今回のドラマの構造はB→A→B。
Bはマイナス。Aはプラス。
ドラマはいきなりマイナスから入る。
3人目のバチスタ患者・隆くんの手術断念。
伊集院(小池徹平)の寝返り。
隆くんの転院が決まり、朝田龍太郎(坂口憲二)と加藤晶(稲森いずみ)は両親に謝る。
「本物の医者を信じてください」と言った朝田に隆の母は飲み物をかける。
下手な希望を持たされた分、なお腹が立つ。
まして隆の両親は毎日見舞いに来る強い肉親。
厳しい現実を見るのが嫌で見舞いに行くのを避けるのが通常。
野口教授(岸部一徳)と霧島軍司(北村一輝)は教授会に向けて何か秘策がある様子。
視聴者はこの状況にモヤモヤしている。
しかし、次の瞬間スッキリに変わる。(土曜7時のクイズ番組の表現を流用)
11時の教授会。
朝田たちはこのタイミングを狙っていた。(映像ではやたらに時計を挿入)
教授不在の容態急変。
隆は急変したわけではないのだが、朝田たちは急変したとして独断で手術を行うのだ。
朝田と藤吉圭介(佐々木蔵之介)は隆くんの両親に言う。
藤吉「容態が急変しました。容態は安定してますが、急変したんです!医局内のオペには教授の許可が絶対に必要。しかし今は教授会の真っ最中やむを得ない」
龍太郎「これより緊急オペを執り行います。我々はこの日の為に準備をしてきました。この子の命は俺達が守ります」
荒瀬門次(阿部サダヲ)は臨床工学士の山田の肩を叩いて手術室へ。
晶は緊急手術の内線電話を受け取る。
看護師長も手術に異論をはさまない。里原ミキ(水川あさみ)に黙ってうなずく。
そして伊集院。
「そろそろコンタクトつけなきゃ。サージカルルーペ付けなきゃいけないので」
霧島に教授会の行われる11時を待っていたことを告げ、そのための手術の練習をしていたことを告げる。
そして霧島が一番言われたくないことを言う。
「僕なんか先生の足もとにも及ばない。これから先も。だけど一つだけ先生に負けない物がある。僕には仲間がいる。僕には心から頼れる仲間がいる。それだけは先生より優れてる。それだけは胸を張って言えます」
緊急オペのことが教授会の野口の所へ告げられる。
鬼頭笙子(夏木マリ)は「やるじゃない」とニヤリ。
そして左右逆の手術への対応=利き腕でない左手での執刀。
マイナスからプラスへ。ここで視聴者はスッキリする。
しかし、ここで再びマイナスへ。
隆君の抱えている問題は他にもあった。
動脈瘤。
霧島はこのことを知っていたようだ。
本当に患者のことなどは考えていない医者だ。
朝田は動脈瘤を発見して、手術を進めることができない。
晶は言う。
「勝ち目のない手術はできません」
ドラマの構造……B→A→Bを使った見事なドラマ作りだ。
おまけに今回は視聴者も騙している。
★研究ポイント
ドラマの構造……B→A→B。
★キャラクター研究:鬼頭笙子
本音と建て前を使い分ける大人。
隆のバチスタ手術断念について適切な判断とコメントする鬼頭。
これは大学病院の教授としての建前コメント。
しかし、個人的には朝田が手術をすることを望んでいる。
それが「やるじゃない」というコメントに。
黒と白がはっきりしている中での灰色のキャラ。
実に魅力的だ。
★名セリフ
藤吉が朝田に
「この子も半年ぐらいしたら喋り出すんだろうな。パパ~とか。ご両親にも聞かせてやりたいな」
※手術を断念した悔しさを表現したせりふだが、後に藤吉たちが取った行動を考えると別の意味合いも。
★追記
この作品の映像表現は凝っている。
まず場所をうまく使っている。
・エレベーター
野口・霧島の乗るエレベーターに乗る伊集院と乗らない晶。
閉まるドア越しに見える表情。
・屋上
密会の場所。鬼頭も時々来る。
・ドア
霧島の部屋に入る伊集院。閉まるドア。
その前を朝田たちが通り過ぎる。ニアミス。
数秒遅かったら、伊集院が部屋に入ったことがバレていた。
またテロップの使い方も効果的だ。
手術の準備シーンで各担当にテロップが表示。
「第2助手 伊集院登」「第1助手 加藤晶」「執刀医 朝田龍太郎」
