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『ブラッド・ブラザース 天堂口』

2009-06-27 21:43:12 | 香港映画
ブラッド・ブラザース 天堂口
天堂口 BLOOD BROTHERS(2007年香港)
 監督 アレクシ・タン
 脚本 アレクシ・タン
    ジアン・ダン
    トニー・チャン
 出演 ダニエル・ウー、スー・チー、チャン・チェン、トニー・ヤン、リウ・イエ

 ■ストーリー■
 フォンは幼馴染のスーチェンを故郷に残し、兄弟同然に育ったシャオフー、シャオフーの兄弟で腕っ節の強いターカンの3人で大都会を目指し上海に働きに出るのだった。給仕になるために出たフォンとシャオフーだったが車引きの仕事しかなかった。2人は、ある日、ターカンの働くナイトクラブ“天国”に出かけ、そこで歌手のルルを見かけるのだった。フォンはルルの魅力に好きになるが、ルルは香港の大物ホンの女だった。町でルルを見かけたフォンはホンに関わらないよう忠告を受けるのだった。しかし、ターカンが受けた仕事のせいで、裏の仕事に手を染めるようになっていくのだった。

 □■□ネタバレあり!□■□
 ■感想■
 ジョン・ウー製作の1920~30年代の上海を舞台にしたノワールアクション。 
 時代がハッキリといつか出てきませんけど、上海のフランス租界が出てくるので1930年代なんでしょうね。
 
 香港映画お得意のノワール物かと観ていたら、しっかりと作ってあって重厚な作品でした。ランニングタイムが95分とエンターテイメント作品として、いつもの香港映画なみの長さですけど、さすが香港映画、まるでTVシリーズを観ているかのようなヴォリュームでした。ハリウッドで近作をリメイクしたら160分くらいになっちゃうんでしょうねぇ。
 こういう作品を観る観客は、「同じようなジャンルの作品を他で観ているから説明いらないでしょ」という理由からか、余計なシーンは無くしてドンドンとストーリーが進んでいきます!!
 例えば、後半、弟のシャオフーが兄のカータンに捕らえられて、次のシーンでは遺体になってるとか!
 ハリウッドだったら、延々とシャオフーが痛めつけられるシーンとかを描いちゃうんでしょうね。香港映画の傑作ノワールアクション『インファナル・アフェア』(02年)が101分なのに、ハリウッドで『ディパーテッド』(06年)としてリメイクされたら、なんと152分になっちゃいましたもんね。
 101分が152分に!!
 なんでもかんでも説明しすぎで、余計なシーンありまくりでしたもんね。

 
 今作はそれでも、ジョニー・トゥ監督の『ザ・ミッション非情の掟』(99年)ほどアクション映画ファン以外を突き放すでもなく、適度にギャング映画ファン以外も楽しめるようになってます。
 それにしても、ストーリーもめまぐるしく展開して面白く観れました!本当にTVシリーズを観ているかのような印象を受けちゃいました。1番悪党チックなホンが途中で退場しちゃったりとかまぁ、それでも最近のアクション映画では特に驚く展開でもないですけど、こういう1930年代を舞台にしたオーソドックスなギャング映画だと新鮮に思えてきちゃいます。
 香港映画ファン以外にも観て欲しい作品です!ギャング映画ファンも必見!!68点
 

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『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』THE コミック第2弾

2009-06-22 23:52:53 | SF
ヘルボーイ ゴールデン・アーミー
HELLBOY Ⅱ THE BGOLDEN ARMY(2008年アメリカ、ドイツ)
 監督 ギレルモ・デル・トロ
 脚本 ギレルモ・デル・トロ
 原案 マイク・ミニョーラ
 原作 マイク・ミニョーラ
 出演 ロン・パールマン、セルマ・ブレア、ダグ・ジョーンズ

