『サラウンデッド』
SUROUNDED(2023年アメリカ)
監督:アンソニー・マンドラー
脚本:ジャスティン・トーマス
アンドリュー・
出演:レティティア・ライト
ジェイミー・ベル
マイケル・K・ウィリアムズ
ジェフリー・ドノヴァン
ケヴィン・ウィギンズ
■ストーリー■
金鉱の権利を持った凄腕の元兵士モー・ワシントンは駅馬車で町を移動することになるが、駅馬車強盗団に襲われてしまうのだった。駅馬車は止められ乗客たちは降ろされるのだが、降りようとしない客とのもめごとで馬車が暴走してしまうのだった。モーはとっさに馬車に飛び乗るが暴走は止められずモーは飛び降り馬車は崖下に、、。
御者や乗客の反撃で強盗団は追いつめられ、強盗団のボス、トミー・ウォルシュは生け捕りにされるのだった。モーは、トミーを見張っているよう指示され、残った者たちが町へ保安官たちを呼びに行くことになるのだった。賞金首のトミーを狙って賞金稼ぎや、トミーの仲間たちがモーを狙ってくるのだった、、。
■感想■
Amazonプライムで配信されていた(過去形ですいません、、)西部劇。
レンタルビデオ(DVD)屋で借りていたときは、店内をぐるーーっと2周くらいして新作、準新作をチェックすれば、どんな作品が置いてあるのか(リリースされているのか)わかったんですが、配信は全然チェックできていない、、。
ルーズな性格なんで、配信まではこまめにチェックできない、、。
配信どころか、レンタル屋にも行けてないんですが、、。
先月、なんとなく観ていたら配信終了間際の作品で今作を発見、ぎりぎり観るコトができました、、。
いつ頃から配信されていた作品なのか分からないですけど、配信のみの作品って、配信終了されちゃうと観れなくなってしまうのが残念、、。
レンタルされていれば、借りにいけば良いんですが、、。
西部劇としては、荒野(と言っても町から近い、、多分)の真ん中で大きな木に縛りつけられた犯罪者と主人公を描いたこじんまりとした設定の作品でした、、。
けっこう低予算かも??
金鉱の権利書がダメになるものの、強盗団のボスが隠している大金があるという設定でラストまでの展開が読めてしまうんですが、、安心できます、、。
まさに想像通りの展開!!(ほめてます)
アクション中心の西部劇に、人種差別問題や性別差別(南北戦争後の、、)を絡ませてます。この時代、本当はもっと差別あったのでは??とか思っちゃいますがどうだったんでしょう??
主人公がマカロニ(スパゲティ)ウエスタンの主人公のように強いので、超安心モードでした。
賞金稼ぎ相手にちょっとだけ苦戦しますが、、。
今作の賞金稼ぎって、関係ない人間でも犠牲にしちゃうような非道な人間でした、、。縛り首では??主人公にだけ法律が適用されちゃうってどういうコト??
アクション映画には良くあることですが、、。
主人公強い度 ★★★★
低予算かも度 ★★★
想像通り度 ★★★★★
『スロウ・ウェスト』
SLOW WEST(2015年イギリス、ニュージーランド)
監督:ジョン・マクリーン
脚本:ジョン・マクリーン
出演:マイケル・ファスビンダー
コディ・スミット=マクフィー
ベン・メンデルゾーン
カレン・ピストリアス
エドウィン・ライト
■ストーリー■
1870年、スコットランドの貴族16歳のジェイ・キャヴェンディッシュはローズ・ロスを追ってアメリカ、コロラド準州へやってくる。ジェイは西部の歩き方というガイド本を持ってやってきていた。森の中で軍人くずれに襲われるが、賞金稼ぎのサイラスに助けられる。
ジェイは、サイラスを用心棒としてローズを探索する旅を続けるが、サイラスはローズと彼女の父親の2人が2,000ドルの賞金首になっていることを知るのだった。
■感想■
製作費200万ドルで製作されたイギリス、ニュージーランドのウエスタン。
ビデオリリースされたとき、ウエスタン映画ファンに少し話題になりました。
アメリカやイタリアでなく、ニュージーランドのウエスタンです。
主人公は、思い人を追ってきた青年と、彼に雇われた賞金稼ぎの2人。
ランニングタイム83分ということもあり、アッと言う間に終わっちゃいます、、、。
短い、短すぎ、、。
あと30分くらい長くても良かったのに、、。
いくらなんでも、83分は短すぎ!!
