平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

功名が辻 戦場に消えた夫

2006年03月13日 | 大河ドラマ・時代劇
夫婦の大河ドラマだから、今回は「夫の浮気」がテーマ。

千代の心が様々に変化する。

正直者の一豊、浮気を告白する。
情況説明を聞いて泣き叫ぶ千代。

ねねに相談に行く千代。
ねねは女の先輩、「夫の浮気など大したことではない」と器量を見せる。
この対比が面白い。
だが、こんな本音も。
「体の浮気などよりつらい浮気がある。それは心の浮気」
秀吉の市への想いを語る。

家に帰ってくる一豊と新右衛門たち。
新右衛門たちは「200石加増になったこと」などでフォローするが、千代は笑顔で応対。
泣き叫ばれるより、この方が男は怖い。

翌日、千代は手紙を残して実家の不破家に帰る。
「おいとま賜りたく候」
ショックの一豊。
一方、千代は叔父に諭される。
「それよりも家来を召し抱えることに心を砕け。家来は取り柄のあるものがいい。力の強い者、足の速い者、物覚えのいい者、知恵のある者、銭勘定の出来る者、正直な者」
ここで叔父は墓穴を掘る。
「正直な者?一豊様は正直過ぎまする。せめて黙っていてくれれば」
「それが一豊殿のいい所じゃ」と叔父はフォローするが。
叔母は「本当に一豊殿が憎いのなら戻って来なさい」と言う。
別に憎いわけではない。自分の気持ちがわからない千代。
そこへホラ貝の音。浅井、朝倉とのいくさだ。
「夫の出陣の折に憂いを残してはいけません」と語る叔母。
夫に気がかりがあれば、戦場で十分な働きができぬばかりか、ミスに繋がるというのだ。
早速戻る千代だが、一豊は出陣している。
そして、叔母の言ったことは当たった。

姉川の合戦で一豊行方不明。
責任を感じる千代。自分が守れなかった。出陣で無事を祈れなかったから。
戻ってきた新右衛門からは「功名を立てて不破家に迎えに行く」という一豊の決意を聞かされる。

髪を下ろす決意をする千代。
いくさがない様に神仏に祈る。
「いくさが憎い。この乱世を憎みまする」

雨。家にひとりいる千代、頭を垂れている。
雨の中から「わしは死なん」という一豊の声。
一豊が戻って来た。

45分の間に、主人公の心がこれだけ動くというのが面白い。
嫉妬・怒り~抑えた怒り~迷い~後悔~いくさへの憎しみ。
千代が主体的に働きかけて生まれた感情の起伏ではなく、状況に流されてのもの=リアクションだが、これだけ感情が動くとドラマになる。

一豊が戻ってくるラストはあまり芸がない。
~雨の中から「わしは死なん」という一豊の声~
確かに他にやりようはないが。

後はこの物語は続くのだから、一豊は死ぬわけはないと視聴者は知っている。
これも千代の感情を描くのが、このドラマの主眼だから仕方がないのだが。

★研究ポイント
 物語の作り方
 物語の構成

★追記
 今回は姉川の合戦に駆けつけた徳川家康(西田敏行)が見せ場。
 三河軍の役割を後詰め(予備軍)とする信長。
 それを不服だという家康。それでは帰るという。
 信長は浅井軍に当たることを命じる。
 「ありがたきお指図」と家康は言い、兵をいくらでも貸し与えるという信長に「小国の自分は大軍など扱かったことがない。小勢を扱うことしかできない。小勢で浅井を打ち破ってみせましょう」と言う。
 そして、実際のいくさでは織田軍の窮地を救う。
コメント
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