私が危険と感じているという意味)。逆に言うとニジマスよりは、遙かに危険な外来魚と思う。

1.と2.はニジマスでもみられるもののブラウンほど顕著でないと思う。

環境に適合すると、ブラウンの繁殖力はニジマスの比ではない。

道南のS川でブラウンのエサ釣りをしたが、振り込んだエサにワーッと雲霞のごとく群がったブラウンの稚魚を見たとき、もはやこの川でのブラウン駆除は不可能と確信した経験がある。


ひっそりと咲く正真正銘の在来種 ツユクサ 


この川沿いの畑の縁にひっそり咲いていたいわゆる雑草。私たちは雑草を目の仇にして全部引っこ抜き、より派手やかな花をつける外来種の植物で庭を一杯にして楽しむ。
                   


攻撃的外来種セイタカアワダチソウ

この川沿いにびっしりと見られる攻撃的外来種セイタカアワダチソウ。北米原産の帰化植物で、種子での繁殖のみならず地下茎を次々と延ばし、その際他の植物の繁殖を妨げる物質を分泌しながら急速に広がってゆく。ブラックジョークみたいだがブラウントラウトの川の岸辺にセイタカアワダチソウはよく似合うのかも知れない。もはや日本全国に広がったセイタカアワダチソウを駆除することは不可能で、この類いの外来種植物には帰化植物という折衷案みたいな名称が考案された。



オショロコマやアメマスの行く末を考えると将来、ニジマス、ブラウン、カワマスなどに帰化渓流魚といった名前を与えたくはない。


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渚滑川水系サクルー川支流、原子川上流の虎虎オショロコマ

2012-10-29 20:05:29 | 渓流魚、蝶、自然
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2005-8-13  晴れ  暑い
毎年大量のニジマスを渚滑川に放流し、平成7年から9年 (1995年 から1997年)にかけて全国に先駆けてニジマスのキャッチアンドリリース区間を設定し、ニジマス釣りで全国的に有名になった滝上町(たきのうえちょう)へ出かけた。

目的は放流ニジマスではなく渚滑川支流サクルー川の虎虎オショロコマ(パーマークが縦長で虎縞模様となる)の撮影である。

滝上の町を通り越し、まっすぐにそのサクルー川支流の原子川に入った。

すでに陽が傾きはじめ、沢には陽が入らなくなってきた。熊さんもそろそろ活動を開始する。

この水系はきわめて自然度が高く、渓流はうっそうとした正にオショロコマの森の中を流れる。

ひたすら林道を走り、最初の橋から川に降りた。

苔むした岩、岸辺ののびやかな植物たち、絵に描いたような美しい渓流だ。

サクルー川支流の原子川は源流域までどこにもオショロコマが生息していて個体数は驚くほど多い。

ここのオショロコマは腹が黄色でパーマークは特徴のある柵状の虎虎模様になり、赤点紋理はオレンジの小さな点状紋が主体である。

虫食い紋は細かい。

幼魚から成魚までほどよいバランスで見られる。

いくらでも釣れるが30匹ほどを撮影し、すべて丁寧に川にもどした。

陽が沈み、深い森はあっという間に暗くなってしまった。鹿の飛び出しに注意しながら林道をもどった。

宿泊予定であった滝上町のホテル渓谷は満室で、末広観光ホテルに宿泊。アメリカ人の夫、日本人妻とその母の3人で切り盛りしている。

お盆や老人のクラス会で満室状態。窓の外は渓谷でごうごうと滝の音がうるさい。暑い。寝苦しい。























ここのオショロコマは腹が黄色でパーマークは特徴のある柵状の虎虎模様になり、赤点紋理はオレンジの小さな点状紋が主体である。虫食い紋は細かい。幼魚から成魚までほどよいバランスで見られる。30匹ほど撮影し、すべて丁寧に川にもどした。