この”もう少し長くても良いのに!”と思わせるぐらいなのが多くの映画ファンには良いのかもしれないですが、自分はあと20分、30分長い方が良かったです!!
今作は色んな映画祭で賞を受賞、ノミネートされてます。
いくつかあげると、、
【英国インデペンデントフィルム・アワード】2015年 ダグラス・ヒコックス・アワード ノミネート
【シッチェス・カタロニア国際映画祭】2015年 オフィシャル・ファンタスティック監督賞 受賞 受賞
【ヨーロピアン・フィルム・アワード】2015年 ヨーロピアンディスカバリー ノミネート
【ヘント国際フィルム・フェスティバル】2015年 作品賞 ノミネート
【ロンドン批評家協会フィルム・アワード】2016年 イギリス、アイルランド映画製作賞 受賞
【ミュンヘン・フィルム・フェスティバル】2015年 作品賞 ノミネート
【アメリカ・西部劇作賞】2016年 西部劇スクリプト(フィクション) 受賞
【ニュージーランド映画&TVアワード】2017年 監督賞 受賞
等々、、。
その他にもいろいろノミネート、受賞しています。
DVDのパッケージから見ると、てっきりアクション活劇??と思っちゃいますけど、、最後にちょこっと銃撃戦があるだけで、基本はのんびり旅をしている姿が描かれます。
でも、まるで無法地帯のごとく、人が死にまくりです!!
「賞金稼ぎが活躍する時代でなくなった」みたいなコト言ってますけど、全然そんな風には見えません、、。
この無法地帯っぷりは、マカロニ(スパゲティ)ウエスタン時代そのまんまですけど、、、。
ジェイが賞金稼ぎのサイラスから西部での生き方を学んでいくのかと思いきや、生き方や考えが変わるわけでなく、最後はサイラスがジェイから生き方を学ぶみたいな終わり方、、。
これも、今までのウエスタンと違って、少し変わってて良いです。
サイラスも特に早撃ちというわけでないのもリアルで良いです。
リアルすぎて、最後、撃たれて倒れちゃっています、、。
でも、名無しや、ジャンゴが活躍する時代じゃないですもんねー。
もう少し長い方が良かった度 ★★★★
人が死にまくる度 ★★★★★
主人公が全然活躍しない度 ★★★
ウエスタン映画ファン必見の1本かも。
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『エル・コンドル』
EL CONDOR(1970年アメリカ)
監督 ジョン・ギラーミン
脚本 ラリー・コーエン
スティーヴン・カラバトソス(スティーヴン・W・カラバトソス)
原案 スティーヴン・カラバトソス(スティーヴン・W・カラバトソス)
出演 ジム・ブラウン
リー・ヴァン・クリーフ
パトリック・オニール
エリシャ・クック・Jr
マリンアンナ・ヒル
■ストーリー■
列車をひっくり返した罪で囚われていたルークは、列車を爆破することを恩赦の条件として提示されるが、それを断り、足錠を外して脱獄する。ルークの目的はエル・コンドル砦に隠された1億ドルの金塊だった。ルークは早速、先住民のアパッチ族と交流がある砂金堀りのジャルーを仲間に入れる。アパッチ族を使って砦を攻略しようというのだった。
■感想■
1970年に製作された西部劇。
マカロニウエスタンのブームの中、アメリカで作られた西部劇。
出演は、ジム・ブラウン、リー・ヴァン・クリーフ。
アメリカの西部劇もマカロニウエスタンの影響を受けずには作ることが出来ず、リー・ヴァン・クリーフも出演していることもあって、派手な爆破シーンや大量のエキストラが無ければどこの国の西部劇かわからない印象です。
でも、音楽!音楽!音楽!
音楽がアメリカ西部劇!!
