彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。
【混迷の世紀とマイ・ブログの軌跡】
このブログ掲載はリーマンショックの14年前にスタートする。上の写
真の左上、右上、左下の3枚が2009年の巻頭写真。右下が今日のラン
チの「スパイシーな勝チン酸麻辣湯風欠き鰊蕎麦」(創作)である。
それを1日かけ超高速でまき直しすごいことを打ち込んできたもんだ
と驚嘆。特に成長戦略の『双頭の狗鷲』は大上段に振りかぶりながら
も「結構いけているぞ」と感心しているし、左側の写真はこの日本で
の胡椒栽培事業についてスケッチしていたんだと感心する。
新春早々の沙沙貴神社の蝋梅(少し時期が悪かったかな)
● 2023巻頭言 『世界は平和と秩序を取り戻せるのか』
録画しておいた混迷の世紀 「2023巻頭言 世界は平和と秩序を取り戻
せるか」を再生する。登場するのは、①アメリカの政治学者、コンサ
ルティング会社ユーラシアグループ社長イアン・プレマー、②フラン
スの経済学者、思想家、作家、政治顧問のジャック・アタリ、③2015
年ノーベル文学賞受賞者でベラルーシの作家、ジャーナリストのスベ
トラーナ・アレクシエービッチ、④フランスの政治家、官僚のユーベ
ル・ヴュドリーヌ、⑤アメリカ合衆国の経済アナリスト、S&Pグローバ
ル副会長ダニエル・ヤーギン、⑥元駐ソ連アメリカ大使ジャック・マ
トロック、⑦一橋大学教授、国際連合事務次長・軍縮担当(UNODA)上
級代表の中満 泉の7名の世界的識者とのインタビューで、ロシアによ
るウクライナへの軍事侵攻は、世界の平和と秩序を根底から覆された
が、その影響はインフレ、食料安全保障、エネルギー危機。私たちの
暮らしにも及び深刻化しつつある。グローバル化による相互依存が進
めば、世界は安定すると信じられてきたが、その理念は打ち破られ、
世界の安定は失われ「混迷の世紀」へと突入していることを(➲「引
き寄せられる混沌」)明確にし、これからの時代を生きるヒントを探
る。
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ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、
独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。不撓不
屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。スキタイの
興亡、キエフ・ルーシ公国の隆盛、コサックの活躍から、1991年の新
生ウクライナ誕生まで、この地をめぐる歴史を俯瞰。人口5,000万を
数え、ロシアに次ぎヨーロッパ第二の広い国土を持つ、知られざる「
大国」の素顔に迫る。
❏ウクライナをめぐる動き
9世紀:キエフ・ルーシ(キエフ公国)の成立
988年:ギリシャ正教を国教とする
1240年:モンゴル軍が侵入しキエフ攻略
1340年:ポーランドが東ガリツィア地方を占領
1362年:リトアニアがキエフを占領(以後、ポーランド及びリトアニ
アによる占領が続く)
1648年:ボフダン・フメリニツキーの蜂起(ポーランドからの独立戦
争)
1654年:ペレヤスラフ協定
1667年:アンドルソヴォ条約、モスクワ大公国とポーランドによるウ
クライナ分割(ドニプロ川左岸・キエフ→ロシア領、ドニプ
ロ川右岸はポーランド領)
1709年:ポルタヴァの戦い(ロシアからの独立戦争)
1765年:ロシアによるウクライナ自治の廃止
1783年:ロシアによるクリミア・ハン国の併合
1795年:第3次ポーランド分割、ウクライナはロシア・オーストリアに
分割
1853年:クリミア戦争(~1856)
1914年:第1次世界大戦(~1918)
1917年:ロシア革命、ウクライナ人民共和国(中央ラーダ)政権成立
1917-21年:ウクライナ・ソビエト戦争
1922年:ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連邦)成立
1939年:第2次世界大戦(~1945)
1941年:独ソ戦開始独によるウクライナ占領(~1944)