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神秘の裏摩周、神の子池と幻の巨大オショロコマの正体

2012-10-28 14:42:49 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX.12.4   晴れ~曇  気温3℃
神の子池は斜里川支流の札弦川(さっつるかわ)の源流にあり摩周湖の伏流水が湧きだす美しい神秘的な池だ。裏摩周の人気観光スポット神の子池にいたる林道は夏場は観光客の車がひっきりなしに通り、札弦川源流域はとても釣りどころではない。おまけに神の子池周辺では観光地なので?釣りはご遠慮下さいとの看板もあり、きっと人目が気になるだろう。そんなわけで神の子池下流域の札弦川源流はいまだ未調査であった。そろそろ観光客も減り、草木の葉も落ちて見通しが良くなってきたので神の子池手前500mほどの水域でオショロコマの撮影を試みた。




外気温は3℃。神の子池の手前の札弦川上流で、とても小型 ( 尾叉長 7-16cm)のオショロコマ幼魚~成魚を12匹撮影した。とくにこれといった特徴のないオショロコマで、斜里川水系上流域でよくみかける個体群と同一のものであった。この日は外気温3℃。川の水温8℃。摩周湖からの湧水のせいか川の水はとても暖かい。近くの他の渓流数本で測定した水温は 3.5~4.0℃であった。神の子池手前の札弦川源流域はかなり水温が高いといえる。






























今回、予想に反してオショロコマはとても少なかった。棲息域もごく狭い範囲であった。一方、おびただしい数の体長4-5cmの針にもかからない超小型シンコヤマベが群れており、これがうるさくて釣りにならないほどだ。ここは相当数のサクラマスが遡上する渓流とおもわれる。一般的にオショロコマはヤマベの存在を嫌う。この小さな渓流の流域の自然度は神秘の神の子池の名とは裏腹にかなり低く、まわりも松の植林が目に付く。総じて相当貧弱な自然であり、ちょっとオショロコマの森と言うにはさみしい。今日も水中で撮影させていただいたオショロコマたちは愛護的に扱いすべて丁寧にリリースした。


神の子池は凍らず、相変わらずコバルトブルーの水は吸い込まれるように美しく、池には20 cm ほどのオショロコマが10数匹泳いでいた。さすが人気観光スポットで、この寒い時期でも時々観光客が来ていた。この時期、林道はツルツルに凍って滑りやすく、途中の緩い下りの場所など要注意である。

ブログやHP で神の子池を紹介するものは極めて多いが、必ずオショロコマが泳いでいるとのコメントがつく。中には大きなオショロコマと書かれているものもあるが、8月~9月にかけては海から遡上してきたサクラマス( 尾叉長30-50cmくらい ) が池に入ってくるのでこれと誤認する可能性は高い。神の子池の遡上サクラマスはオホーツクの写真家山本勝栄さんが撮影に成功している。この池ではせいぜい20cm程度のオショロコマが主体であろう。稀に25-30cmくらいまでのオショロコマならいるかも知れない。ここを管轄する清里町では神の子池での釣りと潜水を禁じている。かって神の子池に巨大オショロコマがいると信じられていた頃、こっそりこの池でオショロコマを釣った人のお話を伺ったことがある。明け方3時ころから4時頃まで、人っ子一人いない神の子池でこっそりオショロコマを釣ったが15-20cm の個体ばかりで数も少なく、大きなオショロコマはいなかったとのことであった。恐らく最近の状況もそれに近いと思われる。




