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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

苺とチョコレート

2006年01月14日 | コミック・アニメ・特撮
レディースコミックはオトコの見る女の子とは違った視点で描かれているから面白い。
女性のナマの本音が語られているのだ。

「苺とチョコレート」(くりた陸・著 デザートコミックス・講談社)の主人公・中谷亜未は高校生でバージン。
人気官能小説家・多々良京介の原稿をワープロ打ちするバイトをしている。
京介は手書きで原稿を書き、悪筆。
亜未はその字が祖父の字に似ていることから、その仕事をやるようになるのだ。

その仕事をやりながら亜未の恋は進行していく。
その亜未の心情の変化が面白い。

初めて京介の過激な原稿をワープロ打ちした時の亜未は反応はこう。
「過激どころじゃないよ……けだものっ、どひゃー、どひゃー、ひっえ~っ。バージンなのに。キスだってまだなのに。お嫁にいけないーーっ」
でも、慣れてくると平気で音読できる様に。

京介への想いも揺れ動く。
友達にワープロ打ちのバイトのことを話すと、友達に「それってすごくやばいんじゃない?だって、そんなエッチな小説書いてる人と二人っきりでしょ」と言われて動揺する。
「こんな話書いた後で女のコを見てムラムラっとかこないのかしら」と京介を見る。

だが、子供扱いされるのは嫌だ。
亜未はブランド物が大好きなのだが、その理由は「自分がブランドにつりあういい女になりたい」から。
だが、京介には「おまえみたいなのには豚に真珠だな。分相応なの選べ。10年早いんだよ」と言われる。

また、京介のことを少しいいと思っており、彼になら抱かれてもいいと思っている。
京介が和服を脱がす小説を書くことになり、亜未はモデルで着物を着ていくことになる。亜未は友達と話す。
 友達「それってさぁ、脱ぐとこが見たいってことじゃない?」
 亜未「も、、もし脱いでみろっていわれたらどうしよ」
 友達「好きだったら脱ぐ。好きじゃなかったら逃げる」
 亜未「(考えて)……好きだけど」
 友達「じゃ、脱ぎなさい」
 亜未「ホントにそういうもん?」
 友達「大人相手だもん。当たり前よ」
期待して京介の所に行く亜未だったが、結局脱がされることはなく、「べつに脱いであげてもいいけど」と負け惜しみ。

名前を呼ばれれば大喜びする。
 京介「ラスト1枚忘れた。亜未、これも(ワープロ打っておいてくれ)」
 亜未「亜未……名前呼んだ(大喜びで)はーい」
 京介「なんだ、気持ち悪いな」
 亜未「(心の中で)だって、いつもおいとかおまえとかばっかなんだもーん」

京介は亜未のことが大事に思っているから亜未に距離を置いているのだが、そのへんのすれ違いが見事なラブコメになっている。


★研究ポイント
 レディースコミックに見るホンネ。
 キャラクター造型としては、子供扱いされて背伸びしている亜未のキャラクターがかわいい。
 ワープロ打ちして仕事を助けてもらっている京介に亜未はこう言う。
「あたしなしでは生きていけない体のくせして」


コメント
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