アメリカのメジャー作品だから予算があったんだろうから、エンニオ・モリコーネやフランチェスコ・デ・マージとかに頼めば、点数10点アップだったのに…。
でも、やはり、主人公を演じるているのがジム・ブラウンだし、ノーテンキな音楽でいかにもアメリカ製の映画ってわかっちゃうんですけどね。
音楽がカッコ良いマカロニ調で、アパッチ族でなくメキシコ人が出てきたらまるっきり違う作品になったでしょうね。
主要キャラクターのリー・ヴァン・クリーフが、コメディ調なキャラクターで、普通は最後まで生き残る設定なのに、なぜか主人公との対決シーンがクライマックスに用意されています。必要ないでしょ!!この必要のなさがマカロニウエスタンみたいです。
ストーリー的にも、難攻不落の砦があっさり攻め入れられちゃったり、へたなマカロニウエスタンよりおかしな展開。
本来悪党でないチャベス将軍が殺されたり、最後のジム・ブラウンとの対決シーンのための伏線でしょうけど、映画的に悪人にするために、リー・ヴァン・クリーフがアパッチ族のサンタナを殺したり後味悪い…。
いきあたりバッタリ的なところは少しブーム後期のマカロニ的かも?? 40点
『大列車強盗』
THE TRAIN ROBBERS(1972年アメリカ)
監督 バート・ケネディ
脚本 バート・ケネディ
出演 ジョン・ウェイン
アン=マーグレット
ロッド・テイラー
ベン・ジョンソン
クリストファー・ジョージ
リカルド・モンタルバン
■ストーリー■
列車強盗の夫が奪った50万ドルの金を返したいという未亡人ローの依頼を受けたレインたちは、隠された金を探しに出発する。しかし、未亡人ローの夫の仲間たちも隠された金を狙っているのだった…。
■感想■
ジョン・ウェイン主演、バート・ケネディ監督&脚本のコミカル調ウエスタン。
2015年12月20日(日)BSフジで日本語吹替えで13:00~14:55の枠で放送されるようです!!
今から30年くらい前(1980年~90年代)には、これでもかというくらいに、地上波の映画枠で、夕方やら深夜に放送していた作品ですが、ここしばらくは日本語吹替え版では放送していなかった『大列車強盗』(1972年)が放送される予定です!!
日本語吹替えにこだわらなければ、DVDやBlu-Rayで発売されている作品ですが、日本語吹替えでの放送は久々なので吹替えの西部劇ファンは必見!!
と、思って放送時間にチャンネルを合わせると、なんと字幕版での放送でした!!
ソフト版を字幕のまま放送するなんて、超安易!!
すごく楽しみにしていたので、超~ショック!!(2015年12月20日追記)
実は、今作、作品として、けっこう好きなんですよね!!
今まで観た西部劇のベスト30に入るくらい好きな作品です!!
好きな西部劇の上位には、どうしてもマカロニウエスタンの『荒野の用心棒』『続荒野の用心棒』『殺しが静かにやって来る』『夕陽のガンマン』『ウエスタン』『群盗荒野を裂く』『傷だらけの用心棒』『ミスターノーボディ』『怒りの荒野』『さすらいのガンマン』『ガンマン大連合』等々等々…、ヨーロッパのウエスタンが来てしまいますが、その次の次の次の次の次くらいには好きな作品です!!
分かりやすく表現すると『帰ってきたさすらいのガンマン ケオマ』(DVD題:『ケオマ・ザ・リベンジャー』)(1977年)より好きかも??
アメリカ製の西部劇では『ワイルドバンチ』(1969年)『リオブラボー』(1959年)『大いなる決闘』(1976年)くらいに好きな作品です!!
コミカル調な感じで進んでいきますが、実は銃撃戦等で人が死にまくり!!けっこう殺伐とした作品です!!最後もけっこう好きな展開です!!
1972年の作品でジョン・ウェイン主演の作品なんて、古すぎて観る気がおきないなんて言わずに、アクション映画ファンに観て欲しいです!! 80点
TV吹替音声つきでソフト化して下さい!!
