『スパイ・レジェンド』
THE NOVENBERMAN(2015年イギリス、アメリカ)
監督 ロジャー・ドナルドソン
脚本 マイケル・フィンチ
カール・ガジュセク
原作 ビル・グレンジャー
出演 ピアース・ブロスナン
ルーク・ブレイスリー
オルガ・キュリレンコ
■ストーリー■
かつて、通り過ぎたあとすべてを破壊し死をもたらすような状況にすることから“ノヴェンバーマン”と呼ばれ恐れられた元CIAのエージェント、ピーター・デヴェローは、ある事故がきっかけで、今は引退してスイスのローザンヌでひっそりと暮らしていた。しかし、ある日デヴェローの前に元上司ハンリーが現れるのだった。ハンリーが言うには、デヴェローの同僚で今でも現役のエージェントのナタリアから、重大な情報を持っているが、誰も信用できないからデヴェローに回収に来てほしいという希望が出ているというのだ。
しかし、ナタリアは次期ロシア大統領と目されるのフェガロフの元から重大な証拠を持ち出すことに成功するものの、それがバレ、追っ手に迫られてしまうのだった。ナタリアを助けられないと判断したCIAは、ナタリアを殺してしまうのだった。目前でナタリアを殺されたデヴェローは、殺害した実行犯たちを殺していくが、その中に元部下のメイソンを見つけるのだった。
■感想■
ビル・グレンジャー原作の「ノヴェンバー・マン」シリーズの映画化。
日本でもシリーズのうち、「ノヴェンバー・マン」(集英社文庫)「スパイたちの聖餐」(文春文庫)「ラーゲリを出たスパイ」(文春文庫)「チューリヒ・ナンバー」(文春文庫)「ヘミングウェイ・ノート」(文春文庫)と何冊かが1970年~1980年代に出版されました!
どうやら、今作の原作は”THERE ARE NO SPIES”という作品らしいので、シリーズの中でも未訳の1作みたいですね!!
ビル・グレンジャーの作品って、こんなにエンターテイメント度が高かったか、昔の話で忘れちゃいました。
こんなにエンターテイメント度★★★★★でなかった気がするんですが、自分でもどの作品を読んだのか忘れてます!!
確か、数冊読んだ気がするんですが、昔すぎで…。
実家の押入れにでも、まだあるとは思いますが、原作がどんなシリーズだったか、ちょっと自信ないです…。
映画化された今作は、すごく面白い作品になっています!!
今風の雰囲気もありながら、エンターテイメント度も高く、肩のこらない娯楽作品になっています!!
ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じている最近の007映画より1000倍はスキです!!
最近の007映画は、B級ノリのアクションでもなく、シリアスでもない良くワケの分からない作品になっているうえに、敵側のスパイのような容姿のダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じていて、全然楽しめないです。
今作は、ジェームズ・ボンド映画に比べれば、シリアスなノリの作品ですが、結局は、殺しのライセンスがあろうがなかろうが関係なくスティーヴン・セガールやリーアム・ニーソンのように外国で暴れまくりで、荒唐無稽的なアクション映画のノリになっています!!
次期ロシア大統領候補の秘密を持った身内も、追っ手が迫っていて助けられそうもないとの理由で殺しちゃうあたり、ちょっと非道すぎでは??CIAでなく、スペクターでは??と思うほどの非情さ。
ジョン・ル・カレの作品でもないのに、このバッサリ切ってしまうハードさと、後半のエンターテイメントのスーパースパイ映画のノリで、ちぐはぐ感が漂っています!!
でも、小説が売れない時代とはいえ、今作が劇場公開されたときにビル・グレンジャーの原作も再販されなかったし、若い映画ファンの今作のイメージって、007を演じたピアース・ブロスナンがスパイを演じたエンターテイメントって印象なんでしょうねぇ。
ヒロインも、ボンドガールだったオルガ・キュリレンコだし。
自分は、勝手にもうちょっと暗めなシリアスな作品と思っていたんで、良い意味で想像と違っていて、すごく楽しめました!
ヒロインを狙っていた国際的な殺し屋があっけなくやられちゃうところとかも含めて、けっこう楽しめました!!ラストの展開も好きです!!こんな解決策って、ちょっと安易すぎでしょうけど映画だから良しとしましょう!! 80点
スパイ・レジェンド [DVD] | |
ピアース・ブロスナン,オルガ・キュリレンコ,ルーク・ブレイシー | |
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