『狼と呼ばれる男』
IL CONTO E CHIUSO(1976年イタリア)
監督 ステルヴィオ・マッシ
脚本 ピエロ・レノーリ
出演 カルロス・モンゾン
リュック・メレンダ
マリアンジェラ・ジオルダーノ
ジアンニ・デイ
■ストーリー■
イタリア北部の工業都市に流れ者リコがやってくる。その都市では、2つのギャングが争っており、リコはその2つのギャングの争いを利用して、ギャングを叩き潰そうとするのだった。
■感想■
ステルヴィオ・マッシ監督の劇場未公開アクション。
1981年にTBSの「金曜ロードショー」(23:35~)で放送されました。当時は、劇場未公開のアクション映画が良くTVの映画劇場で放映されました。
2012年4月から始まった、TBS、ゴールデンタイムの映画枠「水曜プレミアシネマ」で、すでにDVD化されているような映画ファンがまるっきり観ないような作品を放映するなら、こういう作品を放映して欲しいですよね。
2つのギャングが争う街に、流れ者がやってきて、2つの組織を戦わせて壊滅させるという黒澤明の「用心棒」的な古典的なストーリーを、見事、現代劇の犯罪アクションとして甦らせています!
ハッキリ言って『ラストマン・スタンディング』(1996年)より100倍面白いです!製作費は100分の1でしょうけど。
もうストーリーは、『用心棒』や『荒野の用心棒』と同じなので、余計な説明は無しです。『ラストマン・スタンディング』をDVD化するとき、今作もソフト化してくれれば良かったのに・・・。
当時のTV局は、本当に色んな映画を放映してくれました!!
TBS金曜23:30(23:35~のときも)の映画枠(←多分「金曜ロードショー」という映画枠のネーミングだったはず)は、85分枠なのに、かなり長く、本編が実質75分くらいあったんですよね。ちなみに、TV東京の90分枠(85分枠)の映画枠は、実質本編が68~70分くらいでした。
同じ映画枠で放映された作品で、劇場未公開で、覚えている作品といえば
エド・ハント監督のSF『SFパニック・恐怖の病原体』(1979年)
カナダ製のオカルトホラー『呪いの人形』(1977年)
エンツォ・G・カステラーリ監督の傑作ウエスタン『帰ってきたさすらいのガンマン ケオマ』(1977年)
ジョン・カーペンター監督のTVムービー『狙われた密室の女』(1978年)
ドイツ製“ラブ・バッグ”『ああスーパーカー天国と地獄を行く』(1973年)
オーストラリア製のスリラー『ヌードモデル危機一髪』(1978年)
等々、今だったら、話題になること必至の作品をひっそりと放映してました。
劇場公開作品ですけど、クリスチナ・レインズ主演、ジェフリー・コンヴッツ原作の『センチネル』(1977年)もこの枠の放映でした。
今、考えると、こういう作品はビデオに録って残しておきたかったです。当時は、ゴールデンタイムも、朝も昼も深夜も、各局映画を放映していたんで、あまり貴重だと思わなかったですけどね。
TBSだけじゃないですけど、各局、映画枠ふやして、昔放映したこういう作品を放映してくれないですかね~。 65点
『HUNTERS ハンターズ』
THE HUNTERS(2011年フランス、ルクセンブルグ、ベルギー)
監督 クリス・ブライヤント
脚本 マイケル・レーマン
出演 クリス・ブライヤント
スティーヴン・ウォディントン
トニー・ベッカー
ダイアナ・アグロン
■ストーリー■
田舎町に赴任してきた元軍人の警官ルセイントは、重要な事件の証人と待ち合わせをするが、待ち合わせの町で事件が発生し、ゴーベン要塞で会うことにするのだった。上司からは、事件が多発しているので、ゴーベン要塞では会わない様に言われていたのだが、とっさにその場所を指定してしまったのだ。ゴーベン要塞では、5人の男たちが、週末、人間狩りを行っていたのだった。銃で武装する男たちを見たルセイントたちは、逃げようとするが、門は閉められ、人間狩りの標的にされてしまうのだった。
■感想■
人間狩りテーマのスリラー映画。
何で今さら?って感じもしますが、このテーマも根強いですから、しょうがないですね。
でも、でも、ランニングタイム112分は長すぎでしょう!
