Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「万引き家族」

2018年06月13日 | 映画


東京の下町、崩れそうな小さな一軒家に住む貧しい家族。
母初枝(樹木希林)、息子治(リリー・フランキー)、妻信代(安藤サクラ)、
信代の妹亜紀(松岡茉優)、そして少年祥太が暮らしていた。
初枝の年金、治の日雇い仕事、信代のパートで生計を立てていたが
足りない分は、治と祥太の連携プレイによる万引きで補っていた。
ある日、団地のベランダに放り出されていた5歳の少女を連れて帰り、
一晩だけと思っていたのが、一緒に住むことになる…



是枝監督は、親の年金を不正に受給していた家族が逮捕された事件に着想を得て、
「犯罪でしかつながれなかった」というキャッチコピーを最初に思い浮かべたのだそうです。
結論から言うと、私はこの作品、好きではありません。

家の中は想像を絶するほど汚く、その光景を見せられるだけでウンザリする。
下着姿で立膝をしてソウメンをすする姿にもゲンナリする。
治と信代はいかに学がないとはいえ、子どもに万引きをさせるとは言語道断。
祥太を学校に行かせることもなく、何の計画性もなく、とりあえず今日を生きている。
血が繋がらなくても心を通い合わせているとか、暖かく抱きしめ合っているとか言っても
あまりにも刹那的だし、あまりにも脆い関係です。
貧しくても清く正しく生きている人たちはいくらでもいるだろう、と思うのです。



しかし親に捨てられた祥太、虐待されたゆり、家庭にいたたまれなかった亜紀となると
話が違ってくる。
彼らはとりあえず自分の居場所を見つけて、どんなにホッとしたことか。
そこの「親」に好かれたいばかりに万引きを繰り返す祥太、
風俗店で安易なバイトをする亜紀を責めることはできない。

駄菓子屋で万引きを見抜かれ、そこの店主に「妹にはさせんなよ」と
穏やかに言われた辺りから、祥太の中に疑問の念が出てくる。
幼く無邪気なゆりに万引きをさせたくはない、という気持ちが湧き上がってくる。
こんな自堕落な環境の中で祥太の正義心が育くまれたのは
居場所を与えられ、とりあえず心の安定を得ることができたからだとしたら…?
子どもにとって一番大事なものは何かが、自ずから見えてくるような気がします。



貧困、孤独、無教養、虐待、犯罪、ゴミ屋敷。
日本社会の負の部分がこれでもかと出て来ます。
警察で取り調べを受けている時の、安藤サクラが絶句して何度も目を拭い、
涙をこぼすシーンには心打たれました。
カンヌでの9分間ものスタンディング・オベーションは
このシーンの為だったのかと思いました。

英題「Shoplifters」
公式HP http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/

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そんな目で見られても

2018年06月12日 | 家庭


降ったり止んだり、寒くなったり暑くなったり、冬になったり夏になったり、
ヘンなお天気が続いています。
雨でお散歩行けないねえ、タロウ。
そんな目で見られても…



どうもこの鉢の蔦だけ元気がないと思ったら…
土の中に、数センチの白くて半透明、丸々太った虫がゴロゴロ!
根っこが全部食べられている!
鳥肌立てながら成敗しました。



外から帰ると、タロウが尻尾を振って迎えてくれる。
玄関マットの温もりから、そこでずっと待っていたことが分かる。
犬を飼うことの、小さな幸せのひとつです。

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「ゲティ家の身代金」

2018年06月09日 | 映画


1973年に実際にローマで起きたゲティ3世誘拐事件を基にした作品です。
フォーチュン誌によって「世界一の大富豪」に認定された石油王のジャン・ポール・ゲティ(クリストファー・プラマー)の
孫ポールが誘拐され、1700万ドル(当時の日本円で50億円ですって)が要求されるが、
ゲティはそれに応じない。
「ここで身代金を支払えば、ほかの14人の孫にも誘拐の危険がおよぶ」
というのが彼の弁ですが、この人、異常なまでのケチなのです。



離婚によりゲティ家を離れていたポールの母ゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)は、
息子のために誘拐犯のみならず「世界一のドケチの大富豪」とも戦うことに。
金は払いたくないがさすがに知らん顔もできないゲティは、
元CIA職員のフレッチャーをゲイルのもとに送り、身代金交渉をさせようとするが…
世界一のドケチと強欲な誘拐犯の交渉は、中々成立しない。
痺れを切らせた誘拐犯一味は、遂にポールの身体の一部を送りつける。



