格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

原発災害に伴い発生した損害のすべてが原発被害

2011-04-24 20:11:57 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

原発災害に伴い発生した損害のすべてが原発被害
福島原発で人類史上最悪の区分に分類される放射能放出事故が発生した。大気、土壌、海洋、地下水に極めて深刻な放射能汚染が広がっている。
 
 放射能に汚染された食物を摂取することを体内被曝と呼ぶが、外部被曝と比較して体内被曝は影響が深刻である。とりわけ、子どもの放射能摂取には十分な警戒が求められる。
 
 国民の生命と健康を守る政府であるなら、直ちに危険情報を十分に提供し、国民にリスク回避行動を呼びかける必要がある。
 
 リスクのある食物を摂取しなければリスクは封じ込めることができるが、リスクのある食物を摂取すれば、リスクを封じることはできないからだ。
 
 念には念を入れて、リスクを排除する行動を取ることが望ましい。リスクのある行動を取れば、取り返しのつかない事態を招く恐れがあるから、リスクのない行動を取るように国民を誘導するのが政府の役割である。
 
 ところが、菅-枝野体制は、当初から、「食べても直ちに人体に影響を与えない」の言葉を繰り返してきた。安全のために国民が知りたいのは、「直ちに影響が出るかどうかではなく、最終的に影響が出るのかどうか」なのだ。直ちに影響が出なくても、20年後にがんになる確率が高まるのなら、普通の国民はその行動をあえて選ぼうとはしないだろう。
 
 ところが、菅-枝野体制は、「食べても問題はない」を積極的にアピールし、「できるだけ食べないように」の表現を用いなかった。ハードルを大幅に引き下げて、放射線濃度が一定の水準に達しない食物は、摂取可能であるとして出荷も容認し、国民に摂取を呼び掛けた。
 
 テレビは原発災害発生地の農産物販売の模様を中継し、こうした農産物を購入する人から、「被災地を応援するためには、このような野菜をぜひ購入して、被災者たちに勇気を与えたい」などの感想を話させて、これを繰り返し報道してきた。
 
 子どもに放射能汚染食物を摂取させたくない親は、一定の水準まで放射能に汚染されている食物の購入を控えているが、原発事故被災地の野菜を積極的に買おうとする消費者がいるとの報道が繰り返されると、非常に肩身の狭い思いを感じることになる。
 
 まるで、放射能汚染食物の摂取を回避しようとする行動を取る者は、被災地の人々のことを思いやる心も持たない、冷血な人間であると、非難されているような気分になってくる。
 
 菅-枝野体制の狙いはまさにここにある。出荷制限、摂取制限をかける対象をできるだけ小さく設定し、ある程度放射能に汚染された食物は出荷も認め、摂取も奨励するスタンスが採用されている。



その理由が明らかになった。推察通りの腹黒い計算がそこにはあった。
 
 すべては、政府や東電の損害賠償金額を最小化するために取られている行動なのだ。国民の生命や健康を守る視点とは逆の方向の動きである。
 
 原発事故の損害賠償が今後の最重要のテーマになるが、政府は出荷制限のかかった品目を損害賠償の対象にしようとしている。ある水準以下の放射能汚染食物については出荷も摂取も容認する。ハードルを引き下げた結果、ハードルを越えられない対象食物が限定される。政府はこの限定された品目に限って、出荷制限のかかったものだけを損害賠償の対象にするのである。
 
 損害賠償の対象になる農林水産生産物を極力縮小されれば、政府や東電の支払い負担金額は小さくなる。この点だけが重視されている。
 
 放射線被曝が人体に影響を与えるには長い時間を要し、いざ、がんを患ったからといって、その因果関係の立証は容易でない。政府が政府と東電の損害賠償金額をできるだけ小さくしようとするうえでは、損害賠償の支払い対象をできるだけ小さくしてしまうのが得策なのだ。
 
 出荷制限や摂取制限はかけられなかったが、一定程度は放射能に汚染された食物を摂取し続ければ、健康被害も発生する確率は高くなるだろう。しかし、いざ健康問題が発生したとしても、因果関係の立証は容易でなく、政府は際限なく逃げの一手で、損害賠償の支払いを拒否する可能性が高い。
 
