『
モーテル』
VACANCY(2007年アメリカ)
監督 ニムロッド・アーントル
脚本 マーク・L・スミス
出演 ルーク・ウィルソン、ケイト・ベッキンセール
■ストーリー■
夫婦仲の冷えたデビッドとエイミーは、ハイウェイを降り家路を急いでいたが夜道に迷ってしまうのだった。その上、車が故障してしまい2人は山道にあるモーテルに泊まることにするのだった。部屋にあったビデオテープを何気なく観た2人は、このモーテルの恐怖の事実を知ることになるのだった。
□■□ネタバレあり!!□■□ ■感想■
寂れたモーテルに泊まった夫婦が味わう恐怖体験を描くホラー。
主演は「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセールとルーク・ウィルソン。
行方不明者が年間に何十万人もいるアメリカなんでこんなコトがあってもおかしくないですけど、とにかく恐ろしい事件を描いています。
行方不明者の一部が実はこういう感じで消えていくんですよ! って都市伝説風のネタで1本、映画を作っちゃいました!!ってお手軽感はありますけど、サスペンス映画として十分面白い作品になってます。
ランニングタイムが85分と短めなのも功を奏してます!!
テンポが良くてだれることなく最後まで楽しめちゃいます。
登場人物のキャラクター設定も夫婦仲の悪い2人って言う時点で、 「恐怖体験を通してまた愛情を取り戻すんだろうなぁ」って思ったら、まさにその通りのベタな展開!!
それでも、どっちか、たぶん、だんなの方は死んじゃうのかな??ヒロインのケイト・ベッキンセールの方がメジャーだし。と思っていたら、そんなこともなく最後まで安心して観ていられます。
ポップコーンでも食べながら、ワイワイ楽しみながら観るのにちょうど良い作品です!!可も無く不可も無く、まさに平均点てきなスリラー映画です。
この作品を観て何気なく思い出したのは『
デビルズ・トラップ密室ホテル女子学生の恐怖』(1972年)とか『
地獄のモーテル』(1980年)とかです。
映画の中での経過時間的には、恐怖の1夜を描いた今作と、上記2作品はまるっきり違うんですけどね。
映画が持っているユーモアは、上記も2作品の方が上なんですけどね。
『
デビルズ・トラップ密室ホテル女子大生の恐怖』も『
地獄のモーテル』は作品のテーマ的に、「食人」をテーマにしてるんで、ユーモア感を出そうとしたんでしょうけどね。あれで暗くて緊張感の張り詰めた作品だったら陰惨な雰囲気な作品になっちゃいますもんね。
とにかく、アメリカの田舎は怖い!怖い!
アメリカ本国でそれなりにヒットしたためか、ネタ切れなのか、今作の続編がオリジナルDVD作品として作られました。タイトルは『
モーテル2』(2009年)。
なんでも、この恐怖のモーテルで最初に犠牲になった若者たちを描くらしいですけど、犠牲者を描くような作品なんて観たい人いるんですかね??だって主人公たちが、生き残れるかどうかっていうのが、サスペンスを盛り上げる要素だろうに、最初から、
「主人公たち死んじゃうんだろうなぁ」
なんて思って観るスリラー映画なんて、まるで、醤油のかかっていない冷奴みたい。
おいしい豆腐は醤油をかけなくても冷奴がオイシイんでしょうけどね。
なんで最初の犠牲者を描く作品を続編としてわざわざ制作するんでしょうね?? 自分は、このプリクエル(前日譚)っていうのが、好きじゃ無いんですよね!!
最初の犠牲者を描く作品なんて!!プリクエルに最も合わないストーリーだと思うんですけど、どうなんでしょう??
『
新・明日に向って撃て!』(1979年)みたいに前作で主人公たちが死んじゃって、やむなく主人公たちの若き日を描いて続編を作るのは分かるんですけどね。
でも、続編の発想的にはプリクエルを描く『
新・明日に向かって撃て!』よりも、生き残ったメンバーで、続きを描く『
続・明日に向って撃て!』(1976年)の方が好きなんですけどね。作品の面白さは別として…。
どうせ製作するなら、今回の事件で生き残った夫婦2人が、また違う旅行先で恐怖のホテルに泊まって事件に巻き込まれる映画を作れば良いのに!!
この2人を主人公にして、殺人ホテルめぐりみたいなシリーズ作っても面白いかも??この夫婦が有名になっちゃって、警察に通報しても、売名行為と思われて信じてもらえないとかって、面白くありません??だって、そんな事件にばっかり巻き込まれる夫婦なんているはずないですもんね。
60点
今作の事件の前を描く『
モーテル2』