彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
✳️ 家庭用エアコンの室外機でNVIDIAを水冷式PC
NVIDIAのGeForce RTX 5090は最大消費電力が500Wを超え、その分かなり
の発熱が予想されるため、安定した冷却システムの構築が求められる。中
国で技術系動画を投稿する电解碳酸钠氏が、家庭用エアコンの室外機を使
ってGPUを冷やすシステムを設計した動画を投稿し、話題となっている。
投入したのは、1万2000BTUのエアコンの室外機です。消費電力は約1200
W。サイズは765mm×268mm×550mmで、一般的なGPU用冷却ユニット
と比べると明らかに巨大。
カーボンナノチューブ融合のイメージ図
✳️ 細いCNT同士を融合、直径2倍のCNTに変換
京都大学と産業技術総合研究所、物質・材料研究機構の研究グループは、
細いカーボンナノチューブ(CNT)同士を融合し、直径が2倍となるCNTに
効率よく変換できる方法を開発した。太いCNTの構造制御や後処理による
物性変換が可能となる。
🎈太いナノチューブの構造制御や後処理による物性改変に道
カーボンナノチューブの電子、光学、化学、熱、機械特性は、それぞれナ
ノチューブの直径とカイラル角で定義される幾何構造に強く依存する。
そのため、ナノチューブの完全な構造制御合成や構造分離を達成するため
に、これまで多くの研究が行われてきました。しかし、これまでに知られ
ていた方法では、マクロスケールでの構造選択的合成や分離が可能なのは、
直径が1 nm程度の細いナノチューブに限られていた。直径約1.3 nmを超
える比較的太いナノチューブでは、類似の直径と特性を持つ、幾何学的に
実現可能なナノチューブ構造の数が非常に多く、特定の構造だけを狙って
作ったり、分離することが難しくなるためです。今回報告した原子レベル
で精密なカーボンナノチューブ融合は、この問題を解決する最も有望なア
プローチのひとつになり得ます。細いナノチューブについては、高純度の
試料を作製可能であるため、それらの効率的な融合反応を引き起こすこと
ができれば、細いナノチューブを原料として、太いナノチューブの構造選
択的合成が達成できる。さらに、この反応を利用すれば、ナノチューブ集
積体に後処理を施すことで部分的な融合反応を引き起こし、ナノチューブ
間にsp2共有結合を形成することもできます。ナノチューブ集合体の巨視的
物性を、後処理により劇的に変化させる技術は、マクロスケールでのナノ
チューブ集積体の様々な応用にとって非常に有用なものになると期待され
る。
図1 ナノカーボン分子の融合の模式図。(a) 2つのフラーレンとその融合分
子。(b) 2本のカーボンナノチューブとのその融合分子。クリエイティブ・
コモンズ・ライセンス(表示4.0 国際)
研究では、あらかじめ構造分離を行い、構造を揃えたカーボンナノチュー
ブ集積体を、5×10-4 Pa程度の減圧下で900–1000ºCで熱処理するという非
常にシンプルな方法で、細いカーボンナノチューブ同士を効率よく融合さ
せ、直径2倍の太いナノチューブに変換できることを発見した(図2)。
さらに、10 Pa程度の微量酸素の存在下では、酸素が触媒として働き、融合
に必要な温度を従来報告されていた熱処理温度より1000℃以上低い600ºC
まで下げられることもわかりました。得られた太いナノチューブは、前駆
体の細いナノチューブのカイラル角を保持したまま直径が2倍になってい
ることが、ラマン散乱分光)と収差補正透過電子顕微鏡(TEM)観察によ
り確認されました(図2a, b, c)。また、光吸収スペクトルの測定により、
ナノチューブの融合反応がナノチューブ膜全体で効率的に起こっているこ
とも確認できました(図2d)。融合により合成された多数のナノチューブ
が、確かに特定構造のカーボンナノチューブとしての性質を持つことを示
す明瞭な励起子共鳴ピークが観測されたのは、世界で初めて。これは、
融合したナノチューブがマクロスケールの試料中に多数存在し、それらが
実際に特定種のナノチューブに固有の電子構造と光学特性を持つことを明
確に示すものです。注目すべきは、カイラル角が30ºの「アームチェア型」
と、30ºに近い「近アームチェア型」のナノチューブのみが効率よく融合
し、カイラル角が小さいナノチューブの融合はほとんど生じなかった点で