 ■ストーリー■
 遥か昔、エルフ族と人間は世界をめぐって争いを続けていたが、エルフの王は不死身のロボット軍団「ゴールデン・アーミー」を作り人間に勝利する。しかし、余りの惨状に心を痛めたエルフの王は、人間と平和条約を結ぶのだった。
 エルフの王は破壊力の強いゴールデン・アーミーが再び活動しないように、ゴールデン・アーミーを意のままに操れる王冠を3つに分解しバラバラに管理するのだった。しかし、現代、人類が環境を破壊している状況に怒ったエルフ王の息子ヌアダは人類抹殺を図り王冠の一部を取りかえすためマンハッタンのオークション会場に現れ会場にいた者を皆殺しにして王冠の1片を持って行くのだった。超常現象を捜査するBPRDは早速捜査を開始するのだった。

 ■感想■
 マイク・ミニョーラ原作のコミックの映画化。
 前作『ヘルボーイ』(04年)に引き続きギレルモ・デル・トロ監督が再び監督してます。
 
 ロン・パールマン、セルマ・ブレア、ダグ・ジョーンズ、出演者も前作と同じキャストで演じています!
 前作もコミックの映画化らしく肩の凝らない超エンターテイメント作品でしたけど、続編の今作も前作に負けず劣らず超超超エンターテイメント映画になっています!!

 とにかく「面白い!!面白い!!」
 コミック系映画が好きな映画ファンは必見です!!やっぱりお金のかかったエンターテイメント作品って良いですね!!と思えてくる大作系の超エンターテイメント作品です!!
 ギレルモ・デル・トロ監督もこういう作品がスキなんでしょうね!!とにかく面白いです!!
 今作は、あんまり日本ではヒットしなかったらしいですけど、「なんで??なんで??」
 こんなに面白いのに!!
 

 
 前作で活躍していた人間の若手の諜報部員は左遷させられて、新しくやってきた上司ヨハンまでヘルボーイたち同様、モンスターになっちゃって、メインの登場人物で、人間らしい登場人物がほとんどいなくなっちゃいました。
 人間の諜報部員はいても足手まといになっちゃうからでしょうけど、いくらなんでも“左遷”だなんて、かわいそすぎな設定!!
 
 まぁ、もともとヘルボーイの設定が地獄からやてきたっていう設定だから、モンスターばっかり出てきてもオカシクないんでしょうけど、それにしても、日頃、何気なく過ごしている世界に、こんなにモンスターがいるっていう設定を普通に映像化しちゃうなんて、素晴らしすぎ!!
 
 ギレルモ・デル・トロ監督ってモンスターとかファンタジー系のクリーチャーが好きなんですね。 
 クリーチャーは好きでも、人間はキライなのか、街中でヘルボーイが巨大植物と戦って活躍した後の、街の人間たちの反応が悪すぎです!みんなでヘルボーイのせいにして!!モンスターは素直だけど、人間は性格が悪いってコトですもんね。
 でも、アメリカ人って、あういう反応示さないと思うんですけどね。アメリカ人だったら、ヘルボーイの活躍に拍手すると思うんですけど、どうでしょう??
 アメリカ人って素直に感情を表に出すから、あそこは“拍手喝采”でヘルボーイを迎え入れるはず!!ヘルボーイたちの孤立感を出したかったんでしょうけど、いくらなんでもあれはリアリティが無い感じです。

 ヌアダ王子と、肉体的に感応している双子のヌアラの存在がいるってことで、ラストの展開が読めちゃいますけど、そこはこういう作品の“お約束の展開”ということで許しちゃいます!!とにかく満足です。

 最後の方で、ヘルボーイが人間と戦いそうな雰囲気を出して終わりますけど、そういう方向性なんでしょうか??
 エンターテイメント系の作品と思って油断してると、いつか暗いシリーズになっちゃうんでしょうか??それはそれで観てみたいですけど、自分的にはヒーローが単純に活躍するヒーロー物で十分なんですけどね。

 シリーズの第3作はあるんでしょうかね。もし製作されるなら、今後のシリーズを観るのが楽しみな作品になってます!! 80点 

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『フェイクシティ ある男のルール』ジェームズ・エルロイ原案

2009-06-20 08:55:38 | アクション
フェイクシティ ある男のルール
STREET KINGS(2008年アメリカ)
 監督 デビッド・エアー
 脚本 ジェイムズ・エルロイ
     カート・ウィマー
     ジェイミー・モス
 原案 ジェイムズ・エルロイ
 出演 キアヌ・リーブス、フォレスト・ウィッテカー、ヒュー・ローリー