「風評被害」という言葉が多用され、
「放射能に汚染された食物は危険である」
と言わないようにするべきだとの空気が作られて、実際に、政府はある程度放射能に汚染された食物の出荷と摂取を解禁している。
 
 一見すると、これらの行動は原発事故被災地の農林漁業関係者を支援する行動であるように見えるかもしれない。 
 
 しかし、よく考える必要がある。
 
 政府の行動は、こうしたプロセスを経て、ある程度、放射能に汚染された食物の出荷と摂取を容認するものである。したがって、出荷制限と摂取制限がかけられる対象は小さくなる。そして、重要なことは、政府は、出荷制限をかけたものだけを損害賠償の対象とすると言っているのだ。
 
 ところが、実際の消費市場で何が起きているのか。大多数の消費者は問題が放射能汚染であるだけに、やはり安全策を取る傾向を強く示している。
 
 武田邦彦氏が指摘するように、安全宣言は、野菜などをよく洗ってから放射線量を計測しており、安全宣言を出しているところほど、注意が必要である。武田氏は福島、茨城、栃木、宮城、群馬産を基本的に警戒するべきだとアドバイスしている。理にかなったアドバイスである。
 
 安全策を取る消費者は多いと思われる。そして、放射能問題では、安全策をとる者が賢者であり、危険策を取る者が愚者であるというのが常識的な判断である。
 
 このとき、何が起こるのかをよく考える必要がある。
 
 農林漁業の生産者は、政府から出荷制限を解かれたとしよう。ところが、消費者の選択により、生産物の売れ行きが大幅に落ちたとする。売り切るには、価格を大幅に引き下げて、赤字覚悟の値をつけなければならなくなるかも知れない。
 
 しかし、東電からの損害賠償は得られない。
 
 政府が「風評被害」だと騒いでいるのは、出荷制限などを可能な限り限定的にして、損害賠償の支払い金額を1円でも節約したいからなのだ。農林漁業生産者の立場を慮って騒いでいるなどというのは、見せかけの虚偽のポーズに過ぎない。
 
 放射能に汚染された食物の摂取を禁止し、その代わり、農林漁業生産者に対しては、生産物をすべて政府が買い取れば良いのだ。
 
 低レベルでも放射能に汚染された食物が消費者から敬遠されるのは、生産者が悪いのでも消費者が悪いのでもない。原発事故を引き起こした東電と政府が悪いのだ。
 
「風評被害」ではなく「原発被害」なのだ。
 
 損害賠償はまず、東電が責任を果たすべきである。東電の支払い能力が不足するなら、東電を法的に整理し、債務処理を行う必要がある。電力事業を継続する必要があるから、政府が全株式を取得し、一時国有化する必要がある。
 
 原発事故でキャンセルになった観光に関する収入なども、すべて、損害賠償の対象に含めるべきである。農林漁業生産物について、出荷制限の対象になった分だけを損害賠償の対象にしようというのが間違いであり、消費者が安全性の視点から消費しないために売れ残った農林漁業生産物のすべてを、損害賠償の対象に設定するべきなのだ。
 
 政府の狡猾な言動を注意深く監視しなければならない。







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必読「週刊金曜日」、東京電力に群がった原発文化人

2011-04-24 06:08:50 | 阿修羅


必読「週刊金曜日」、東京電力に群がった原発文化人
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/453.html
投稿者 gataro 日時 2011 年 4 月 17 日 19:29:50: KbIx4LOvH6Ccw


http://www.labornetjp.org/news/2011/1303011767960staff01

*レイバーネットMLより
Nです。
週刊金曜日4月15日号に東京電力から金をもらって原発を推進した文化人二五人がでています。
以下週刊金曜日のホームページ
http://www.kinyobi.co.jp/consider/consider_newest.php
ぜひ買ってみてください

