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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

特命係長 只野仁

2006年01月16日 | コミック・アニメ・特撮
 「特命係長 只野仁」(柳沢きみお著 ぶんか社コミックス)は実にオトコに都合のいい作品だ。

 内容は「只野仁は大手広告代理店の窓際係長。だが、彼には彼には会長直属の特命係長として様々なトラブル・事件を解決する裏の顔があった」というもの。
 高橋克典主演でドラマにもなったが、この主人公、セックスが凄くて只野を見るとどんな美女でも人気女子アナでも「ステキー。あ~~っ、私ダメ~。抱いていますぐ抱いて。あ~、私ってどうしちゃったの~。抱いて~~!!」となってしまう。

 そして、別れた翌日も「どうやったらあの人とまた会えるの……。あ~~っ、あの人に抱かれたい~~っ。なんだって言うことをきくわ~」「会いたくて気が狂いそうよ。あの鋼のようなシャープなカラダ!あのセックス。あ……思い出しただけで濡れてきちゃった」と女性を悶々とさせるのだ。

 只野はこうやってセックスで美女を籠絡して、事件を解決していく。
 単純明快だが、このストレートさがストレスに悩む中年サラリーマンの心を掴むのだろう。
 只野がジェームス・ボンドの様な存在でなく、窓際族というのも共感させる仕掛けだ。
 只野は会社では虫けらの様に彼を嫌っているプライドの高い秘書課の坪内紀子を抱いて虜にしてしまう。
(女たちにはなぜか只野がメガネを外してしまうと、別の人間に見えてしまうのだ)
 会社でバカにされていても、ベッドでは虜にさせてしまうという図式である。

 また、只野が懲らしめるのは、「金を横領して、愛人を3人も囲い、銀座のクラブで豪遊する精力絶倫部長」であったり、「特権で女子大生をものにしてしまう大学教授」などである。
 これも世の男性の溜飲を下げるのであろう。

★研究ポイント
 自分をバカにしているプライドの高い女性、相手に絶対にされない女性を抱いてみたいという世の中の男性の欲望を代弁した作品。
 これは中年オトコのマーケッティングによって生み出された作品だ。

★追記
 様々な男たちから貞操を狙われている山吹一恵という女性社員がいて、彼女の貞操が危なくなると、只野が助けるという図式も面白い。

 また、罠であったが冴えない中年の上司・佐川に若い恋人ができた時、彼が言った言葉も悲哀を感じる。
「この幸せがいつまでも続くわけがない。そう思うとこわくなるばかりで、彼女がいなくなったら……それからの人生を考えると、絶望してしまうのだよ。それなら、いっそこんな夢見なかったほうがよかったんじゃないかと……」


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功名が辻

2006年01月16日 | 大河ドラマ・時代劇
 ドラマが主人公の葛藤で作られるとすると、第2話「決別の河」は見事な内容でした。

 千代は次のような葛藤をします。

1.一豊への想い
 「好き」といくさをする侍は「嫌い」という葛藤。

2.自分の居場所
 一豊の母の家に留まるべきか叔父の家に行くべきかという葛藤。
 「留まってほしい」と言う好きな人の言うことに従うべきか、死んだ母の残した言葉「あなたの居場所は美濃です」に従うべきか?という葛藤。

3.尾張か美濃か
 尾張に味方すべきか美濃に味方すべきか?

 重複してはいますが、これだけの葛藤を千代に背負わせたドラマ作りは見事です。
 千代は母親に甘えたい盛りの子供。
 それだけに、こんな葛藤を背負わされ決断を迫られる千代に余計せつなさを感じます。
 一豊への想いを「わらじ」に集約させた小道具の使い方も見事です。

 今後は「竹中半兵衛か一豊か?」という葛藤のドラマが作られるのでしょうが、今後が楽しみです。

★研究ポイント
 主人公にできる限り多くの葛藤を背負わせるかがドラマ作りのポイント。

★追記
 この第2話では秀吉のキャラクターの立たせ方も見事でした。
 「桶狭間」で勝利した後、「次は岡崎の松平元康を攻める」と信長の家臣が言っている中、「次は美濃だ」と読む秀吉。
 いくさで殺し合うのは嫌いだと言って、一豊に自分を守らせ、いくさよりは調略で国を奪うことに力を注ぐ秀吉。
 他のキャラクターとは違った立ち位置に置くことで、キャラクターを立たせるといういい例です。
 
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