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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ベルサイユのばら

2006年01月11日 | コミック・アニメ・特撮
 昨日に続き「恋愛は少女マンガで教わった」(横森理香・著)より。

「ベルサイユのばら」のマリー・アントワネットの生き方には、主婦の憧れが込められている様だ。

 著者はマリー・アントワネットの生涯はこう描いている。
「自分の美貌が権力を持つことを知ると、超いい気んなちゃって、やりたい放題、贅沢三昧しはじめる。お洒落や夜遊びはもちろん、それにも飽きてきて、恋や博打にまで手を出すように」
 そして
「既婚者であるにもかかわらず、フェルゼンとの初恋に身を焦がし、醜聞に傷つけられる。しかし、恋を知って女としても熟れてくるから、なんだか旦那とのセックスもよくなっちゃって、お世継ぎが次々と誕生」
 しかし、革命でルイ16世は断頭台に立つことになると
「はげしい恋愛感情がなかったにせよ、わたしはあの人を愛していたのだ。これもまた愛であったのだ」
 と語る。
「子育てをしながら、数十年をともに生きた男性の深い愛情と誠実な優しさは真実のものであったと感涙するのだ」

 著者はこれを松田聖子や「マディソン郡の橋」の主人公とオーバーラップさせる。
「安心」と結婚し、「刺激」も得るのが、主婦として最高の人生なのだとまとめている。


 また、同じくオスカルには「キャリアウーマン」の憧れが投影されている。

 著者のキャリアウーマン・オスカルの描写はこうだ。
「女が立派に仕事をするためには、いろんな意味でオトコ性を生き抜かねばならない。そしてそのために、愛を失うことも多々ある。初めて好きになったフェルゼンは、オスカルを人間として尊敬し、男同士のような友情は感じてくれたとしても、女として愛するのは、マリー・アントワネット。ひたすら美しく、優雅で、か弱く、蝶や花のような存在の、つまり「女であることが仕事の女」。
 
 ここまでがキャリアウーマン・オスカルの描写だが、次からが「少女マンガ」になる。

「しかし、マンガの世界では、そんなオスカルだって、いっぱい好いてくれる人がいるから、へっちゃらなのだ。(フェルゼンとのことで)ズタボロになっても、アンドレが光となり影となりついて来てくれて、慰めてくれる」
「アンドレは『命に代えてもおまえを守り抜く』というすごい愛情を持っていて献身に継ぐ献身。しかし、肝心な時には奪ってくれる。まず、キスから奪われるのだが、そのキスは、『私の知ってる唇は、熱っぽくて弾力があって、吸うようにしっとりと、私の唇を押し包み、忍び込み……生まれてきてよかった』とオスカルに言わせてしまうキスなのだ」

 父の決めた婚約者のジェローデルも、オスカルがアンドレを好きだとわかって「身を引くことがただひとつの愛」と言って、都合よく去ってくれる。
 また、オスカルは部下のアランや王子ルイ・ジョセフからも好かれている。

 著者はこうまとめる。
「現実のキャリアウーマンは愛の不毛で苦しんでいるのに、『ベルばら』のキャリアウーマン・オスカルは、どんなに女としての幸せを捨て、仕事に生きる決意をしても、モテ続ける。いい男が待っていてくれるのだ」

★研究ポイント
 ヒットの条件……人の中の秘めた願望を的確に表現すること。
 物語とは…………        〃                。
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Ns’ あおい

2006年01月11日 | 職業ドラマ
 美空あおい役の「石原さとみ」を描きたい作品なんだろうな。
 なぜかこの作品、石原さとみのアップが多い。
 ナースの白衣から始まって、着せ替え人形の様に衣装が替わる。
 そんな演出・プロデュース側の意図に応えて、石原は魅力的だ。 

 ドラマはオーソドックス。
 桜川病院に赴任してきた美空あおい(石原さとみ)は寝坊で遅刻。
 婦長から「今度、問題を起こしたらクビだ」と言われる。
 まわりの看護師たちはあおいに冷たい。本人は否定するが、前の病院であおいは患者とエッチしたという事件を起こしたからだ。
 でも、人を救うことに関する情熱は人一倍。
 また、救急病院に勤務していたため、医療技術はずば抜けている。
 そんなあおいを見つめ、応援する人の存在・高樹源太(柳葉敏郎)、小峰響子(杉田かほる)が登場。
 そして戦うべき敵・田所義男(西村雅彦)の登場。

 遅刻で登場する主人公から始まって、主人公の人物描写、戦うべき敵の登場、最初は主人公のことを認めなかった人間が仲間になっていくというストーリー展開まで、ドラマ作りの王道で作られている。

 登場する人物も王道もしくは類型的。
 セクハラ医、利益優先の医者、子供を育てるために割り切っている看護婦。
 「白い巨塔」の毒のある人物を見てしまった視聴者は、これらの人物を薄っぺらく感じるだろう。

 新しいのは、あおいがドジな看護婦ではなく優秀であること。
 運び込まれたアルコール中毒の患者に何もできない研修医に代わってテキパキと処置をするあおいに高樹は言う。
「その手際の良さ。救急で鍛えられたな」 

 これからのポイントはあおいが患者や病院とどう関わっていくか?
 「ブラックジャックによろしく」であれだけ真剣に患者に関わる主人公が登場してしまった今、薄っぺらな関わりでは負けてしまう。大学病院と闘った「白い巨塔」の里見先生という存在もある。

 アイドルドラマとして見れば楽しい。
 石原さとみが単なるアイドルドラマとして終わらせないために、どれだけ頑張れるかがポイントだ。

★研究ポイント
 主人公作り
  ・カセ(今度何かをしでかしたらクビ)
  ・秘密(前の病院で事件を起こしたらしい)
  ・憧れ性(医師顔負けの技術を持っている。患者に対して一生懸命)
  ・理解者と敵
     +
  ・役者の魅力
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