1949年:NATO(北大西洋条約機構)が発足
1953年:スターリン死去
1954年:ウクライナ併合300年を記念してクリミアをウクライナ領に編
入
1964年:フルシチョフ第一書記失脚、ブレジネフが実権をにぎる
1985年:ゴルバチョフ、ソ連共産党書記長に就任
1986年:チェルノブイリ原発事故(4/26)
1987年:ペレストロイカ始まる
1991年:ソ連崩壊、ウクライナ独立宣言(8/24)、独立国家共同体(C
IS)創設、クラフチュク氏が大統領就任
1994年:クチマ氏が大統領就任
1997年:ロシアと友好協力条約締結
2000年:プーチン氏がロシアの大統領に就任
2004年:オレンジ革命(民主化運動)を経て、親欧米派のユシチェン
コ氏が大統領に就任
2008年:ロシアがジョージアと武力衝突(南オセチア紛争・グルジア
紛争)
2010年:親ロシア派のヤヌコーヴィチ氏が大統領に就任
2014年:マイダン革命(尊厳の革命、ユーロ・マイダン革命)。ポロ
シェンコ氏が大統領就任。CISをウクライナは脱退。ロシア
がクリミア半島を併合。ウクライナ東部ドネツク州で親ロシ
ア派武装勢力と治安部隊の戦闘が勃発。
2015年:ミンスク合意(ウクライナ東部紛争を巡る合意。ロシアとウ
クライナ、ドイツ、フランスの首脳が15年2月にベラルーシの
首都ミンスクでまとめた)
2016年;EU・ウクライナFTA発効
2019年;ゼレンスキー氏が大統領に就任
2021年:ロシアがウクライナ国境に軍を展開
2022年:ロシア・プーチン大統領がドネツク・ルガンスク人民共和国
の独立を承認(2/21)ロシアがウクライナへ攻撃・侵攻を開
始(2/24)
❏ ウクライナ戦争と世界の地殻変動 ※
ロシアのウクライナ侵略に対する非難決議および経済制裁について,
賛成した国としなかった国に分かれたことは,1989年のワシントン・
コンセンサスと1991年のソ連崩壊によって進展してきたグローバリゼ
ーションの終焉を示唆。侵略直後に半減したルーブルの為替レートが
3月末に元の水準に戻ったことは,中国が支えている。1972年のニク
ソン・ショック以来の米国債を担保とするドル基軸通貨体制が終焉し
つつあると見るべきだ。ワシントン在住の国際政治アナリスト伊藤貫
氏が,3月末の動画講演で米国のソ連封じ込め政策を主導したジョージ・
ケナン,キッシンジャー元国務長官,『文明の衝突』を書いたハンテ
ィントン,1987〜91年に駐モスクワ米国大使を務めたジャック・マト
ロック,シカゴ大学教授のミアシャイマーという5人の専門家の見解
に基き、米国によるロシア締め付け政策の結果として必然的に起き
たものでウクライナはその犠牲者だと主張(➲①クリントン政権は,
米国ないしイスラエルとロシアの二重国籍を持つ金融業者に都合のい
いように国有財産を民営化させ、大失敗。②ロシアのGDPは数年で45
%減少し,国民の4割が窮乏化し,平均寿命は10歳以上短縮し、プー
チン政権が誕生。③ブッシュ(父)政権の閣僚が10数回にわたって約
束したNATOの東方不拡大を,クリントン以降の政権は,文書化されて
いないことを盾に反故にしたことがプーチンの侵攻の背景にある。④
対ロシア経済制裁に参加している米国金融機関の資産総額は22兆ドル
だが,米国には総額11兆ドルのヘッジファンドやプライベート・エク
イティ・ファンドがあり,その多くはユダヤ系。そしてそれらのファ
ンドは,誰の資金を何に運用したかを米国政府に報告する義務はなく,
対ロシア経済制裁に参加する義務もなく、対ロシア金融制裁には抜け
道となった。⑤オバマ,トランプ政権はシェールオイルの生産拡大で
原油価格を下げ,ロシア経済の弱体化を狙ったが,中国が中東産油国の
損失を買い支え、OPECは冷淡だった。
※ 敬愛大学経済学部経営学科藪内正樹教授 2022.4.25
2022年2月24日にロシア・プーチン政権のウクライナ侵攻は世界に衝
撃を与え、いまなお、日々リアルタイムに戦争の状況は報道され、戦
争の終結は、今現在も見えていない状況である。本書は、いまもっと
もアクチュアルに活躍する地域・国際関係の研究者がこの状況を各専
門分野から、ロシア・ウクライナ戦争と今後の世界を見通す。緊急出
版!
