三尾を背に 沖に漕ぎ出で 顧みる 春は爛漫 桜舞い散る
■
ジャスミン茶発祥の中国では、烏龍茶・プーア
ル茶など様々なお茶が生産・消費されています。
その中で日本にとって最も有名でなじみのある
ものは烏龍茶。実は烏龍茶は中国で生産されて
いるお茶のわずか5%ほどに過ぎない。茶生産
量世界第2位の中国で最も生産されているのは
緑茶ですが、その約4分の1は花の香りをつけ
た花茶として日常的に飲まれている。一般的に
原料となる緑茶と花を何層にも堆積させて、花
の香りを茶葉に付けていくことで花茶はつくら
れ、菊花茶、桂花茶などがある。
その中で代表的なのはジャスミンの花の香りを
つけたジャスミン茶。近年、日本でも急須だけ
でなく缶やペットボトルなどでもジャスミン茶
は日常的に飲まれているが、その特有の香りに
ついての研究は少ないという。京都大学大学院
農学研究科食品生物科学専攻栄養化学研究室と
伊藤園の共同研究によると「ジャスミン茶の香
りの鎮静作用を確認」している。
ジャスミン茶の香りの主要成分としては benzyl
alcohol(ベンジル アルコール)、benzyl acetate
(ベンジル アセテート)、linalool(リナロール)、
z-3-hexenol(シス・スリー・ヘキセノール)methyl
anthranilate(メチル アンスラニルレイト)indole
(インドール)という物質を検出。一方、原料
の花の成分からlinalool、benzyl alcohol、methyl ant-
hranilate の他に z-3-hexenyl banzoate(シス・ツリー
・ヘキセニル ベンゾエイト)が、緑茶からは2-
phenyl ethanol(ツー・フェニル エタノール)、β-
ionone(ベータ・ヨノン)、acetyl pyrroll(アセチ
ル ピロール)を検出。
この研究結果からジャスミン茶の香り成分は、
緑茶と花の香り成分に、製造過程で合成成分で
構成されているという。香りの主要因成分は、
methyl anthranilate とlinalool の2成分で、特に後者
は、光学異性体(R)-(-)-linalool で緑茶や他の花
茶ではS体が優位であるのに対しR体が優位なの
が特徴。ジャスミン茶は原料となる緑茶の消臭
効果に加え、口臭などのエチケットや香りによ
る鎮静作用の効果が期待できる。
ジャスミン茶の製法は下記の通り、香り着けの
工程が加わり手間がかかるが、このプロセス開
発こそ日本のお家芸が発揮できそうだ。
Ⅰ 荒茶製造
(1
(2)釜炒り:生葉に熱を加え、酸化酵素の活
性を止め炒葉機を用いて炒める。日本茶は
蒸し製法。中国では釜炒り製法。
(3)冷却:炒った茶葉は高温のまま放置する
と、鮮度、香味とも悪くなるため、送風し
て室温程度まで均一に急速冷却する。
(4)揉捻:茶葉含有水分の均一化を図るととも
に形を整え、成分が出やすいようにする。
(5)乾燥:変質を防ぎ、品質保持を図るため、
残留水分を取り除きます。玉解き後、水分
含有率14~15%程度まで乾燥。
(6)整形:回しふるいで異物を除去し、茶葉
の長短を整える。
(7)乾燥:水分含有率4~5%程度まで乾燥さ
せ、多少の火香を付けます。炭火と竹かご
を使った焙籠、乾燥が中国伝統の工法だが
熱風乾燥も多くなっている。
(8)冷却:扇風機や長尺ベルトで室温まで冷
却する。
(9)荒茶:完成した荒茶は、麻袋に入れられ、
仕上げ工場へ売り渡される。
Ⅱ 花の選別
Ⅲ 花の香りづけ
(1)摘採・送風:一輪ずつ手で摘採した、開
花直前のつぼみ状のジャスミン花を、蒸れ
ないように風通しのよい涼しい場所に広げ
る。
(2)選別:ふるいにかけ、咲きかけのつぼみ
のみを集める(開きかけた花が一番強い香
気を放つため、開ききった香気の弱い花と
つぼみの固い花はふるいによって取り除き
ます)。
(3)堆積:荒茶とジャスミンの花を幾層にも
積み重ねる(緑茶3に対し、花1の割合)。
(4)香り着け:数時間堆積させることで、緑
茶に花の香りを付けていく。
(5)放熱:花の呼吸熱により45度くらいにな
ったら堆積を崩し、広げて放熱します。温
度低下後、再度混ざった状態で集め、香り
の均一化を図る。
