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鉄道ビジネスと経済 ③ ー震災後の間引き運転ー

2012年10月12日 09時46分34秒 | 鉄道のよもやま話

JR東日本は、国内で唯一、発電所を持つ鉄道会社です。
震災前は、自社が消費する電力の56%を賄っており、残りは東京電力から購入していました。

震災後は、逆にJR東日本が東京電力に電力を供給していました。

もちろん、JR東日本が発電所を持っているのは、電力コストの節約のためです。
では、なぜ、電力コスト削減のための電力を東京電力に売却したのでしょうか?


 
      原子力ゼロになった今年の電源構成  

震災前のJR東日本の発電容量は、同じく震災前の東京電力の発電容量の2%に満たなかったそうです。
それでも、東京電力の発電容量は約半分まで落ち込んでしまい、政府は、寒さが厳しくなる夕方ラッシュ時の運転本数削減を要請しました。
いわゆる、間引き運転です。

この時、もし、JR東日本が東京電力に供給していなかったら、JR東日本だけでも、間引き運転をしなくても良かったかも知れません。

それでも、供給し、間引き運転したのは、政府の思惑があったのではないかと言われています。
つまり、JR東日本だけが普通運転しておれば、他社との乗り継ぎ駅での混乱を避けるためでもあり、そうすることで、人々に緊急事態を認識させ、多くの小口工場や家庭での節電の協力を訴えたものでもあったようです。

政府は、工場などの大口需要家の消費電力を制限する法的拘束力がありますが、東京電力管内の電力需要の約6割を占める小口需要家や家庭にはその力は及びません。

つまり、節電の雰囲気つくりの一環でもあったようで、関西の初め多くの鉄道会社も、緊急事態という認識を高め、それぞれ、各鉄道会社の節電対策を促進させたという効果があったようです。