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さて、核戦争と拡散、食糧危機と飢餓、エネルギー危機とインフレ、
グローバル化とパンデミック、そして人為的温暖化による混迷。この
映像でトラーナ・アレクシエービッチが、当事国であるロシア市民の
堕落----殺戮とレイプ行為をそそのかし「保険殺人」かのように恩給
を当てにしていることジョージ・オーウェルのディストピアSF小説『
1948年』のごとき自国テレビ放送の「虚構」を語り送り出した兵士と
の母親との会話----を嘆くトラーナ・アレクシエービッチのシーンで
あった。
目の前に為すべき仕事があれば、それを達成するために全力を尽
くさないわけにはいかない。 それが私という人間なのだ。 この
まま逃げ出すわけにはいかない。 いつまでも怯えた子供のように、
前にあるものごとから目を背けて生きていくことはできない
村上春樹 著『1Q84 BOOK2』 P.230
【関係情報】
1.混迷の世紀 世界の識者へのインタビュー 2023.1.1 NHK
2.[地球のミライ] 2100年に"待っている未来" NHKスペシャル「2030
未来への分岐点」暴走する温暖化 "脱炭素"への挑戦, SDGs ,NHK
YouTube
3.[地球のミライ] 2100年に"待っている未来" , NHK YouTube
4.地球温暖化を食い止めるために グレート・リセット 脱炭素社会
最前線を追う NHK
人的温暖化懐疑説異論批判
❏ 人類はあと100年で終了!? 怖すぎるホーキング博士の"遺言"
▶ 日刊SPA 2018.4.3
北極圏の海氷の激減によって世界各地で異常気象をもたらしている人
類最大の脅威の一つとしてホーキング博士※が指摘していたのが地球
温暖化。2017年7月、英国放送協会(BBC)のインタビューで、地球温
暖化防止の国際的な合意「パリ協定」から、米国トランプ政権が離脱
を表明したことを博士は厳しく批判。米国の離脱で地球温暖化が加速、
このまま人類がCO2を排出し続けるなら「気温250℃、硫酸が降り注ぐ
金星のような高温の惑星へと地球を追いやるだろう」と警告。ホーキ
ング博士は「地球温暖化は後戻りできない転換点に近づいている」と
憂慮。'16年9月にも、ノーベル賞受賞者30人を含む365人の科学者に
よる、パリ協定離脱反対の公開書簡に名を連ねている。温暖化による
影響がさらに温暖化を加速する『ポジティブ・フィードバック』を指
摘している山本良一・東京大学名誉教授※は、現在進行している北極
圏の海氷の激減が、世界各地で異常気象をもたらしていると語る。 「
極地と赤道との温度差が小さくなると、中緯度の上空に流れるジェッ
ト気流の勢いが弱くなる。このジェット気流が蛇行することにより、
極地の寒気が中緯度の地域に流れ込みむ。北米などで猛烈な寒波が起
きると、『温暖化なんて嘘だ、むしろ寒冷化している』との主張が出
ているが、寒波も温暖化の影響なのです。逆にジェット気流の蛇行で、
赤道付近からの空気が流れ込むことで、熱波が引き起こされる。 海
水面から蒸発する水蒸気の増加による台風やハリケーンの強大化も深
刻だとなる。2012年に米国を襲ったスーパーハリケーン『サンディ』
や、'13年にフィリピンを襲ったスーパー台風『ハイエン』なども温暖
化の影響によるもの。今後、こうした気象災害の強大化は、国家が立ち
ゆかなくなるほどすさまじいものになると懸念されていると山本氏は
主張。サンディによる経済損失額は約500億ドル、ハイエンはフィリピ
ン全人口の1割以上が被災するなど、甚大な被害をもたらした。 メル
ケル首相のアドバイザー、ジョン・シェルンフーバー博士は、このま