身代金を一銭でも値切りたいドケチ大富豪ゲティ。
妻子を捨てて麻薬に走り、廃人のようになったその息子。
何を犠牲にしてでもポールを取り戻したい母親ゲイル。
富豪の顔色を伺いながら、ゲイルとの連絡係をするフレッチャー。
犯人側と被害者家族をつなぐチンピラの交渉役チンクアンタ。
大金を巡ってうごめくエゴむき出しの人間模様が、なんとも面白い。



ポールを監禁した誘拐犯のアジトは、南部のカラブリア地方。
ここはイタリアでも最貧地域で、マフィアが地元に密着しているといいます。
なんと警察までもがマフィアと結託しているのです。
痺れを切らせた誘拐犯たちが、ポールの身体の一部を切り取るシーン(私はずっと目を瞑っていた)、
終幕近く、建物に挟まれた曲がりくねった石畳の細い路地をポールが必死に逃げるシーンでは、観る側は呼吸困難になりそう。
複雑な人間模様を取り込みながら、一級のサスペンス映画に仕上がっています。

当初ゲテイ役を演じたケヴィン・スペイシーがセクハラ問題で降板。
御年88歳のクリストファー・プラマーが急遽代役することになり、
たった9日間で撮影を終えたのだそうです。
80歳のリドリー・スコット監督といい、凄いなあ…
原題 「All the Money in the World」。

「ゲティ家の身代金」 http://getty-ransom.jp/

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カモの親子と

2018年06月07日 | 社会


柏市の病院の屋上に、先月からカモの親鳥とヒナが住みついたのですって。
当初11羽いたヒナがカラスにさらわれて8羽に減ってしまったことから
病院の職員たちが、長い草の先を丸めて天敵から隠れやすくしたり、
プランターを使った臨時の池も設置したりして、あたたかく見守っているのだとか。
お母さんカモとヒナたちは毎日仲良く歩いているのだそうです。
こういう話を聞くと、本当にほっこりします。

それに引きかえ…
12㎏なんて2歳児の体重です。
朝スープ一杯、昼は茶碗に半分のご飯、夜も少量のご飯だけ。
時には一日一食。
アウシュビッツの食事より酷いじゃないの。
5歳児といったら遊び盛り、甘えたい盛りなのに。
冬に水のシャワーをかけられ、ベランダに放置されたって?
母親は1歳の息子ばかり可愛がり、娘への虐待は見ないふりをしてたって?
覚えたてのひらがなで「ゆるしてください おねがいします」って。
事件の詳細を聞くほどに、胸が苦しい。

(画像はネットから頂きました)

屋上にカモの親子 https://www.asahi.com/articles/ASL6641YVL66UDCB00F.html

5歳女児虐待死、両親逮捕 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180606-00000056-jij-soci

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アヤメ・花菖蒲・カキツバタ

2018年06月06日 | 社会


明治神宮で花菖蒲を見て来ました。
この花菖蒲田には150種、1500株が植えられているのだそうです。
なんともひなびた、牧歌的な風景。
これが都心の一角とはとても思えない。



この歳になってようやく牡丹と芍薬の区別がつくようになりましたが
アヤメ・ショウブ・カキツバタの違いはよく分からない。
まとめサイトを見てみたら、こういうことのようです。



アヤメ  陸上の乾燥地に生育 花弁の元に網目模様
ハナショウブ 陸から水辺の半乾燥~水湿地に生育 花弁の元に黄色い目型模様
カキツバタ 水湿地に生育 花弁の元に白い目型模様

そしてこの中では花菖蒲が一番背が高く、色や種類も多く、見栄えがするようです。
確かに神宮の中でも、色も模様も様々な花菖蒲が咲き乱れていました。



こちらを参考にさせて頂きました。
http://www.soho-link.com/blogs/blogs-category/item_371.html

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天空に浮かぶTwo Rooms②

2018年06月05日 | グルメ

(2012年の写真)

数年前に表参道のこのお店に行った時、驚きました。
ビルの上階のテラス席の外にぐるりと浅い水が張ってあり、その縁や柵がないのです。
ウォーターテラスが都会の空に浮かんでいるような感じ。
でもその時は冬、屋内の席で食事をしたので
季節の良い頃に、オープンテラスで一度ゆっくりしたいと思っていたのでした。

久しぶりに行ったら…
ウォーターテラスの部分がずっと小さくなり、ガラスの柵ができてしまっている。
ちょっとがっかり。
危ないから仕方ないのかな。



ブラックアンガスビーフのタルタル
ヤリイカ、キュウリのジェノベーゼパスタ
山百合ポーク 肩ロースのチャーグリル
レモンのクレームブリュレとピスタチオのアイスクリーム

