(2005年日本)
監督 下山 天
脚本 平田 研也
原作 山田 風太郎(「甲賀忍法帖)
出演 オダギリ・ジョー、仲間 由紀恵、椎名 桔平、黒谷 友香、沢尻 エリカ、寺田 稔 、坂口 拓、升 毅
■ストーリー■
1614年、徳川の世は太平の時代に向かっていた。先代、服部半蔵が定めた掟により争うことを禁じられた伊賀と甲賀の忍者たち。中でも特殊な能力を持つ甲賀卍谷と伊賀鍔隠れの忍者たちの存在に恐れをなした天海僧正は、それぞれの里から代表5名づつを戦わせ、勝った方により、次期将軍を決めることにするのだった。徳川の陰謀の中、甲賀と伊賀の忍者たちは戦うことになるのだが、ところが、それぞれの代表の甲賀の弦之介と伊賀の朧はお互いの身分を知らずに知り合い恋に落ちた仲だった!!
□■□超ネタバレあり!未見の人は読まないように□■□
■感想■
2005年9月に公開された日本映画の時代劇アクション映画です。
原作は山田風太郎の「甲賀忍法帖」。
主演の2人に、人気俳優の仲間由紀恵とオダギリ・ジョー。
ハッキリ言って何の期待もしていなかったせいか、超超超面白かったです!!
というより、期待して観ても、十分面白いですヨ!これはッ!!!もちろん“日本映画としては”っていう条件つきですけど。
ラストの仲間由紀恵が駿府城に着いてからの展開が“超アマアマ”なのがタマにキズですけど、それ以外の部分は申し分ない面白さですネ!
徳川家康があんなに聞き分けの良いオヤジには思えない!!だって、フィクションのエンタメ映画の中での家康のキャラクターって、“かなり性格の悪いおじいちゃん”の場合が多いでしょ!織田信長といい、家康といい、時代劇ではたいがいが主人公の敵ですもんネ。
フィクションのエンタメ系の映画の中の徳川家康のキャラクターって『柳生一族の陰謀』(78年)のときの萬屋錦之介が演じた柳生但馬守宗徳みたいなキャラクターの印象なんですよね!
まぁ、でも、あのラストの展開は、大多数の観客をターゲットにしたメジャー作品なんでしょうがないんですかネ!!
ヘドが出るくらい超あまあま!!
でも、自分的には、あそこはヤッパリ、仲間由紀恵が、駿府城で、家康を殺そうとして城内で大暴れして、血まみれの殺陣を見せてもらいたかった!!!
でも、仲間由紀恵も殺されて、甲賀卍谷、伊賀鍔隠れの里も全滅!!死屍累々っていうのがセオリー通りのストーリーでしょう。
でも、まぁまぁ、そうでなくてもこのストーリーでも良かったです!!俳優さんもみんな良かったし!!あれ、今回ほめ過ぎかな??
気になったのは、主題歌くらいですか??ストーリーが終わって余韻に浸ろうと思ったら、突然流れてきたんで…。自分的には、あの音楽自体が現代的すぎてイメージに合ってない気が…。
映画に没頭していたのに、突然、現実に戻されたような違和感バリバリ状態でした!
でも、甲賀卍谷と伊賀鍔隠れの忍者たちって、1人で侍50人分くらい強いのに、やはり大砲や鉄砲のような近代兵器には勝てないのネ!!じゃ、家康も恐れることないような気もするんだけど…。
だって、太平の世に向かうとか言っても、まだまだ徳川家に逆らう大名とか多そうだし、必要でしょ、あの忍者たちの力が!!
大体、悪いのは、恐ろしい力を持った忍者たちをたばねる力不足の現役の服部半蔵じゃないですか!!
それにしても、今作の忍者たちの忍術合戦はけっこう頑張ってると思います!日本映画でこれだけ出来れば大満足!!!というか世界にも通用します!!!モチロン、こういう映画ファンにですけど。
でも、自分的には忍術合戦をモット、モット、モット、モット、モット観たかったです!!!せっかく、果し合いの人数を「5人VS5人」にしたんだから、1つ1つの戦いをじっくり描いて欲しかった!!
今作のように、どんどん忍者たちを退場させるんなら「10人VS10人」でも良かったのに!!
沢尻エリカや升毅の退場の仕方なんて、あまりにもあっさりしすぎですヨ
甲賀の毒忍者の陽炎を演じた黒谷友香も超キレイで良かったです!!!
『魔界転生』(03年)のときより1000倍良いです!!
作品自体だって『魔界転生』(03年)より1億倍面白いですけどね!!!!!
椎名桔平演じる不死身の忍者、薬師寺天膳とかも良かったです。椎名桔平が演じてるんで、なんか裏があるんじゃないの??とか思ってましたけど、ただの死にたがっている忍者でした。やっぱり不死身だと死にたくなるんでしょうネ。エンターテイメント映画だと不死身だと死にたくなるのが普通ですもんネ!
でも、「不死身だと死にたい」と思う!とかって、普通の映画ファンには、ちょっと説明不足じゃないですかネ。
こういうエンターテイメント(不死身の人間が出てくるような)作品では常識でも、普通の映画ファンには、理解されにくいはず!もうちょっとキャラクターを描いて欲しかったです。
でも、どうせなら映画全体も、もっと普通の仲間由紀恵とオダギリジョー目的に映画を観に来た観客が引くくらいマニアックに血しぶきドッピャー!とかやって欲しかったです。劇場公開がムリなら、DVDで出すときに「アンレイテッド血しぶきバージョン」とか言って発売してほしかったです
ホントに今作の忍者同士の戦いのシーンは、面白いです!!はっきり言って香港映画なみに頑張ってます!!アメリカやヨーロッパのこういう“ジャンル映画”のファンには評判を呼びそうな作品になってますヨ!!
もし、出来たらDVDは、アクションシーンのロングバージョンとかで発売して欲しかったくらいです!!坂口拓演じる夜叉丸とか、すぐ退場させるには、ホントに惜しいキャラクターでした!!
忍術も、もうちょっと現実離れした、ぶっ飛びアクションとか観たかったですけど、一般の観客を考えたら、このレベルが限界ですかネ??
あと、血のり、血しぶきも少なすぎ!!升毅がクビを斬られて、その向こう側に仲間由紀恵が立っているシーンなんですけど、あそこは、升毅の首なしの体から、若山富三郎版の『子連れ狼』シリーズみたいに、血のシャワーが3000リットルくらいシューシューシューシューシュー噴水状態になって、赤いシャワー越しに仲間由紀恵の顔が観たかったです!!
そういうヴィジュアルシーンがいくつかあるだけで、こういう作品のファンは喜ぶのにッ!!
ホントに今作はすごく頑張ってると思います!『魔界転生』(03年)とかと比べたらガンバリ度もわかるってもんです!!
もっと、ノーテンキな映画を想像していたんで、クライマックスから最後の方の展開にはビックリでした!それだけに、あのラストのアマアマ展開には、超残念でならないです!!
やはり、あそこは甲賀卍谷と伊賀鍔隠れの忍者たちが幕府軍と戦って、血まみれの戦いのシーンを挿入して欲しかったです。甲賀、伊賀の忍者軍、幕府軍、両軍とも死にまくりの死屍累々シーン!!!
そして、駿府では、仲間由紀恵が大暴れで、侍相手に超殺しまくり!で服部半蔵も天海僧正も殺されちゃう!っていうのが良かったなぁ。
だってそうした方が海外にも絶対受けるだろうし、10年後、20年後も、ジャンル映画ファンから語られる作品になれたのに!!!惜しいッ!!!80点
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