「クロサギ」最終回。
1
黒崎(山下智久)と氷柱(堀北真希)の出した結論とは?
まず氷柱。
桂木(山崎努)から御木本(岸部シロー)の居場所を教えられて、「きみは黒崎をどうしたいんだ?」と聞かれる。
警察に逮捕させるか?
詐欺を続けさせて復讐を成し遂げるか?
このふたつの選択肢に対して、氷柱は「わからない」と言う。
氷柱には、どちらが黒崎にとって幸せかがわからないからだ。
結局、彼女の出した結論は検事になって、黒崎のような人間を出さないこと。
氷柱は葛藤の末、「法」を信じ「検事」になることを決めた。
そして黒崎。
春日(萩原聖人)を喰って、御木本にたどり着いた。
しかし捕まってしまう。
警官に取り押さえられながら「まだ、終わっていないんだ!」と叫ぶ。
そして証拠不十分で釈放。
黒崎は柏木に言う。
「御木本を喰った後に柏木の心臓をもらう」
黒崎の出した結論は「詐欺師」を続けること。
では、氷柱と黒崎は平行線か?別々の道を歩くのか?
答えはNO!
これがこの作品の見事なところ。
氷柱は検事を目指し、黒崎は詐欺師を続けることを決意したが、ふたりの心は通じ合っていた。
「検事」「詐欺師」という枠にとらわれるのではなく、「人間」として関わっていくことを決めたふたり。
様々な葛藤を経て、ふたりは理解し合い、「黒崎」と「氷柱」として関わっていくことを決めたのだ。
なるほど、ドラマの解決にその方法があったのかという感じ。
詐欺師を続けるのか?やめるのか?という解決ではなく、人として関わるという解決方法。
それゆえラストシーンはさわやかだった。
黒崎の笑顔も。
少なくとも黒崎は氷柱と一緒にいる時は、復讐や詐欺を忘れ、あの笑顔を見せるだろう。
物語の結論を黒か白かで片づける時代は終わった。
2
黒崎の心を溶かしたものとは?
復讐にとらわれていた黒崎。
その頑なな心の扉をこじ開けたのは、氷柱の言葉だった。
「あなたはひとりじゃない。どんなことがあっても私がいる」
これは孤独な戦いをする黒崎が一番欲しかった言葉。
復讐のためにすべてを捨てた黒崎が一番欲しかったのは、自分を思ってくれる人。
これが黒崎の心をえぐった。
考えてみれば、黒崎の過去を知った氷柱が考えに考えて出した言葉がこの言葉だった。
それは「詐欺をやめなさい」ということでもなく、「納得いくまで復讐をしなさい」ということでもなかった。
氷柱が必死に考えた言葉だから重みがある。
だから黒崎の心を打った。
3
最終回は騙しのオンパレード。
黒崎の逮捕はすべて桂木の仕組んだこと。
警察の注意を黒崎に向け御木本を逃がすためのものだった。
新川波江(杉田かほる)の訴えも実は桂木が買収で取り下げさせた。
そして釈放。
結局、黒崎も桂木に踊らされた。
さすが詐欺のフィクサー。
行う仕掛けも大きい。
また、柏木の心臓が悪いというのも騙しであったようだ。
しかし、早瀬(奥貫薫)も桂木を騙していた様子。
漬け物はスーパーの漬け物の素でつけた物だと告げた。
その他にも警官隊を巻いた黒崎の騙し、御木本の椅子に座っていたのは神志名(哀川翔)だったという騙しなどがあった。
一方、嫉妬に狂ったゆかり(市川由衣)が黒崎を警察に売ったという件はドラマとしてどうであろう。
スタッフとしては視聴者をあっと驚かせたかったのだろうが、これだとゆかりは完全な迷惑女。
「修行し直して来ます」と言われても、視聴者の反感は残る。
マイナスだった。
★研究ポイント
ドラマの作り方:黒か白でない、別のドラマの結論。人間としての結びつき。
★名セリフ
「まあ、元気でね、吉川氷柱さん」
※初めて氷柱の名前を呼んだ黒崎。ひと言で氷柱への気持ちを表現した名セリフ。小道具として猫もうまく使っている。黒崎は氷柱に猫の世話を頼んだ。猫はふたりをつなぐ重要な小道具として機能した。
「とにかくこれで、共済組合の借りは返したからな。お前がどう思おうが、俺もお前も桂木さんのゲームのコマだ」
※黒崎を助けた白石(加藤浩次)。このせりふをひと言言って去っていく。実においしい役だ。現状分析も出来ている。
「ぼくだけは見逃してね」
※この愛嬌を見せることで、桂木キャラは膨らみました。
「だから人間は面白い」
※柏木の行動論理。彼は金や復讐で行動するのではない。人間を楽しむために行動する。
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黒崎(山下智久)と氷柱(堀北真希)の出した結論とは?
