竹中半兵衛の計らいで会うことになった千代と一豊。
その会話がうまい。
千代は一豊と会いたかった理由をこう語る。
「ずっと国境でのご無礼を謝りたいと思っておりました」
もちろん千代の伝えたかったことではあるが、もっと伝えたいことがある。
千代の一豊への気持ちだ。
千代はがんばって言う。
「国境で止めてくださったことを嬉しく思います」
これで鈍い一豊も千代の思いに少し気づく。
「美濃にやるのではなかった。愚か者め」
これに対して千代は言う。
「千代は愚か者でございます」
千代も一豊も「好きだ」という言葉を一言も言っていないのだが、これでお互いの気持ちがわかる。
後は「ロミオとジュリエット」。
尾張に来る様に言う一豊に対し、千代は言う。
「(自分を育ててくれた)不破の家を裏切るわけにはいきません。千代は一豊様にいただいたお言葉を今生の想い出にして生きて参ります」
それでも食い下がる一豊に千代は言う。
「それでは武士を捨てて、山中で小さな畑を耕して千代と暮らすことはできますか?」
青雲の志に燃える一豊はそれをすることが出来ない。
戦国時代を舞台にしているから、こうした物語が成立するドラマだ。
物語はさらに続く。
稲葉山城攻略。
千代は稲葉山城にいる。
城が落ちれば、千代は殺される。
千代を救うため、そして千代の幸せを祈る半兵衛は次のような策を練る。
稲葉山城攻略の方法を教える代わりに、千代を助けてほしいと言うのだ。
半兵衛は信長に言う。
「稲葉山城を造った道三殿に城を落とす方法があるかどうかきいてみます」
時をおいて、半兵衛の意をくんだ秀吉が信長に言う。
「道三殿は城の女子供を助けるのが城を落とす方法だと述べております」
この秀吉の言い換えもすごい。
しかし、信長もすごい。
「明日中に落とさねば、女子供は斬って捨てる」
信長の立場で安易に「そうか」とは言えない。
しかし、半兵衛の知る攻略方法で稲葉山城を攻略して美濃を手に入れたい。
そんな思いを踏まえて言った命令だった。
おまけに「明日中に落とさねば」と言うことで、秀吉たちを必死にすることが出来る。
半兵衛は「ながらの道」という城の二の丸に通じる裏道を教える。
裏道を行くのは一豊だ。
任務を与えられた一豊は「信長様と秀吉様のために命をかけまする」と言うが、半兵衛は次のように一豊に諭す。
「千代殿のために命をかけよ」
そして炎の中での再会。
千代の叔父の不破市之丞とその妻は自害しようとしている。
千代も一豊に会えたのは嬉しいが、叔父たちを裏切ることはできない。
一豊は千代と共に生きたいと言う。
迷う千代。
千代が叔父のことを気にしていると考えた一豊は不破に懇願する。
「生きて千代の幸せを見てやってほしい」
千代も不破に言う。
「生きて一豊様の妻になりとうございます」
不破は千代を娘のように育ててきた。
愛する千代の幸せを見届けたいと思っている。
これで不破も折れた。
織田に投降する。
実に劇的な恋愛ドラマだ。
歴史考証としてはこんなことはないだろうと思うが、ここはこのロマンに酔いたい。
後日、不破は焼けた屋敷から地中に埋めた木箱を見つけ出す。
その中には千代が婚礼に行く時のために用意した金子が入っている。
千代は「不破の御家再興のために使ってほしい」と言うが、不破は聞き入れない。
「生活のために使うのではないぞ。夫の大事の時のために使うのだ」と言って金子の入った箱を千代に渡す。
実に感動的な親子愛だ。
★研究ポイント
・戦国時代だから描くことができる恋愛ドラマ、家族ドラマ。
・直接的に言わないせりふのうまさ。(千代と一豊の会話、半兵衛と信長、秀吉と信長の会話)
・「明日までに城を落とさなければ、女子供を殺す」というカセの与え方。
これでタイムサスペンスが生まれると共に信長の非情さも描ける。
・小道具の使い方。不破の与えた金子がどの様に使われるか興味津々。次を見たくなる。
★追記
一豊の部下の吉兵衛と新右衛門は役回りとしてはギャグメーカー。
今回も一豊に「夜のことをどうやるか」を教えるのにどうするかでギャグシーンを作った。
こういう味付けは楽しい。
やっているのが、武田鉄矢と前田吟だというのも豪華だ。
★追記
豪華といえば他のキャストもすごい。
不破市之丞の津川雅彦はかつて「葵 徳川三代」で徳川家康をやった。
六平太の香川照之は「利家とまつ」で秀吉。
家康の西田敏行は「おんな太閤記」で秀吉。
一豊の母役の佐久間良子は同じく「おんな太閤記」でねね。