『グローリー・エンジェルス 女たちの聖戦』
THE HOODED ANGELS(2002年イギリス)
監督 ポール・マシューズ
脚本 ポール・マシューズ
出演 シャンテル・スタンダー
アマンダ・ドノホー
ポール・ヨハンソン
スティーヴン・バウワー
ゲイリー・ビューシィ
■ストーリー■
南北戦争、暴徒化した民兵によりシルバークリークでは多くの市民が襲われ、ハンナたち若い女性たちは家族を失ったり、乱暴されたりした。翌日、ハンナは乱暴した男たちを拳銃で撃ち殺すのだった。そして、銃声を聞きつけ駆けつけた将軍も勢いで殺すのだった。
3年後、ハンナ、未亡人、エリー、ジェーンと仲間たちは強盗団と化し民警団を殺しまくり、銀行を襲っていた。一方、父親である将軍をハンナに殺されたウェスは復讐のため犯人を追っていた。銀行が襲われたツインフォークスで父親の勲章を発見したウェスは、強盗団が仇であることを知るのだった。ウェスとその仲間たちは、強盗に襲われそうな町へとやって来るのだった。
■感想■
2002年のイギリス製の西部劇。
2002年に西部劇!
それもイギリス映画!
なぜ、今、西部劇なんでしょう??しかもイギリス製の西部劇!
本場アメリカで製作されるTVムービーの方がよっぽど西部劇っぽいでしょう!
それでも、冒頭のシルバークリークの町での戦闘シーンは迫力あるシーンになっています!
多くのエキストラや、登場人物が馬に乗るシーンの数々が出てきて、西部劇はお金がかかるなって思っちゃいます。製作費も冒頭のシーンで使ってしまったのか、あとのシーンは地味なシーンが続きます。
マカロニウエスタンや西部劇が、たくさん製作された1960~1970年代ならこんな作品が製作されたとしても理解できますが、今どき、なんでわざわざ西部劇を作っちゃったんでしょうねぇ??
監督&脚本&製作のポール・マシューズはどうしても西部劇が撮りたかったんでしょうねぇ。
ヒロインも感情移入しにくい設定だと思って観ていくと、実はどちらかと言うと、ストーリー的には主人公は彼女たちを追う側の若者たちだったんですね。
ヒロインたちは、強盗団となって、殺しまくり状態ですからね。
強盗団でも魅力的に描かれていれば良いんですけど、本当にただ単に強盗団なんで魅力を感じなかったです!
でも、不必要な脱ぎシーンやところどころに銃撃シーンがあったりして、飽きさせないようにはなっているんですけどね。
まぁ、でもこんなマイナーなイギリス製のウエスタンをリリースしてくれて喜ばなきゃいけないですよね!!
B級でもC級でも西部劇なら、何でも観るっていう西部劇ファンは必見。 50点
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『ジャンゴ 繋がれざる者』
DJANGO UNCHAINED(2012年アメリカ)
監督 クエンティン・タランティーノ
脚本 クエンティン・タランティーノ
出演 ジェイミー・フォックス
クリストフ・ヴァルツ
レオナルド・ディカプリオ
ケリー・ワシントン
サミュエル・L・ジャクソン
ドン・ジョンソン
ジェームズ・レマー
フランコ・ネロ
■ストーリー■
南北戦争が起こる数年前、ドイツ人の歯医者で賞金稼ぎのキング・シュルツは、顔の分からない賞金首の3人を知る奴隷、ジャンゴを買い取り、一緒に追跡の旅をするのだった。ジャンゴはある農園で、3人を発見、彼らに恨みを持つジャンゴはその場で、2人を殺すのだった。キング・シュルツにより、3人目も射殺、目的は達せられるのだった。
ジャンゴと、キング・シュルツは、ジャンゴの生き別れた妻ブルームヒルダを探すことにするが、その前に、ジャンゴの射撃の腕を見込んだキング・シュルツは彼に銃の扱いを教え、冬の間、賞金稼ぎとして一緒に過ごすのだった。
■感想■
クエンティン・タランティーノ監督がマカロニウエスタンへのオマージュたっぷりに撮った西部劇。
『続・荒野の用心棒』(1966年)でジャンゴを演じたフランコ・ネロが出演したり、同作のテーマ曲を流すなど、マカロニウエスタンに愛情たっぷりに描いています。
ランニングタイム165分とちょっと長めの作品ですが、一切だれることなく楽しく観れる作品になっています!少なくとも西部劇ファンにとってはですが・・・。
マカロニウエスタンが好きで撮った今作ですが、クエンティン・タランティーノ監督は、やっぱりアメリカ人なんでしょうね。マカロニの要素をちりばめつつも、しっかりアメリカっぽい西部劇になています。
『荒野の用心棒』の爆発的大ヒットによる、その後のマカロニウエスタンの大ブームが起きて、ハリウッドもマカロニウエスタンの影響を受けざるを得なくなったあとのアメリカの西部劇よりも、ちょっとイタリアよりって感じでしょうか??