まず氷柱。
桂木(山崎努)から御木本(岸部シロー)の居場所を教えられて、「きみは黒崎をどうしたいんだ?」と聞かれる。
警察に逮捕させるか?
詐欺を続けさせて復讐を成し遂げるか?
このふたつの選択肢に対して、氷柱は「わからない」と言う。
氷柱には、どちらが黒崎にとって幸せかがわからないからだ。
結局、彼女の出した結論は検事になって、黒崎のような人間を出さないこと。
氷柱は葛藤の末、「法」を信じ「検事」になることを決めた。
そして黒崎。
春日(萩原聖人)を喰って、御木本にたどり着いた。
しかし捕まってしまう。
警官に取り押さえられながら「まだ、終わっていないんだ!」と叫ぶ。
そして証拠不十分で釈放。
黒崎は柏木に言う。
「御木本を喰った後に柏木の心臓をもらう」
黒崎の出した結論は「詐欺師」を続けること。
では、氷柱と黒崎は平行線か?別々の道を歩くのか?
答えはNO!
これがこの作品の見事なところ。
氷柱は検事を目指し、黒崎は詐欺師を続けることを決意したが、ふたりの心は通じ合っていた。
「検事」「詐欺師」という枠にとらわれるのではなく、「人間」として関わっていくことを決めたふたり。
様々な葛藤を経て、ふたりは理解し合い、「黒崎」と「氷柱」として関わっていくことを決めたのだ。
なるほど、ドラマの解決にその方法があったのかという感じ。
詐欺師を続けるのか?やめるのか?という解決ではなく、人として関わるという解決方法。
それゆえラストシーンはさわやかだった。
黒崎の笑顔も。
少なくとも黒崎は氷柱と一緒にいる時は、復讐や詐欺を忘れ、あの笑顔を見せるだろう。
物語の結論を黒か白かで片づける時代は終わった。
2
黒崎の心を溶かしたものとは?
復讐にとらわれていた黒崎。
その頑なな心の扉をこじ開けたのは、氷柱の言葉だった。
「あなたはひとりじゃない。どんなことがあっても私がいる」
これは孤独な戦いをする黒崎が一番欲しかった言葉。
復讐のためにすべてを捨てた黒崎が一番欲しかったのは、自分を思ってくれる人。
これが黒崎の心をえぐった。
考えてみれば、黒崎の過去を知った氷柱が考えに考えて出した言葉がこの言葉だった。
それは「詐欺をやめなさい」ということでもなく、「納得いくまで復讐をしなさい」ということでもなかった。
氷柱が必死に考えた言葉だから重みがある。
だから黒崎の心を打った。
3
最終回は騙しのオンパレード。
黒崎の逮捕はすべて桂木の仕組んだこと。
警察の注意を黒崎に向け御木本を逃がすためのものだった。
新川波江(杉田かほる)の訴えも実は桂木が買収で取り下げさせた。
そして釈放。
結局、黒崎も桂木に踊らされた。
さすが詐欺のフィクサー。
行う仕掛けも大きい。
また、柏木の心臓が悪いというのも騙しであったようだ。
しかし、早瀬(奥貫薫)も桂木を騙していた様子。
漬け物はスーパーの漬け物の素でつけた物だと告げた。
その他にも警官隊を巻いた黒崎の騙し、御木本の椅子に座っていたのは神志名(哀川翔)だったという騙しなどがあった。
一方、嫉妬に狂ったゆかり(市川由衣)が黒崎を警察に売ったという件はドラマとしてどうであろう。
スタッフとしては視聴者をあっと驚かせたかったのだろうが、これだとゆかりは完全な迷惑女。
「修行し直して来ます」と言われても、視聴者の反感は残る。
マイナスだった。
★研究ポイント
ドラマの作り方:黒か白でない、別のドラマの結論。人間としての結びつき。
★名セリフ
「まあ、元気でね、吉川氷柱さん」
※初めて氷柱の名前を呼んだ黒崎。ひと言で氷柱への気持ちを表現した名セリフ。小道具として猫もうまく使っている。黒崎は氷柱に猫の世話を頼んだ。猫はふたりをつなぐ重要な小道具として機能した。
「とにかくこれで、共済組合の借りは返したからな。お前がどう思おうが、俺もお前も桂木さんのゲームのコマだ」
※黒崎を助けた白石(加藤浩次)。このせりふをひと言言って去っていく。実においしい役だ。現状分析も出来ている。
「ぼくだけは見逃してね」
※この愛嬌を見せることで、桂木キャラは膨らみました。
「だから人間は面白い」
※柏木の行動論理。彼は金や復讐で行動するのではない。人間を楽しむために行動する。