『ロスト・サン』
THE LOST SON(1999年イギリス)
監督 クリス・メンゲス
脚本 エリック・ルクレア
マーガレット・ルクレア
マーク・ミルズ
主演 ダニエル・オートゥイユ
ナスターシャ・キンスキー
カトリン・カートリッジ
シアラン・ハインズ
マリアンヌ・デニコート
■ストーリー■
ロンドンの私立探偵ロンバードは、警察時代からの友人カルロスから義理の弟レオンの行方が分からないので探して欲しいとの依頼を受けるのだった。レオンはヤク中で、姉から1000ポンドの金を借りて行方不明になっているので、大したコトではないと思って捜査を始めるが、やがて少年買売事件に行き当たるのだった。
■感想■
フランス人の私立探偵がロンドンで少年売買組織を捜査することを描くドラマ。
行方不明のヤク中を探す簡単な仕事と思い引き受けた主人公ですが、早々と、怪しい奴らが現れて、危ない依頼になっちゃいます。
ランニングタイムも102分と、ちょうど良い長さなので、けっこうテンポ良く進んでいきます。
ストーリー的には本筋と関係ないような、主人公の浮気調査の様子とかも描いて、主人公がどういう仕事ぶりの私立探偵か分かるようなシーンまで入れて、テンポ良く102分ですからね。
『探偵マイク・ハマー俺が掟だ!』(1982年)のアーマンド・アサンテの浮気調査の仕事ぶりよりかは、マシですけど、今作の主人公の浮気調査ぶりもかなりヒドイですね。
けっこう金目当てで、浮気調査の仕事も適当な感じでやっている主人公ですが、少年少女売買の組織の存在を知るや、突然、マイク・ハマーのようになってしまいます!
隠していた拳銃を取り出し、フランス時代からの友人の娼婦ナタリーの協力を得て、組織と接触、組織の奴らを尋問(←拷問??)し、ボスのオーストリア人を探すためにやりたい放題の暴れっぷり!
ロンドンを離れ、メキシコに行ってまで、組織の奴らを殺しまくり!自分が住んでいる国でもやばいのに、海外に行ってまで殺すってどういうこと!
それも、捕らえられていた少年少女がいたので、目撃者多数!
スティーヴン・セガールの映画でも、観ているかのような感じになっちゃいます!
「法律はどうした??法律は??」
って思わず突っ込んじゃいました!
でも、全体的なノリは、ストーリーも、テーマも、雰囲気も、イギリス映画チックで、すべて地味地味で暗い!!
主人公は警察時代に、正当防衛で犯人を殺していたり、妻子を爆弾で失っていたり、キャラクターの設定も暗いです!
誰を対象にしている作品なんでしょうか??
重たいテーマなのに、主人公は、なぜかB級アクション映画のように「歩く治外法権」状態!スティーヴン・セガールが大人しくなったようなキャラクター?
最初の依頼の行方不明の弟は死んでいるのに、殺されるシーンや死体は出てこずじまい。
暗い犯罪物が好きな人には良いですけど、アクション映画ファンにはオススメ出来ない感じです!なのに、主人公は法律無視でやりたい放題! 50点