 ■ストーリー■
 ロサンゼルス市警の一匹狼の刑事トム・ラドローは、上司ジャック・ワンダーの指示の元、法を逸脱した暴力的な捜査を行っていた。しかし、部署を異動させられたトムの元パートナー、ワシントンが、トムを内部調査課に密告しようとしていることを知るのだった。ワシントンに忠告しようと後をつけドラッグストアにやってきたとき、偶然、強盗が現れ銃撃戦が発生、ワシントンが殺されてしまうのだった。トムは、自分に疑惑が向かっていることを知るのだった。

 □■□ネタバレあり!!□■□
 ■感想■
 ノワール小説の巨匠ジェイムズ・エルロイが原案、脚本のクライムアクション。
 主演はキアヌ・リーブス、フォレスト・ウィッティカー。
 もうこのキャスティングだけで、誰が悪いか分かっちゃうような作品ですけど、でも、ジェームズ・エルロイの作品だから、最初から「どうせ悪いのは上司でしょ」って感じで観ちゃいますよね。
 
 キアヌ・リーブスが酒びたりな暴力刑事を演じていますけど、やっぱりそうは見えないのが今作の最大の難点かも??
 なんか汗もかかなそうな爽やかそうな顔してますもんね。ミニボトルのアルコールを飲んだくれる「酒びたり」な生活も似合わないし「暴力刑事」っていう設定も似合ってない!!
 そんな役が似合いそうなヴァル・キルマーじゃ、悪役よりも悪そうに見えちゃうしね。製作年度が1980年代だったらアーマンド・アサンテとかがキャスティングされたら良かったかも!!でも、それじゃ日本未公開になっちゃいますね。
 私生活もトラブル続きのチャーリー・シーンの方が良いかな??でも、日本劇場未公開になっちゃったりして・・・。まぁ、ジェームズ・エルロイ原作のカート・ラッセル主演の『ダーク・スティール』(02年)は日本劇場未公開でしたしね。

 ところで、このキアヌ・リーブスの主人公の行動基準の設定が弱い気が!!
 いくら暴力的な刑事といっても、しょせんは上司の命令で違法な捜査をしているんですもんね!一匹狼な刑事って設定なのに、
 上司の命令で動いているなんて、少し情けない気がしちゃいます
 
 クリント・イーストウッドがタイトルロールの刑事を演じた“ダーティ”ハリー・キャラハンだったら、上司の命令無視で暴力的な捜査をしまくりで、良く上司に怒られてましたもんね。
 『ダーティハリー4』(83年)では組織のボスを脅迫して、ショックで心臓麻痺を起こさせてボスを殺しちゃいましたもんね。上司から、「違う捜査班が、そのボスをずっと追っていたんだぞ!」って注意されたら
 「税金の無駄使いをしなくて済んだ」
 みたいな返事をしていましたもんね!!

 ハリー・キャラハン以外でも『真夜中の野獣刑事』(DVD題:『殺人鬼』)(83年)のチャールズ・ブロンソンとか『死刑は俺の手で』(78年)のジャック・パランスとか、昔は本当に暴力的で違法捜査のかたまりみたいな刑事が大勢いたのにね!!
 1970年代~1980年代は暴力的な刑事といえば、本当に暴力的だったのに、2008年はかなり良いコなんですね!!


 本当はキャスティング的には、キアヌ・リーブスよりもフォレスト・ウィッテカーの方が問題かも??出てきた瞬間に「黒幕度1000%」状態!!もう「俺が悪い奴のボスだぞ」っていうオーラ出しまくり!!日本の2時間サスペンスなみに安心して観られるキャスティングですけどね。


 でも、ジェームズ・エルロイが原案、脚本、デビッド・エアーが監督なんで雰囲気はノワール度も高く、見応え十分な作品なってます!!こういう警察物が好きな人は必見の作品です!! 75点


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ジェームズ・エルロイといえばやっぱり『LAコンフィデンシャル
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ブライアン・デ・パルマ監督もジェイムズ・エルロイ原作小説を映画化した『ブラック・ダリア
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カート・ラッセル主演の警察物『ダーク・スティール
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ハマープロ映画DVD化!

