平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

Ns’ あおい 第2話

2006年01月18日 | 職業ドラマ
「Ns’あおい」第2話は、ドラマづくりで必要なことを教えてくれる。

 今回の患者は製薬会社のMR・野呂。
 自分の会社の薬を買ってもらうため医師・田所を接待している。

 その接待のひとつとして、野呂は特別室(1泊・10万円)を使用しての検査入院をする。
 検査の理由は痔なのだが、大腸の内視鏡検査をしている時に、良性のポリープを発見。念のために取っておこうということになるが、現場の仕事をすることのない田所は、ミスで野呂の腸に穴を開けてしまう。穿孔である。

 あおいは術後の経過がよくないことに気づき、「穿孔」ではないかと主張するが、施術した田所は議員の接待で忙しく、他の医師は自分の領域を越えて患者を診ることに消極的だ。
 それでもがんばるあおい。
 先輩の看護婦には「医者はプライドの生き物。(自分のミスを指摘されて)プライドを傷つけられて、「はい、そうですか」というわけがない。
もっと、医者の扱い方を勉強しなさい」と怒られるが、それでも負けない。
 レントゲン技師に「写真を撮ってくれるまで離れません」と言ってトイレまでついて行き、レントゲン写真を撮らせ「穿孔」であることを確認する。
 外科医が他の手術でいっぱいだとわかると、パーティに出かける副院長の外科医に直談判する。
 こうして手術が行われ野呂は助かるという物語だが、ここにはドラマを作るために必要なことが多く盛り込まれている。

 まずは「障害」だ。
 あおいは看護婦で医師の領域で治療することができない。
 内科と外科の関係もある。
 それでもがんばる所に主人公のヒロイン性が出て来る。

 第2に「葛藤」だ。
 この場合はレントゲン技師と婦長だ。
 レントゲン技師は、医師の許可なくレントゲンを勝手に撮ることができない。
 しかし、患者を目の前にして何とかしたいと思う。
 この「葛藤」だ。
 婦長の場合も同様。
 医師の領域に踏み込むことができないし、自分のいる内科・医師の田所の不祥事を公にできないという想いと患者を助けたいという想いが「葛藤」する。

 第3は「変化」だ。
 レントゲン技師はあおいに熱心に頼まれて、野呂のレントゲン写真を撮る。
 技師は言う。
 「俺たち使い捨てパンツにも意地がある所を見せてやるぜ」
 (この前段で、あおいとこの技師は「看護士や技師はいつでも替えがきく使い捨てパンツのようなものだ」という話をしている)
 婦長は「(患者の)あんな状況をみて、あんたは放っておけるのかよ」と技師に詰め寄られ、「やりましょう。外科に(手術を)かけ合います」と言う。
 あおいの力により、ふたりの「葛藤」は解消され、「変化」している。

 この第2話はドラマの基本である「障害」「葛藤」「変化」を描いている。


★研究ポイント
 ドラマの基本は「障害」「葛藤」「変化」。
 「葛藤」が解消される時、カッコイイせりふや動作があるとさらに盛り上がる。

★追記
 この話では「看護士」とは何かについても描かれている。
 「看護士は患者と医師をつなぐもの」
 「看護士の励ましや笑顔が患者を勇気づける」
 これをあおいは人から言われて、「看護士」である自分を確認し、行動するのだ。
コメント (3)
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