ま温暖化が進めば今世紀末には人口の大半が犠牲となるだろうと警告
している、ローマ法王フランシスコも『このままでは最後の審判が近
い』と公文書で温暖化の脅威を訴えている。あと20年くらいで脱炭素
化社会を実現しなければ、こうした予測は現実のものとなると。ホー
キング博士も今、行動するなら破滅を避けられると訴えていた。人類
が生き延びるため、温暖化対策は待ったなしの状況なのだと言う。
❏ 新年早々、駆け足で1億年後の地球と人類の行く末を考えたてみた
が、当面百年後までに焦点を合わせ、つまり、いままでやってきたを
さらに精緻に昇華させて行く、
【関連情報】
1.地球の未来の姿? 灼熱の金星が発する警告とはHATCH 2022.06.21
2.地球温暖化の科学と将来シナリオ YouTube
3.地球温暖化はウソvs本当 科学的なデータで戦ってみた YouTube
4.2100年に“待っている未来” NHKスペシャル「2030 未来への分
岐点」暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦
5.スティーブン・ホーキングの7つの予言:地球の終焉まで、あと
200年! YouTube
6.1億年後の地球はどのように変化しているのか?
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
再生可能エネルギー革命 RE100 ➢ 2030 83
【完全クローズド太陽光システム事業整備ノート㉒】
【再エネ革命渦論 79: アフターコロナ時代 278】
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コンパクトでスマートでタフな①光電変換素子と②蓄電池及び③ 解に
④水素系燃料電池、あるいは⑤光触媒由来有機化合物合成と完璧なシ
ステムが実現し社会に配置されようとしている。誰がこれを具体的に
想定しただろうか。その旗手に常に日本や世界の若者達の活躍があっ
た。
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出所:沖縄電力
✺ 日本の沖縄県が初めて太陽光発電を削減
日本の沖縄電力は、高い日射量と低いエネルギー需要に対応するため、
太陽光発電の抑制措置を導入。制御期間は午前8時から午後4時までで、
天候や需要の状況に応じて、少なくとも3日間適用される。この措置
は、電力需要が738MWの供給に対して約 669 MW達した1月1日から適
用。沖縄タイムスによると、県内には現在、約1,400の太陽光発電設備
が設置されている。経済産業省 は、地震がこの地域を襲った後、3月
に東京地域に対して最初の「電力危機アラート」を発出。6月、三菱商
事と九州電力は、太陽光発電抑制による影響軽減に、大規模送電網用
蓄電池使用協力することを公表。日本の持続可能エネルギー政策研究
所 (ISEP) によると、九州では 2021 年末までに国の固定価格買取制
度の下で約 10.5 GW の PV と 600 MW の風力発電設備を設置。年間の
この地域の削減率は、前年の 3.8% から約 4.4% に上昇したと推定し
ている。
✔ と言うことは、疑似無人島地帯に、風力・太陽光・波力等の再生
可能エネルギー、蓄電池、水素製造装置、化学合成物製造装置の4
セットがあれば島丸ごと省力コンビナートを形成可能となる。これ
は新年早々面白い着想だ。それでは、太陽電池の最新技術をリサー
チしてみよう。^^;
出所:MIT
✺ 髪の毛よりも薄いあらゆる表面接着できる太陽電池
昨年末27日、マサチューセッツ工科大学の研究グループは、超薄型で