アメリカ人が観ると悪党に感じるであろうレオナルド・ディカプリオ演じる農場主ですが、マカロニウエスタンだったら、もっとひどいヤツが大勢いますもんね。
レオナルド・ディカプリオもサミュエル・L・ジャクソンも、もっともっと残虐で極悪な悪党に描いて欲しかったですね。
前半の賞金首3人との対決とかも、すごくあっさりしていて、「えっ、これで終わり??」って感じだったので、少し肩すかしをくらった感じでした。何かムチ使いもいるのに、もったいないと思っちゃいました。
今作では、主人公のジャンゴも敵に捕まり、リンチも受けますが、リンチもかなりあっさり気味!自分的には、もっとネチネチしたリンチシーンがあっても良かったかも??
自分的には、キング・シュルツとジャンゴが強すぎで、盛り上がりに欠ける感じを受けちゃいました!主人公たちよりも強そうなライバルが最後まで登場しないのも、残念な感じでした!
『夕陽のガンマン』(1965年)のジャン・マリア・ヴォロンテみたいに、主人公たちよりも、弱そうでも存在感たっぷりなキャラクターを出して欲しかったです。
『荒野の用心棒』のジャン・マリア・ヴォロンテ
『殺しが静かにやって来る』(1968年)のクラウス・キンスキー
『真昼の用心棒』(1966年)のスコットジュニア(←役名です。演じていたのはニーノ・カステルヌオーヴォ)
『さすらいのガンマン』(1966年)のアルド・サンブレル
やっぱり、ライバルになるキャラクターがいると映画が盛り上がりますもんね。
ところで、キング・シュルツも最後、辛抱が足らないですよね!そのシーンまでは、完璧だったのに、あそこで暴れちゃダメって感じです。まぁ、ああしないと映画が進んでいかないから、しょうが無いんでしょうけどね。
キング・シュルツが最後の方で悪いヤツに変わって、ジャンゴと師弟対決するなんていうメチャクチャな展開も『怒りの荒野』(1967年)みたいで、マカロニウエスタン的には、ありだとは思いますけど、キング・シュルツが悪いヤツになるのは、常識的には、どう考えても不自然ですもんね。
どうせなら、キング・シュルツがジャンゴにガンマンになるための10か条とか教えるシーンとかあったら、もっともっと盛り上がったかも??
今作の影響で、未ソフト化のマカロニウエスタンが、もっともっとソフト化されるとうれしいんですけどね。 75点
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ACES・N・EIGHTS(2008年アメリカ)
監督 クレイグ・R・バクスリー
脚本 デニス・シュリャック
ロナルド・M・コーエン
出演 キャスパー・ヴァン・ディーン、ブルース・ボクスライトナー、ジェフ・コバー、ウィリアム・アサートン、アーネスト・ボーグナイン
■ストーリー■
強盗団の1人ルークはテイトをリーダーとする強盗団の情け容赦の無いやり方にイヤ気がさし強盗団から足を洗うのだった。
時が移り、鉄道の建設予定地の買収にからみ、町の実力者ハワードは、テイトのグループを使い、土地を売ろうとしない住民たちを先住民の仕業に見せかけ殺しまくっていた。一方ルークは鉄道建設予定地で土地を売ろうとしない牧場主プレスコットの下で生活していた。そんな時、シカゴから鉄道建設の調査のためジェス・ライリーという調査官がやってくるのだった。
■感想■
キャスパー・ヴァン・ディーン主演のウエスタン。
どうやらアメリカのTVムービーっぽいですね。
アメリカでは今でも、こうして西部劇が作られているんですね。
日本では時代劇とか刑事物なんてほとんど作られていないのに…。
あ、ここでいう時代劇とか刑事物っていうのは1980年代チックなハードな今のTVコード“ギリギリアウト”な感じな作品のコトです。いや、間違えました!“ギリギリ”どころか“絶対アウト”な感じな作品のコトです!!