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巨大ヤマベの棲む渓流の秘密

2012-10-27 10:09:14 | ヤマベ釣り
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20XX-10-25  晴れ
私の家からそう遠くないところに、必ず大型ヤマベが釣れる小渓流がある。常呂川下流域に注ぐ本当に小さな渓流だ。常呂川本流へ合流するところは急斜面を流れ落ちる細流でしばしば夏場の渇水期には川が途中で地面に吸い込まれるように消えてしまい水無し川になる。上流域はチョロチョロ川だが一部分だけ水量があって多少のたまりを作る短い水域がある。そこへは林道から50mほど笹をこいでやっと到達する。こんなところにヤマベ釣りにくる人は普通いない。毎年、そこへ行くと大型ヤマベ、しばしば尺を越えるヤマベが釣れる。大型ヤマベのアタリは、いつもコツコツとかすかなもので、そっと合わせると突然グーンと強烈な引きになる。この日は尺近い大物ヤマベは1匹だけ釣れた。この他は2-3年魚とおぼしきヤマベが5-6匹走ったが、こちらの姿を見られたせいか釣れなかった。このオオヤマベは、いつもどおり撮影後丁寧にリリースした。ところで何故ここでこんな良型ヤマベが釣れるのかいつも疑問に思っていた。常呂川本流からは大雨のときなどの増水があれば、なんとかサクラマスは遡上出来る可能性があるかもかも知れない。しかし実際に川を見る限りそれはちょっと無理そうな気がする。この小渓流の渓相は貧弱きわまりないもので、大雨の時は一気に増水し、川岸の木の根が洗われて露出する荒れ川だ。こんな川に大ヤマベがいるとは、どう考えても理由がわからない。長年不思議に思ってきた。 ある年、偶然にその謎が解けた。毎年秘密裏に、特に釣り人には知られぬように、ひそかにこの渓流にサクラマス発眼卵の埋没放流を続けていた人がいたのだった。ほとんどのヤマベは5-6月にギンケとなって海へ下るが、一部河川残留型となったものがヤマベとして私の釣りのターゲットになっていたのだ。私は偶然ここにヤマベがいることを知り、ひそかに秘密のポイントとして一人で楽しんできたのであった。なんだ、放流ものヤマベだったのか。そのことがわかって私は急にこの渓流にゆく意欲が失せてしまった。その後、私はほとんどそこを訪れることはなくなった。


















こんな川に大ヤマベがいるとは、どう考えても理由がわからない。長年不思議に思ってきた。 ある年、偶然にその謎が解けた。毎年秘密裏に、特に釣り人には知られぬように、ひそかにこの渓流にサクラマス発眼卵の埋没放流を続けていた人がいたのだった。ほとんどのヤマベは5-6月にギンケとなって海へ下るが、一部河川残留型となったものがヤマベとして私の釣りのターゲットになっていたのだ。私は偶然ここにヤマベがいることを知り、ひそかに秘密のポイントとして一人で楽しんできたのであった。なんだ、放流ものヤマベだったのか。そのことがわかって私は急にこの渓流にゆく意欲が失せてしまった。その後、私はほとんどそこを訪れることはなくなった。



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やはりオショロコマはいた

2012-10-26 09:11:36 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX年5月12日。
知床半島、羅臼側のかわいそうなほど小規模な、渓流というより、小川といったほうがよい細い川。この3年間に何度もこの川を渡るときは車をとめ、しげしげと川をのぞき込んだ。夏場の渇水期にはひどいちょろちょろ川で、オショロコマはおろか、なにか生き物が住んでいるとは思えない貧相な川だ。地図でみると流呈1.5kmほどのとても小さい川だ。魚などいないと思うのだがやっぱり気になって思い切って川に入ってみるが、釣り糸を垂れるほどの場所すらない。今日は雪解け水のせいかいつもと違って水量がある。なんとか川らしい川になっている。
川のそばに車を止めると、あたりにはびっしりとおいしそうなフキが生えて、まだ虫も入っておらずみずみずしくておいしそう。まずフキ採りをした。川岸に立派なコゴミもびっしりあった。コゴミは毎日食べていてちょっと飽きてきたのだが、このコゴミは太くみずみずしくあまりにもおいしそうだ。ついつい、また採ってしまった。実際、今年食べたコゴミのなかでは一番おいしかった。 さて、何を言いたいのかというと、ついにこの川でオショロコマを釣ったのだ。やっぱりいたと深い安堵の気持ちで一杯になった。知床でオショロコマを確認した川がまた一つ増えた。小型だが赤点紋理の綺麗な2匹であった。そこから海までは50mもないので今日のオショロコマはたまたま海岸線づたいに隣の川からはいりこんで来たのかも知れない。この川にはオショロコマはいないとこれまで勝手に思いこんできたのだが、分布調査でいない言い切るのは本当に勇気がいることだとおもう。このオショロコマ2匹は撮影後丁寧にリリースした。


