軽量の太陽電池を開発。電池は、軽量かつ安価だとされているが、ガ
ラス板に搭載する必要があり、最終的にはシリコン製の太陽電池と同
等の重量になる。一方でプラスチックのフィルム上に有機薄膜太陽電
池を作成し、太陽電池の重量を減らすことは、従来よりも巨大なソー
ラーパネルの製造や、設置費用の低価格化になるが、壊れやすく、実
用化にはほど遠い性能であった。
同研究チームは、電気絶縁性があり、湿気や腐食から保護することが
できる主鎖がパラベンゼンジイル環–Cで構成されるポリマーのバレリ
ンの層やさまざまな素材の印刷可能なインクでプラスチックシートを
コーティングすることで、人間の髪の毛よりも薄い約2~3マイクロメ
ートルの厚さで高効率な太陽電池を作成することに成功。完成した太
陽電池をパリレン基板から市販の布に転写させ、電力密度を測定した
ところ、電力密度は370W/kgで、重量は1平方メートルあたり0.1kg。一
方、従来のシリコン製太陽電池の電力密度は20W/kgで重量は1平方メー
トルあたり10.7kg、ガラス板に搭載した太陽電池の電力密度は13W/kg
で重量は1平方メートルあたり14kg。検証の結果、研究チームが作成し
た太陽電池は従来の太陽電池と比較して100分の1の重量で、約18倍の
電力を発生する。
図1.プロセスの実現可能性を評価するための小面積デバイス。 A) コ
ントロールとして使用される蒸着上部電極を備えたガラス上およびパ
リレン上のデバイスの電流-電圧特性。 B) 印刷された上部電極を備え
たガラス上およびパリレン上のデバイスの電流-電圧特性。 (A) およ
び (B) のリリース前後のパリレン デバイスは同様の性能を示し、剥
離によってデバイスの性能が低下しないことを示唆。 短絡電流の低
下は、自立型デバイスのわずかなしわに起因します。 C) 超薄型デバ
イスをスケーラブルな方法で製造する方法の概略図。将来の用途にお
けるロールツーロール統合の実現可能性を示唆。
図 S6. 剥離プロセス。 (A) 完成したデバイスに積層されているダイ
ニーマ生地の写真。ダイニーマ生地とデバイスはラミネーターに通さ
れる。乾燥スポットの形成と気泡の閉じ込めを防ぐために、2の間に
十分な量の UV活性化接着剤が塗布される。(B) UV 露光後の PETキャ
リアからダイニーマ生地へのデバイスの剥離。デバイスが剥離されて
いる間、粘着マットを使用してキャリア PET を安定させる。(C) PET
キャリアから解放されたデバイスの自立シートの写真。 自立型デバイ
スは壊れやすいため、取り扱いが困難。写真の下部にそのような破れ
が見られる。
【展望】
今後、この太陽電池の大型化や実用化に向けた改良し、将来的には太
陽光発電のさらなる普及や、ボートの帆やテントなどにラミネートする
ことで、遠隔地や災害救援活動中の電力供給に資することを実証させ
実用化を図る。
【関連情報】
1.Printed Organic Photovoltaic Modules on Transferable Ultra-thin Subst-
rates as Additive Power Sources, Small Methods Early View , Mayuran
Saravanapavanantham, Jeremiah Mwaura, Vladimir Bulovic, First publis-
hed: 09 December 2022, https://doi.org/10.1002/smtd.202200940
2.世界の全電力を太陽光発電でまかなうにはどのくらいの屋根にソーラー
パネルを設置する必要があるのか Gigazine 2021.10.14.