---------------------------

東京電力に群がった原発文化人各電力会社や関連団体は、原発の「安全性」や一イメージ向上を図るため、多くの著名人をPRにもちいてきた。
原発推進の一翼を担ってきた彼ら彼女らを佐高信が斬る
佐高信さたか まこと・本誌編集委員。
画/いわほり けん

1
東京電力をリーダーとする電気事業連合会(電事連)がいかに巨額のカネを使って世論を買い占めてきたか、そして、その手先となつてノーテンキなタレントや文化人が原発安全神話を鼓吹してきたか。それを糾弾するためはまず二つの事例を紹介する。
 一つはアントニオ猪木の青森県知事選挙応援事件である。猪木の秘書だった佐藤久美子の『議員秘書捨身の告白』(講談社)によれば、最初、原発一時凍結派の候補から一五〇万円で来てほしいと頼まれた猪木はその候補の応援に行くつもりだったが、推進派のバックにいた電事連から一億円を提示され、あわてて150万円を返して、そちらに乗り換えたというのである。 
 まさに札束で頬を叩くこうしたやり方は、高木仁三郎のような筋金入りの反対派にさえ試みられる。 
 高木の『市民科学者として生きる』(岩波新書)に、ある原子力情報誌の編集長から、三億円を用意してもらったので、エネルギー政策の研究会を主宰してほしいと誘いがあったと書かれている。三億円について、高木は「現在だったら一〇〇億円くらいに相当しようか」と注釈をつけているが、猪木の一億円もいまでは何倍かする必要はあるだろう。

安全神話のホラ吹き役

 電力会社の広告に協力した作家の幸日真音(こうだまいん)を批判したら、自分はそんなにもらっていないと弁解してきた。そして、中立的な立場からエネルギーについての小説を書くため広告に出たのだと言いわけしてきたが、協力しても「中立的に」書けると思っている鈍さ故に利用されるのだ。
 竹中平蔵の引きなのか、彼女はNHK(日本放送協会)の経営委員にもなている。無思想の作家は電力会社にとってもお飾り的につかいかってがいいのである。
 彼女や荻野アンナを含む〃原発おばさん″や″原発おじさん〃は原発反対派がどんな嫌がらせを受けてきたかなど想像もできまい。
 評論家の西部邁(にしべすすむ)は、一度、電力会社主催のシンポジウムに呼ばれて、科学的に絶対の安全はないと言ったら、二度と声がかからなくなったと笑っていた。つまり、何度も招かれる原発タレント文化人は「絶対安全」派と見られているのである。
主観的に「中立」などと言っても、「顔隠して尻隠さず」でしかない。
 安全神話の最大のホラ吹き役が漫画家の弘兼憲史(ひろかねけんし)脳科学者として売り出した茂木健一郎や養老孟司がこれに次ぐ。養老など、『バカの壁』というベストセラーを出したが、自分自身が最大の「バカの壁」ではないのか。弘兼は三月一九日付の『夕刊フジ』に例の島耕作のイラストを描き、被災者と福島原発で作業にあたる人に対して「大変な状況ですが負けずに乗り切って下さい」というメッセージを寄せていた。しかし、原発は安全と喧伝(けんでん)してきた弘兼の〃応援″など、特に福島原発からの避難者にとっては吐き気をもよおすものでしかないだろう。
「社長 島耕作」の無責任さは、まさに東京電力の会長や社長とダブるのである。