知床でオショロコマを確認した川がまた一つ増えた。小型だが赤点紋理の綺麗な2匹であった。そこから海までは50mもないので今日のオショロコマはたまたま海岸線づたいに隣の川からはいりこんで来たのかも知れない。この川にはオショロコマはいないとこれまで勝手に思いこんできたのだが、分布調査でいない言い切るのは本当に勇気がいることだとおもう。このオショロコマ2匹は撮影後丁寧にリリースした。


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十勝川水系札内川上流は完全な放流ニジマス川

2012-10-25 22:31:56 | ニジマスによる被害
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2006年11月4日。片道200Km を走って十勝川水系札内川上流へオショロコマの撮影に出かけた。我が家からは、けっこう遠い。3時間30分,えんえんと走ってやっと地図上で目星をつけておいた沢についた。地図上であたりをつけていた沢は荒れた石ころごろごろの広大な河原となっており釣りはまったくだめであった。せっかく作った砂防ダムはことごとく埋まっており砂防ダムの非力さがよくわかる。札内川沿いの道をさらに進んで大きなゲートで通行止めになっているところの二段ダムとその下流少しを釣った。かなり自然度は低くオショロコマがいそうな次の沢までは、さらに歩いて一時間ほどかかりそうで今日は諦めることにしてここで釣ってみることにした。巨大な二段ダムのダム下は結構深い。やっとオショロコマ1♂成魚を釣って撮影したが黄色調の強い個体であった。ダムの下流で産卵後のオショロコマ2♀を釣ったが撮影場所へ運ぶ途中に2匹とも逃げられた。白いタイプの♀であったがキズが多く痛々しい個体であった。
札内水系は地元関係者たちの熱心な放流の効果でなんといってもニジマスが多い。ダム下で20-25cm のニジマスをずいぶん釣った。45cmくらいのニジマスも釣ったが撮影場所へ運ぶ途中逃げられた。ダム下の広大なプールには黒いミンクが1匹さっそうと泳いでいた。魚を捕っているものと思う。果たして、川岸に石でかこった生け簀を作り、釣ったニジマスをたくさん放しておいたらしばらく目をはなしたすきに全部ミンクに盗られてしまった。

はるばる函館からきたという毛針釣り師2人と少し談笑した。川には他にも釣り師が多く、けっこうにぎわっている。このあたりはアングラー釣り師にとても人気のあるニジマス釣り場らしい。皆さん、オショロコマなどまったく頭になくてひたすら放流された大きなニジマスを釣りたいらしい。

種々の理由であまり人が入って行かない支流の小沢をオショロコマを捜して、こまめに攻めてみた。オショロコマはまったくいない。こんなところにまで、と思うような場所にもニジマスが多い。本当に実にこまめにいたるところにニジマスをばらまいている感じだ。札内川水系上流はもはやダムだらけで、本来の生態系はとっくの昔に失われ、いまやニジマス川になっても仕方がないかも知れない。しかし、源流域のオショロコマ生息域にまでニジマスをばらまくのは、なんとか控えていただければと思う。

札内川のオショロコマ撮影は、また出直すしかなさそうだ。













こんな小沢にまで入念にニジマスが放流されている。 このニジマスは夕食用にキープさせてもらいました。
一般的にもはや在来の生態系が完全に破壊された水域にニジマスを放流するのはかまわないと思う。
しかし、いまだ在来の魚類がのこっているところ、特にオショロコマの棲息水域にニジマスを放流するのは断固ひかえてほしい。



