イヌシデの新緑

　イヌシデは、芽吹きを通り越してもう新緑の季節を迎えています。薄い葉が光を透かしてきらきら輝いているようです。日曜日は快晴でしたので、光を活かしたこのような写真を撮るにはもってこいでしたが、逆に花の撮影には陰ができてしまうので、明暗差が大きくなり不向きな光です。
　また、この日はやや風もあったので、スミレなどはゆらゆらと揺れてなかなかシャッターを切れません。植物写真家にとって、最大の難敵は風です。

ヤマザクラ

　谷戸ではヤマザクラが満開でした。雑木林の主役のコナラの芽吹きも始まって、これから雑木林は新緑に染まってゆきます。この谷戸の有名になってしまったヤマザクラの古木を見るために、いつになく沢山の人で賑わっていましたが、写真の桜はそれとは別の桜で喧騒とは別世界のなか咲いていました。イヌシデの黄色と赤茶の花を添えて構成してみました。

シュンラン②

　この写真はカメラを地面に置いて撮影しています。シュンランと同じ目線で撮っています。背景を空間に浮かして撮ると随分違うイメージになります。
　シュンランは日本画によく描かれる素材で、小林古径だったか速水御舟が描いた絵を見た覚えがあります。

ノミノフスマ

　ハコベと思って撮りましたが、図鑑を見るとノミノフスマ（ナデシコ科）のようです（自信なし）。ハコベは飼い鳥の餌になる草でしたが、この草も餌になるのでしょうか。花の大きさは6ミリ程度という小ささです。田圃の畦に咲いているものを撮りました。
　それにしてもノミノフスマとは面白い名前ですね。植物の名前には、動物の名前を付けたものが少なくありません。スズメノエンドウ、ネズミモチなどなど。

タネツケバナ咲く田圃

　雑木林から集めてきた落ち葉を、このように田圃に山にして置いてあるのをよく見かけます。春に田起こしをするときに、葉を土のなかに鋤きこんで肥料にするのです。山の周りに白く咲いているのはタネツケバナです。
ここは元々は田圃だったところですが、長いこと耕作されておらず草が茫々と繁っていましたが、数年前に地元の方が田圃に復元しました。

　そろそろ、サシバ（タカの仲間）が南の国から渡ってくる時期になりました。しかし、サシバの個体数はかなり減っていると言われており、町田の谷戸でも10年ほど前からは見られることが少なくなってきました。サシバが冬を越す東南アジアの国々の自然環境が、開発によって大きく損なわれており、そのことがサシバの減少に影響していると考えられています。

芽吹きの雑木林

　雑木林の季節も着実に進んで、芽吹き始めた木が少しずつ目立ってきました。木の種類によって、芽吹きの時期は随分異なり、雑木林の主役のコナラやクヌギはまだ眠っていますが、もう一方の主役級のイヌシデやミズキの芽吹きは始まっています。
　これからの植物の歩みは早いので、毎週訪れる毎に大きな変化が待っているので楽しみです。

シュンラン

　シュンランは早春に咲くラン科の花ですが、数が多くないのと目立たない花なので、シュンランを求めて探さないとなかなか見つかりません。ランとはいっても派手さはなく、「和」のたたずまいの花です。花弁にある赤い斑点の大きさには個体差があって、写真よりももっと大きな個体もあります。
　この花が食べられた跡を見ることがありますが、私は調度コジュケイが食べているところを見たことがあります。