『パニッシャー』
THE PUNISHER(1989年アメリカ、オーストラリア)
監督 マーク・ゴールドブラット
脚本 ボアズ・イェーキン
出演 ドルフ・ラングレン
ルイス・ゴセット・jr
ジェローン・クラッベ
キム・ミヨリ
ナンシー・エヴァハード
■ストーリー■
刑事フランク・キャッスルはマフィアのボス、モレッティに妻子を殺されてしまう。妻子と一緒に死んだと思われたフランクは1人生き残り処刑人“パニッシャー”となりマフィアを殺し続けるのだった。5年間で125人ものマフィアをリンチで殺したのだった。フランク・キャッスルの妻子殺害事件の裁判で無罪になったモレッティと彼の部下をフランクは処刑する。しかし悪いヤツはいなくならない!次の標的は新らしいマフィアのボス、ジャンニ・フランコ。しかし、ジャンニの組織の麻薬取引現場にニンジャのような軍団が現われマフィアたちは壊滅させられてしまう。日本のヤクザ、レディタナカの組織の仕業だった。レディ・タナカはアメリカのマフィアを支配しようと乗り込んできたのだ。レディタナカはマフィアのボスたちの子供を誘拐するのだった・・
□■□ネタバレあり□■□
■感想■
マーベルコミック“パニッシャー”の映画化!
コミックの映画化作品ですが、テーマが“復讐”だけに、なんといってもハードな描写がスゴイです!!
とにかく、人が死にまくり!っていうか、みんな殺しまくり!
主人公のフランクも、マフィアもレディタナカの組織も、とにかく殺す!殺す!殺す!殺す!って感じ。
大体、フランク、この作品で描かれているだけでも50人以上殺してるでしょ。
映画が始まった段階で125人殺して指名手配されてる設定ですけど、この調子では125人じゃすまないでしょ!
主人公をはじめ、強烈なキャラクターたちの中でも特に強烈なキャラクターが、レディタナカ!
マフィアのボスの子供たちを誘拐して、取引の前に売り飛ばしてますから!!
なおかつ、話し合いにやってきた組織のボスたちも話を聞く前に皆殺し!!
これ、ホントにコミックを原作にしてるだけで、やりたい放題って感じ。
R指定間違いなしの暴力描写。
大体、主人公フランクの性格もかなり来てます!
有無を言わさず重火器とナイフで暴れまくり!そのくせ、殺したあとで、地下道のアジトで悩んでるんだから。
レディタナカに誘拐されたマフィアのボスたちの子供の居場所を聞いといて、居場所を聞いた拷問係を拷問機にかけたまま、出てっちゃいますからね。
もう映画が違ったら、フランクが犯人役で“ダーティ刑事”に追われてます。
主人公の行動のもとになっているのが、復讐にあるのはわかるんだけど、少しやりすぎでしょ。
ラスト、敵のアジトに乗り込んで不用心なレディタナカの部下をマシンガンで皆殺し!
「あんた、主人公だろっ」って突っ込みが聞こえてきそうだけど、そこにいくまでに、みんな殺しまくってるから、もう感覚がマヒしてます。
もう敵を見たら銃を抜いてるし。戦争映画みたいです!
それにしても見せ場、見せ場の連続でこれぞアクション映画!
最初、裁判で無罪になったマフィアの幹部を皆殺し!
次に、マフィアの新ボス登場。
麻薬の取引現場に現われる謎の軍団とマフィアとパニッシャーの3つ巴の銃撃戦。
レディタナカ登場。
マフィアの新しいボスたちの子供たちの誘拐。
前半部分だけでもこれだけ見せ場が用意されています!!
それでいて、立て続けにストーリーが展開していくんですから。なおかつ、その間にフランクの元パートナー、ジェイクとフランクの思い出話まで入れちゃって、もう最高です!
監督や脚本家たちも、エンターテイメント映画だし、ムチャクチャやっちゃおう!!みたいな感じですごく好感が持てます!!これだけ見せ場が用意されていて、ランニングタイムは90分ですもんね。コミックの映画化がけっこう盛んな今こそ再評価したい1本です。
日本語吹替えつきでDVD化して下さい!! 80点
『インザカット』
IN THE CUT(2002年アメリカ)
監督 ジェーン・カンピオン
脚本 スザンナ・ムーア
ジェーン・カンピオン
原作 ジェーン・カンピオン
出演 メグ・ライアン
ジェニファー・ジェーソン・リー
ケヴィン・ベーコン
マーク・ラファロ
ニック・ダミチ
■ストーリー■
ニューヨークの大学で語学を教える講師のフラニーの家のそばで殺人事件が起きる。フラニーは容疑者らしき人物を目撃したのだ。事件の聞き込み捜査に来た刑事のマロイと知り合い親密な関係になるのだが、フラニーが目撃した犯人らしき容疑者の特徴、手のスペードのタトゥーはマロイと一致するのだった。
■感想■
メグ・ライアン主演のサスペンス映画です。
原作は、スザンナ・ムーアの「イン・ザ・カット」(ハヤカワ文庫)。
今作の感想は、
「なんなんだ!これはミステリー映画になってない!」
「ミステリー映画どころかスリラー映画にもなってない!」
あくまでも“面白いミステリー映画”とか“面白いスリー映画”って意味ですけどネ。
一応、内容は完全にスリラー映画風になっています!
でも、観たあとの印象は“単なる女性映画”でした!!!
スリラー映画として見ると、主人公フラニーが好きになる刑事のマロイが犯人かどうかが1番のサスペンスなんですもんね。
その他には、ほとんどサスペンスを盛り上げる要素がないんだもんネ!
それに、マロイが犯人なのかどうかっていうコトよりも、とにかく、そこへたどりつくまでモタモタ…、ダラダラ…、モタモタ・・・、ダラダラ…、モタモタしてるから、もう観ている方は、マロイが犯人でも犯人じゃなくても、どっちでもいいやって感じになっちゃいます。
あと、怪しそうな登場人物は、ケヴィン・ベーコンと、フラニーが通う学校の生徒くらいだもんね。
それにしても登場人物少なすぎ!!!!!
超低予算のC級作品じゃないんだから!
ラストも原作と変えてるんだから、メインのストーリーも大幅に原作から離れても良かったのに!!
女性映画でもなんでも良いですけど、エンターテイメントとしては、ミステリーとしても、スリラーとしても中途半端!!
「ミステリーやスリラーじゃ、女性を描けないわ」とでも思っているんでしょうか??
女性映画の方がエンターテイメントより、偉いとでも思っているんでしょうか??