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斜里川水系平野部渓流の源流域、冬のオショロコマ

2012-10-24 19:54:14 | 渓流魚、蝶、自然
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湧き水が水源となっている渓流の源流域は冬でも凍らず川面が出ている場所がほんの少しある。斜里川水系平野部のとても小さい渓流の源流域に冬のオショロコマを見にいった。夏場は清流の川だが冬場は水量が少なく川底は意外と汚れている。ヘドロ状の堆積があり水が動くとすぐ濁る。清流を保つにはある程度の水量が必要なのだろう。夏場はにはみずみずしい肌のオショロコマだが冬は肌がかすんだような色調で産卵行動後のこまかな擦り傷も多少残っている。それでも小型ながらなかなか美しい個体も見られた。この小渓流では冬の川底が汚いのですぐ水が濁りゴミの目立つ写真になってしまった。オショロコマは撮影後すべて丁寧にリリースした。


















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大雪山の山麓Y川の激流に棲む灰色オショロコマ

2012-10-23 19:17:46 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX-8-5 雨のち曇りのち晴れ
 台風が去って激しかった雨は止んだ。以前、オショロコマ調査に入って敗退したことのある大雪山山麓の石狩川水系源流域の支流Y川に再度チャレンジした。前回はまだオショロコマ釣りの経験が浅く、おまけに大増水と激流でまったく釣りにならなかった渓流だ。ここには一体どんなタイプのオショロコマが棲んでいるのだろう。まず、調査しやすい枝川をさぐっていったが、そこは幼魚が少しいる程度で釣り人の入った痕跡が目立った。やはり簡単に入渓できてヒグマの気配も無いところにはオショロコマは少ない。そこで最初はちょっと気後れしていたが、思い切って本流へ降りてみた。ごうごうと流れる水音でお互いの声が聞こえない。ものすごい激流だ。すぐ上流域は雪渓で、そこからの大量の雪解け水のせいか水はやや灰色に混濁して細かな砂礫が混ざる。この激流にオショロコマたちはちょっとした岸辺に近い岩陰などにしがみつくようにして棲んでいた。大型個体は少なく成魚で尾叉長15-25cmほどの大きさであった。ここのオショロコマは灰色を帯びて比較的明るい灰緑青色調だ。赤点紋理は淡いオレンジで細かい。これらの特徴は♀に特に顕著で♂はやや黄色みを帯びるものがいる。♀の腹は白い個体が多い。一般に腹、ヒレは淡い黄色ないし薄いオレンジで着色は強くない。個体数は多いというほどではないがオショロコマはほどほどにいてまあまあ釣れた。30匹ほどを釣って水中で撮影し、すべて丁寧にリリースした。このY川は正真正銘の荒れ川で浮き石が多く大岩大石ごろごろでとても歩きにくく釣りにくい川だ。また急流で水が絶えず揺れ、細かな砂礫まじりの水のためピントが合いにくく撮影は困難をきわめた。これらのオショロコマの灰色調の基本色調はこの渓流の水の色、川底の色調を如実に反映しているものと思われた。

































































このY川は正真正銘の荒れ川で浮き石が多く大岩大石ごろごろでとても歩きにくく釣りにくい川だ。また急流で水が絶えず揺れ、細かな砂礫まじりの水のためピントが合いにくく撮影は困難をきわめた。これらのオショロコマの灰色調の基本色調はこの渓流の水の色、川底の色調を如実に反映しているものと思われた。




