ルイガノ旅日記

あちこち出かけた場所で目にとまったもの、
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《備忘録》 自宅で観た映画 2020年5月(その1)

2020年05月27日 | 映画や小説
GW終了後も、Amazon Prime VideoやU-Nextを利用していろんな映画を観ました。その中でも印象に残った作品を、私自身の備忘録として残しておきたいと思います。本数が多いので2回に分けてアップする予定です。(一部、ネタバレを含んでいますので、ご注意ください)

『悪人』妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、柄本明、樹木希林(2010年)
芥川賞作家吉田修一の同名小説が原作です。
ある夜、行き違いから突発的に女性を殺してしまった長崎の土木作業員祐一。佐賀の洋服店員光代は、孤独な日常生活の閉そく感から出会い系サイトを通じて祐一と知り合います。自首のタイミングを失いあてもなく逃避行を続ける二人ですが、次第に追い詰められていきます。祐一の祖母を樹木希林が、殺された自堕落な女の父親役を柄本明が印象的に演じていました。


『Re:LIFE リライフ』ヒュー・グラント、マリサ・トメイ(2014年)
かつてアカデミー賞を受賞するも、15年間鳴かず飛ばずの脚本家キースは、田舎の大学でシナリオ講座を受け持つことに。頑固で鬱屈したキースは真面目に勤める気はありませんでしたが、子育てしながら大学に復学したホリーをはじめ真剣な生徒たちとの交流を通じて、再び人生と向き合う気力を取り戻していきます。観終わってほのぼのとする映画でした。


『The Lincoln Lawyer リンカーン弁護士』マシュー・マコノヒー、マリサ・トメイ(2011年)
LAの敏腕弁護士ミックは、暴行とレイプの容疑で逮捕された金持ちの不動産業者の息子ルイスの弁護を請け負い保釈を勝ち取ります。その後、過去に自分が担当した強姦殺人事件を含めてルイスが本当の犯人だと気づきますが、依頼人との守秘義務のため真相を明らかにすることはできません。ルイスの弁護を続けながら、ミックが自身の過去の過ち(犯人ではない者に罪を認めさせる代わりに、死刑を終身刑にする司法取引を了承させた)を正すために戦う様子を描いています。ミックの前妻で検事のマギーを演じるのは、『Re:LIFE』でホリー役を務めたマリサ・トメイ。


『Perfect Sense パーフェクト・センス』ユアン・マクレガー、エヴァ・グリーン(2011年)
感染すると次第に五感が奪われていく奇病がイギリスから欧州各国へ、そして世界に蔓延していきます。感染症専門家スーザンはシェフのマイケルと出会い恋に落ちますが、2人もまた病に感染し嗅覚を失ってしまいました。嗅覚に続き味覚、聴覚と次第に五感を失っていき、人々は正気を失い始めます。人間がいかに五感に依存しているか、失った時の心細さや絶望感がひしひしと伝わってくるなかで、スーザンとマイケルの恋が情緒的に描かれています。


『PROMISED LAND プロミストランド』マット・デイモン(2014年)
エネルギー会社大手グローバル社は、不況にあえぐ農場主からシェールガスの掘削権を、賄賂や脅し、裏工作など手段を選ばず安値で手に入れてきました。そのエリート社員スティーヴが、ペンシルヴェニア州の田舎町で遭遇した出来事を通じて、それまで正しいと信じてきた生き方に疑問を抱き葛藤する姿を描いています。掘削権を得るためには自社の社員まで欺く裏工作が衝撃的でした。


『MUD マッド』マシュー・マコノヒー、タイ・シェリダン(2014年)
舞台はアメリカ南部アーカンソー州。ミシシッピ川のボートハウスで暮らす14歳の少年エリスと親友ネックボーンはある日、川に浮かぶ無人島で身を隠して暮らすマッドと出会います。最愛の女性ジェニパーを弄んだ男を殺して警察や賞金稼ぎに追われながらも、再びジェニパーと会うことを夢見るマッド。次第にマッドとの友情を深めていく二人は、ジェニパーとの再会や逃走の手助けに深く関わっていきます。