たけしのトンデモ暴言

 三月未の「朝まで生テレビ!」で、震災より原発事故のニュースが多すぎるのではと発言して問題となった勝間和代も中部電力のCMに出ていた。化けの皮が剥がれたという感じだが、こうした最近の原発タレントより罪深いのは、大前研一や堺屋太一、あるいはビートたけし(北野武)といった”フロンティア”だろう。そういえば、勝間は大前を尊敬して、いわば”おんな大前”をめざしてきたのだし、たけしの場合は兄の北野大(きたのまさる)や弟子の浅草キッドまで原発推進派である。
 堺屋は『週刊文春』四月七日号の立花隆との対談では、津波は「想定外」ではなかったはずだと、少し東電に批判的なことも言っているが、かつては「原発反対などと言っているのは日本だけ。たとえばフランスでは、原発反対運動はただのひとつもない」と暴言を吐いていた。
 立花センセイも、そんな堺屋の過去の言動を調べて突っ込むべきではなかったか。 大前は日立製作所で高速増殖炉の開発に携わっていたから、単なる宣伝者ではなく実行犯である。
 お笑いタレントとは言え、震災による原発爆発後のいま読むと笑えないのがたけしの発言。
 『新潮45』 の二〇一〇年六月号で、原子力委員会委員長の近藤駿介(東京大名誉教授)と対談してトンデモ暴言を連発している。
「おいらは大学も工学部ですから、原子力関係の話は大好きなんですよ。今日は新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所の中を見学させてもらったのだけど、面白くて仕方がなかった」こう切り出したたけしは、こんなことを言う。
「原子力発電を批判するような人たちは、すぐに『もし地震が起きて原子炉が壊れたらどうなるんだ』とか言うじやないですか。ということは、逆に原子力発電所としては、地震が起きても大丈夫なように、他の施設以上に気を使っているはず。
だから、地震が起きたら、本当はここへ逃げるのが一番安全だったりする(笑)。でも、新しい技術に対しては『危険だ』と叫ぶ、オオカミ少年のほうがマスコミ的にはウケがいい」本当にその方が「ウケがいい」かどうか、たけしも一度試してみればよかった。原子力発電所に逃げるのが一番安全なら、たけしはいまこそ、福島の原発に逃げ込んだらいいだろう。専門家であるはずの近藤の応答もひどいが、たけしの暴走には歯止めがない。次の発言にも絶句するばかりである。「相変わらず原子力発電に反対する人もいるけど、交通事故の年間の死者の数を考えて、自動車に乗るのを止めましょうとは言わない。やっぱり使ったほうが便利だからね。どうも原子力発電というとリスクばかり言う傾向があるけれど、実際、おいらたちはもっとリスクのある社会に生きている。変質者に刺される確率のほうがよほど高いって(笑い)
 突如ふえた公共広告機構、いわゆるACのCMにアントニオ猪木が登場して、誤った情報に惑わされないようにしようと呼びかけているのには驚いた。嗅覚だけは発達しているたけしも、早晩、方向転換して、そんなこと言ったっけという顔をするのだろう。

売る芸がないから身を売る

 福島出身で東電のCMに出ていた中畑清が、東電に裏切られたと言っているのにも嗤ってしまったが、渡瀬恒彦や星野仙一 あるいは森山良子や岡江久美子といったタレントや野球選手と違って、「行列のできる法律相談所」に出ている北村晴男や住口裕子(すみたひろこ)といった弁護士や吉村作治などの大学教授、そして、御意見番を気取るこ三宅久之、草野仁、大宅映子、キャスターを名乗る木場弘子の罪は一段と重い。投資相談屋の藤沢久美は『文芸春秋』で何度も電事連の広告に出ていながら、原発への「コメントは差し控える」のだという。
「芸は売っても身は売らぬ」が芸者の心意気とされた時代があったが、ここに挙げた″原発芸者たちは、売る芸がなかったから身を売ったのか。恥知らずな者どもである。他に原発のコマーシャルにでた芸能人180名がでています。 ほとんどの芸能人です。









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たんぽぽ舎です。【TMM:No1065】

2011-04-24 05:54:33 | マスゴミ


たんぽぽ舎です。【TMM:No1065】
                              転送歓迎です

      ◆ 地震と原発事故情報 その50 ◆

         5つの情報をお知らせします。

★1 福島原発事故の4月・5月の日程
★2 東電原発工程表についての疑問 山崎久隆
★3「想定外」は許さない  後半  山崎久隆
★4 芝公園集会にこんなお便り頂きました
★5 新刊本紹介:『原発崩壊』増補版 明石昇二郎


