平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

新選組 「土方歳三 最期の一日」

2006年01月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 ドラマは土方歳三(山本耕史)と榎本武揚(片岡愛之助)の葛藤として描かれていく。
 土方は軍人。
 榎本は政治家である。

 軍人の土方は、自らの死に場所を探し、戦に勝つことのみを考えている。
「小さい戦を何度も仕掛けて勝利し、敵に恐怖を与える」
 これが土方の勝つための戦術だ。

 一方、政治家の榎本は夢を描く。
「蝦夷を独立国にする。この大地に農業と牧畜を興して豊かな国を作る。チーズを作る。薩長が作った国よりいい国を作る」

 そんな榎本を土方は「ロマンチ」(ロマンチスト)と呼ぶが、政治家の夢想したプランに乗る。軍人としての自分の力を貸そうと思う。
 近藤勇のために死ぬことを考えていた土方が「生きるための戦い」をしようと決心した瞬間だ。

 何のために生きるか?
 何のために死ぬのか?
 それは人それぞれ。
 ただ、この作品は目的を持って生きることが、どんなに人を輝かせるかを描いている様な気がする。

 脚本家の三谷幸喜さんは「生きる」ことに比重を置いている様であり、私もそう思うのだが。

 幕臣の永井尚志(佐藤B作)は死に場所を探している土方とこんな会話をする。
土方「俺は近藤勇を罪人のままにしておきたくないから戦っている」
永井「(近藤に)ごめんなさいでいいじゃないか。近藤勇はそういう男だろう。生き延びて、西郷や桂がどんな世の中を作るのか見てやろうじゃないか」

★研究ポイント
 政治家というもの、軍人というもの。
 目的・目標を持つということ。
 
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新選組 総集編

2006年01月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 形状に向かう近藤勇(香取慎吾)に母親が叫ぶ。
「近藤勇、よく戦いました」
 母親は義理の母で、以前は勇のことをよく思っていなかった。
 続いて兄が声をかける。
「多摩の誇り、あなたこそ誠の武士だ」
 そして新選組隊士のひとりが木に登って叫ぶ。
「忠臣愛国の士、あっぱれ。新選組は不滅じゃ」

 自分の人生をこの様に評されることは嬉しい。
 薩長の世に代わり、勇は朝敵・逆賊となる。
 武士たらんとして、おのれの信ずるがままに愚直にひたむきに歩んできただけなのに。
 自分の人生とは何だったのかを考える勇。
 だから、こう評されることが何よりも嬉しいことなのだ。

 同時に観ている者は勇の人生がこう賞賛されることで溜飲を下げる。

 近藤勇は「自分が殺されることで、薩長の幕府への憎悪を一身に引き受けようとして」死んだ。

★研究ポイント
 主人公の歩み・人生がまわりに受け入れられることで、観客は感動を覚える。
 
コメント (2)
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