約14年を経て再エネ技術・システム・事業で進歩がない(停滞)しているの
は『オールバイオマスシステム』だと考えている。そこで、今夜は「最新バイ
オコーク製造技術」の現状を考察する。
図1: コークスの種類 出典: 日本コークス工業株式会社
● コークスとは
製鉄の燃料に欠かせないコークス。石炭から作られ、現代の製造業にはな
くてはならない存在。 しかしながら、コークスは燃焼に伴うCO2発生量が大
きく、環境負荷が大きいことが問題とされている。また、日本は石炭の大部
分を海外からの輸入でまかなっているため、安定供給の面で課題。そのよ
うな中、近年では石炭を原料としない「バイオコークス」と呼ばれる新たな代
替燃料が注目を集めている。それではバイオコークスとはどのようなエネル
ギーなのか。また、国内での導入事例や、更なる普及に向けてはどのよう
な課題とはなにか考える。ここで、コークスとは、粉砕した石炭を1200℃の
コークス炉内で18~22時間蒸し焼きにして抽出した炭素の塊をさす。高い
発熱量と強度を持つコークスは、製鉄に不可欠な燃料のほか、ガラスの原
料や、銅、亜鉛、ステンレスなどの非鉄精錬の材料として使われており、用
途に応じて様々な種類がある。通常、日本で消費される原料炭の大部分は
海外から来ており、主にオーストラリアやインドネシア、アメリカから輸入さ
れる。また、例えば、燃料別の発熱量あたりのCO2排出量を見ると、ガソリ
ンが0.0671 tCO2/GJ、液化天然ガス(LNG)が0.0495 tCO2/GJに対して、コ
ークスは0.1078 tCO2/GJと、他の燃料と比べて単位あたりのCO2排出量が
高いというデメリットがある。
● バイオコークスとは
バイオコークスとは、植物性バイオマスを原料とした固形燃料。刈草
や剪定枝といった草本系から、お茶かすやコーヒーかすといった食品
廃棄物まで、光合成に起因する全ての有機資源を原料として利用でき
る。
図2. バイオコークスの特徴
● バイオコークスのメリット
1.石炭と違って原料が枯渇しない
コークスの原料である石炭が自然界で生まれるまでには、約1000万
年から3000万年の多大な時間を要します。 一方で、石炭は火力発
電を稼働する燃料として世界的に大量消費されており、世界の石炭
可採年数(=確認可採埋蔵量/年間生産量)は2020年末時点で139
年と、枯渇する可能性も示唆。植物由来の有機資源であるため、身
近な原料を用いて、わずか40分程度で製造することが可能。
2.環境に良い
2点目のメリットとしては、従来のコークスに比べて環境に良い点
が挙げられる。バイオコークスは食品系廃棄物や農業系廃棄物を原
料にリサイクルできるため、ごみ削減に貢献する。また、バイオマ
ス原料1kgに対してバイオコークスを1kg作ることができるため、生
産効率も非常に高いエネルギーです。植物バイオマス原料を用いた
バイオコークスを使うことで、製鉄所など消費地でのCO2排出量が、
原料となる植物資源のCO2吸収量と差し引きゼロとなるため、カーボ
ンニュートラルなエネルギーとも言える。さらに、石炭由来のコー
クスを代替することで、CO2排出量を直接的に減らすことも可能。
例えば、石炭コークス100tのうち、20tをバイオコークスに代替し
たとすると、CO2排出量は300tから240tまで削減できるす。このよ
うに、現在消費しているコークス全てとまではいかないまでも、い
らかを国内で生産したバイオコークスに代替することで、気候変動
問題の解決に貢献できる。
【特許事例1】
1.WO2010113679A1 バイオコークス製造方法及び製造装置
【概要】バイオコークスを短時間で且つ効率的に製造することを可能
としたバイオコークス製造方法及び装置を提案する。反応容器にバイ
オマス細粒体を充填し、略密状態にて半炭化或いは半炭化前固形物を
得る温度範囲及び圧力範囲で加熱しながら加圧成形した後冷却してバ
イオコークスを製造する方法において、反応容器にバイオマス細粒体
を投入した後、該反応容器の上部から加圧体を下降させ前記圧力範囲
より低圧でバイオマス細粒体を充填時加圧する充填工程と、加圧体の
圧力を上昇させ前記圧力範囲にてバイオマス細粒体を加圧するととも