(6)分離:使用済みの花と緑茶をふるいで分
け、湿った茶葉を、花香が飛ばないように
軽く乾燥する。
(7)香り立つまで(3)→(6)の工程を繰
り返す
(8)仕上げ
茶カテキンとジャスミン成分と製造プロセスで
合成されるmethyl anthranilate と linalool の2成分が
<現代ストレス>を心身から緩和し、活性酸素か
ら防御し付随する効果もある理想的な飲料水で
あることが明確になりつつある。これをさらに
国産(非純国産)でブラシ・アップし国際展開
するプロジェクト素案がこれで出来上がった。
販路はペットポトルと茶葉の2つ。
【Intermission】
milk tea
■
大荒比古神社
【個人史の旅】
高島市の鴨川は友岡堤沿いの霊園で前職の恩師
で三十三回忌開けの故友岡和雄のお墓参りをさ
せていただいた。滋賀の環境運動の黎明期を共
に駆け抜けた懐かしい思い出の墓標を確認し、
肩の力が少し下ろせた気がした。墓参帰りの車
中、奥様と世間話しをいている中、恵美押勝の
乱の舞台であることを思い出していた(NHK
放送『大仏開眼』)。そう言えば鳥越俊太郎と
故人との交友話しも知ることになる。
坂本の自宅お送り暫く世間話をさせていただき
休憩し帰宅したが、奥様は美術教師を退任後も
書道や美術教室を開き民生委員を元気にこなし
沢山のお孫さんに囲まれ本当に幸せそうだった。
なお、奥様は七川祭で有名な新旭町の郷社大荒
比古神社の神官の家系にあるという。家に帰り
そのことを思い出しながら自己の半生と藤原仲
麻呂を重ね桜を喩にし、西江州の水辺の歴史の
懐の大きさに驚き、藤原一族の栄枯盛衰と現在
を繋げつつ浪漫歌を描き詠う。
■
【磯先の保護と人気】
姿寿司
イサキ(学名 Parapristipoma trilineatum )は、ス
ズキ目イサキ科に属する海水魚の一種。東アジ
ア沿岸の岩礁域に生息する魚で、食用や釣りの
対象として人気が高い。成魚は全長45cmに達す
る。体型はやや前後に細長い紡錘形で側扁する。
体表は細かい鱗が密集し、ザラザラしている。
成魚の体色はオリーブがかった褐色だが、幼魚
は体側の上半分に黄色の縦縞が3本ある。成長
するにつれこの縦縞は薄れるが、成魚でも春夏
には縦縞が出現する稚魚は海岸の浅い所で群れ
を作って生活するが、成長するにつれ深みに移
る。オスは生後2年で成熟し、4年目には全て成
熟する。
「イサキ」は磯に棲むことに因んだ「磯魚」(
イソキ)または幼魚の縞に因んだ「班魚」(イ
サキ)に由来すると云われ、これに「伊佐木」
「伊佐幾」という漢字が当てられている。もう
一つの漢字「鶏魚」は背鰭の棘条がニワトリの
鶏冠に似るためという説があり、これは英名
"Chicken grunt"も同じである。南紀での呼称「カ
ジヤゴロシ」(鍛冶屋殺し)は、イサキの骨が
非常に硬く、骨が喉に刺さって死んだ鍛冶屋がい
たことからその名が付いたと云われる。九州で
の呼称「イッサキ」は「一先」という字を当て
られることが多い。
身は白身で、マダイよりは柔らかくて脂肪が多
い。刺身・焼き魚・煮魚・唐揚げなどいろいろ
な料理で食べられる。水揚げしたイサキは目が
濁りやすいので、目の濁り具合は鮮度の判断基
準にならない。近年養殖技術の研究がなされ、
市場にも養殖ものが流通している。イサキは大
きな群れで行動するため、その居場所を当てる
と次々に釣れる。コマセに集まり、食い付き、
引き味が良く、釣れだすとたくさん釣れる上に
食べて美味しいとあって船釣りの入門魚とも言
われれる。鶏魚の手作り干物も行けるという話
しが、家で実際ににつくることは当面ない。
太平洋南区のイサキは1970年代には500トンから
1,000トンの漁獲量があったが、1979年に減少し
はじめてからは低水準の漁獲が続き、01年以降
は300トンに満たない状況が続いている。また
その原因としては、1歳魚、2歳魚までの漁獲
割合が高く、次世代の資源が確保されない「加
入乱獲」による資源減少が指摘されている。資
源回復計画は、現状の漁獲量を維持することを
目標に設定し、全長20センチメートル以下のイ
サキ再放流、産卵期の操業制限、イサキ養殖種
苗の放流増加などの措置を盛り込んでいる(和
歌山県)。
■