犯人は残虐!殺しのシーンは血まみれ!最後、犯人は射殺みたいな!!
ところで今作『決断の45口径』は、日本よりも規制の厳しいアメリカのTV作品のせいか、ユルユルの展開の作品になってます。
あとは、主人公たちのキャラクターが魅力がうすいです。
まず主人公が全然魅力的でない!強盗団を止める理由は分からないでもないですけど、その後牧場で働きだしてからは丸腰で戦おうとしないのは分かりますけど、結局戦うはめに…。
映画だから、結局拳銃を手にするのはしょうがないんですけど、観てる方としては
「だったら、もっと早く銃をとれ!!」って思わず突っ込んじゃいます!!
次に、主人公に協力することになるクラッカー。
最初、主人公と敵対することになる最後の敵なんだろうなぁ。と思って観ていると、いつのまにか主人公側に!!
「えーっ!なんで」
すごく凶暴そうにみえて、実は普通のガンマン!!
「えーっ!あんなに凶暴そうだったのに…」
次に、悪役のテイト。強盗団のボスなのに全然強くない!なのに、なぜか最後の対決まで生き残る!!
「えーっ!なんで??」
酒場の銃撃戦のときに殺しておかないから面倒なコトになっちゃうんですよね!!
次にテイトを住民立ち退きに使っている黒幕のウィリアム・アサートン。
あれ、この人、どうなったの??多分裁判にかけられるんでしょうけど、説明、一切なしのラスト。1番の悪党なのにイスに座っているシーンしかなくて、最後もヌクヌクと生き残るわけでもなく、主人公に撃ち殺されるわけでもなく、ただ、捕まるんだろうなぁ。って想像させるだけ!!
エンターテイメント映画としておかしいでしょ、このウィリアム・アサートンの扱い!!
まぁ、主人公たちが悪党たちと銃撃戦をやっているところに、ノコノコ歩いてやってくる若い牧童がいますけど、それが原因で主人公たちが殺されちゃうのも、西部劇としてありえない展開!!
普通、あそこは見殺しでしょう!!助けにいって自分たちが敵に撃たれるなんて展開は1950年代の作品なの??って感じです。
観ててイライラ!!
西部劇を作るなら、もっともっと昔のマカロニウエスタンとかを勉強してから作って欲しいです。
監督はどちらかというとアクション作品が得意なはずのクレイグ・R・バクスリーなんですけどね。まぁ、TV作品ばかりですけどね。
ゾンビ映画だったら、どんなにつまらなくてもガマンできますけど、西部劇でつまらない作品を見せられると悲しい気持ちに…・せっかくリリースしてくれたのに、このデキだとマニアックな西部劇映画ファンしか喜ばないですよね。アメリカのTV作品でなく、イタリアやフランス、スペインの西部劇をリリースして下さい!!40点
DJANGO(1966年イタリア、スペイン)
監督 セルジオ・コルブッチ
脚本 セルジオ・コルブッチ、ブルーノ・コルブッチ、ホセ・グティエレス・マエッソ、フランコ・ロセッティ、ピエロ・ヴィヴァレッリ
出演 フランコ・ネロ、ロレダナ・ヌシアク、ホセ・ボダロ、エドゥアルド・ファヤルド
■ストーリー■
メキシコとの国境の寂れた町に棺桶を引きずったガンマン、ジャンゴがやってくる。殺されようとしていた娼婦マリアを助けたジャンゴは、町でメキシコ人とジャクソン少佐率いる南軍の残党が争っていることを知るのだった。
■感想■
マカロニウエスタンの最高傑作の1本『続荒野の用心棒』のDVDが、SPOさんから3月24日にスペシャル・エディションとして発売されました!