ウォーターテラスは小さくなりましたが
客・従業員共に外国人が多く異国にいるかのような雰囲気、
遊び心とボリュームのある料理は相変わらず。
御影石の揺れ動く水面に、青空と雲とが映し出されていました。


 
以前の日記
https://blog.goo.ne.jp/franny0330/e/74b4a160c4aa591abb6588cd8fbe159e

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「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」

2018年06月02日 | 映画


夢と魔法の国ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで
6歳の少女ムーニーは、シングルマザーのヘイリーとその日暮らしをしている。
ヘイリーは全身入れ墨、髪は奇抜な色、マナーも常識もあったものじゃない元ストリッパー。
下品な上に性格が悪く、自分勝手でキレやすく、年中汚い言葉を吐き散らす。
詐欺まがいの路上商売をし、配給の食料などを当てにして暮らしているが
ムーニーのことは可愛がり、ムーニーは毎日を子供らしく楽しく過ごしている。
しかし子どもが子どもを産んだようなもので、先々立ち行かなくなるのは目に見えているのです。



モーテルの管理人であるボビー(ウィレム・デフォー)は、ありとあらゆる雑務をこなし、時に優しく、時に厳しく彼らを見守っている。
この映画の中での唯一の常識であり、良心のような存在でホッとしますが
母子の経済的な面倒まで見られる訳ではない。
ハラハラする思いで見ていくと、やはり事件が持ち上がります。
追い詰められたヘイリーは、モーテルの自室で売春を始めるが…



夢の国ディズニー・ワールドのすぐ隣の、底辺層の人々。
ショーン・ベイカー監督は、ただその日常の一コマを切り取って見せただけで
だからどうしろと言う訳でも、何かを糾弾している訳でもない。
しかし観ている我々は、なんともやり切れない気分になります。
決定的なのは、母親ヘイリーをどうにも好きになれないこと。
この下品な女が、管理人ボビーにいさめられた時に逆切れして取った行動は
同性として口にするのも憚られます。
しかし、ヘイリーもまたこのような環境で育った犠牲者だとしたら?

舞台である安モーテルの名前が「マジック・キャッスル」というのが
なんとも皮肉です。

公式HP http://floridaproject.net/

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初体験!

2018年06月01日 | 社会


これは霞が関にある法務省の写真。
この隣にある、何の変哲もない大きな四角いビルの東京地裁。
そちらで昨日、裁判傍聴というものを初めて経験してきました。
普通の人間でも見られるのですね。

予定表から傍聴したい裁判を選んで、時間と法廷を確認して傍聴します。
大きな部屋、小さな部屋、民事、刑事、色々な裁判が行われているようです。
私は3ヶ所ほど廻りましたが、なんといっても殺人事件の裁判員裁判が興味深かった。



各法廷のドアにはハガキ大の覗き窓があり、そこから中が見えるようになっています。
その法廷は結構大きな部屋でしたが、私が覗いた時には既に満席状態。
端の方に空席を一つ見つけたので、そっと潜り込んだのでした。
正面の裁判官の席には、数えたら9人もの人が座っている。

72歳の男性が、男に騙されて全財産を入れ上げた娘を絞め殺したという事件でした。
娘さんは軽い知的障害があり、男にいいように利用されてサラ金からも借りまくっていたのだそうです。
父親がなんとか別れさせようとしても、意見すると娘は暴れたり叫んだり。
警察や消費者センターなどあちこちに相談したのだけど、よい結果は得られず、
思い余った父親は、自分の首に巻いていたストールで娘の首を絞めたのですって。
その妻は不整脈だとかでその場にはいなかったのですが、減刑願いを出していると。
検察側からは、8年という求刑が出されました。

裁判員裁判ということで、私にすら分かるように易しく説明して貰えてありがたい。
眼の前に背筋を伸ばして座っている短髪の小柄な老人が、殺人犯だなんて。
テレビでも映画でもなく、これが実際に起きたことだなんて。
なんとも切ない事件ですが…

傍聴席は、どの部屋も結構いっぱいでした。
熟年の傍聴マニアの男性(多分)、若い法学部の学生(多分)、そして
社会見学と思しき中学生や高校生。
下手なテレビの〇〇ワイド劇場など目ではない。
しかし只でさえ寝つきが悪いヘタレな私、昨夜なんて何度もその場面が脳裏によみがえって…
何を見ても動じない精神力が必要となるようです。

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