『The Power of One パワー・オブ・ワン』スティーヴン・ドーフ、モーガン・フリーマン(1992年)
1930年代、アパルトヘイト体制下の南アフリカ。オランダ系白人に虐められて育ったイギリス系白人の少年PKが、ボクシングを通して人種の壁を越え逞しく成長します。師となる人々を通じて人間の尊厳や人種差別の愚かさを学び、黒人の地位向上のために活動するPKたちを、次第に激しさを増すアパルトヘイトの波が翻弄。後半、少年時代にPKをなぶり虐めた男が公安警察官となって、再びPKたちに襲いかかります。痛々しくて手に汗を握るシーンが続きました。モーガン・フリーマン、何度見ても素晴らしい俳優さんですね~


『The MAGIC of BELLE ISLE 最高の人生のはじめ方』モーガン・フリーマン、ヴァージニア・マドセン(2012年)
愛妻を失い酒に溺れ、創作意欲も失って孤独に暮らす老作家モンテ・ワイルドホーンは、甥のはからいで湖畔の避暑地でひと夏を過ごすことになりました。皮肉屋で頑迷だったモンテが、隣に住むシングルマザー シャーロットと3人の娘たち家族との交流を通じて、優しさと人間らしさを取り戻していくというストーリー。アルコール依存のひねくれた老人が心を開いていく様子を、モーガン・フリーマンが見事に演じています。ほっと和ませてくれたラストも良かったです。


『The Company Men カンパニー・メン』ベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナー(2010年)
ボストンに本社を構えるGTX社の販売部長ボビーは、リーマン・ショック後の不景気により電撃的に解雇。就職活動も報われず解雇手当は底をつき、車も家も手放す厳しい現実に突き落とされます。厳しいリストラの現実に翻弄され、人生の再建に悪戦苦闘する男たち。その心情がリアルに描かれていて身につまされる思いでした。そんな中、ボビーを信じ、健気に支え続ける奥さんの姿が可愛らしく微笑ましかったです。


『The Forger 天才贋作画家 最後のミッション』ジョン・トラボルタ、クリストファー・プラマー、タイ・シェリダン(2014年)
仮出所まで9ヵ月の贋作画家レイは、末期がんの愛息ウィルとの時間を過ごすため暗黒街のボス、キーガンと裏取引して出所しました。その見返りとしてキーガンは、ボストン美術館のモネの名作『日傘を持つ女』の贋作を描き、本物とすり替えることを要求します。レイは、詐欺師として鳴らした父親のジョセフの助けを得て、どうしてもと志願する息子のウィルとともに、親子三代による大胆な強奪交換計画を遂行、見事に成功しました。はらはらドキドキの緊迫した中にもヒューマンな要素がたっぷりで楽しめる映画でした。ウィルを演じていたのは、『MUD』エリス役のタイ・シェリダン。


『Miss Sloane 女神の見えざる手』 ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ググ・バサ=ロー、アリソン・ピル(2016年)
大手ロビー会社の花形ロビイストとして活躍するエリザベス・スローン。会社の思惑に反して銃の所持を支持する仕事を拒否した彼女は、スタッフともども銃規制派のライバル会社に移籍し、前の会社と真っ向から戦うことに。天才的な戦略、アイデアを駆使して難局を乗り越えたかに見えたとき、思わぬ落とし穴にはまり窮地に陥りますが、土俵際、「肉を切らせて骨を切る」大どんでん返しでこの危機をひっくり返しました。日ごろ縁のないロビー活動やアメリカの銃規制に対する感覚なども散りばめられていて興味深かったです。


緊急事態宣言が解除され、人の動きが次第に戻っているようですね。そんな中、4月30日から5月22日まで3週間以上にわたって新たな感染が確認されなかった北九州市で突然、5月23日と24日にそれぞれ3名、25日には6名、26日に2名と、ここ4日間で計14名の感染が判明。早くも第2波の発生かと懸念される事態となっています。北九州が日本のホットスポットにならないよう、これからも気を緩めることなく暮らしていかなければ…………。「日常」が戻ってくるのはまだ先となりそうです。

《お知らせ》
「地球の歩き方」福岡特派員ブログに『北九州市のウォーキングスポット〜頓田貯水池』をアップしました。併せてご覧いただければ幸いです。
コメント (2)
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