★1 福島原発事故の4月・5月の日程

#4月24日(日)芝公園:集会とデモ
  14:30~集会15:30~デモ
  会場:芝公園23号地(都営地下鉄三田線 御成門下車5分)
  デモコース 経産省別館前~中部電力東京支社前~東電本社前~
    銀座数寄屋橋交差点~東京駅前~常盤橋公園で流れ解散
  チェルノブイリ大事故(4月26日)に合わせた毎年のデモ、
   今年こそみんなで集まろう!!
   主催 原発止めよう!東京ネットワーク
#4月26日(火)チェルノブイリデー!
   16:00 新橋駅前 ~17:30 経済産業省別館前行動 ~
   19:00 東電前行動  キャンドルナイト
#4月27日(水) 緊急院内集会 13:00~15:00
   会場  衆議院第1議員会館1F 多目的ホール(198人定員)
   主催  超党派国会議員有志、
       *原子力安全委員会などに出席を求めている。  
#4月30日(土)広瀬隆さん講演会  17:50開演~21:10
   会場  豊島公会堂(池袋駅東口5分)
   講演  広瀬 隆「いま福島原発で起こっていること」
大東 断、伊田浩之、山崎久隆、鈴木千津子
   主催  たんぽぽ舎・週刊金曜日共催

#5月1日(日) メーデー労働者と共に東電へ要求 
   10:30 東電本社前集合 ~12:00  ビラを配ります
#5月7日(土) 超巨大反原発ロックフェス デモIN高円寺
午後予定
#5月15日(日) 福島原発事故で起きたこと、わかったこととこれから
            13:00~17:00  
   会場 明大リバティータワー1011室
主催 市民エネルギー研究所、現代史研究会、大竹財団、たんぽぽ舎
#5月22日(日)反原発自治体議員(と市民)連盟・結成大会
   13:00~17:00  市民の参加歓迎
   会場 全水道会館大ホール(JR水道橋東口下車2分)
         

★2 東電原発工程表についての疑問
                         山崎久隆

 どんな工事でも工程表を作るときは、作業の内容をまず決定し、それに必要
な資機材を発注し、納品をしてもらえるのにどれくらいかかるかを見積もりし
、さらに現場作業でどれほどの人数を何日投入するか、または工期が決まって
いるならばその工期までに何人を投入するか計算して決めるものです。
 さらに最低限に必要なのは、その作業環境で何人が同時にどのような工事を
行えるかを計算することです。あるいは現場据え付けを簡略化するために工場
で組み立てを行うにしてもどれだけの装置を何処に取り付けるかが決まってい
ないと図面さえ引けません。
 そのような観点から見ると、現状で最も問題なのは、現場で人が活動できる
までにどれだけかかるかが全く計算できないことです。これでは無限にかかる
としか言いようがありません。
 最初にすべきことが出来ていないのに、最終目標が決まるわけがありません
から、何ヶ月という日数に合理性はありません。たぶん、昨日決めて今日に
なってもう工期に遅れが出ていることでしょう。
 18日の報道は1号機と3号機内部が人間の立ち入れない高線量域だと言うこ
とがわかったそうです。19日になって2号機は空間線量測定さえ失敗しまし
た。調査し、そして除染しないと人が入れないのです。このようなことは今ま
でに原発では経験したことさえありません。


