平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西遊記

2006年01月09日 | その他ドラマ
 月9ドラマ「西遊記」

 伝えたいことは人間の「強さ」とは何か?
 強さとは、誰かのために何かをすること。
 たとえ裏切られても信じる心。

 三蔵法師(深津絵里)は言う。
 「信じてやった結果なら(死んでも)本望です」
 信じる心は死をも怖れない。
 それが「強さ」。

 逆に「弱さ」とは、自分の利益や死の恐怖のために裏切ること。
 三蔵法師のかつての師であった仁丹(角野卓三)の様に。

 でも、何で「西遊記」なんだろう?
 上記のことを表現するには、ファンタジーしかないということ?

 でも、何で月9なんだろう?
  ・ターゲットは中学生・高校生?
  ・SMAPやアニメなどが好きな若い女性?
 確かに従来の月9路線では、ほとんどがやり尽くされて素材がないのかもしれないけれど。

★研究ポイント
 岩の下で500年の孤独を味わってきた悟空。
 そんな悟空に「仲間」。
 その悟空(香取慎吾)の顔はよかった。
 こんな無邪気な表情ができる役者は慎吾くん以外いないだろう。
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センチメントの季節 「せんせい」

2006年01月09日 | コミック・アニメ・特撮
「医者」である。「弁護士」である。「妻」である。「恋人」である。

 人は何者かであることによって生きている。
 この話の主人公たちもそう。

 山口は「先生」である。
 佐藤奈美は「生徒」である。

 「先生」である山口は「たかだか10分の休憩をはさんで、連続6時間の授業」をし、「平日のアフター5は職員会議やらテストの添削でことごとくつぶれ」、休日は「教材の準備」をしている。
 女子校だが「無論、彼女たちに手を出すことはできない」。

 「先生」であるということに束縛されているのだ。

 山口は「生徒」の奈美のことが気になっているが、「先生」であるため、一線を引いている。
 だが、奈美は山口に好意を持っている。
「うちって先生ん家のすごく近くなんです。今度、先生の家、遊びに行っちゃおうかな」と山口に言う。
 山口は生徒名簿を調べてみると、奈美の家と山口の家は逆方向。
「近所だから煮物を届けに来た」と言って、家に来た奈美に山口は言う。
「近所なんてウソだろう」
 すると奈美は平然と答える。
「じゃあ、わかるでしょう。先生、あたし。お部屋入れて下さい」
 それを山口は「オレは教師なんだっ」と言って断る。

 だが、やがてふたりは愛し合う様になる。
 山口は奈美を抱く。
 奈美に「せんせい」と呼ばれるたびに激しく興奮する。

 歯止めはきかなくなり放課後の教室でも愛し合うふたりは同僚の女教師に行為を見られる。
 辞職を決意する山口は奈美に「オレは先生じゃない。オレはもう自由だ。そうだ、奈美。結婚しよう」と言う。
 山口は「先生」でなくなり、「男」になったのだ。

 だが、奈美は言う。
「あたしが好きだったのは「先生」だもの」
「あたしが卒業したら、ただの「女」になるよ」

 ふたりの関係が「先生」と「生徒」であったから成り立っていたことを奈美は言うのだ。

 榎本ナリコ作の「センチメントの季節」は、こうした現代の恋を乾いたペンタッチで見事に描いている。

★研究ポイント
 ●●であるということで成り立っている恋の形。
 人は●●を見てその人を理解したと思い、人の本当の姿を見ていない?
 
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