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釧路川水系源流域の未調査渓流にオショロコマ

2012-10-17 21:01:46 | 渓流魚、蝶、自然
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釧路川水系源流域の未調査渓流にオショロコマ調査に入った。林道はこの時期になるともう雪道である。最初の立派なたまりでオショロコマ1♂を釣って生息確認。となりの渓流とよく似たオショロコマだ。しかしこんな立派なたまりにオショロコマがたった1匹しかいないのはちょっとおかしい。と思っていたら、突然ものすごい引き。細い渓流竿ではちょっと上げにくいパワフルな引きでなかなか大変だ。ランデングネットを使って確保したのは42cm の立派な野生化ニジマス♂であった。こんなところでは、お目にかかりたくない相手である。こんな源流域にまで外来種筆頭のニジマスが侵入しているとは、ほとほと溜息が出てしまう。おまけにニジマス幼魚までいて、ここのニジマスは明らかに自然繁殖しているようだ。ニジマスに入り込まれたらそのまま放置すれば将来的にオショロコマに勝ち目はない。さらに上流に進むと渓相のよい50m程のせまい範囲でのみ同様のオショロコマが釣れた。幼魚から成魚まで程良いバランスで生息している。16匹ほど釣って撮影しリリースした。冬のせいか食いが浅く、アタリが弱く、針を飲み込む個体はほとんどいなかった。♀はおおかた産卵後で、腹ぺちゃ個体が多かった。夏にもう一度調査したい場所だ。となりの川より多少魚影は濃いかも知れないが繁栄しているとは言い難い。かろうじて生き残っている感じだ。今日は、とにかく寒い日で川岸には氷が張っている。釣ったオショロコマは水からあげると、みるみる体表面がピキピキ凍ってしまうほどで、私たちも芯まで体が冷え切った。表面に氷の膜が張ったオショロコマも水に放すと元気に泳いでゆく。オショロコマは出来るだけ水から上げないで、水中で手早く撮影して全部丁寧にリリースした。この渓流のオショロコマは、もはや釣っても持ち帰るべきではないと思う。






















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北見市近郊のオショロコマとニジマスイクラ丼

2012-10-16 20:32:53 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX年5月22日。北見市の牛丼屋で朝飯をとって、近くの常呂川上流へオショロコマなど渓流魚を見に出かけた。
アメマス、オショロコマ等を撮影し、最後はこの時期オショロコマ生息域に遡上して産卵する虹鱒を少し釣って、その卵でイクラ丼を作った。毎年、大量に放流されるニジマスに対して、ほそぼそとした自然再生産に頼るオショロコマはさらに源流域に追いやられ、釣り人には持ち帰られ、一般の釣り人の入渓可能な場所では、どの水系でも最近、急速に姿を消しつつある。 この日も撮影させていただいたオショロコマとアメマスは全て丁寧にリリースした。
















アメマス




抱卵ニジマスとニジマス卵のイクラ丼





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知床のぬるぬる岩盤川の源流に大オショロコマ

2012-10-15 21:13:03 | 大型魚
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2006-10-29  晴れ
秋の終わり。知床半島羅臼側の海岸線をどこまでも歩いてゆくと突き当たりに目的のHK川の河口があった。川幅 2~5mの小さな岩盤の川で川底はぬるぬるして、ひどく滑りやすく遡行はかなり注意しなければ危険だ。何度も激しく滑って転倒しそうになり肝を冷やした。だらだらした岩盤川には、たまりは無くせいぜい深いところでも膝ほどしかない。魚はまったく走らない。魚がおらず何度も、もう引き上げようかと思いながらも気を取り直し慎重に400mほど川を遡行すると、やっと小型オショロコマが釣れだした。やがて立派なたまりが出現、ぬるぬる岩盤川は終わり川底はオショロコマ生息には理想的な小石、砂礫状になってきた。はたして、そこには良型オショロコマが沢山いた。エサ切り後の釣り堀みたいによく釣れた。良型がとても多いが尺を越える個体は31cm♂と34cm♀のオショロコマにしては超巨大といえるものがいた。概して地味な色調・斑紋の個体群で肉眼的外観は一定のパターンに収束する傾向がない。鮮明美麗な斑紋や、あっと驚くような外見の個体はいない。ここでは渓流の宝石といった、はでやかなオショロコマは見られない。きっと降海・遡上型オショロコマを介して海からの遺伝子補給があるのではないかと思う。いまだ遺伝子の多様性が十分保たれている理想的な個体群と思われた。約30匹ほどを撮影し全て丁寧にリリースした。もうあたりが暗くなってきてこれ以上の釣りは危険だ。またツルツル岩盤川を慎重に下り無事河口までもどった。











