Bはマイナス。Aはプラス。
ドラマはいきなりマイナスから入る。
3人目のバチスタ患者・隆くんの手術断念。
伊集院(小池徹平)の寝返り。
隆くんの転院が決まり、朝田龍太郎(坂口憲二)と加藤晶(稲森いずみ)は両親に謝る。
「本物の医者を信じてください」と言った朝田に隆の母は飲み物をかける。
下手な希望を持たされた分、なお腹が立つ。
まして隆の両親は毎日見舞いに来る強い肉親。
厳しい現実を見るのが嫌で見舞いに行くのを避けるのが通常。
野口教授(岸部一徳)と霧島軍司(北村一輝)は教授会に向けて何か秘策がある様子。
視聴者はこの状況にモヤモヤしている。
しかし、次の瞬間スッキリに変わる。(土曜7時のクイズ番組の表現を流用)
11時の教授会。
朝田たちはこのタイミングを狙っていた。(映像ではやたらに時計を挿入)
教授不在の容態急変。
隆は急変したわけではないのだが、朝田たちは急変したとして独断で手術を行うのだ。
朝田と藤吉圭介(佐々木蔵之介)は隆くんの両親に言う。
藤吉「容態が急変しました。容態は安定してますが、急変したんです!医局内のオペには教授の許可が絶対に必要。しかし今は教授会の真っ最中やむを得ない」
龍太郎「これより緊急オペを執り行います。我々はこの日の為に準備をしてきました。この子の命は俺達が守ります」
荒瀬門次(阿部サダヲ)は臨床工学士の山田の肩を叩いて手術室へ。
晶は緊急手術の内線電話を受け取る。
看護師長も手術に異論をはさまない。里原ミキ(水川あさみ)に黙ってうなずく。
そして伊集院。
「そろそろコンタクトつけなきゃ。サージカルルーペ付けなきゃいけないので」
霧島に教授会の行われる11時を待っていたことを告げ、そのための手術の練習をしていたことを告げる。
そして霧島が一番言われたくないことを言う。
「僕なんか先生の足もとにも及ばない。これから先も。だけど一つだけ先生に負けない物がある。僕には仲間がいる。僕には心から頼れる仲間がいる。それだけは先生より優れてる。それだけは胸を張って言えます」
緊急オペのことが教授会の野口の所へ告げられる。
鬼頭笙子(夏木マリ)は「やるじゃない」とニヤリ。
そして左右逆の手術への対応=利き腕でない左手での執刀。
マイナスからプラスへ。ここで視聴者はスッキリする。
しかし、ここで再びマイナスへ。
隆君の抱えている問題は他にもあった。
動脈瘤。
霧島はこのことを知っていたようだ。
本当に患者のことなどは考えていない医者だ。
朝田は動脈瘤を発見して、手術を進めることができない。
晶は言う。
「勝ち目のない手術はできません」
ドラマの構造……B→A→Bを使った見事なドラマ作りだ。
おまけに今回は視聴者も騙している。
★研究ポイント
ドラマの構造……B→A→B。
★キャラクター研究:鬼頭笙子
本音と建て前を使い分ける大人。
隆のバチスタ手術断念について適切な判断とコメントする鬼頭。
これは大学病院の教授としての建前コメント。
しかし、個人的には朝田が手術をすることを望んでいる。
それが「やるじゃない」というコメントに。
黒と白がはっきりしている中での灰色のキャラ。
実に魅力的だ。
★名セリフ
藤吉が朝田に
「この子も半年ぐらいしたら喋り出すんだろうな。パパ~とか。ご両親にも聞かせてやりたいな」
※手術を断念した悔しさを表現したせりふだが、後に藤吉たちが取った行動を考えると別の意味合いも。
★追記
この作品の映像表現は凝っている。
まず場所をうまく使っている。
・エレベーター
野口・霧島の乗るエレベーターに乗る伊集院と乗らない晶。
閉まるドア越しに見える表情。
・屋上
密会の場所。鬼頭も時々来る。
・ドア
霧島の部屋に入る伊集院。閉まるドア。
その前を朝田たちが通り過ぎる。ニアミス。
数秒遅かったら、伊集院が部屋に入ったことがバレていた。
またテロップの使い方も効果的だ。
手術の準備シーンで各担当にテロップが表示。
「第2助手 伊集院登」「第1助手 加藤晶」「執刀医 朝田龍太郎」