大河ファンには夢の共演だ。
その会話がうまい。
千代は一豊と会いたかった理由をこう語る。
「ずっと国境でのご無礼を謝りたいと思っておりました」
もちろん千代の伝えたかったことではあるが、もっと伝えたいことがある。
千代の一豊への気持ちだ。
千代はがんばって言う。
「国境で止めてくださったことを嬉しく思います」
これで鈍い一豊も千代の思いに少し気づく。
「美濃にやるのではなかった。愚か者め」
これに対して千代は言う。
「千代は愚か者でございます」
千代も一豊も「好きだ」という言葉を一言も言っていないのだが、これでお互いの気持ちがわかる。
後は「ロミオとジュリエット」。
尾張に来る様に言う一豊に対し、千代は言う。
「(自分を育ててくれた)不破の家を裏切るわけにはいきません。千代は一豊様にいただいたお言葉を今生の想い出にして生きて参ります」
それでも食い下がる一豊に千代は言う。
「それでは武士を捨てて、山中で小さな畑を耕して千代と暮らすことはできますか?」
青雲の志に燃える一豊はそれをすることが出来ない。
戦国時代を舞台にしているから、こうした物語が成立するドラマだ。
物語はさらに続く。
稲葉山城攻略。
千代は稲葉山城にいる。
城が落ちれば、千代は殺される。
千代を救うため、そして千代の幸せを祈る半兵衛は次のような策を練る。
稲葉山城攻略の方法を教える代わりに、千代を助けてほしいと言うのだ。
半兵衛は信長に言う。
「稲葉山城を造った道三殿に城を落とす方法があるかどうかきいてみます」
時をおいて、半兵衛の意をくんだ秀吉が信長に言う。
「道三殿は城の女子供を助けるのが城を落とす方法だと述べております」
この秀吉の言い換えもすごい。
しかし、信長もすごい。
「明日中に落とさねば、女子供は斬って捨てる」
信長の立場で安易に「そうか」とは言えない。
しかし、半兵衛の知る攻略方法で稲葉山城を攻略して美濃を手に入れたい。
そんな思いを踏まえて言った命令だった。
おまけに「明日中に落とさねば」と言うことで、秀吉たちを必死にすることが出来る。
半兵衛は「ながらの道」という城の二の丸に通じる裏道を教える。
裏道を行くのは一豊だ。
任務を与えられた一豊は「信長様と秀吉様のために命をかけまする」と言うが、半兵衛は次のように一豊に諭す。
「千代殿のために命をかけよ」
そして炎の中での再会。
千代の叔父の不破市之丞とその妻は自害しようとしている。
千代も一豊に会えたのは嬉しいが、叔父たちを裏切ることはできない。
一豊は千代と共に生きたいと言う。
迷う千代。
千代が叔父のことを気にしていると考えた一豊は不破に懇願する。
「生きて千代の幸せを見てやってほしい」
千代も不破に言う。
「生きて一豊様の妻になりとうございます」
不破は千代を娘のように育ててきた。
愛する千代の幸せを見届けたいと思っている。
これで不破も折れた。
織田に投降する。
実に劇的な恋愛ドラマだ。
歴史考証としてはこんなことはないだろうと思うが、ここはこのロマンに酔いたい。
後日、不破は焼けた屋敷から地中に埋めた木箱を見つけ出す。
その中には千代が婚礼に行く時のために用意した金子が入っている。
千代は「不破の御家再興のために使ってほしい」と言うが、不破は聞き入れない。
「生活のために使うのではないぞ。夫の大事の時のために使うのだ」と言って金子の入った箱を千代に渡す。
実に感動的な親子愛だ。
★研究ポイント
・戦国時代だから描くことができる恋愛ドラマ、家族ドラマ。
・直接的に言わないせりふのうまさ。(千代と一豊の会話、半兵衛と信長、秀吉と信長の会話)
・「明日までに城を落とさなければ、女子供を殺す」というカセの与え方。
これでタイムサスペンスが生まれると共に信長の非情さも描ける。
・小道具の使い方。不破の与えた金子がどの様に使われるか興味津々。次を見たくなる。
★追記
一豊の部下の吉兵衛と新右衛門は役回りとしてはギャグメーカー。
今回も一豊に「夜のことをどうやるか」を教えるのにどうするかでギャグシーンを作った。
こういう味付けは楽しい。
やっているのが、武田鉄矢と前田吟だというのも豪華だ。
★追記
豪華といえば他のキャストもすごい。
不破市之丞の津川雅彦はかつて「葵 徳川三代」で徳川家康をやった。
六平太の香川照之は「利家とまつ」で秀吉。
家康の西田敏行は「おんな太閤記」で秀吉。
一豊の母役の佐久間良子は同じく「おんな太閤記」でねね。
大河ファンには夢の共演だ。