鉄道会社の自己資本比率が他業種に比べて低い割には、経営は安定しています。
その要因として、現金収入があり、売掛金回収には困らないと言う利点があります。
その上、鉄道会社の多くは、歴史があり、戦前に購入した土地もあり、簿価は時価の100分の1ということも少なくありません。
これが貸借対照表には反映されておらず(含み益)、勿論自己資本比率にも反映されていません。
今のところは、収益は安定していると思われますが、少子化などで人口が少なくなってきている現状から今後は、乗客数の減少は避けられません。
それでも、安全面や環境面も考慮した設備投資に多額の費用がかかります。
そこで、鉄道会社は、色々な経営合理化は勿論、鉄道以外の事業にも積極的にチャレンジして、各種プロジェクトを進展させています。
水彩画 ”須磨寺にて” F8号
鉄道会社の鉄道の収入の安定度は、定期客が多いかどうかにも関わってきます。
定期客が多いのは、都会部分であり、地方の鉄道ほど、苦しい状態となっているようです。
しかし、これからは新幹線網も増え、新幹線では、今のところは定期客は少なく、今後はどうなるかも検討の余地があるようです。
運賃収入に占める 運賃収入に占める
定期の割合 定期の割合
JR北海道 16% 東武鉄道 46%
JR東日本 30% 東京急行鉄道 44%
JR東海 5% 近畿日本鉄道 35%
JR西日本 21% 京成鉄道 37%
JR四国 20% 京浜急行鉄道 40%
JR九州 25% 阪急電鉄 35%
阪神電気鉄道 34%
南海電気鉄道 44%
西日本鉄道 21%
(国土交通省鉄道局監修 平成21年度 鉄道統計年報 による)