狩られる獲物が、今作の主人公のように刑事ではなくて、ある種の実験で謝って大量のガンマー線を浴びて、怒りを覚えると、緑色の巨人になってしまう体質の旅人だったらもっと面白かったのに。
あとは、狩られる獲物が、行方不明の父親を探す娘のために、調査にやってきたマーシャルアーツの達人の元海兵隊員だったとかでもいいですけどね。
あとは、ラストで突然、以前の事件の被害者の父親ウィリアム・ホールデンが出てきて、犯人たちを皆殺しにしちゃうとか・・・。
そんな変則的な作品が、TVドラマや、劇場映画になっているのにも関わらず、今作は2011年の作品なのに、素直なヒネリのないストレートな“人間狩り”映画。
今作は、妙に犯人側の描写があるんですよね。犯人側の描写はあまりいらない気がするんですけどね~。その分、10分でも20分でも短い方がテンポが良くなって良いのに。
元軍人という設定の主人公ですけど、その設定も活かされているかと聞かれると、かなり疑問符がついちゃいます。
シルヴェスター・スタローンの「ランボー」みたいな元特殊部隊のキャラクターや、「リーサル・ウェポン」のマーティン・リッグスみたいなキャラクター(こっちも元特殊部隊でした・・・)が、狩られる側だとかだと盛り上がるんですけどね。
でも、狩る方で無く、狩られる獲物側のキャラクターが、実は、すごく強いとかいう変則的な設定の作品もすでに、ジョン・ウー監督で、ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の『ハード・ターゲット』(1993年)で,すでに、やっちゃってますもんね。
まぁ、ジャン=クロード・ヴァン・ダム出演料だけで、今作が10本くらい制作できそうな低予算作品ていうのもあるんでしょうjけど。でも低予算なら、低予算で、アイデアのあるストーリーで勝負して欲しかったですね。
すごく面白いってわけではないんですけど、でも、すごく否定するほど、つまらないって感じでもないんですよね。とにかく、中途半端!テンポも112分という長さもあって少しダラダラ。
まぁ、人間狩りテーマのスリラー映画が好きな映画ファンだったら、観ても良いかもしれないですね。 60点
HUNTERS [DVD] | |
スティーヴン・ウォーディントン | |
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ハード・ターゲット [DVD] | |
ジャン=クロード・ヴァン・ダム,ランス・ヘンリクセン,ヤンシー・バトラー,ウィルフォード・ブリムリー,アーノルド・ヴォスルー | |
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『シャドウズ・ゲート』
NEVERLOST(2011年カナダ)
監督 チャド・アーチボルト
脚本 チャド・アーチボルト
出演 ライアン・バレット
エミリー・アラタロ
ジェニファー・ポランスキー
■ストーリー■
ジョッシュは、婚約者ケイトを火事で失い、今はメーガンと結婚生活を送っていた。生活に不満を持ち不眠症に悩まされたジョッシュは、ある日、医者から、ある薬をもらうのだった。その薬を飲んで眠ったジョッシュは、ある夢を見るのだった。その世界ではケイトが生きていて、ジョッシュと幸せな生活を送っているのだった。
■感想■
薬を飲んで、違う世界に行っちゃう主人公を描いた普通のドラマ。
今作の宣伝文句によると、ファンタジア国際映画祭 観客賞受賞とか、フライトナイト映画祭 最優秀SF作品賞受賞とか言ってますけど、本当ですか??
脚本を書こうと思ったら、夢オチと同じくらい、誰でも思いつくようなストーリーなのにッ!!
「どうせ、どっちかの世界が現実で、どっちかが空想なんでしょ!」
と思っていたら、まさにその通りの展開!!
なんのヒネリも無い!!
ベテランの脚本家だったら、3日くらいで完成させちゃうような内容のストーリーです・・・。
もう少し、驚かせて欲しいなぁ。
実は、人間の愛情を探るための、エイリアンの実験だったとか!
実は、主人公は、超能力の持ち主で、死ぬと地球を破壊する能力を発揮しちゃうので、変な夢を見せているとか!
実は、主人公が強奪した金塊の場所を、探るために、周りのみんなで芝居をしていたとか!
それくらいひねった展開だったら、ランニングタイム93分でもOKですけど、こんな誰でも思いつく展開で、ダラダラ、ダラダラ、ダラダラ、93分は長すぎ!!長すぎ!!
あと30分くらい短くてOKです!!
時間を返して欲しいです!!
こんなZ級みたいな作品をリリースするんだったら、もっとリリースしなきゃいけない作品がいくらでもあるでしょ!!