★3 「想定外」は許さない・後半  (前半はその48)       
                           山崎久隆 
         
最悪のシナリオ全般

 圧力容器の構造から、炉底に落ちた燃料の冷却は難しくなるため、燃料の温度
が上がりだす。2700度以上にならないと燃料の酸化ウランそのものは溶けな
いが、圧力容器の鋼鉄は1000度程度でクリープ破壊という現象を起こす可能
性がある。そうなると完全な底抜け状態になり、燃料の一部が格納容器内に落下
する。下には水が溜まっているので、1000度以上の高温になっている燃料が
水に落ちた場合は水蒸気爆発を引き起こすかもしれない。格納容器やコンクリー
ト製の建屋も破壊され、内蔵する放射性物質の大量放出が始まる。原子炉圧力容
器も大きく破壊され、大量の燃料が新たに飛び散ることになる。
 現時点で内蔵している放射能の1%にも満たない量しか放出されていないと見
られる(希ガスは除く)が、水蒸気爆発を引き起こせば数十%にもなるかもしれ
ない。居住不可能地域が今よりももっと拡大してしまう。
 さらに3号機がプルサーマル原発であることは今回の原発震災をさらに深刻な
ものにしている。
 プルサーマル用MOX燃料は最初から燃料にプルトニウムを入れている。この
燃料体は32体あるが、MOX燃料の欠点は他のウラン燃料と比べて「融点が低
い」「核分裂生成物の放出が多い」「中性子を吸収しやすいため制御棒が効きに
くい」「放射線放出量が多い」などがある。既にこれも株主総会で指摘されてき
た。
 通常運転中ならばウラン燃料とは安全上問題になるほどの差は無く「誤差範囲」
と国も東電も主張をしていた。それに対して私たちは「極限的状況に陥った際に
危険性をいたずらに増大させる」と、強く警告してきたが、こんなに早く実現す
るとは思わなかった。
 全ての燃料は冷却不足となり、上部は溶融状態だと思われる。当然ウラン燃料
よりもMOXのほうが破壊は進み、炉の底に降り積もっているかもしれない。
 そのような環境で、いつまでも水を入れ続けていると、今度は炉の底で再臨界
を起こす危険性もある。ウラン235よりもプルトニウム239のほうが臨界量
は少ない。破損し、崩れてしまった燃料ペレットが積み重なった中で、プルトニ
ウムを多く含むMOX燃料がどの程度臨界になりやすいかは、実際のところよく
分からないだろう。まさしく実機を使った「核実験」が今ここで行われている。

報道姿勢

 初期の、原発で水素爆発が起きた頃、テレビでは遠景で撮った爆発映像を繰り
返し流しておきながら、何が起きているのかをほとんど説明できなかった。
国や東電がまともに情報を出さなかったため、「コメンテーター」と呼ばれる
「素人」が勝手な憶測を並べ立てた。情報が出てこないこと、一方では周辺から
の避難指示、これを総合すれば大変な事態になったことは誰もが想像できるだろ
うに、何故か「データを出せ」「責任あるものが調査をせよ」等の指摘がほとん
どされず、枝野官房長官、保安院の西山審議官、そして東電の記者会見をつなぎ
合わせるだけ。これは冗談にも報道などと言える次元では無い。いつもならば
「行くな」という場所だろうとずけずけ入り込むメディアが今回に限り「30キ
ロ離れた場所から撮影する鮮明化した」と称する、よく見えない画像を背景に、
ほとんど理解できない解説を繰り返した。
 最初の一週間が個人の健康を守るために最も大事だった期間だったのに、正確
な情報を伝える責任を放棄した報道の姿勢には心底怒りがわく。そのうえで、国
や東電発表をそのまま垂れ流したあげくに市民からの警告を「風評被害」と切り
捨てたり、これほどの大災害を引き起こしてきた原発に対し「この事故を終息さ
せれば世界に原発を売り込める」などと、自らがデマと風評を広めるような発言
まで発信している。
 いまマスコミに必要なのは、大きな主張として言うかどうかはともかくとして
も、これだけの原発震災を、ほとんど何も警告できなかったことと、市民からの
警告を全く取り上げなかったことを自らの報道姿勢の欠陥として、真摯に受け止
めることであろう。
         
         
★4 芝公園集会にこんなお便り頂きました。元気が出そうです

たんぽぽ舎 御中

過日高円寺の原発反対ロックデモに参加し、
関連のHPを拝見してご連絡いたしました。

直近ですが4月24日の芝公園デモに参加しようかと思っておりまして、ひとつ
ご相談です。
高円寺のように、打楽器を持参しても大丈夫でしょうか??
デモの構成やコンセプトにもよると思うのですが、
音があると声を出せない人でも歩くだけでパレードに楽しく参加しやすいのでい
いなと思っております。
私はサンバチームに所属しており、
こうした友人は、楽器でパレードに勢いをつけることもできるのではないかと思
います。
まだチームによびかけていませんが、
ご連絡いただければ、その旨友人たちに打診してみたいと思っています。
急なご相談ですみませんが、間に合いましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします
         
                       東京A子







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