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第一次世界大戦の終結前後、好戦的な上官プラデルの悪事に気がついて
生き埋めにされたアルベール。
彼を地中から救い出したエドゥアールは、顔の下半分を吹き飛ばされてしまう。
パリに戻った二人を待ち受けていたのは、帰還兵に冷たい世間だった。
生き埋めにされたアルベール。
彼を地中から救い出したエドゥアールは、顔の下半分を吹き飛ばされてしまう。
パリに戻った二人を待ち受けていたのは、帰還兵に冷たい世間だった。
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銀行家の御曹司エドゥアールは、戦死を装い、生還を家族にもひた隠しにする。
小心者のアルベールは仕事も恋人も失い、エドゥアールを見捨てることもできない。
顔の下半分を失くしたアルベールは、食べ物を噛むこともできず、注射器で注入。
痛みをモルヒネで抑えるという地獄のような生活。
声も失った彼はしかし、無垢な孤児の少女と心を通わせ、通訳して貰うことになる。
更にアートの才能に溢れる彼は、次々に奇抜なお面を作り、自分の顔とする。
彼らはかつての上官への復讐と、国を相手に一儲けする大胆な詐欺を企てるのですが…
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冒頭、凄惨な戦争シーンで始まります。
社会派の映画かと思って観ていくと、奇抜な仮面がファンタジーの世界へと誘う。
戦場、1920年代のパリの街角、銀行家の豪華な邸宅、そしてきらびやかな仮面と
リアルとファンタジーが入り混じった、摩訶不思議な世界。
気がつくと、魔術のような映像世界にどっぷり引き込まれていました。
そして終章、華麗な仮面をつけたままのエドゥアールが父親に逢い、
驚愕の行動を取ることで、彼が本当に求めていたものが分かるような気がするのです。
異色の反戦映画には、親と子の悲しい軋轢が伏線として入っていたのですね。
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(フランス版ポスター)
「その女アレックス」の人気ミステリー作家ピエール・ルメートル氏が原作、脚本。
アルベール・デュポンテルが監督、アルベール役として出演。
フランスのアカデミー賞と称されるセザール賞で監督賞、脚色賞など5冠に輝き、
本国では大ヒットとなったというのも頷ける作品です。
この春に上映され、私は映画好きな友人から聞いて今頃知ったのですが
日本では殆ど話題にもならなかったことが残念です。
「天国でまた会おう」
ドゴールのような救国の英雄が現れないと、フランスはダメなのかも知れません。むしろ、貴族のような暮らしぶりに困惑したのは分かる気がしますし、兵隊との間に命の格差があるように感じました。
エドゥアールの気持ちは心痛という感じですね。命の重みは変わりませんが、彼は自分で納得が行き再起のきっかけを掴み、不謹慎な言い方ですが、命の価値が高騰した瞬間に決断に至ったという事ではないでしょうか。見かけによらず、激情家なんだと思います。
そういえば戦争映画というカテゴリーに入るのは
ハリウッド映画などに比べて少ないような…
これは一体どういう趣の映画なのかと戸惑いながら観始めたのですが
中々掴みどころのない作品でした。
それでもいつの間にか、その世界に引き込まれていました。
エドゥアールが激情家であることは間違いないと思います。
でなければ、もっとごく普通に戦後を生き抜いたことでしょう。