2009-06-17 07:57:36 | DVD新譜の記事
 2009年6月5日に、ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントさんから、新発売のときから1500円の廉価版で、イギリスはハマープロダクションの作品が3作品発売になりました!

 ラインナップも、初DVD化の『ジキル博士とハイド嬢』(71年)、『若妻恐怖の体験入学』(72年)、『王女テラの棺』(71年)の3作品です!

 『ジキル博士とハイド嬢』は、製作がアルバート・フェネル、ブライアン・クレメンス、脚本がブライアン・クレメンスというイギリスのTVシリーズ「特捜班CI☆5」でもお馴染みのスタッフが手がけたホラー映画です。監督はロイ・ウォード・ベイカー。
 ブライアン・クレメンスとアルバート・フェネルは1973年には、同じくハマープロダクションで大傑作ホラーアクション『吸血鬼ハンター』を作っています。『吸血鬼ハンター』は監督もブライアン・クレメンス!!

 
特捜班CI5 傑作選DVDーBOX

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 『若妻恐怖の体験入学』はかつてTVで観た記憶があるんですけど、ほとんど覚えていないので、観たらまた感想を記事にします!

 『王女テラの棺』はチャールトン・ヘストン、ステファニー・ジンバリスト主演で1980年に『ピラミッド』としてリメイクされたブラム・ストーカー原作のホラーです!
 『ピラミッド』も1980年の作品としてはけっこう面白かったですけど、ハマー版の方が断然面白いです!!(少なくともホラー映画ファンには)

 ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントさんもこの調子でどんどん1970年代のホラー映画、サスペンス映画をDVD化して下さい!!
 本当は、1970年代のイタリア映画の警察物やジャッロもDVD化して欲しいんですけどね。

ジキル博士とハイド嬢≪初DVD化≫【ユニバーサル・セレクション1500円キャンペーン/2009年第5弾:初回生産限定】

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ピラミッド』も日本語吹替えが付いていたら購入するのに!!
TV放映音源を付けて欲しかったです!
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『ブラック・ボックス記憶の罠』フレンチミステリー

2009-06-14 22:24:58 | ミステリー

ブラック・ボックス記憶の罠
LA BOITE NOIRE(2005年フランス)
 監督          リシャール・ベリ
 脚本          リシャール・ベリ
             エリック・アスス
 出演          ジョゼ・ガルシア
             マリオン・コティヤール
             ミシェル・デュショーソワ

 ■ストーリー■ 
 アルチュール・セリグマンはシェルブールで交通事故を起こし病院に担ぎ込まれるのだった。パリにいたはずのアルチュールは、なぜシェルブールで事故を起こしたのか記憶が無いのだった。退院したアルチュールは、入院中にうなされてつぶやいた言葉を看護師がノートに書き留めていてくれたので、そのノートを元に記憶を辿っていくのだった。


 ■感想■
 リシャール・ベリ脚本、監督のサスペンス映画です。
 リシャール・ベリと言えば傑作刑事アクション『愛しきは女 ラ・バランス』(1983年)を始めとして、『フレンチ・ポリス 殺しのムーブメント』(1985年)『エンジェル』(2001年)等で活躍する俳優ですけど、今作では出演は控えて、スタッフとして監督、脚本を担当しています!
 リシャール・ベリ出演作って、『愛しきは女 ラ・バランス』も『フレンチ・ポリス殺しのムーブメント』も未だDVD化されていないです!
 
 「なぜ??なぜ??こんな傑作が未DVD化のままなの??

 そういえば、同じくリシャール・ベリ出演、『フレンチ・ポリス 殺しのムーブメント』のミッシェル・ビアネイ監督の『切り裂きジャック・イン・パリ』(1981年)も未ソフト化のまま!観たい作品なんですけどね~!

 今作は、「主人公が実は死んでいた!!」とか「死ぬ前に見た夢だった」とかそういう禁断のオチ的な使い古されたオチの作品なのかな??と思っていたら、中盤から正統派のミステリーに変わっていくんで思わず驚いちゃいました!!