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知床で2年前に撮影後リリースした35cmの巨大オショロコマを再度釣った

2012-10-14 08:51:10 | 大型魚
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2008年3月30日   一日中晴れ。 午後気温が低下し寒い。





今日は知床方面は好天のようなので朝9時に北見を出発し、久しぶりに知床方面のオショロコマを撮影にでかけた。今年は雪解けが早くオホーツク平野部ではもう道路状況は最高で夏と同じように走れる。快調に走って斜里を抜けたまではよかったが、峠にさしかかると状況はそう甘くはなかった。途中の峠は夜来の吹雪の後で道路には雪が積もって亜高山帯の木々は樹氷で真っ白、雪道でハンドルをとられやすい。








慎重にゆっくり走って峠を越えた。下界に降りるにつれて雪は消え、また走りやすい道路になった。知床半島に入り海岸線に沿って走ると岸辺には流氷が残り、沖合にはまだびっしりと水平線に流氷の白い帯がある。


漁船はまだ陸上に引き上げられて越冬に入ったままだ。





各渓流には思っていたより相当に雪があり、川面が凍っている川も多い。やや渇水気味でオショロコマ釣りのできそうな水域には到達不能の川ばかり。この時期、オショロコマを見ることのできる川は限られる。雪をこいで目的の渓流に到達し、2年前(2006年11月18日)に32cmのオショロコマを釣り上げ撮影後リリースした場所に入った(オショロコマの森 知床編 179頁参照)。もしかするとこれが生き残っているのではないかと思っていたのだ。しばらくは魚信がなかったが、突然大きなオショロコマがかかった。猛烈な引きで抜き上げることが出来ない。仕方なく、またえんえんと雪をこいで車にもどりランデングネットを持ってやっと釣り場にもどったら息が切れて倒れそうになってしまった。幸い針かかりがよく、魚は、はずれずに竿を引き絞っている。慎重にすくいあげてみると、案の定2年前に撮影後リリースした大型オショロコマ♀と同一の個体であった。




測定すると尾叉長35cm。つまり2年前と較べ殆ど変化無く、体長が3cm 大きくなっているに過ぎない。この渓流ではオショロコマはこのサイズが限界のようだ。体は一回り太くなった印象を受ける。オショロコマの寿命は5-6年とされており、そうするとこの個体はもう相当のお婆ちゃんオショロコマと言うことが出来る。よくぞ生き残っていてくれた。撮影後、また同じ場所にリリースした。おそらくもう再会することはないであろうと思う。日高山脈の渓流や知床半島ウトロ側渓流では40cm を越える巨大オショロコマを釣った経験があるが 渓流で50cm 級のオショロコマは今だ見たことがない。知床半島羅臼側渓流ではこの個体が最大級と思う。一般的に北海道の渓流のオショロコマは成魚でも尾叉長15~20cmが主体で30cmを越える個体が釣れることは極めて稀であるといえる。北海道の渓流ではオショロコマが大型化して有利なことは何一つない。一方、然別湖のオショロコマ(ミヤベイワナ)は60cm級に大型化することがある。













