平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

クロサギ 第10話

2006年06月17日 | 職業ドラマ
  1
 黒崎(山下智久)は今の時代の主人公だ。
 詐欺師であることに迷っている。(黒崎本人は否定をしているが)
 たとえば、刑事ドラマの刑事は自分が刑事であることに迷わない。
 1時間、犯人を追うことに没頭する。
 だが、黒崎は氷柱(堀北真希)に別の生き方があることを指摘されて迷っている。
 アイデンティティの問題。
 だから視聴者は思い入れが出来る。

 ドラマにはふたつの方向があると思う。
 ひとつは視聴者が主人公なりに思い入れをして、いっしょに悩み、問題や事件を解決していく方法。
 「クロサギ」がそうだ。
 ふたつめは「医龍」のようなスーパーヒーロー。
 視聴者は自分たちが出来ないことを主人公がやってくれて、理想や夢を実現するのを見る。

 また、黒崎が今の時代の主人公であるのは、既存の価値への不信。
 抜け道がいっぱいの法律も、官僚化した警察も今を生きる人間はそれほど信じていない。
 ライブドア事件や村上ファンドの事件は法律の威信をかろうじて示したが、それ以前は法律の抜け道を使ってビジネスをしていた。
 そんな状況下で対抗できる手段は、反法律・反警察で対抗すること。
 敢えて言えば目には目を。
 黒崎はそんな状況が生み出した主人公だと言える。

 さて来週は最終回。
 復讐に生きることは心が安まることのない孤独な生き方。
 一方、氷柱の言う幸せを求める生き方。
 御木本篤(岸部シロー)と春日公義(萩原聖人)、そして桂木(山崎努)との事件の果てに黒崎はどちらを選ぶのか?
 個人的な意見としては、詐欺師であることが黒崎が自分自身である根拠。
 本人もけじめは自分がつけるものと言っているからやめることは出来ないだろう。

  2
 今回の名シーンは花火のシーン。
 黒崎が笑ったのも印象的だったが、ひとり花火の氷柱もすごい。
 子供の頃からひとり遊びが好きな子だったんでしょうね。
 これを演じた堀北真希もすごい。
 普通の女優さんがこのシーンをやっていたら、無邪気さは出せるかもしれないが、「痛さ」は出せない。
 まさに堀北ワールド。
 堀北真希は演じるとキャラクターに独特の雰囲気をつけ加える。
 今後、どんな役を演じるか?
 将来が楽しみな女優さんだ。

  3
 今回は通信販売詐欺。
 江守公子(いしだあゆみ)は宛名書きのツールを20万円で売りつける。
 顧客名簿を20万円で売りつける。
 その回収方法はマージンだ。
 自分が送ったDMで客が商品を買ってくれれば、その分のマージンを払う。
 しかし、実際は売り上げはなかったことにしてマージンは支払われない。

 黒崎は偽の注文をして商品を手に入れバッタ屋に売る。
 マージンが正当に支払われていないことを指摘(というより恐喝)して、2000万を奪い取る。
コメント (5)
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