監督が『ピアノレッスン』(1993年)、『ある貴婦人の肖像』(1996年)の女性映画監督ジェーン・カンピオンだから、こんな出来になっちゃうんでしょうか??
脚本も原作者のスザンナ・ムーアなんですけど、こういう映画で満足しているんでしょうか??まぁ、原作者もスリラーを描く気なかったんでしょうね。
当初、主演する予定だったニコール・キッドマンは製作にまわって、メグ・ライアンが主演したんですよね。こんなつまらない作品で脱いでメグ・ライアンは、まさに“脱ぎ損”です!
ニコール・キッドマンは良かったですね、主演しなくて。
日本のTVの2時間のサスペンスドラマなみの内容です。日本の2時間サスペンスにはメグ・ライアンの裸がついてきませんけどね。
この内容でランニングタイム119分の長さはつらい!!!40~45分カットすれば、もう少し見れる作品になったかもね。いや、80分くらいだったらかなり良い感じの作品になったかも。TVでCM込みで90分枠で放映すればちょうどいい長さかもしれないですね。 0点
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ジェーン・カンピオン,スザンナ・ムーア,スザンナ・ムーア,ニコール・キッドマン,ローリー・パーカー | |
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
『LOVERS』
HOUSE OF FLYING DAGGERS 十面埋伏(2004年中国)
監督 チャン・イーモウ
脚本 チャン・イーモウ
リー・フェン
ワン・ビン
出演 金城 武
チャン・ツィイー
アンディ・ラウ
ソン・タンタン
■ストーリー■
西暦859年、中国は唐の時代、大中13年、無能な皇帝のもと政治の腐敗が進み各地に反対勢力が台頭していた。中でも最大の規模を誇ったのが飛刀門(ひとうもん)だった。飛刀門は長安に近い奉天県に本拠地に圧倒的な支持を集め都に取っては脅威であった。朝廷の命を受けた奉天県では捕吏と呼ばれる治安部隊と飛刀門との死闘が続いていた・・
飛刀門の新しい頭目を10日以内に殺すよう命を受けた捕吏のリウとジンは、遊郭<牡丹坊>にいる目の不自由な芸子シャオメイが飛刀門との情報を得て、ジンが牡丹坊に客として潜入し騒ぎを起こし、リウがシャオメイを逮捕するのだった。ジンは捕らえられたシャオメイを牢獄より脱獄させ、2人で逃亡して飛刀門のアジトを探るのだった。だが、リウはジンに忠告するのだった「本気で惚れたりするなよ」と・・
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
『HERO』(2002年香港、中国)のチャン・イーモウ監督が描く武侠映画。
『HERO』同様、キレイな映像、華麗な剣劇シーン、相変わらず格調高い映画になっています!!
今作の、宣伝コピー“3つの愛がしかけてくる”なんて、まるで恋愛映画みたいに宣伝されてましたけど、確かに武侠映画+恋愛映画みたいな作品になっています!
日本の時代劇の主人公と違って、武侠映画の主人公ですから、恋愛要素があって、全然OKなんですが、ちょっとラストの展開はまさに、驚きの展開!
例えるなら
“まるで週刊誌の連載コミックの突然の最終回かッ!”
っていう展開です。
本当に驚かされました。
唐突な感じのラスト!今までのストーリーを無視するような唐突なラスト!
飛刀門と朝廷の軍隊との戦いは、どこ行っちゃったの??
ところで、今作は、闘病生活を送っていたアニタ・ムイを“飛刀門”の頭目の役にしようと思っていたので、体調が復帰するのを待っていたんですが、結局、アニタ・ムイは、惜しくも帰らぬ人になってしまい、あういう風に仕上げたらしいです!
まぁ、そういった事情からアクション武侠映画としては、後半、かなり壊れた展開になるので、そこに目をつぶれば十分面白い映画になっています!!
でも、でも、でも、やっぱり気になる!
“飛刀門と朝廷軍の戦い!”
今作の場合、そのシーンを描かないと映画的にダメでしょ、やっぱり。
どうしても省略したければ、戦いのシーンを描かなくてもセルジオ・レオーネ監督の西部劇みたいに、戦いを終わったあとのシーンとして死屍累々の死体をたくさん並べとくシーンとかを挿入すれば良かったのに!!
『HERO』なんかより、こじんまりとした題材で好感ももてるし、ホントにこのラストは、もったいない。
主演3人のファンだったら十分満足できるんでしょうけど、飛刀門と朝廷軍の戦いのシーンが無しっていうのは、どうなんでしょうかね??
でも、数々の戦闘シーン、草原での戦いのシーン、竹林でのシーン、キレイなだけでなく、ちゃんと武侠映画のアクションシーンになっているのは素晴らしいです!!
格調高くてキレイな武侠映画ってことで、武侠映画入門にも最適! 70点
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レントラックジャパン |
『NYPD15分署』
THE CORRUPTOR(1999年アメリカ)
監督 ジェームス・フォーリー
脚本 ロバート・プッチ
出演 チョウ・ユンファ
マーク・ウォルバーグ
ブライアン・コックス
マリエ・マチコ
■ストーリー■
ニューヨーク、チャイナタウン、マフィアのトンの組織と対立する福建ドラゴンの組織は勢力争いを起こしていた。ある日、チャイナタウンを取り締まるNYPD15分署に白人の若手刑事ウォレスが赴任してくる。ウォレスは中国系のベテラン警部補ニック・チェンとコンビを組むことになる。正義感に燃えるウォーレスだったが、ベテランのチェンはトンの組織のリーとつながっていた。また、ウォレスもリーからの情報で連続女性殺人事件を解決することになる。そして、ウォレスは元刑事の父親のギャンブルの借金がらみで、リーとの関係を続けるはめに陥るのだった・・
■感想■
『リプレイスメント・キラー』(1998年)でハリウッド進出をしたチョウ・ユンファのハリウッド進出第2弾のアクション映画です。
あのチョウ・ユンファの出演する警察物!って言うからハードなアクション映画を想像していたんですけど、期待は見事に裏切られました!
アクション映画というより、警官を主人公にしたドラマが中心のストーリーでした!
何でもかんでも詰め込みすぎのストーリーなんで、ランニングタイムが110分強ですけど、消化不良な感じを受けちゃいます!第一、110分は長すぎです!!
この内容なら、もう少し刈り込んでランニングタイム100分弱にして欲しいです!
出来たら、あと15分はカットして欲しいですネ。
でも、今作の印象は、まんま1970年代風のアクション映画になってます!