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オショロコマの聖域へ凶暴狡猾なニジマスが侵入

2012-10-13 21:43:30 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX-11-7   晴れ 寒い
ある秋も深まった11月17日。晴れているがとても寒い日。十勝川水系の北見から比較的近い支流にキノコなどを見に出かけた。森の中にきれいな湿地があり、そこにはゆったりした流れの小さな川がある。のぞきこむと、たまりにゆらゆらしていたニジマス君と目が合ってしまった。私たちに気づいて、ぴゅーっとニジマスが水中を走って消えた。ここはオショロコマの聖域と思っていた。こんな上流域にまでニジマスが上がってきているとは。急遽、魚釣りモードに変更。しばらく時間を置いてから長竿でこちらの姿が見えないように振り込んだら見事に肥えた25cmほどのニジマスが釣れた。年老いた巨大ニジマスと違ってこのサイズの野生化ニジマスはおいしい。体色は緑が濃くて精悍な感じの野生化ニジマスであった。支流を下ると屈曲蛇行した支流は150mほど下流で本流に入る。この合流部でニジマスが一匹かかったが取り込む間に針がはずれて逃げられた。また他にも2回、ニジマスの当たりがあったが逃げられた。結局ニジマスを4匹みて1匹釣れたことになる。この付近は、こちらの姿丸見えになる釣り場なので釣りにくい。この川のはるか下流域で何年も前から放流が続けられたニジマスたちは世代を繰り返し、こんな上流域にも入ってきていた。ニジマスを探って釣り下ると、小型のオショロコマがぽつぽつ釣れる。15匹ほどを撮影した。本来はこのオショロコマたちがここの正規の住人であった。最近は凶暴な侵入者たち(ニジマス)に先祖伝来の居住地を奪われつつある。また、たまりでゆらゆらしている大型ニジマスを発見したが、当然向こうもこちらに気づいている。警戒心が強く30分ねばったが食いつかない。かわりにハナカジカが寄ってきて4匹も釣れた。今日はさきほどのニジマス1匹をキープして、オショロコマやハナカジカは撮影後速やかにもとの渓流にリリースした。やがて午後5時を過ぎるともうあたりは真っ暗だ。長いアプローチの林道をえんえんと走って、やっと森の出口の鹿ゲートが見えてきた。この鹿ゲートを越えると15分で国道に出る。  今日はよく晴れていて夜になると気温がぐんぐん下がってきた。明日はきっと霜が降りるだろう。































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十勝川水系源流域ST川の精悍パワフルな良型オショロコマ

2012-10-07 21:21:11 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX-8-27  晴れ
先日のまれにみる凶暴強大な台風10号が猛威を振るい、北海道十勝川源流域の渓流や林道、橋があちこちで大きな被害をうけた。林道もずたずたに寸断されている。いまだ川の濁りがとれない水域もある。大増水のあと、一気に水が引いて穏やかな流れにもどりつつある水域もある。これは何を意味しているかというと、一旦荒れた川が落ち行きをもどした時、それなりのたまりにまたそれなりの魚が再度溜まっている可能性が大きいということだ。そこで比較的被害の少なかったらしいST川の上流を目指したが、状況はそう甘くなかった。途中でコンクリート橋の付け根部分の土砂が無惨にも、ごっぽりと洗い流されて車が通れなくなっていた。もう選択の余地はなく、この橋の前後を釣ってみるしかない。
しかし、幸運にもそれが良かった。この渓流は、はや水も澄んできており水量も多く、期待どうり立派なたまりにはそれなりの良型のオショロコマが溜まっていて竿先を猛烈に引き絞った。細い渓流竿では良型オショロコマが流れに乗った時の引きは正に強烈でしばしば糸鳴りがするほどだ。ここの個体群は暗青緑色調の色調で赤点紋理はオレンジ色でとても細かい。♀腹部は白色から灰色でほんのり赤みを帯びるものもいる。ヒレは暗色調で成魚では黒いものが多い。背部虫食い紋理はかなり細かい。この水系のオショロコマにしては大型で20-25cm の良型が多かった。ここのオショロコマは、色調・斑紋の派手さは無いが、魚体が実に立派である。正に精悍でパワフルの一言に尽きる。パワフル故に、撮影する間も常に元気一杯で猛烈に暴れ、構図を決めるのにとても苦労した。今日は、ここに来るまではあまり魚が釣れず、ひどく御機嫌斜めであった妻も次々と良型がかかり気分が高揚していっぺんに笑顔になった。
今日も各支流で撮影させていただいたオショロコマたちはすべて丁寧にリリースした。




































































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