 でも、本当に中盤から、前半とまるっきり違う雰囲気の作品になるんで、その点でもビックリしちゃいます。
 
 それまでの入院中の主人公の夢のシーンは何だったの??って感じです。
 多少なりとも、ストーリーにつながりがあるので夢のシーンも無駄にはなっていないですけど、夢のシーンにそんなに時間を使わなくても良いのに!!って思っちゃいます!!

 最後の犯人の正体もあまりにも偶然すぎて、“観客置き去り状態”な感じも拭えないコトも無いですけど、それなりにはミステリーとして面白いのでミステリー映画ファンは必見です!! 70点

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『デス・スパイダー』イタリアンミステリー

2009-06-07 20:57:23 | イタリア映画/ミステリー・スリラー

デス・スパイダー
VISIONS(2009年イタリア)
 監督:ルイジ・セシネリ
 脚本:アンドレア・デル・モンタ 
 出演:スティーブン・マシューズ
    ヘンリー・ギャレット
    キャロライン・ケスラー

 
 ■ストーリー■
 
 トラップを仕掛けて、人質や救出者たちを殺していく連続殺人鬼スパイダーの罠にかかり、FBIの救出チームと人質が犠牲になってしまうのだった。
 警察に協力していた医者のリーマンは責任を感じて、協力を辞退、民間の治療施設の病院で働きだすのだった。
 そんなある日、交通事故にあって記憶を無くした青年マシューが、その施設にかつぎこまれてくるのだった。
 
 マシューは病院でニックという依存症の入院患者と知り合うのだった。ある日、ニックは病院の地下室でリーマン医師が保存してあったスパイダーの資料を見つけてくるのだった。
 一方、マシューは事故の影響で、記憶を無くす代わりに物に触れると、その物の過去が分かるという超能力を身につけていたのだった。スパイダー事件に興味を持った2人は、やはり事件を捜査する記者ホープとともに事件を追うのだった。

 
 ■感想■
 トラップを仕掛ける連続殺人鬼と、それを捜査する超能力者とその仲間たちを描いたイタリア製のミステリー映画。
 
 冒頭、連続殺人鬼スパイダーが仕掛けたトラップで、人質とFBIの救出チームが皆殺しになってしまい、その後リーマン医師が警察への協力を断るシーンがあるので、思わず、

 「スパイダーの正体はリーマン医師だ!!」って思っちゃいました。

 その後も、ニックやマシューがスパイダー事件に興味を持っているのに、肝心なリーマン医師が事件の捜査に関わろうとしていないので、中盤までず~っと、ず~っとリーマン医師を疑っていました。

 でも、基本的なストーリーは、天才連続殺人鬼を、FBIに協力していた医者とスパイダー事件の幻覚を見る超能力者の患者のチームが追い詰める作品だと思っていたのに、リーマン医師がクライマックスになるまで、捜査に全然乗り気じゃないんで、怪しすぎ!!

 それに、今作は登場人物が少なすぎでしょう!
 リーマン医師、女性記者ホープ、超能力者マシュー、依存症の患者ニックくらいが主だった登場人物で、残りはホープの上司とかFBIの刑事くらいしか出てきませんですからね。
 これじゃ、いくらなんでも登場人物が少なすぎ!!


 それも捜査する側ばかり描かれるので、話が単調に思えてきちゃいます。
 犯人側の殺人シーン(トラップを仕掛けるシーン)とかも描かれるとそれなりにメリハリがつくんでしょうけどね。
 
 「なんで、スパイダー側のシーンが描かれないの??」
 
 と思って観ていたら、最後にその理由が分かります!
 
 だったら、もう少しランニングタイムを短くしてテンポを良くしてくれたら、もっともっと面白く感じれたのに!!

 せっかくラストの展開で驚かせようとしたんでしょうけど、この登場人物の少なさじゃ、この中に犯人がいるのでは??と想像しちゃいます。
 でも、ラストはそれなりにヒネッてあって楽しめる作品なんで、ジャッロ映画が好きな映画ファンは楽しめるはず!!   

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