良く言えば、リアリズムですけど、なんていうのか、現実からの逃避で映画館に来てるのに、こんな葛藤や苦悩を感じさせる暗い映画はイヤですねぇ。
まぁ、それでも、アメリカンニューシネマに比べれば、やはり1990年代の映画なので、それこそ、アクション!アクション!アクション!アクションに次ぐアクションのエンターテイメント作品ですけどネ。
それでも、1990年代の映画として観ると、やっぱり画面から登場人物たちの苦しい状況を感じさせる圧迫感がヒシヒシと伝わってきます!
エンターテイメント作品なんで、観客が退屈しないように、要所、要所にアクション映画風味のシーンがちゃんと用意されてて、アクション映画ファンも満足できるようには最低限、なっているんですけどね。
要所、要所。要所に観客が退屈しないようにアクションシーンを入れてるもんだから、余計にランニングタイムが伸びて111分になっちゃうんですよね!!
アクションシーンや銃撃戦だって、いくらなんでも唐突には始まりませんからネ。
色んなものをドラマに詰め込みすぎて、どんな映画だったか逆に印象が薄くなっちゃってます!
マーク・ウォルバーグの父親が借金まみれとか、チョウ・ユンファが組織とつるんでるとか、そんな印象しか残らないです。
勧善懲悪なストーリーを期待すると見事に裏切られるので要注意!
ラストも、印象的ですけどネタバレになるんで、書かないですけど。まぁ、なんだかんだ言っても、1990年代後半のハリウッドの映画にしては良くできてるとは思いますけどネ。
せっかく、チョウ・ユンファ、マーク・ウォルバーグが出演してるんだから、もっともっと単純なアクション物にして欲しかったような気もしますけど。でも、あんまりにも単純な『リプレイスメント・キラー』じゃ困りますけど。
ノワール風な警察物を観るつもりなら、それなりに満足できます!65点
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チョウ・ユンファ,マーク・ウォールバーグ,リック・ヤング,アンドリュー・パン | |
日本ヘラルド映画(PCH) |
『NARCナーク』
NARC(2002年アメリカ)
監督 ジョー・カーナハン
脚本 ジョー・カーナハン
出演 ジェーソン・パトリック
レイ・リオッタ
クリスタ・ブリッジス
ダン・リーズ
■ストーリー■
デトロイトの潜入捜査官ニック・テリスは麻薬の売人を追跡中、誤って偶然その場にいた通行人の妊婦を銃撃戦に巻き込んで殺してしまう。18ヵ月後、停職中のテリスに警察への復職の条件として、同じく潜入捜査官マイク・カルベスの殺害事件の調査が命じられる。悩んだすえ、テリスは復職のためカルベスのパートナーだったヘンリー・オーク警部補とコンビを組み捜査を始めるのだった。しかし、捜査線上に浮かんできたのはオークだった。
■感想■
ジェーソン・パトリック、レイ・リオッタ主演のサスペンスドラマ。
ストーリーも雰囲気もまるで1970年代のニューシネマ!!
こんな息苦しい圧迫感のある警察物が、2002年にハリウッドメジャーで制作されるなんてッ!!
今作の作りからして、ハリウッドにしたら低予算の映画でしょうけど、こんな作品を作れるなんて!バカな映画ばかり作ってないで、こういうちゃんとした映画を製作して下さい!!
映画そのままで、出演者を1970年代の俳優に変えたら、ホント、1970年代の映画って言っても通るくらいの雰囲気の作品になっています!
心にトラウマを抱えて苦悩する主人公の刑事と、謎を抱えた刑事、2人を中心に、現実的な犯罪の暗部を描く警察物。
主人公を演じるのが、今ひとつパッとしないジェイソン・パトリック!
共演は、悪人から善人までこなす芸達者のレイ・リオッタ!
レイ・リオッタも普段、悪人から善人まで演じているので、今作も最後の最後まで、悪人なのか??善人なのか??分からないように出来ています!
このキャスティングだけで、もう3割くらい成功したようなもんです!!
レイ・リオッタは、本作の製作者も兼ねています。
果たしてこの作品では悪人役or善人役どっちでしょう??
監督、脚本はジョー・カーナハン。
本作に惚れ込んだトム・クルーズが製作総指揮しています。結局、外されちゃいましたけど、トム・クルーズの「M:I-3」の監督に1度は抜擢されました!
トム・クルーズ製作の『ミッション・インポッシブル』(1996年)は、1作目がブライアン・デ・パルマ監督でメジャーのエンターテイメント作。
2作目『M:I-2』(2000年)がジョン・ウー監督のノーテンキアクション映画。
3作目の監督がジョー・カーナハンって、一体どうしたかったんでしょうか??1970年代風のアクション映画にしたかったんでしょうか??結局3作目『M:Iー3』の監督はJ・J・エイブラムスになったんですけどね。
リアルといえば、ニューヨークで潜入捜査に関わったトッド・メリッサがアドバイザーとして参加しています!その甲斐あって、物語にリアリティーを与えています。
今作は、もともと1976年に起きた警官殺人事件にインスパイアされたらしいんで、ストーリーがリアルなのもうなずけます!
とにかく、今作は、まさに、どこをどう切っても1970年風! 70点
NARC ナーク [DVD] | |
ジェイソン・パトリック,レイ・リオッタ,バスタ・ライムズ | |
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン |
自分的には、まだまだ現行DVD継続して欲しいですけどね。だってソフトの買い替えはイヤですから(笑)
で、気になるDVDの新譜まとめておきました。↓↓↓
■6月1日
『フォース・エンジェル』ロビン・ハンターの「復讐の天使」の映画化。(TV題:『エグゼキューター復讐の黙示録』)
フォース・エンジェルポニーキャニオンこのアイテムの詳細を見る |
■6月3日
『夕陽のガンマン アルティメットエディション』
西部劇ベスト・オブ・ベスト!日本語吹替はTV放映山田康雄版
■6月8日
『オスカー』
ジョン・ランディス監督、シルベスター・スタローン主演のコメディ
■6月10日
『ジョン・ウェイン 大列車強盗』
監督 バート・ケネディ、ジョン・ウェインの傑作ウエスタン。軽いノリだけど悪い奴ら死にまくり、アメリカ西部劇スパゲティ風味。日本語吹替え付いてませんけど、傑作!
『ジャイアント・スパイダー 大襲来』
手作り感覚のSFスリラー。
日本語吹き替えつきで発売して欲しかったなぁ。残念!
ジャイアント・スパイダー 大襲来J.V.D.このアイテムの詳細を見る |
■6月17日
『スピーシーズ 種の起源 アルティメットエディション』アルティメット!!
■6月24日
『ニューヨーク1997』
ジョン・カーペンター監督の大傑作!イタリアのSFアクション映画の多くの作品に影響を与えました!
ニューヨーク1997東北新社このアイテムの詳細を見る |
『カプリコン1』
カプリコン・1東北新社このアイテムの詳細を見る |
『レオン ダブル・パック 』「レオン」のオリジナル版と完全版のカップリング!初回限定生産の再発(アンコールプレス)
『ザ・ショック』マリオ・バーヴァ監督の遺作
『ザ・サバイバー ジャンボ墜落』(TV題:『墜落大空港』)
ジャンボ・墜落 / ザ・サバイバー紀伊國屋書店このアイテムの詳細を見る |
2作とも紀伊国屋書店。ラインナッップは毎回スゴイんだけど… 吹替えも付けて。お願いします!
■6月27日
『生きるべきか死ぬべきか』
『ジェニーの肖像』クラシックの名作!!
あんまり無いかな??とか思ってたら、けっこうたくさん出ます!ちなみに5月下旬は、27日はウェズリー・スナイプスのアクション『アウト・オブ・タイム』、バリー・ウォンのコメディ『インファナル・アンフェア無間笑』なんてのも発売されます。楽しみです!!
『神々のテロリスト』
Täcknamn Coq Rouge
(英題“CODE NAME COQ ROUGE ”)(1989年スウェーデン)
監督 ペール・ベルイルンド
脚本 ペール・ベルイルンド
原作 ヤン・ギィユー
出演 ステラン・スカルスガルド
レンナット・ユールストレム
■ストーリー■
アラブのテロリストが北欧で「ダレット計画」という計画を実行しようとしていることを突き止めた軍情報部は、警察にカール・ハミルトン大尉を特別区顧問として出向させるのだった。警察のナシュランド部長は軍隊から来たハミルトンを良くは思わず捜査に協力的でなかった。そんな時、「ダレット計画」を探っていたナシュランドの部下フォルケソンが車の中で死体で発見されるのだった。手がかりは残された凶器のソ連製の拳銃とエジプト煙草だけ。警察は体制に批判的なジャーナリスト、ポンテを怪しいと疑うのだった。しかし、ポンテはハミルトンの昔からの知り合いだったのだ。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
元CIAのエージェント、カール・ハミルトンを主人公にしたスウェーデン製アクション映画です。
本作と同じくステラン・スカルスガルドがカール・ハミルトンを演じた本作の続篇も『D(デッド)・スナイパーEC爆破司令を阻止せよ!』THE DEMOCRATIC TERRORIST(1993年)としてビデオスルーで公開されました。
カール・ハミルトンを主人公にした映画は、ピーター・ストーメアが主人公を演じた『ハミルトン』(1989年)が日本でも劇場公開されました!
今作は、続篇の超ハードアクション『D(デッド)・スナイパーEC爆破司令を阻止せよ!』に負けないくらいの超リアルモードな展開で、ハリウッドでは考えられないクライマックスを向かえるアクション映画になってます!! ハリウッドのエンターテイメントに慣れてると思わずショックで「エーッ!そんなのあり??」って感じになっちゃいます。
なんといっても、本編のストーリーのメインの謎解きの「ダレット計画」がラストで実行されちゃうんですから!!実行されて、犠牲者出まくり!!
思わず画面を観て突っ込んじゃいました!
「何やってんだ!カール・ハミルトン!!」
それにストーリー自体、誰が敵で誰が味方かがハッキリしてないし!こんなに複雑だと盛り上がれないです。ちょっと、それは言いすぎでした!ちゃんと敵も味方かもちゃんと観てればわかります!!
とにかくスウェーデン映画っぽく淡々とストーリーが展開していきます!映画の最初の方で、「この事件は私でなんとかします!」とか言ってハミルトンに敵意むきだしだった警察の捜査官フォルケソンが何の見せ場もなく一瞬で退場しちゃうし!!ここでまず最初のビックリ!!こんな中盤に行くまでに画面から消えていくキャラクターなのに目だってたの??
まぁハリウッドのわかりやすい映画ばっかり見てる自分が悪いんですけど、スウェーデンの映画ファンって複雑な話好きなんですね。このストーリーでも、サスペンス小説やらスパイ小説には良くある話なんですけどね。
ハリウッド映画には無いパターンのストーリー展開です!!エスピオナージュ物が大得意のイギリスのスパイ小説を読みなれてると、何とも思わないかもしれないストーリーですけど、このクライマックスだけはビックリです!!
ビックリどころか、エンターテイメント映画としては少し壊れてるのかも!!そこが今作の魅力ですけど!!このクライマックスのおかげで、他の平凡なスパイ映画から目だってるんですけどね!!
でも、やっぱり「ダレット計画」が実行されちゃったら何のために主人公たちが頑張ってたんだ!って思っちゃうでしょ。
警察でのエピソードも、カール・ハミルトンと捜査をともにする刑事とのからみとかゼンゼン膨らませていかないんですからね。
最後の展開も、ブチッってスイッチが切れるように映画終わっちゃうんですから!!
でもリアルで良いですよ、たまにはこういうエアンターテイメント作品も良いですね。自分はけっこう好きです。ハリウッドばかりじゃなく、こういう映画もないとね。80点
『アサインメント』
THE ASSIGNMENT(1997年カナダ)
監督 クリスチャン・デュゲイ
脚本 ダン・ゴードン
サビ・H・シャブティ
出演 エイダン・クイン
ドナルド・サザーランド
ベン・キングスレー
クローディア・フェリー
セリーヌ・ボニアー
■ストーリー■
国際的テロリスト“ジャッカル”ことカルロスを捕らえるため、CIAとモサドは、ジャッカルとウリ2つのアメリカ軍海兵隊員ラミレスを選び、替え玉作戦を実行するのだった。最初は協力を拒んでいたラミレスだったが、ジャッカルの残虐な所業を見て協力を申し出るのだった。しかし、ハードな特訓によりラミレスは行動、精神ともにジャッカルに同化していくのだった。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
国際的テロリストのジャッカルことカルロスを追いつめる為にCIAとモサドにリクルートされた海兵隊員の苦悩と活躍を描く傑作アクション映画です!
監督は、フィリップ・K・ディック原作の「変種第二号」を映画化した宇宙SFの傑作『スクリーマーズ』(1997年)、ウェズリー・スナイプス主演のアクション『アート・オブ・ウォー』(2000年)を監督したクリスチャン・デュゲイ。
クリスチャン・デュゲイの名前は、もうこの『アサインメント』1本で名前を覚えました!
とにかく面白すぎ!!
出演は、『瞳が忘れない ブリンク』(1994年)、『IN DREAMS殺意の森』(1998年)のエイダン・クイン。共演はベテラン俳優のドナルド・サザーランドとベン・キングズレー。
カルロスそっくりの男がいて、彼をカルロスに仕立てるという、ちょっと考えると荒唐無稽なコミックみたいなストーリーですけど、それを、ベテラン俳優のドナルド・サザーランドとベン・キングズレーがマジメに演じているので荒唐無稽さや違和感を感じさせません!
まさに正統派アクション映画です!!
カルロスに成りすますために、主人公は、過酷な特訓を受けますけど、この特訓シーンが最高です!!これでもか!これでもか!と特訓シーンが描かれます!!
やりすぎだろっていうくらい特訓シーンが描かれていきます!!
この特訓シーンのおかげで、ジャッカルがいかにスゴイテロリストか分かるようになっています!!
銃を使った特訓はもちろんですけど、冷蔵庫に入っていたものを一瞬で覚えさせる特訓とか、ゴミ箱の中のゴミから不審なモノを探り出す特訓とか!
果ては、まずいモノを食べ続けさせられ、まさに、身も心もカルロスになりきるようなハードな特訓が続きます。
そして、特訓の成果が出て、主人公ラミレスが徐々に、ジャッカルに性格まで同化していきます!!
潜入捜査官が潜入しているうちに、性格までギャングに同化していくとストーリーは、TVムービーの『FBI盗聴大捜査』TODAY'S F.B.I.(1981年)にもありましたネ。
『FBI盗聴大捜査』はTVムービーということもあって、その同化していく描写もごく普通で何とも思わなかったんですけど、今作『アサインメント』はスゴイです!
特訓シーンを、これでもか!これでもか!と、ていねいに描いているので、なるほどと思わせます!!
この特訓シーンは、今作の前半部分の見せ場の1つですからネ。この特訓シーンは、下手なアクション映画のクライマックスシーンもも真っ青の出来ですからネ。
この特訓シーンは、さいとう・たかおの人気コミック「ゴルゴ13」や、イギリスの超ハードアクションドラマ「特捜班CI★5」の1エピソードを見るような興奮を覚えさせてくれます!
もう最高です!!
で、この前半から中盤にかけての特訓シーン以外にも、後半にもちゃんと見せ場が用意されてます!特訓シーンだけで終わっちゃったら、いくらなんでもアクション映画としては今ひとつですもんネ。
で、さんざんハードな特訓シーンを描いて、もう完ぺき!!と思わせておいて、結局、作戦がうまくいかないのもリアルで良いです!!!
とにかく、アクション映画の見本のような作品です!!!
ストーリーもよく出来てて、まるで、“面白いサスペンス小説を読んでいる様”です!!
冒頭のカフェでの爆発シーンから、最後の最後まで、次から次へと先を読ませない展開には、あまりの面白さにビックリです!アクション映画ファン必見の1本!!100点
アサインメント [DVD] | |
ドナルド・サザーランド,アイダン・クイン | |
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『ドーン・オブ・ザ・デッド』
DAWN OF THE DEAD(2004年アメリカ)
監督 ザック・スナイダー
脚本 ジェームズ・ガン
オリジナル脚本 ジョージ・A・ロメロ
出演 サラ・ポーリー
ヴィング・レイムス
ジェイク・ウェバー
メキー・ファイファー
タイ・バーレル
トム・サヴィーニ
ケン・フォーリー
スコット・H・ライニガー
■ストーリー■
看護婦アナはある日起きると、ベッドルームに隣の家の少女が血まみれで立っているのに気付く。夫は少女に襲われ大怪我を負うが、しばらくすると少女同様、アナを襲ってくる。アナは必死の思いでバスルームの窓から脱出、街はずれのショッピングセンターに逃げ込むのだった…。
■感想■
ご存知、ジョージ・A・ロメロ監督の超名作ホラー『ゾンビ』(1978年)のリメイクです。
時代のせいか、メジャースタジオ作品のせいか、スプラッター的なゴアシーンもあんまりないので、普通のホラー映画ファンも大丈夫です!!
こういうジャンルの映画が好きな人にとっては、全然大したコトないです。
オリジナル版の『ゾンビ』のファンにも、目配せしてトム・サビーニ、ケン・フォーリー、スコット・H・ライニガーがカメオ出演しています。
“走るゾンビ”ということで、オリジナル版のファンからは評判あんまり良くないみたいですけど、自分的には、オリジナル版への愛情も十分感じさせる傑作リメイクになってると思うんですけど、どうなんでしょう??
とにかく、このリメイク版のゾンビは走る!走る!走る!
ゾンビが走る!
ジョージ・A・ロメロ監督が創造したゾンビはゆっくりノロノロしてましたけど、今作のゾンビは、とにかく全速力で走る!!走る!走る!
『28日後…』(2002年)の影響でしょうか??
確かに走るゾンビは、さすがに怖い!走らなくても怖いゾンビですけど。
走るゾンビに追いかけられたらもうあきらめるしかないです!
走るゾンビの元々のオリジナルはウンベルト・レンツィ監督の『ナイトメアシティ』(1980年)っていう説もありますけど…。
前作との共通点は主人公たちが巨大なショッピングセンターに逃げ込むという設定だけでストーリーは完全な別物になってます。オリジナル版のファンからは賛否両論ですけど、今作のこと、自分は結構気に入ってます。
登場人物たちが、わがままでやることなすこと、全て悪い方、悪い方に行くのも、ある意味リアルで良いです!!!
だけど、こういう作品で言っちゃいけないのは、良く分かるんですけど、服装の半そで、Tシャツだけはやめて。暑くても自分ならGジャンの上に皮ジャン着るけど。でも設定が夏だから、ショッピングセンターに、なかったのかなぁ。
ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビシリーズで描かれるのは、リビングデッドというモンスターより恐ろしいのは人間の方だ!というメッセージが、常に描かれていますけど、リメイクの今作にはありません。怖いのはゾンビそのもの。完全にモンスター映画です!
この違いをどうとらえるのか、で作品の評価も変わってくるかもしれないですけど、自分的には、今作はエンターテイメント作品として十分面白く観れました!
今作をもっとより深く楽しみたいなら、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド ゾンビの誕生』(1968年)、『ゾンビ』、『死霊のえじき』(1985年)、『28日後…』とかは全て事前にチェックした方が良いですね。
1番おかしかったのはガンショップの店主が屋上から有名人に似たゾンビを誰か決めて狙撃するシーンですね。あのシーンだけは、このホラー映画で唯一笑えるシーンでした。
あと、ショッピングセンターに立てこもった主人公たちが、改造バス2台で逃げるシーンって『世界が燃えつきる日』(1977年)の改造装甲車ランドマスターが2台だったことへのオマージュなんでしょうかね?
色んなホラー映画のエッセンスを詰め込んだホラー映画ファン必見の1作。85点
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『爆裂都市』
EXPLOSIVE CITY 爆裂都市(2004年香港)
監督 サム・レオン
脚本 サム・レオン
ポール・チュン
出演 アレックス・フォン
しらたひさこ
サイモン・ヤム
千葉 真一
ラム・シュー
■ストーリー■
香港を訪れたマカオ行政長官がマスコミを装った女性テロリストに空港で襲撃される。しかし、チョン管理官の活躍により暗殺は失敗する。テロリストは逃走中に撃たれ記憶喪失になってしまう。テロリストの名はジェイド、幼いころ“おとうさん”に誘拐され、暗殺者として育てられたのだ。“おとうさん”とは各国で幼い子供を誘拐し暗殺者を育て上げ組織を作った国際的テロリストなのだ。刑事ミンは女性テロリストを手がかりに捜査を始めるのだった。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
アレックス・フォン主演の香港映画お得意のノワールアクション。
幼い息子が人質に取られた主人公が息子を救出するため、事件を起こした記憶喪失の女性テロリストと協力して敵を追う。っていうどこかで見たようなデジャブ感がいっぱいのストーリーですが、さすが香港映画、容赦の無い展開で観る者を飽きさせません!!
なんと、幼い息子が人質に取られるときに、奥さんはすでに殺されています!
もうこのシーンのおかげで、息子も殺されても全然不思議じゃない展開になりますからね!
ハリウッドでは考えられない展開!
幼いころから暗殺者として育てられたテロリストたちという設定もどこかで見たような感じの設定ですが、香港映画なんで全然OKです。
誰が味方で誰が敵なのか??
2転3転するストーリーが、かえってアクション映画として、ストレートに楽しめない要素になっていますけど、これはこれでOKです!
けっこう魅力的なキャラクターが数多く登場します!
ミン警部の同僚の刑事や、テロリストなどが出てきますが、みんな大した活躍する見せ場もなく、ドンドン途中退場していきます。後半、1番目立つのは、ラム・シュー演じる協力者でしょうかね??
とにかく目新しい題材、ストーリー、キャラクターではないですけれど、今までの映画の良いトコ取りしちゃえ!みたいな作品になっています!
アクション映画なんてこんなもんだろって感じで、チョチョイのチョイ感たっぷりな感じなアクション映画ですが、数多くのアクションシーンとムダに複雑なストーリーで、見応えある作品になっています!!
でも、観終わった後の爽快感は少し低いのが残念です!!
「人質になるのかなぁ??」って思った主人公の奥さんが殺されちゃいますからね
全体的にトーンも暗くて、画面も乾いた感じで、ハードな印象はかなりのモンですけどね。香港映画ファン以外のアクション映画ファンも必見。
あと、吹替え版を観たんですが、女性テロリストを演じた日本人のしらたひさこさんの吹替えは、誰が吹替えてるんでしょう??もし、本人だとしても、完全にミスキャストです!声優の方がみんなウマイので、彼女の場面だけ浮いています!彼女の声が気になって、今一つ集中できなかったです。 65点
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アートポート |
『殺意のシナリオ』
(ビデオ題:『仮面のレジデンス』)
TOO SCARED TO SCREAM(1985年アメリカ)
監督 トニー・ロー・ビアンコ
脚本 ニール・バーベラ
グレン・レオポルド
制作 マイク・コナーズ
出演 マイク・コナーズ
アン・アーチャー
イアン・マクシェーン
レオン・アイザック・ケネディー
ジョン・ハード
■ストーリー■
ニューヨークのマンハッタンの高級マンションで連続殺人事件が起きる。警察はマンション内に犯人がいるのではと疑い、捜査を始める。刑事のアレックスとケイトは、怪しげなマンション関係者に目星をつけるのだが…。
■感想■
俳優のトニー・ロー・ビアンコが監督した劇場未公開ミステリー。
トニー・ロー・ビアンコと言えば『フレンチ・コネクション』(1971年)、『重犯罪特捜班ザ・セブンアップス』(1973年)や、数多くのTVムービーに出演している俳優です。
主人公の刑事役では、人気TVシリーズ「名探偵マニックス」のマイク・コナーズが出演しています。今作では、制作もしています!
長らく「“TOO SCARED TO SCREAM”ってホラー映画があるなぁ・・・、いつか観れるのかなぁ??」と思っていたら、突然TVの深夜枠の映画劇場で放映されたんで、そのときはビックリした記憶が!
タイトルから、てっきり『13日の金曜日』(1980年)、『バーニング』(1981年)、『サランドラ』(1977年)系の田舎を舞台にしたスラッシャームービーだと思っていたら、都会を舞台にした殺人ミステリーだったんで2重にビックリしました。
TVの深夜枠で放映されたあと、ビデオバブルのころ、『仮面のレジデンス』としてリリースされたんで、ビデオで観た映画ファンも、けっこういるでしょう。
何の期待もせずに見たんで、かなり楽しむコトが出来ました。
映画を観る時「いかに期待しないか」っていうのが、1番重要な要素だと実感しました!
今作『殺意のシナリオ』のラストのオチは、デヴィッド・カッパーフィールドが出演したことでも有名なミステリー系ホラー映画『テラートレイン』(1980年)くらいのインパクトがあります!
やっぱりミステリーは、こうでないと!!
一昔前というか二昔前は、本当に、色んな未公開映画やTVムービーがTVの映画枠でやってました・・
意味不明のサイコ物『ヌードモデル危機一髪』SNAPSHOT(a.k.a.THE NIGHT AFTER HALLOWEEN)(198年オーストラリア)
1970年代イギリス製ホラー『愛欲の魔神島 謎の全裸美女虐死体』TOWER OF EVIL(1972年イギリス)
イタリアの警察物でマウリツィオ・メリルがメチャクチャかっこいい『ナポリ犯罪ルート』NAPOLI VIOLENTA(1976年イタリア)
同じく、マウリツィオ・メリル主演のイタリアの警察物『特攻警察』ITALIA A MANO ARMATA(1976年イタリア)
思わずビックリ!!のラストの『ハネムーンクライシス新妻蒸発』(ビデオ題:他人の向う側 私の家に見知らぬもう一人の妻がいる)ONE OF MY WIVES IS MISSING(1975年アメリカ)
とかとか。
ビデオバブルのときいくつかの作品はビデオ発売されましたけど、字幕つきでした。やっぱり娯楽作は日本語吹替えで見ないとね。またTVの映画劇場でやってくれないかなぁ。
少なくとも、最近の日本の知能指数が100くらい低下するような2時間ドラマなんか観る気なくなりますよね! 65点
『ザ・プロフェッショナル』
HEIST(2001年カナダ、アメリカ)
監督 デヴィッド・マメット
脚本 デヴィッド・マメット
出演 ジーン・ハックマン
デルロイ・リンドー
ダニー・デヴィート
レベッカ・ピジョン
リッキー・ジェイ
■ストーリー■
ジョー・ムーアは美しい妻のフラン、ボビー、ピンキーとチームを組んで仕事を行なう強盗のプロフェッショナル。しかし、ある日、宝石店を襲撃したときに店内の監視カメラに顔を撮影されてしまう。引退の潮時と考えるが、盗品の仲介屋で仕事の依頼者バーグマンは引退を認めず、最後の仕事としてスイス銀行の一件を依頼してくるのだった。そしてバーグマンはもう1点、この仕事に甥のジミーを参加させるよう条件を提示してくるのだった。高飛びの費用のこともあり、ジョーたちは渋々仕事を引き受けるのだった・・
■ストーリー■
ジーン・ハックマンが強盗団のリーダーを演じた犯罪ドラマ。
脚本・監督がデヴィッド・マメットなんで、“一筋縄ではいかないぞ!” と期待して観たんですけど、その期待は裏切られることも無く十分愉しめる作品でした。
デヴィッド・マメットといえば、監督&脚本の作品に『スリル・オブ・ゲーム詐欺師からの誘惑』(1987年)『スパニッシュ・プリズナー 』(1997年)があるんで、観るほうも期待して観ちゃうので、その期待を裏切らずに面白く作るのは大変だと思うんですけど、すごく面白い作品になってました!
今回は、2転3転するストーリーのドラマ作りっていうよりも、ストレートな犯罪ドラマになっています!!
でも、さすがデヴィッド・マメットです!
最初の宝石店襲撃のシーンから思わず画面に引き込まれた!
映画の中には観続けるのが苦痛!いや、それどころかレンタルビデオだったら、さっさと早送りしちゃうとか、観るの止めちゃおうかなって誘惑にかられる作品が数多くありますけど、今作はじっくりと楽しみたい作品になっています!
ジーン・ハックマン!
デルロイ・リンドー!
カッコ良すぎ!本当にカッコ良い!!
本当にカッコ良すぎ!!もうジーン・ハックマンが演技しているのを観るだけでも楽しいです!映画はこうでなくっちゃ!!
ランニングタイム110分強の時間があっという間に過ぎました!もう少し長くても良かったのに!!
ジーン・ハックマンたち、プロの強盗団がムダに暴力的じゃないのもイキで良いですね。まぁ、主人公たちが、暴力的な残虐な強盗団だったら、感情移入出来ないですもんね。
でも、主人公たちは、必要とあればスタンガンやら拳銃やらを、ごくごく自然に使っちゃいますからね。犯罪者だから当たり前なんだけどね。
デヴィッド・マメットのサスペンス映画だからって、ドンデン返し期待してみると肩透かしくらうかもしれないですけど、ストレートな犯罪物としては最高の1本です!70点
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『ヘブンズ・ゲート』
THE MINION(1998年アメリカ、カナダ)
監督 ジャン=マルク・ピシェ
脚本 マット・ロー
リプリー・ハイスミス
原案 マット・ロー
出演 ドルフ・ラングレン
フランソワ・ロバートソン
ロク・ラフォーチューン
アレン・アルトマン
トニー・カラブレッタ
■ストーリー■
1999年のクリスマス、ニューヨークの工事現場で1000年以上前に作られたであろう遺跡が発見された。その中の骸骨は手には立派な剣を持ち、衣服には胸に大きな赤い十字をつけていた。早速調査のため考古学者カレンが派遣されるのだが、調査中に謎の男が現われ殺されそうになる。と、そこへもう1人謎の男が現われカレンを襲った男の後頭部にスパイクのついた手袋で刺し殺し、遺蹟現場にあった鍵を持って出て行くのだった。カレンを助けた男はルーカス、地獄へ通じる牢獄の鍵を取戻しにエルサレムより来た聖堂騎士団の司祭だったのだ。悪魔は1000年期の終わりに人々の信仰が薄れたときに甦ろうとしていたのだ。カレンを襲った男はミニオンという悪魔の手先の悪霊に精神を支配されていたのだ。ミニオンは目から人に乗り移り脳を支配し、宿主の人間が死んでも次の人間に乗り移ることができるのだ!
■感想■
B級映画界の超スーパースター、ドルフ・ラングレン主演のオカルトアクション映画です。
いまだに作品のタイトルに“ドルフ・ラングレン”の名前がつくネームヴァリューはさすが!
大ヒットした作品なんて、しばらくないのに、ドルフ・ラングレンって付くんですからね。
それにしても、ドルフ・ラングレンも、初期の作品の『レッド・スコルピオン』(1988年)とか『パニッシャー』(1989年)、『ダーク・エンジェル』(1990年)あたりくらいまでは、それなりにスター扱いされて、また、メジャー感もあって、いかにもアクション映画のA級スターて感じでしたけど、だんだんとB級感が漂ってきて、今作のころはまさにB級スターでした!
その後の出演作といえば、
『リトルトウキョー殺人課』(1991年)
『シューター』(1994年)
『スナイパー』(1996年)
と、もうB級路線まっしぐらです!!
ドルフ・ラングレンは、面白い作品から、「エーっ!!」みたいな作品まで、何にでも出演しまくりです!
上記以外で、主な出演作品は
『ユニバーサル・ソルジャー』(1992年)
『メン・オブ・ウォー』(1994年)
『ソルジャー・ゴールド』(1994年)
『ピースキーパー』(1997年)
『スウィーパーズ』(1998年)
『ブラックジャック』(1998年)
『ラストパトロール』(1999年)
『ドルフ・ラングレン ストーム・キャッチャー』(1999年)
『ブラック・ソルジャー』(1999年)
『エージェント・レッド』(2000年)
『ドルフ・ラングレン in ディテンション』(2003年
等々があります!
この作品の多さ!主役でこの本数!!!
最もビッグなB級アクション映画俳優の1人ですネ!!
ドルフ・ラングレンって、学歴だけでいうとワシントン州立大学に留学したあとストックホルム王室工科大学に転入して、卒業したあと、またシドニー大学で学んでMIT(マサチューセッツ工科大学)に入りました!!
MITです!
そんな彼が出演するのが、B級アクション映画ばかり!
この出演作品の選択基準って何??って感じです。
オファーが来て、ギャラが、おりあえば出演する!!って決めているんでしょうか??
で、今作『ヘブンズ・ゲート』の感想ですけど、悪霊が人から人へ乗り移って暴れまくるっていう設定は、まさに傑作SFアクション『ヒドゥン』(1987年)のオカルト版です!!
でも、作品のデキは、本家の『ヒドゥン』の面白さには遠く及ばないものの、それなりに楽しめる作品になっています。
ユルユル系のTVムービーなみのデキですが…。
今作で、1番面白かったのはドルフ・ラングレン演じる司祭ルーカスの設定です!
“元ソ連の特殊部隊で、アフガニスタンで村人を皆殺しにした後、行方をくらまし、その後傭兵になった!!”
それって、そのまんま『レッドスコルピオン』あたりのかつてのドルフ・ラングレンの出演作から最近の出演作までの他の映画の設定そのまんま!!
この設定だけで、プラス10点!
この設定なら、もう安心です!!
ただでさえ、ドルフ・ラングレンが無敵なのに、この設定なら、もう絶対に無敵です!!安心感があります!
相手が敵国の軍隊だろうと、特殊部隊だろうと、宇宙人だろうと、誰が相手でも勝っちゃいそうな気がしまうもんネ!!
ドルフ・ラングレンファンなら必見!! 65点
でも(自分的には)それなりのキレイさがあればいいんで、現行DVDで十分なんだよね♪それに、まだまだ欲しい作品がDVDになってないのにね。自分がどうしてもDVDで欲しいタイトルは
◇ダーティハリーみたいな刑事が集団で出てくるフランス製ノワール『愛しきは女ラ・バランス』。
◇ロバート・リテル原作のスパイ物を映画化したアクション『ザ・アマチュア』。
◇台湾製武侠『空飛ぶ十字剣』。
◇香港武侠『邪拳迫る!死守せよ少林寺秘伝』
◇謎の車が襲ってくるオカルト『ザ・カー』
◇『オーメン』シリーズのパクリなのに本家オーメンより100倍面白い『悪魔が最後にやって来る!』
◇ジャン=ポール・ベルモンドの傑作アクション『プロフェッショナル』
等々あげだしたらきりがないもんね。
あと日本語吹替えなんだけど以前気になるタイトルでピックアップした
■6月3日『夕陽のガンマン アルティメットエディション』
日本語吹替は新録はなくTV放映版の山田康雄版のみみたい・・
■7月1日『ブリット』『ゲッタウェイ』
2作とも日本語吹替はTV放映版みたい
自分は気楽に見れて情報量が多くてニュアンスが伝わりやすい日本語吹替版が大好きなんだけどね。
TV音源使用の方が新録よりもなつかしくて良い!って方もたくさんいらっしゃいますけど、TV音源使用の場合、2時間枠で放映した場合、どうしても90分くらいしかないから、どうしても欠落部分が字幕になるんで、自分は吹替えは新録版の方が好きなんだよね~。(あ、でも変な話題つくりのタレント使用はヤメテネ)どうせ付けるなら ①TV放映版日本語吹替え②新録日本語吹替え③オリジナル原語 にして欲しい!!
既発売DVDでも吹替えビデオ版があるのになぜかDVDに吹替え付いてない作品たくさんあるもんね。
『スクリーマーズ』『レッドブル』『ダークマン』とかね・・どれもこれも面白い作品だけに残念!!気長に待ってますんで再発の時は吹替えつけて下さいね。
『交渉人』
THE NEGOTIATOR(1998年アメリカ)
監督 F・ゲーリー・グレイ
脚本 ジェームズ・デモナコ
ケヴィン・フォックス
出演 サミュエル・L・ジャクソン
ケヴィン・スペイシー
デヴィッド・モース
ロン・リフキン
ポール・ジアマッティ
J・T・ウォルシュ
■ストーリー■
シカゴ警察の東地区の交渉人ダニー・ローマンは、相棒のネイサンから警察の年金基金の横領が起きていることを聞く。しかし、詳細を聞く前にネイサンが殺され、ローマンは殺人と横領の濡れ衣を着せられてしまう。ローマンは内務調査局に人質をとりビルにたてこもるのだった!警察署内部に犯人がいるので信用できる相手として事件に無関係の西地区の交渉人クリス・セイビアンを交渉相手として指名するのだった。セイビアンはみんなが身内のローマンを殺そうとしているかのごとくとる行動に疑問を持つのだった・・
■感想■
警察の交渉人を主人公にしたサスペンスアクション。
エンターテイメントとしては超一流の娯楽作!
今作の宣伝コピーは“IQ180のかけひき”って!イヤがおうにも盛り上がります!!
知的な部分は、本編とはほとんど無関係なオープニングのシーンだけであとは、いつもの単なるハリウッド製アクション映画になっています!!
娯楽作品としては、一切、退屈もしないですし、観ている間は手に汗にぎる一流作品なんですけど、観終わった後は「観た」という記憶しか残らないようなハリウッド映画です!!
こういうアクションだから、別に良いんですけど、“IQ180”はどこへやら??って感じです!!登場人物が多い割りには、誰のこともキャラクターとして深く掘り下げていないので、“犯人は誰でもOK!”って感じです。
これで犯人がサミュエル・L・ジャクソンでした!とかケヴィン・スペイシーでした!とかサミュエル・L・ジャクソンとケヴィン・スペイシーの2人が共犯で犯人でした!!とかだったら、超ドンデン返しなんですけどね!!
それこそ、“IQ180のかけひき”でしょう!!
TVの映画劇場で、1年半~2年に1回くらい放映しているんですけど、その度についつい観ちゃうんですよね!
それだけ娯楽作品として完成している!ってコトなんでしょうけどね!!
でも、出来たら同じ映画ばかり放映していないで、もっと違う映画を放映して下さい!!今作はDVDになってるんだし。こんなに何度も何度も何度も、TVで放映されたら、DVD買う気無くなっちゃいます。
それにTVの映画劇場で時間枠延長してもカット版ですしね。でもこの映画、TVの映画劇場で放映するには、時間長すぎ!ランニングタイム139分ですからね!!
でも、娯楽作品として、一流の作品です! 70点
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