ネットで注文していたので、先週日曜に届きました!
「うれしーッ!」
前の記事でも書きましたけど、2001年にバンダイビジュアルさんから発売されていたDVDに付いていなかった日本語吹替え音声が付いてます!
やっぱり、エンターテイメント映画は日本語吹替えでないとね!TVで放映した吹替え音源を使用してます。最近ではTV東京の深夜に放送されました!(“最近”って言っても、10年以上前かも)。
ちなみに今回のDVDに使われた吹替え音源のキャスティングは
ジャンゴ :フランコ・ネロ(小林清志)
マリア :ロレダナ・ヌシアク(来宮良子)
ウーゴ :ホセ・ボダロ(穂積隆信)
ジャクソン:エドゥアルド・ファヤルド(大平透)のバージョンです。
とにかく、今作はマカロニウエスタンを代表するような作品だけあって、もう一言で感想を言えます!
「面白い!面白い!面白すぎ!超面白すぎ!超々面白すぎ!」(あれ、一言になってなかった!!)
何回観ても面白い映画ってありますけど、今作が、そうです!本当に面白い!TVの映画劇場で何回か観てるのに、また観ちゃいました!なんで、今まで、この傑作が日本語吹替え付きでDVD化されなかったのか不思議なくらい!
ランニングタイム93分、ムダがまるっきり無いです!オープニングの主題歌が流れるところから、もう画面にクギづけ!そのあとは93分間、ずっと画面から目が離せません!まぁ、そうは言っても、ビデオでも観てるから、もう覚えてるんですけどね!
この作品については、もう書くことなんて無いです!西部劇ファンで、今作を観てない人なんて、ほとんどいないでしょう!
大体、この作品って、西部劇なのに、多分、100人くらい人が死んでますよ!100人ですよ!100人!マカロニウエスタンがブームになる前のアメリカの西部劇では考えられないです!っていうより、マカロニウエスタンでも突出した死者の数かも!
でも西部劇の魅力って、やっぱりガンファイトとリンチシーンですもんね!(あれ、リンチシーンはマカロニだけ??)
でも、今作や『夕陽のガンマン』みたいな超傑作を出すまでも無く、西部劇っていえばマカロニウエスタンですよね!(な~んてコト言ってるだけで年齢がバレバレですね!)
マカロニウエスタンの世界中の大ヒットによって、本国アメリカでの西部劇も、アクションシーンやリンチシーンが過激になったり、ノーテンキにガンファイトを描くような作品が増えたのもうなずけます!
クリント・イーストウッドがアメリカ帰国後に出演した『奴らを高く吊るせ!』(68年)なんて出演者がアメリカの俳優でなくイタリア、スペインの俳優で作って、ガンファイトとリンチシーンを増やしたらマカロニウエスタンみたいですもんね。グレゴリー・ペックのスリラー系ウエスタン『レッド・ムーン』(68年)も絶対にマカロニの影響を受けてる気がするんですけどね。
その他、70年代に入るとマカロニウエスタンの影響を受けた西部劇どころか、マカロニそのものみたいなウエスタンが次々と製作されました。『荒野のアニマル』(70年)とか『チャトズ・ランド』(72年)とか。日本映画『御用金』のリメイク『マスター・ガンファイター』(75年)とか、チャールトン・へストン、ジェームズ・コバーン主演、ブライアン・ガーフィールド原作の『大いなる決闘』(76年)なんて、ノリはもうほとんどマカロニウエスタンですもんね!
『荒野のアニマル』『マスター・ガンファイター』もDVD化して欲しいですネ!『大いなる決闘』も十数年前までは、たまにTVの映画劇場で放映されてました。日本語吹替えつきで、DVD化して欲しいです。
あれ、またまた、違う作品の話になっちゃいました。話題を『続荒野の用心棒』に戻すと、そんな、アメリカの西部劇にまで影響を与えたであろうマカロニウエスタンというジャンルの代表的な作品が、今作『続荒野の用心棒』です!