今年、1番のハズレでした!(今のところですけど・・・)
主人公が、アッチの世界に行ったり、こっちの世界に来たりといえば、TVムービーですけど、リンゼイ・ワグナー主演の『過去に旅した女』(1979年)とか、日本語吹替え音声つきでソフト化して欲しいですね!! 0点
シャドウズ・ゲート [DVD] | |
ライアン・バレット,エミリー・アラトロ,ジェニファー・ポランスキー,ダニー・ブルージ,サミュエル・S・ボーンステイン | |
発売元:CURIOUSCOPE/販売代理:アルドゥール |
J.V.D.さんから“MGM hollywood classics”として『未来世界』(1976年)、『巨大蟻の帝国』(1977年)、『巨大クモ軍団の襲撃』(1977年)のDVDが発売になるようです!!
『未来世界』は2012年5月11日
『巨大蟻の帝国』『巨大クモ軍団の襲撃』は2012年6月8日
の発売です!!
どの作品も、J.V.D.さんのHPをみると、日本語吹替えつきでの発売です!!
これは、ビッグニュースですよね!!
TV放映時の吹替え音声ってコトですよね!!
<追記> 『未来世界』のDVDを観ると、声優は新録!
新録してくれるのは、ウレシイんですけど、どうせなら、TV放映時の吹替え音声も収録して欲しかったです。
『未来世界』は、マイケル・クライトンの『ウエストワールド』の続編ですが、前作の100000倍面白い続編になっています!!
脚本はメイヨ・サイモン、ジョージ・シェンク。監督はリチャード・T・へフロン。
主演はピーター・フォンダ。
『巨大蟻の帝国』は、なんでも大きくしちゃうバート・I・ゴードン監督のモンスター映画!原作は、H・G・ウェルズ。製作はサミュエル・Z・アーコフ、バート・I・ゴードン。
『巨大クモ軍団の襲撃』は、劇場未公開の傑作動物パニックで、フジTV系で日本未公開のシリーズでTV放映された作品です。監督はジョン・バッド・カルドス。主演はウィリアム・シャトナー。
このラインアップはすごすぎ!!
ココ最近では、こんなウレシイニュースは無かったですよね!!
今から楽しみです!!
MGM Hollywood Classics 未来世界 [DVD] | |
ピーター・フォンダ | |
ビデオメーカー |
MGM Hollywood Classics 巨大クモ軍団の襲撃 [DVD] | |
ウィリアム・シャトナー | |
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MGM Hollywood Classics 巨大蟻の帝国 [DVD] | |
ジョン・コリンズ | |
ビデオメーカー |
『テイカーズ』
TAKERS(2010年アメリカ)
監督 ジョン・ラッセンホップ
脚本 ピーター・アレン
ガブリエル・カソーズ
ジョン・ラッセンホップ
エイヴリー・ダフ
出演 マット・デュロン
ポール・ウォーカー
イドリス・エルバ
クリス・ブラウン
ティップ・“TI”・ハリス
ヘイデン・クリステンセン
ジェイ・ヘルナンデス
ゾーイ・サルダナ
■ストーリー■
ゴードンたち5人の強盗グループは、年に1度、仕事をし、優雅な生活を送っていた。ある日、刑務所に入っていた昔の仲間の“ゴースト”が出所し、近づいてくるのだった。ゴーストは、大仕事としてある計画を持ちかけるのだった。一方、ゴードンのグループを追う刑事ジャックは、捜査の末、徐々に彼らに近づきずつあった。
■感想■
アメリカでスマッシュヒットした犯罪物。
マット・デュロン、ポール・ウォーカー、ヘイデン・クリステンセン、クリス・ブラウンとイケメンをキャスティングしています。
まぁ、キャストのファンには良いですけど、それ以外の映画ファンには訴えかけるものが無い・・・。
ストーリーもありがちで、目新しいものでないし、何も印象に残らない作品でした!
大体、キャスティングに頼りすぎで、登場人物のキャラクターが描かれていないので、誰にも感情移入出来ない!!感情移入出来る登場人物がいなくても、ストーリーが面白ければ、全然OKですけど、ストーリーも全然面白く無い!
犯罪アクションを観ている映画ファンほど、どこかで観たことがあるような映像を見せられているような印象を受けちゃうかも??
主人公は一応、刑事のマット・ディロンなんでしょうかね??マット・ディロンのキャラクターって、子持ちの刑事で、仕事一筋の刑事って、1970年代の警察物のキャラクターみたいです!まさに、こういう作品なら、どこにでもいそうなキャラクターです。
また、マット・ディロン演じる刑事の相棒のエピソードもありがちな感じで、「だから、何??」って感じです。本当は、この相棒のエピソードとか、けっこう盛り上げたいんでしょうけど、全然盛り上がらないまま。
犯罪物として、以前どこかの映画で観たことあるようなシーンを集めてきて、有名な俳優を出演させて、ちょっと作っちゃいました!みたいな印象しか受けないんですけど、これは、映画を観る自分の感受性が鈍くなっているせいなんでしょうか??
本国アメリカでは、こんな、可も無く、不可も無いような犯罪アクション映画が、スマッシュヒットしちゃうんですね。公開された時期も良かったんでしょうかね??
リメイクでも、原作物の映画化でない今作みたいなオリジナルな作品には、頑張って欲しいんですけどね。ランニングタイムも107分と少し長めなのもアウトな感じです!ダラダラしている感じはそんなには無いですけど、107分も使っている割には、強盗団のメンバーのキャラクターが全然描かれていないまま。
今作が、あと25分くらい短くて、80分強の作品だったら、少しは評価が高くなるんですけどね。
強盗シーンとかも、細かなカット割りが多くて、何がなんだか分からないです!細かいカット割りの乱用で、目が疲れちゃいました。10分程度のプロモーションビデオでもないんだから、今どきこんな細かすぎるカット割りは止めて欲しいです。少なくとも、今作の監督のジョン・ラッセンホップには、今後、エンターテイメント作品は撮って欲しくないです。
こんなに、いくらでも面白くなりそうなテーマの作品なのに、観るのが苦痛だった作品は久々でした。 20点
テイカーズ [DVD] | |
マット・ディロン,ポール・ウォーカー,チップ“TI”ハリス,ヘイデン・クリステンセン | |
Happinet(SB)(D) |
テイカーズ [Blu-ray] | |
マット・ディロン,ポール・ウォーカー,チップ“TI”ハリス,ヘイデン・クリステンセン | |
Happinet(SB)(D) |
『血戦 FATAL MOVE』
血戦(奪師) FATAL MOVE(2008年香港)
監督 デニス・ロー
脚本 デニス・ロー
出演 サモ・ハン
サイモン・ヤム
ウー・ジン
ティエン・ニウ
ダニー・リー
ケネス・ロー
マギー・シュー
ホイ・シュウホン
ラム・シュー
■ストーリー■
リン・ホー・ロンは、香港の組織、忠信義を率い、一大勢力を築いていた。組織の主だったメンバーは、弟のドン、用心棒ティン、ハン、経理担当の妻のソソたちだった。一方、警察のリャオ警部は、彼らを逮捕しようとしていたが、なかなか尻尾を捕らえることさえ出来ずにいた。
そんなある日、麻薬取引現場に警察が待ち伏せしており、多大なる被害を出すのだった。また、組織への資金提供者ユーが誘拐される事件が起きるのだった。身代金を用意したロンだったが、徐々に、財政的に厳しくなってくるのだった。
■感想■
サモ・ハン主演の黒社会物。
共演には、サイモン・ヤム、ウー・ジン、ダニー・リー、ホイ・シュウホン、ラム・シューと、香港映画ファンにはお馴染みの豪華な俳優たちが大勢出演しています。
最近は、香港のノワール系のアクション映画がほとんど観れなくなっていたので、今作を観たのは久々に観たような印象です。ジョニー・トー監督の作品くらいしか観れなくなっちゃいましたもんね。
観終わった瞬間に内容を忘れてしまうようなアメリカ映画や、どんな作品でもブームのように韓流の作品を公開するんだったら、香港のアクション映画を公開して欲しいですよね。もちろん、劇場でなくDVDスルーで良いですから。
久々に観た香港のノワール作品で大満足なんですが、多くの登場人物に見せ場を用意したためか、色々なエピソードを入れたためなのか、ランニングタイム112分と少し長めなのが、少し難かも??
今作の内容なら、あと10分くらい短くても良かったかもしれないですね。
あと、組織の用心棒ウー・ジンが刀を武器に暴れまくるんですが、腕を、指を、スパ!って斬るゴアシーンが多すぎ!なのに血はCGのような血!残酷なシーンを描いているのに、なぜか血はCGのようって、どういうコト??なんか、規制でもあるんでしょうかね??
ラム・シュー演じる刑事が、「家族のことを考えて、危ない仕事なんで異動願いを出しました」って言うシーンが、あるんで思わず笑っちゃいました。
ほとんどのアクション映画ファンは思ったはず!
「あ~、ラム・シューは死んじゃう役なのね!」
アクション映画ファンには、お馴染みの展開です。
結局、ラム・シュー演じる刑事は死んじゃうのに、その件には、その後は余り多くは語られす!さすが、香港映画!ハリウッドだったら、この刑事の相棒やら、上司とかが怒りに燃えて、組織に殴りこみみたいになるのに、香港映画の今作では刑事の死が、普通に描かれて淡々とした展開が待っているだけ。
ダニー・リー演じる警部も、ほとんど添え物的な感じで、あくまでもメインは黒社会のサモ・ハンの組織のメンバーたちなので、感情移入できないまま、ラストまで展開していきます。
普通はギャング映画でも、エンターテイメント作品として、少なくとも主人公くらいには感情移入しやすいようなキャラクター設定するのに、今作の登場人物たちは、残酷で、ひどい連中ばかり!それでも、最後まで飽きずに見せてしまう香港映画って、最高です。
こんなアクション映画を普通に製作しちゃう香港映画、もっともっと観たいです!! 70点
血戦 (FATAL MOVE) [DVD] | |
サモ・ハン,サイモン・ヤム,ウー・ジン,ティエン・ニウ,ダニー・リー | |
アメイジングD.C. |
『ラバー』
RUBBER(2010年フランス)
監督 カンタン・デュビュー
脚本 カンタン・デュビュー
出演 スティーヴン・スピネラ
ロキサーヌ・メスキダ
■ストーリー■
ある日、あるタイヤが意思を持ち動き始めるのだった。そのタイヤは念動力を持ち、人々を殺していくのだった。
■感想■
タイヤが意思を持って、殺人を起こすなんて、すごく面白そうな題材なのに、全然面白く無いホラーコメディ。
「なぜ、タイヤが??」
意味は無いそうです。
映画の冒頭、荒野に置かれたイスを破壊しながら、ゆっくりと車がやってきて、トランクから出てきた保安官が、映画の名作と呼ばれている作品の色々なコトには意味が無いと話し始めます。
名作に意味が無いんだから、今作のようなZ級作品にはもちろん意味が無いっていうことなんでしょうね。
意味が無くても、90分か、100分観客を楽しませようという気持ちは普通ありますよね??今作には、何も無い!何も無い!
意味が無いから、何をやっても良いだろ!ってことじゃ無いと自分は思うんですけどね。
今作を観るのに、高いお金を払う観客もいれば、時間を無駄にする観客もいるんですからね!!
意味不明のシーンの連続で、最後まで意味が分からずじまい!冒頭、トランクから保安官が出てきて、バカな講釈をたれるところから、イヤ~な予感が・・・。予感的中、いや、それどころか、観ていく間に、もっとつまらなくなていきます。
なぜか、タイヤが動き出すのを遠くから見つめる集団がでてきますが、意味がないから、登場させてみました!ってことなんでしょうね!!また、その集団が毒殺されますけど、それも意味がないけど、やってみました!ってことなんでしょうね。
とにかく、最初のシーンから、最後のシーンまで、観続けるのが苦痛の82分でした!!
今作に比べれば、TV東京で放送した『SFこうもり人間 洞窟からの恐怖 襲い掛かる無数の吸血生物群』(1974年)や、『新ウィークエンド』(1978年)なんて、観ている人を楽しませようということが分かるだけで、1000000000000倍楽しめる作品です!
面白いとか、つまらないとかの前に、ストーリーのある映画になっていないので、観ようと思っている人は注意!不条理なシーンのためにフィルムを回して1本の作品にしちゃいましたみたいな感じです!
こんな映画、公開するんだったら、ジャン・クーネン監督、ヴァンサン・カッセル主演のウエスタン“BLUEBERRY”(2004年)とか、フランス、ベルギー製のミステリー“AMER”(2009年)とか公開して下さい!!
マイナス50000000点
ラバー [DVD] | |
スティーヴン・スピネラ,ロクサンヌ・メスキーダ,ジャック・プロトニック,ウィングス・ハウザー | |
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