す(図3)。この結果は、幾何学的要因による融合反応のエネルギーコス
トの構造依存性を強く示しています。本研究では、観察されたナノチュー
ブの融合効率の構造依存性を理解するための合理的なメカニズムも提案し
た。
【波及効果】今回の研究により、これまで難しかった比較的直径の太いカ
ーボンナノチューブの構造選択的合成や、カーボンナノチューブ集合体の
物性を後処理により変更することを可能にする、将来のカーボンナノチュ
ーブの様々な応用にとって非常に有用な知見が得られました。さらに、よ
り一般的な観点からは、ここ数十年のナノテクノロジーの発展によって生
み出された精密に構造制御されたナノ材料から新たな物性を持つマクロス
ケールの材料を創製できる、という新しいアイデアを示すものであり、ナ
ノテクノロジーの新時代を切り開く一助となるものと期待されます。
【論文】
タイトル:Coalescence of carbon nanotubes while preserving the chiral
angles(カイラル角を保ったカーボンナノチューブの融合)
著者:Akira Takakura, Taishi Nishihara, Koji Harano, Ovidiu Cretu, Takeshi T
anaka, Hiromichi Kataura, Yuhei Miyauchi
掲載誌:Nature Communications DOI:10.1038/s41467-025-56389-6
✳️ 有機薄膜が単接合変換効率20%超え
ペロブスカイトに強力ライバル
上海交通大学が2024年8月末に発表した、変換効率20.8%(認定値は20.1
%) のOPVの素子構成(出所:上海交通大学の資料に日経クロステック
が加筆して作成。D18-Clは英Ossila)。同大学およびその論文によれば、
面積が5.2mm2の小セルで変換効率が20.8%だった。ただし、第三者機関
による測定では、20.1%と認定された。実は、同大学の発表の約2カ月前
の2024年6月には、中国・中国科学院 寧波材料技術工程研究所がOPVセル
作成後の初期データとして20.2%を達成したと報告している。
ただし、セルが安定化した後の値は18.42%だった。第三者機関による認
定値で20%を初めて超えたのは、やはり上海交通大学の方だったと言える
有機薄膜太陽電池(Organic PhotoVoltaic:OPV、Organic Solar Cells:
OSC)、または有機太陽電池と呼ばれるタイプの太陽電池の変換効率がつ
いに単接合で20%を超えた。達成したのは、中国・上海交通大学(SJTU)
の研究者で、2024年8月に論文を米Joule誌に発表した(図1)
さらに、TAフリーデバイスのFFの大幅な増加は、直列抵抗(RS)とシャント
抵抗の3倍の増加(RSHさん)をTAデバイスと比較します。Rの減少Sさらに、
TAフリーデバイスのインターフェースでの効率的な電荷移動による接触抵
抗の減少を意味します。電荷移動特性を評価するために、静電容量-電圧(
C-V)と電気化学的インピーダンススペクトル(EIS)の測定を行った。
C-V特性は、通常、照明下での電位バリアによる光生成キャリアの表面電
荷蓄積を明らかにする。図4cに示すように、TAフリーデバイスでは、光照
度を≈0〜100%に変化させると、≈1.7nFの幾何学的静電容量により、低バ
イアス電圧下で一定の静電容量が観察される。印加バイアス(VAP通信)は、
内蔵電界の減少につながり、対応する電極に向かって移動する電荷キャリ
アの駆動力を減少させ、界面に電荷蓄積を引き起こす。この動作は、C-V
曲線の静電容量の急激な増加と見なすことができる。
Vの継続的な増加AP通信内蔵電位(V峰= 0.841 V)は電荷注入につながる。
図4e、fは、TAおよびTAフリーデバイスのC-V曲線の影付き領域における
さまざまな電荷注入メカニズムを示している。TAフリーデバイス(図4e)の
場合、注入された電荷は光生成キャリアと再結合し始め、その結果、静電
容量が低下します。しかし、TAデバイス(図4f)の場合、印加電圧の増加に
伴って静電容量値が上昇傾向にあることから、界面にバリアが存在するこ
とで光活性層への電子の注入が妨げられていることが示唆される。
EIS測定は、TAおよびTAフリーデバイスにおける界面電荷輸送をさらに調
査するために実施されました。コール・コール・ナイキスト線図と対応す
るボード線図は、Vのバイアスで10MHzから1Hzの範囲の周波数で測定さ
れOCのを図 5 に示す。TAフリーデバイスでは、ナイキストプロットの2つ
の半円で表される2つの電荷輸送プロセスを識別できる。このプロセスは、
ボード線図(図5、右下)の特徴的なピークによって認識でき、≈2.5×10に高
周波のピークがあるHz と ≈1.5 × 10 の低周波ピーク5HzはTAフリーデバ
イスで観察される。ただし、TAの後に高周波のピークは1つだけ識別され、
電荷輸送プロセスが1つだけであることを示す。以前の報告によると、半
円が欠落しているのは、劣化した界面層での電荷移動が非効率的であるか、
適切な界面層が不足していることが原因である可能性がある。[30]また、
ITO/PFN-Br基板とITO/Ag/PFN-Br基板に基づくTAデバイスとTAフリーデ
バイスのインピーダンス曲線を比較しました。ITO/PFN-Brデバイスでは、
TAの前後に両方の半円がはっきりと見えるため(図S9、補足情報)、したが
って、低周波に位置する欠落した半円は、ITO(Ag)/PFN-Br界面から発信
されていることが確認された。上記の観察結果を考慮して、EISデータを
図S9c「サポート情報」に示す等価回路にフィットさせ、フィットしたパ
ラメータを表S3「サポート情報」に示す。近似曲線は、元のスペクトルと
妥当な一致を示した。アールs' 接点でのオーム損失を説明し、電荷輸送抵
抗 (R1)およびコンデンサCPE1並行して。CPEは、非理想的なコンデンサを
表す定位相素子の略で、擬似容量(CPET)および対応する品質係数(CPEP)
.TAフリーデバイスの場合、追加の電荷輸送プロセスが存在するため、R2
およびCPE2スペクトルの正確なフィッティングを提供する必要があります。
[30]TAフリーデバイスは、より低いRを示しますS’(8.52 Ω)は、非オーミッ
ク接触による電圧損失を低減する界面での接触抵抗が小さいことを示して
おり、これはナイキストプロットの高周波での半円の半径が小さいことと
一致。さらに、R2電荷輸送抵抗を指すは、アニーリング後Ω 68.9から135.5
に大幅に増加しており、アニール中の界面抵抗の上昇を示唆しており、こ
れはFFおよびJと一致しているSCのTAデバイスのパフォーマンス。
図5.ナイキスト線図(左)とボード線図(右)で示されたTAおよびTAフリーの
有機リアサブセルのEIS測定
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Nano Energy
Efficient monolithic perovskite/organic tandem solar cells and their
efficiency potential
高効率モノリシックペロブスカイト/有機タンデム太陽電池
とその効率ポテンシャル
【要約】
大バンドギャップCsPbIの集積化に基づく高性能モノリシックペロブスカ
イト/有機タンデム太陽電池2 バンドギャップが狭いPM6:Y6ベースまたは
PTB7-Th:O6T-4Fベースのバルクヘテロ接合有機リアセルを備えたBr無機
ペロブスカイトフロントセルが実証されています。大きなバンドギャップ
無機ペロブスカイトは、その優れた光電子特性と可視光に対する広範な吸
収性により、フロントセルの候補として非常に適しており、電圧損失も小
さい(E損失)と、バンドギャップが近似している有機的な対応物と比較した
場合の外部量子効率(EQE)応答が高くなる。低バンドギャップ有機太陽電
池は、Snベースのペロブスカイト太陽電池と比較して、安定性と吸収性が
優れている可能性があり、タンデムセルの後部セルの候補として適してい
る。その結果、本研究で提示されたペロブスカイト/有機タンデムセルの最
高の電力変換効率(PCE)は18%以上に達した。さらに、太陽光発電の性能パ
ラメータ(EQE、フィルファクター(FF)、E)に基づいています 損失)を最先端
の有機太陽電池およびペロブスカイト太陽電池ですでに達成しているが、
ペロブスカイト/有機タンデムセルの潜在的なPCEをさらに評価し、サブセ
ルのバンドギャップを最適化した場合の最大計算PCEが31%を超えること
を示している。(後略) この項了
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます