平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

プリマダム 最終回

2006年06月22日 | ホームドラマ
 昨日最終回を迎えた「プリマダム」。
 テーマは次のふたつ。

1.『何かを始めれば何かが生まれる』

 子供の頃、家の事情でバレエを挫折した万田佳奈(黒木瞳)。
 その過去への清算のために再開したバレエ。
 しかし、それは様々なものを生んだ。
 家族の理解・協力と強くなった結びつき。
 土井バレエ教室の仲間たちとの友情。
 倉橋嵐子(中森明菜)との友情の復活。
 佳奈のバレエは過去の清算ではなく、新しい未来を生み出した。
 佳奈はラストで高太郎(古田新太)に言う。
「これがゴールじゃないの。また明日新しい自分に出会う。そんな気がするのよ」
 バレエを始めて佳奈が得たことは、新しい自分の発見だった。
 日常に埋もれていく佳奈。
 そんな彼女がバレエを始めることで、新たな自分を見出した。
 友だちのために一生懸命になる自分。
 深く家族と関わるようになった自分。
 様々な人が笑顔を向けてくれる自分。

2.『与えれば得られる』

 家族や友だちに与えてばかりだった佳奈。
 やりたいこともやれずに家族のために家事をこなして、時々不満に思う。
 嵐子やわがままなバレエ仲間のためにやらなくてもいい奔走。
 そんな佳奈に様々なものが返ってきた。
 家族の協力。
 今回は佳奈のためにバレエ仲間たちが返してくれた。
「佳奈さんが来るまで踊らない」
 仲間たちが佳奈に与えてくれた。
 それはすなわち佳奈が仲間たちに与え続けていたから。

 何と美しいドラマ!
 でも、現実はなかなかこううまく行かないだろう。
 家族の理解は得られないかもしれないし、舞台に立てなければ代役を立てるのが現実だ。
 だから、この物語にリアリティを感じない人は引いて見ることになる。 
「こんな都合のいい話があるか?!」
 現に僕も高太郎が協力的なり、嵐子が(どうせ助かるであろう)病気になった時点で見るモチベーションが下がっていった。
 だが、ドラマは美しい理想を描かなくてはならない。
 現実をそのまま描いたらつまらない。
 テレビドラマなら尚更。
 問題はその描き方である。
 『与えれば得られる』というテーマは「ギャルサー」でも描かれていたが、描き方としては「ギャルサー」の方が上だと思う。
 「プリマダム」はストレート過ぎる。
 主婦がバレエをするというモチーフは今のものかもしれないが、物語手法は昔のものだ。
 要は嘘の世界に視聴者をいかに引っ張り込むか?
 ドラマ作りの手法が問われる作品だった。

★研究ポイント
 テーマ:何かを始めれば何かが生まれる。与えれば得られる。

★名セリフ
 「山本? 山本潔って誰ですか?」
※ひと言で夏芽が店長のことに興味を持っていないことを表すせりふ。
 気になっていたら、何て名前なんだろうって知りたくなりますよね。
 1話ぐらい、夏芽・店長話があってもよかった。(寺に入る話がそれか?)
 1回ふられて、最終回でOKが出るような流れで。

★ちょっとひと言
 嵐子の手術が、佳奈が発表会に行けないカセ。
 容態急変→結局大丈夫になって。ご都合。
 今の視聴者は目が肥えているから、こういう安易なカセでは……。

 「ナースあおい」では、花屋の市場の声が患者を甦らせた。
 このくらいの仕掛けがないと。

コメント (2)
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