に、加熱手段によりバイオマス細粒体を前記温度範囲に加熱して所定
時間保持した後加熱手段から冷却手段に切り替えて成形体を冷却する
反応工程と、加圧体の圧力を低下させた後反応容器の底部を開放し、
冷却された成形体を排出する排出工程とを備える。
図1
図2
【関連情報1】
廃プラリサイクルはレンジでチン
▶日経ビジネス電子版 2022.8.19
市中で回収される使用済みプラスチック容器包装には雑多な原料が混
在する。 それらのリサイクルを実現する鍵として、マイクロ波が注目
されている。
昭和電工は、容器包装など雑多なものが入り交じる市中回収のプラス
チックを原料に、より質の高いリサイクルプラスチックを作る技術を
開発する。ベンチャー企業のマイクロ波化学と、使用済みプラスチッ
クからエチレンやプロピレンといった基礎化学原料(モノマー)を製
造するケミカルリサイクル技術の共同開発を開始した。市中回収した
容器包装などを破砕・成形し、マイクロ波の照射によって熱エネルギ
ーを加えて分解する。プラスチックの原料になる基礎化学原料の取り
出し効率は80%以上で、従来の伝熱による加熱に比べて高いという特
徴がある。 共同開発では基本技術の確立を目指し、2022年末までに生
産効率の向上に向けた触媒の開発やプロセスの最適化などに取り組む。
社会実装に向け、30年までには工業スケール化のめどをつけることを
目指す。
● マイクロ波で急速加熱
マイクロ波化学ではマイクロ波を使ったプラスチック分解技術「Pla-
Wave」を各化学メーカーに提供し、実用化に向けて取り組みを進め
ている。マイクロ波は、電子レンジなどに使われている電磁波のこと。
マイクロ波は対象物を効率的かつ急速に加熱できるという特徴がある。
Pla-Waveも原理的には電子レンジと同じで、マイクロ波を対象物に照
射することで生じる熱を使ってプラスチックを分解する。ただし、一
般の電子レンジの場合は食品に含まれる水分子にマイクロ波を吸収さ
せ発熱させるのに対して、PlaWaveでは分解対象である使用済みプラ
スチック原料にマイクロ波吸収体(フィラー)を混ぜることで分解対
象にマイクロ波のエネルギーを効率的・集中的に与える仕組みを採る。
プラスチックのケミカルリサイクルでは、1万個といった単位で連な
炭素鎖を炭素鎖5個未満のモノマーに分解する必要がある。分解対象と
なるプラスチックを容器外部から加熱する従来の方法では、分解対象
に十分なエネルギーを供給できず、炭素鎖10~20個といった中途半端
な分解が生じて、大半は基礎化学原料としては使えない油になるとい
う課題があった。PlaWaveは分解対象だけを選択的に加熱し、急速昇
温させて一気に炭素鎖2~3個まで分解することが可能であるため、生
産効率を高められる。昭和電工では、2003年からアンモニア製造の原
料に市中回収したプラスチック容器などの廃プラスチックを用いてい
る。写真はガス化プラント(写真:昭和電工) 昭和電工は03年から、
各自治体が回収する容器包装などの使用済みプラスチックをアンモニ
アの原料としてリサイクルする「川崎プラスチックリサイクル」事業
を展開してきた。
高温高圧でプラスチックをガス化し、合成ガスとして水素とCO2を取
り出す。 得られた水素を原料にアンモニアを生産、「エコアン」の
商品名で販売している。水素原料における使用済みプラスチック利用
比率は65%を達成している。CO2はドライアイスや液化炭酸ガスとして
流通する。ガス化炉の処理能力は1日当たり195tで、22年1月には使用
済みプラスチックのリサイクル量は累計100万tとなった。アンモニア
として1億85万t、CO2は250万tを再生したという。この使用済みプラス
チック利用の仕組みを発展させ、基礎化学原料自体を製造しようとい
うのが、今回の共同開発だ。昭和電工は石油由来のナフサを原料にエ
チレンやプロピレンを生産・販売している。原料に使用済みプラスチ
ックを利用できれば石油使用量を削減でき、約50%のCO2排出量削減効
果が見込めるという。加えて、従来の化学プラントにおける加熱工程
では石油やメタンの燃焼が一般的だが、マイクロ波を使って加熱を電
化すれば、再生可能エネルギーも利用できる。
この項つづく
風蕭々と碧い時代
Jhon Lennon Imagine