平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

24 シーズン2 第17話

2006年03月04日 | テレビドラマ(海外)
第17話は今までと視聴者の視点が違ってくる。
今まで視聴者はジャックら登場人物と同じ視点・目線だった。
すなわち「核爆弾はどこにあるのか?」というテーマをジャックと共に追って行くのだ。そこには謎があり正体不明の敵が立ち塞がり、ジャック・登場人物=視聴者だった。
ところが今回は違っていた。
視聴者はジャックや登場人物より上にいる。
視聴者は「音声データがねつ造されたものであること」を知っているのだ。
ジャックはねつ造データであることを確認するため動きまわり、CTUのトニーは「ねつ造されたものではない」と信じている。大統領は真偽を確認しようとしているが、中東侵攻作戦を同時に進めている。
視聴者は「データはねつ造であるのになぜ気がつかないんだ。このままでは第3次世界大戦が起こってしまう」と見ていてハラハラしている。
今までと違う仕掛けだ。

この仕掛けはジャックにまで及んでくる。
今まで味方であったCTUがジャックの敵になる。
ねつ造であることを証明する証拠を持っている人物は「ケイトを連れてこい」とジャックに要求する。ケイトはCTUが事情聴取している証人。彼女を無断で連れ出すことはCTUに逆らうことになる。ジャックはCTUに追われることになる。
これも面白い展開だ。
視聴者は「CTUのトニー、ジャックの邪魔をしないでくれ」と思う。
この様に「24」のシナリオは視聴者の気持ちを計算し尽くして作られているのだ。

もちろん、ジャックのこうした孤独な闘いに協力者も現れてくる。
CTUのミシェル・デスラー。
ミシェルは、トニーがCTUのチーフになって焦っているため正確な判断をできないでいることを見抜いている。本部から来たキャリーがトニーに入れ知恵しているのも面白くない。
それにもうひとりの味方、中東の捜査官ユセフ。
ユセフはねつ造だという証拠があがらなければ、自分の国が戦火に巻き込まれるのだから必死だ。
おまけにこの男使える。
他に敵がいるのではないか巡視しながら現場に向かい、敵の車に追跡装置をつけておくことも忘れない。また、任務遂行のためなら眉一つ動かすことなく殺しをやってのける。簡易の金属探知器も持っていて相手が銃を持っているかを判断することもできる。
この様にいいタイミングで味方が現れるのもよくできたエンタテインメントの醍醐味だ。

★研究ポイント
 視聴者が主人公より上になる視点の作品づくり。
 全員が敵という状況の中、タイミング良く出て来る味方の心地よさ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする