極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

猛暑連鎖の日々

2022年06月28日 | 環境リスク本位制

  

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」

  



【マイ・アヒジョレシピ;ブロッコリーとたらのアヒージョ】
スパイスとハーブに、塩や調味料をブレンドした「シーグニングスパ
イス」がこれほど出回っているなんて、なにも知らないなかった。や
はり、彼女の買い物に積極に付き合なくちゃと反省。



ところで、ランチはセブンプレミアム向上委員会のブート・ジョリキ
アをブレンドの「激辛チキンカレー」を頂いたが、辛かった。わたし
や彼女には会わない。でも電子レンジで約40~60行秒加熱するだけで
しかもパルプのケースに入ったパウチから具材を取り出すと、内容物
は付着することなくそのままごみ箱に捨てることができようになって
いる。少し注文をとけるとしたならケースの簡素化(軽量化)にもう
少しだけ工夫して欲しい。

  ¥263(icd tax)

ところで、今日の午前中県道堤防の法面の草刈りを終え、33℃の直下
とあり、この「激辛」を頂いたのだが、甘み成分か牛乳を取れば、咳
き込むこともなく美味しく頂けたので、新婚旅行でのヌメアのトラン
ジットで頂いた40℃、湿度100%で食べた「フランス風チキンビルマカ
レー」の"奇跡"を思い出し(彼女は体調を崩しダウン)をやはり暑さ
だと納得する(福神漬けが欲しいがなかった)。

【男子厨房に立ち環境リスクを考える】
□ 今朝の燃えるごみ排出量:15 kg(庭の葉刈り分が増量に繋がる)


1.コバンモチ 2.シナノキ 3.ボダイジュ 4.アオギリ
5.マタタビ

【樹木×短歌トレッキング:ボダイジュ】



  山の寺は日暮るる早しかれ枯れの菩提樹の秀に風のこゑ冴ゆ
                                            木俣  修

百済寺は聖徳太子開基の由緒ある古刹です。百済寺のある湖東平野は
百済からの渡来人が住み着いたところで、古代国家では先進地帯。
正式には釈迦山百済寺と言い、天台宗のお寺で中世には1000近い伽藍
を有した大寺院でした。戦国時代に火災と復興を繰り返したが、信長
の焼き討ちで大部分の伽藍を焼失。本堂の傍らに菩提樹があり、信長
の焼き討ちで焼け落ちたが、株元から奇跡的に復活し元気に花を咲か
している。






via ボダイジュ


23 June 2022 
自然変動によるものか気候変動
太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年
より低い状態が続く「ラニーニャ現象」の影響により、オーストラリ
ア東部で大規模な洪水が発生している。気候学者はラニーニャ現象が
3年は続くだろ」と予測。その原因は、ラニーニャ現象の影響でオー
ストラリア東部で洪水が発生し、アメリカや東アフリカで干ばつが悪
化したとが報告されている。このラニーニャ現象は、最新の予測によ
ると2023年まで続く可能性があるが、北半球では2年連続でラニーニャ
現象が発生することはよくり、3年連続で発生することは的珍しく、3
年連続のラニーニャ現象は1950年以降2回しか起こっていない。気候変
動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告書は、自然変動か気候変
動かわからにとの見解(複雑すぎて説明要因データが欠落しているの
か少ないためだろか )。

【再エネ革命渦論 004: アフターコロナ時代 274】
 現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」
技術的特異点のエンドレス・サーフィング
   再生可能エネルギー革命 ➢ 2030 Ⅹ


ここがポイントRE100カリウムイオン二次電池
一昨日、眼精能疲労を夕食にビールで癒し、風呂に入り気がつけば眠
っていて口にお湯に触れるというニヤミスがあり、昨夜から今朝の間
で、同様に、ビールと睡眠導引酢剤をのみそのまま寝込んだが、午前
4時過ぎ目を醒まし、スマホで時間を確認しようとする文字が異常に
大きくなり、本体が熱を帯びており、室内温度が27℃を超えており、
熱暴走したものと判断し、空冷放置に故障に至らず回復したものの猛
暑の体調及び電子器機への影響の大きさを実感する。その片方では電
力需要量の逼迫が叫ばれ、政府は、廃線跡や線路脇といった鉄道の関
連施設で再生可能エネルギー由来の発電を増やす官民協議会を今夏に
も設置する方針----再エネ発電を駅に設置した蓄電池でためて鉄道の
運行に使う。沿線にある公共施設への売電、停電時の非常用電源とし
供給、壁やのり面のような場所には、シートに印刷し、折り曲げて狭
い場所にも使える次世代型の太陽光電池を貼り付け技術革新や市場拡
大につなげ、国交省の試算で、全国線路沿線(1メートル幅)に太陽
光電池を設置し、保有する鉄道林1・6万ヘクタールに標準的な風力
発電設備を設置すると、年間80万世帯分に相当する二酸化炭素の排
出量が削減できると試算している。
 そこで、脱二酸化炭素時代の切り札として、非リチウム・資源安保
系高性能カリウムイオン二次電池がナトリウムと同様に注目をされて
おり、非小型分散でなく大型分散系蓄電池向けとして、鉄道施設への
併設(平面・地下・高架)案を提案し、現状を俯瞰する。



【概説】
東京理科大らの研究グループは、カリウムイオン電池に関する研究の
リチウムイオン電池に代わる電池として、元素戦略 及びコスト面で
重要な研究である。正極活物質、負極活物質、電解質の三大要素に関
する 研究を実施し、カリウムイオン電池の実現に向けて研究を推進。
正極活物質につ いては、種々の材料の検討を行ってきたが、最終的に
ヘキサシアノ鉄錯体系の材料に絞り、 昭和電工との共同により開発
進めてきた。特に、実セルを作製するにあたり大量合成が 必要とな
るが、本研究期間内に正極活物質を大量に合成し、セルを作製し評価
するまでに至っている。負極活物質に関しては、昭和電工が有する材
料を東京理科大学で検討し、最 終的に使用する炭素材料の選定を行う。
電解質に関しても、新規な電解液の開発が進んでいる。正極及び負極
の充放電反応やその特性に関しては東京理科大学で詳細に検討され、
問題点も明らかになっている。また、電解液に関しても工夫がなされ
ている。電池の構成 はリチウムイオン電池と同じであるが、負極の銅
箔の代わりにアルミニウム箔が使用され、電池のコスト低減に向けて
集電体のコストが低減される可能性を示した。既に、ラミネート型の
セルにより試験がなされ電池特性の評価を行っている。正極及び負極
において不可逆容量が存在することは、単極の試験時に分かっていた
ことであるが、セルを実際に組み、試験を行った結果、初回充放電の
クーロン効率が低く問題であることが判明。目標とするエネルギー密
度やコストを達成するには、この不可逆容量を低減することが必須で
ある。不可逆容量の原因となっている正極に関する検討が必要である。
正極が溶解したりしているわけではないので、電解液系の問題と判断
される。本研究では、従来の電解液に加えて新しい電解液の開発も進
めてきており、初回充放電時の不可逆性を低減するための新規電解液
や添加剤の開発を行うことで、カリチウムイオン電池の開発が可能と
思われる。カリチウムイオン電池だけでなく、本研究で培われた技術
はカリウムイオンキャパシタにも展開可能であり、それに関する研究
も行われた。特にカリチウムイオン電池で使用する負極材料として黒
鉛を提案し、500サイクル以上の特性を示している。  

現在、高エネルギー密度の二次電池として、非水電解質を使用し、例
えばリチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うよ
うにした非水電解質二次電池が多く利用されている。このような非水
電解質二次電池において、一般に正極としてニッケル酸リチウム(Li
NiO)、コバルト酸リチウム(LiCoO)等の層状構造を有す
るリチウム遷移金属複合酸化物が用いられ、負極としてリチウムの吸
蔵及び放出が可能な炭素材料、リチウム金属、リチウム合金等が用い
られている(例えば、特開2003-151549号公報参照)。また、非水電解
質二次電池の正極として、特表2015-515081号公報に記載されたものが
知られている。
  充放電可能な電池である二次電池としては、高電圧で高エネルギー
密度を達成できるリチウムイオン二次電池がこれまでのところ主とし
て使用されているが、リチウムは、資源量が比較的限定されており、
高価である。また、資源が南米に偏在しており、日本では全量を海外
からの輸入に依存している。そこで、電池の低コスト化及び安定的な
供給のために、リチウムイオン二次電池に代わるナトリウムイオン二
次電池についても現在開発が進められている。しかし、原子量がリチ
ウムよりも大きく、標準電極電位がリチウムよりも0.33V程高く、
セル電圧も低くなることから、高エネルギー密度化しにくいという問
題がある。
 リチウムイオン電池に用いられる電解液としては、国際公開第2013
/146714号又はY. Yamada and A. Yamada,“Review−Superconcentrated El-
ectrolytes for Lithium Batteries”, Journal of The Electroc
hemical Society, 162,
A2406-A2423 (2015)
に記載されたものが知られている。
  最近では、リチウムイオン及びナトリウムイオンの代わりにカリウ
ムイオンを利用した非水電解質二次電池の研究が始められている。カ
リウムイオン二次電池を構成する電極活物質、特に正極活物質は、カ
リウムイオンの供給源とならなくてはならないため、構成元素として
カリウムを含むカリウム化合物である必要がある。現在のところ、カ
リウムイオン二次電池用の正極活物質としては、例えば、層状岩塩型
構造を有する結晶K0.3MnOからなるもの(Christoph Vaalma,
et al., Journal of The Electrochemical Society, 163(7), A1295-
A1299 (2016)参照)やプルシアンブルー系材料結晶からなるもの(Ali
Eftekhari, Journal of Power Souces, 126, 221-228 (2004)参照)等
が知られている。
--------------------------------------------------------------
【関連特許】
特許第6966780号 カリウムイオン電池用電解液、カリウムイオン
 電池、カリウムイオンキャパシタ用電解液、及び、カリウムイオン
 キ
ャパシタ 東京理化学大学
 カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド及びカリウ
ムビス(フルオロスルホニル)アミドよりなる群から選ばれた少なく
とも1種のカリウム塩化合物と、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、
ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、エチレンカーボネート
及びプロピレンカーボネートよりなる群から選ばれた少なくとも1種
の溶媒と、を含有し、前記カリウム塩化合物の濃度が、6.0 mol/kg
以上12.0 mol/kg以下であるカリウムイオン電池用電解液で、不動態
形成性に優れるカリウムイオンキャパシタ用電解液、及び、前記カリ
ウムイオンキャパシタ用電解液を備えたカリウムイオンキャパシタを
提供する。

【符号の説明】 10:カリウムイオン電池、12:電池ケース(負
極側)、14:ガスケット、16:負 極、18:セパレータ、20:
正極、22:スペーサー、24:板ばね、26:電池ケー ス(正極側

特許第7007537号 カリウムイオン電池用正極活物質、カリウムイ
   オン電池用正極、及び、カリウムイオン電池 東京理科大学
【概説】
下記式(1)で表される化合物を含むカリウムイオン電池用正極活物
質    KMOxPO41-x (1)
式(1)中、Mは、V、Fe、Co、Ni及びMnよりなる群から選
ばれた少なくとも一種の元素を表し、xは、0以上1以下の数を表す。
ただし、MがVである場合、xは、0を超え1未満の数である。出力
であり、充放電を繰り返しても充放電容量が劣化しにくいカリウムイ
オン電池が得られるカリウムイオン電池用正極活物質、及び、前記カ
リウムイオン電池用正極活物質を含むカリウムイオン電池用正極、ま
たは、前記カリウムイオン電池用正極を備えたカリウムイオン電池を
提供する。

KVPF及び導電助剤としてアセチレンブラックを含むカリウムイオ
ン電池用正極、並びに、電解液Aを用い、充放電電圧を4.8V~2.0V
とした場合の5サイクル目までの充放電プロファイルである。

特許第6683370号 カリウムイオン二次電池用負極又はカリウムイ
 オンキャパシタ用負極、カリウムイオン二次電池又はカリウムイオ
  ンキャパシタ及びカリウムイオン二次電池負極用又はカリウムイオ
  ンキャパシタ負極用の結着剤
【概説】
正極と、負極と、非水溶媒を含む非水電解質とを備えるカリウムイオ
ン二次電池又はカリウムイオンキャパシタに用いられるカリウムイオ
ン二次電池用負極又はカリウムイオンキャパシタ用負極であって、カ
リウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料と、ポリカルボン酸
及び/又はその塩を含む結着剤と、アルミニウムを含む負極集電体と
を含有するカリウムイオン二次電池用負極又はカリウムイオンキャパ
シタ用負極(ただし、カルボキシメチルセルロース又はその塩を結着
剤としたカリウムイオンキャパシタ用負極を除く)。
正極と、負極と、非水溶媒を含む非水電解質とを備えるカリウムイオン
二次電池又はカリウムイオンキャパシタにおける負極用の結着剤とし
て用いられるカリウムイオン二次電池負極用又はカリウムイオンキャ
パシタ負極用の結着剤であって、ポリカルボン酸及び/又はその塩を
含む、カリウムイオン二次電池負極用又はカリウムイオンキャパシタ
負極用の結着剤(ただし、カリウムイオンキャパシタ負極用の結着剤
としてのカルボキシメチルセルロース又はその塩を除く)。  


【符号の説明】 1 ニッケルメッシュ(参照極)、2.ニッケルメッ
シュ作用極 3.活性炭素  4、5 ガラスフィルタ

リチウムを含めた非レアメタ系で高品質の全固体系二次電池の開発
ここ2、3年で決着し、ローコストでグリーンな分散型再エネ貯蔵シ
ステムが波及すれば電力不足問題は解消するだろう。


 世界初の量産型ソーラーカー 11月出荷開始






太陽光のエネルギーを動力に変換して走るソーラーカーは古くから存
在し、ソーラーカーのレースも開催されてきた、近年は太陽電池の価
格下落などがあるにもかかわらずやや下火。この状況にオランダのベ
ンチャー企業が一石を投じる、世界初の量産型ソーラーカーの「Lighty-
ear 0(ライトイヤー0)」が、早ければ2022年11月にも出荷される予定。
ソーラーカーメーカLightyear社は、1年間に化石燃料車が走る距離は
 約9兆4600億kmで、1光年に相当と話す。これを2035年にはすべて
ソーラーカに置き換えようという目標を掲げている(いいね  )。
その先兵となるのが、世界初の量産型ソーラーカ「Lightyear 0」。
Lightyear 0はソーラールーフと全体デザインを最適化することで、
充電なしでも数週間から数カ月にわたり走行可能。1日の通勤距離が
35kmであれば、曇りでも2カ月は走行可能で、日差しの強い国なら7カ
月は走れるとのこと。 充電方法は太陽光によるものだけではなく、
コンセントからの充電にも対応していて、通常の家庭用コンセントで
も、1時間あたり32km分の充電が可能。なお、充電ステーションなら
1時間で200km分、高速充電に対応していれば1時間で520km分充電で
きる。Lightyear 0は2022年6月から試乗を開始、2022年秋から生産を開
始し、2022年11月に最初の生産車両がドライバーの元に届く見込み。
価格は25万ユーロ(約3,560万円)と高い。

 黒の革命


2019.12
 グラフェン太陽電池、実用化に向け前進
グラフェンは、さまざまなハイテク用途向けとしての利用が推奨され
てきたが、今のところ参入を果たすことができた分野は、ほんの数種
類に限られ、る。その中の1つが、太陽電池市場。太陽電池は、グラ
フェンのさまざまな特性を利用することによって、好ましい効果を得
ることができる市場。過去数年の間に、実用化された製品がいくつか
市場に登場しているが、2022年に発表された最新製品は、海洋での使
用がターゲットに定められる。グラフェンは、有益な特性を幅広く備
える。例えば、柔軟性や引張強度、電気伝導性、電荷キャリア移動度、
熱安定性などが非常に高い他、光透過性はほぼ100%で、ドーピングに
も優れている。グラフェンは通常、完全な導電性を備えたゼロバンド
ギャップ材料であるが、実際には半導体性能を備えた誘導体を持つ。
また、純粋なグラフェンシートを、幅広い種類の原子でドーピングす
ることにより、太陽光発電ジャンクションボックスでの使用に最適な
半導体材料を作り出すことが可能。しかし、グラフェンを活用するに
あたり、ジャンクションボックスだけに焦点が絞られているわけでは
ない。現在、グラフェンが最も広く使われている分野の1つであり、
最も実用化の可能性が高いとされているのが、その伝導性能を、太陽
電池で使われている透明電極のITO(インジウムスズ酸化物)の代替
として利用するという取り組み。

□ グラフェンをコーティング
グラフェンはこの他にも、無反射コーティングとして使用することに
より、他の種類の太陽電池の光吸収を高められるという可能性も秘め
る。グラフェンは、電気特性に加え、構造特性も商業的観点から見て
非常に興味深い。グラフェンを利用した太陽電池は、製造中の熱応力
が少ない傾向にあるため、太陽電池セル内部のマイクロクラック形成
を低減することが可能。グラフェンは、既存材料よりも機械特性と安
定性に優れているため、それを利用した太陽電池は、劣化が少なく長
持ちすることから、長期的にコストパフォーマンスが高くなる。グラ
フェンは、既存材料よりも機械特性と安定性に優れているため、それ
を利用した太陽電池は、劣化が少なく長持ちすることから、長期的に
コストパフォーマンスが高くなる。グラフェンは、調整やカスタマイ
ズが可能な上、さまざまな特性を備えるため、学術/産業レベルの両
方において、幅広い用途に適した多彩な太陽電池を実現することがで
きる。グラフェンは、その特有の薄さと柔軟性により、さらなる柔軟
性を備えた、印刷可能かつ透明な太陽電池の実現への扉を開くことに
なるだろう。学術レベルでは、さらに特殊な形式の太陽電池が数多く
見られるが、グラフェンを利用した太陽電池の中には、既に市場に登
場しているものや、現在広範に及ぶ試験が行われているさなのものも
ある。

□ 商用開発事例
1.中国メーカーZNShineが2018年、インド最大手の発電装置メーカー
Bharat Heavy Electricals Limitedとの直接協業により、インド国内
の大規模な太陽光発電所(ソーラーファーム)における堆積粉じんの
問題に取り組んだことが挙げられる。ZNShineの太陽電池の場合、太陽
に面したパネルの上にグラフェンをコーティングして、光性能を向上
させ、表面の自浄作用を高めることにより、粉じん環境でも定期保守
や大規模補修を不要にすることができた。ZNShineはその後も、さまざ
まな種類の太陽電池デバイスを市場に提供しており、そのほとんどが
グラフェンをコーティングに使用することによって、太陽電池技術の
電力変換効率の向上を実現している。
2.FreeVoltが住宅用途向けに開発したグラフェン太陽電池が挙げら
れる。また、S2A Modularは、自社のZEH(ネットゼロエネルギーハウ
ス)向けとして太陽電池を採用。これらの太陽電池は、電池上部の透
明電極としてグラフェンを使用しているため、グラフェンの持つ優れ
た伝導特性だけでなく構造特性もうまく利用して、高効率化を実現す
ることができる。グラフェンは表面の近くで使われているため、太陽
電池の表面の劣化を最小限に抑え、熱などのさまざまな外部環境要因
を低減して電池への影響を減らし、電池の使用期間を延ばすことが可
能。

□ 海運業界でのCO2排出量を減らす
英国Grafmarineが2022年に開発したグラフェン太陽電池は、海洋分野
をターゲットに定めている。同社の新しいグラフェン太陽パネル「Na
noDeck」は、船舶に電力を供給し、住宅環境よりも厳しい状況下に置
かれる海洋環境での使用に適した設計を実現している。太陽電池を使
用することにより、世界の海運業界が発生させている大量の二酸化炭
素排出量の問題に取り組んでいくという狙いがある。Grafmarineが、
NanoDeckをモジュラーとして開発したのは、どのような種類の船舶に
もフィットできるようにする。
  現在のところ、まだ試作品しか提供されていないが、最近の発表に
よると、間もなく次の段階の試験をウェールズの海岸で開始する予定。
Grafmarineのソリューションは、現在まだ試作段階にあるが、長距離
輸送船から発生する二酸化炭素の排出量を削減していく上で、大きな
可能性を秘めている。もし実証実験が成功した場合、このモジュラー
システムは、風力タービンや積荷ドック、ホテルへの電力供給などで
も使用できる。
via - EE Times Japan グラフェン太陽電池、実用化に向け前進:海運
業など用途も拡大,2022.6.27


 高性能アルミニウムイオン電池
GMG(Graphene Manufacturing Group)はオーストラリアのブリスベン
に拠点を構える企業。同社は採掘されたグラファイトからではなく、
天然ガス(メタン)からグラフェンを製造する独自の技術を開発し、
現在、グラフェン製造・提供を主事業としている。同社は新規事業と
して、同社が製造したグラフェンを使った新しいアルミニウムイオン
電池を、オーストラリア政府から助成を受けてクイーンズランド大学
と共同で研究開発している。今回、GMGが発表したのは、クイーンズ
ランド大学が考案した技術を使った、グラフェン正極・アルミニウム
負極の新しい電池。

The current state and future of aluminum rechargeable battery,

 Journal of The Japan Institute of Light Metals, Vol. 65, No. 10 (2015), 503–507
より引用。

 アルミニウムイオン電池とは、正極・負極間でのアルミニウムイオ
ンの移動を利用して充放電を行う二次電池である。通常、リチウムイ
オン電池ではリチウムイオンの移動を利用して充放電を行っているの
であるが、リチウムイオンがアルミニウムイオンに置き代わったもの。
アルミニウムイオン(Al3+)は3価のイオンであり、1価のリチウムイオン
(Li+)に対して、体積あたりの容量が高く、負極に使うことで高容量化
が期待する。
一方で、3価のカチオンによる電極へのインターカレーション(電極
の層状構造を維持したままイオンが脱着すること)は、電極の劣化や
充放電サイクルの低下に繋がりやすく、過去からアルミニウムイオン
電池に取り組む研究は数多くあったが、実用化ができていないという
現状となっている。

□ 表面穿孔グラフェンをカソードに適用
 今回、クイーンズランド大学が開発した技術は、3層グラフェンナノ
シートを温和な温度(400℃)下で熱還元穿孔(TRP)し、表面穿孔グ
ラフェンにすることで、アルミニウムイオンをグラフェン表面に空い
た穴から内部に取り込む構造になっている。インターカレーションの
問題を、3層であること、平面内ナノスケールの穴(Nanopore)、50%
を超える層間間隔によって解決しようとしている。この表面穿孔3層グ
ラフェン正極、アルミニウム負極によって製作されたコイン電池は、
7,000W/kgという優れた出力密度と、充放電サイクル2,000回を超えて
も性能の低下は起こらないことが示された。なお、重量エネルギー密
度は150~160Wh/kgとなっている。これは、過去にあったアルミニウム
負極とカーボン正極の組み合わせの研究と比べても優れた数値である
と同社は主張する。


Source:Hongjie Dai, Nat. Commun., 2017, 8:14283 2. Hongjie Dai, Nature
, 2015, 520, 325, and 3. University of Queensland testing data. 

尚、現時点では公称電圧は1.7V、まだリチウムイオン電池に比べて電
圧が低い。

□ 数秒で満充電 パウチ型では全固体の可能性も
⮚ 2022.2.18 | 日経クロステック
グラフェン(G)とアルミニウム(Al)を組み合わせた「G+Al電池」
の2032型(直径200mm×厚み3.2mm)コイン電池をパイロットプラント
で製造し、世界の先行ユーザーにサンプル出荷。



❏ 藻類細胞のサイズや成分含量の変化を電気で同時に高速測定で
 き
る装置を開発 特定のユーグレナ株の選抜も可能なマイクロ流体
 デ
バイス


図1a. E.gracilis細胞および単一のE.gracilis細胞のいくつかの重
要な構造を検出するためのマイクロ流体インピーダンスサイトメトリ。

【概要】
奈良先端科学技術大学らの共同研究グループは、有用な生物資源とさ
れる藻類の一種であるユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下ユーグレ
ナ)について、細胞のサイズと含まれる成分の変化をインピーダンス
信号を指標にして高速で計測できるマイクロ流体デバイスを開発。こ
れまで開発したマイクロ流体デバイスでは、藻類の細胞外部形状の判
断のみ可能だったが、今回の開発により、さらにサイズ変化と有用物
質の含有量変化の情報を得ることができ、生産性が高い特定藻類の選
別や培養方法の定量化への活用が期待されている。


図1b.4つの異なる周波数(500 kHz、4 MHz、7 MHz、および10 MHz)
のインピーダンス信号と、高周波インピーダンス信号の形態に対する
細胞内成分分布の影響。c.インピーダンスアナライザ,d.自社開発の
トランスインピーダンスアンプの周波数応答。(以下、詳細は論文願
参照。
【論文】
原題: Assessment of the electrical penetration of cell membranes using four-
-frequency impedance cytometry.  Microsyst Nanoeng 8, 68 (2022).
https://doi.org/10.1038/s41378-022-00405-y



風蕭々と碧い時代


Imagine Jhon Lennon


⦿ Album:『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー』(Hell Freezes Over)

Eagles Life In The Fast Lane 『駆け足の人生』   1976.4.3
Songwriters: Joe Walish, Glenn Frey . Don Henley
Genre: Rock
バーニー・リードンの脱退に代わって新加入のジョー・ウォルシュに
よるジェイムスギャング風の硬質なリフが特徴的で当時のイーグルス
の中では前作の『呪われた夜』から続く、よりハードな曲調になって
いる。リード・ボーカルはドン・ヘンリー。邦題は比喩的に『駆け足
』だが、直訳は「追い越し車線を走る」ような人生と言う意味である。
「駆け足の人生」(Life in the Fast Lane)は、イーグルスが1976年
に発表した楽曲。

今夜の寸評:改憲は慎重に
「敵基地能力」も憲法明記と聞き耳を疑った。"スターウォ-ズ"突入
時代とするなら、宇宙衛星(有人/無人を問わず)なども射程に入る。
勿論、ケースバイケースであり、憲法条文に従い関連法規で定めて行
けばよい。31年前、文言に拘ったことから、自衛の装備体系から、国
連中心主義を前提として「軍隊」と書き換えた方がよいと考えた。改
憲に反対なら装備体系を明確にし廃棄しなければ「嘘つきは泥棒のは
じめ」("憲法は最高道徳の模範たれ")となると。"人命・人権第一
主義"の立場を鮮明にし「国連による刀狩り」運動の促進(国連によ
る実力行使)のシーンを想定した上で主張していた。折角、原子力発
電所稼働停止を主張していた維新の会は自民党より「好戦的」に位置
すると思える。従って自衛隊は最高水準の傭兵制(余りプレッシャを
かけず自然体に)であれとも。


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