マカロニウエスタンは、西部劇どころか、それ以後のアクション映画にも影響与えてますよね!
今作って、若い映画ファンが観ても、ガンファイトやリンチシーンで楽しめるし、大人の映画ファンが観ても、ジャンゴとヒロイン、マリアとの愛の物語として楽しめる作品なんですよね!ガンファイトや、ストーリーの面白さに気を取られがちですけど、今作って色んな年齢の映画ファンが観て楽しめる作品になってるんですよね!
本作のヒットによりドイツでは、フランコ・ネロが主演の作品には、タイトルに“DJNGO”がついたそうです。DVDの特典映像で、フランコ・ネロが言ってました。
でも、今作って、1966年の作品なんですよね。1966年って、今から40年以上前です!こんな面白いアクション映画が40年以上前の作品だなんて!
アクション映画のジャンルに限って言うと、60年代~のマカロニウエスタンや70~80年代のポリスアクション以降、香港映画以外では、そんなに進歩が無いのかも!最近の作品って、それなりに面白いアクション映画はあっても、それなりって感じが!そんなことを思わせちゃうくらいの大傑作が今作です!100点満点ですけど、今回はプラス20点で120点!
続 荒野の用心棒エスピーオーこのアイテムの詳細を見る |
DUST(2001年イギリス、ドイツ、マケドニア、イタリア)
監督 ミルチョ・マンチェフスキー
脚本 ミルチョ・マンチェフスキー
出演 ジョセフ・ファインズ、デビッド・ウェンハム
エイドリアン・レスター、ローズマリー・マーフィ、
■ストーリー■
2000年のニューヨーク、空き巣であるアパートの1室に入った青年エッジは、部屋の住人の老婆アンジェラに見つかってしまう。エッジはアンジェラからある話を銃で脅されながら聞かされることになる。その話とは…100年前、アメリカからバルカン半島に渡った兄弟ルークとイライジャの物語だった。ある女性をめぐりルークとイライジャは争うことになる。兄のルークはヨーロッパはパリから争いの絶えないバルカン半島へ向かい無法者のガンマンとなるのだった。そんなルークを追って弟イライジャもバルカン半島に現われるのだった。
■感想■
バルカン半島を舞台にしたマケドニアンウエスタン!
でも、正統派のアプローチでなく、時代は現代のニューヨークから始まって、100年前のヨーロッパ、バルカン半島にさかのぼっていくスタイルをとったウエスタンになっています。
現代のニューヨークに住む老婆アンジェラが話す昔話がメインなんですけど、途中、息抜きのように、現代のニューヨークに戻ってアンジェラと強盗エッジの話になっちゃうんですね~。
自分が観たいのは“ウエスタン”の部分なのに…。
100年前のルークとイライジャのストーリーは、マカロニウエスタンや西部劇をたくさん観ていれば観ているほど楽しめるストーリーになってます。
なのに、良いトコロで現代のニューヨークに戻っちゃうのので、もったいないです!!!
現代からの思い出話にしなくて、正真正銘のウエスタンとして映画を作って欲しかったです!!!
トニー・アントニー製作、ジーン・クインターノ監督の1998年のスペイン、アメリカ製作のTVムービー『ワイルド・ウエスタン荒野の二丁拳銃』みたいに、ちゃんとマカロニウエスタンを作って欲しかったです!
ホントかウソか、作品の謳い文句によると『ワイルド・ウエスタン荒野の二丁拳銃』は、原案セルジオ・レオーネだそうです!
確かに、それっぽいところが、いくつも出てきます!
ジーン・クインターノは、ビル・コーコラン監督、ウィリー・ネルソン、クリス・クリストファーソン出演のウエスタンのTVムービー“OUTLAW JUSTICE”(a.k.a.“The Long Kill”(1999年アメリカ、スペイン)の脚本も書いてます!これも観てみたいです!!DVD化して欲しいですね、どこかのメーカーさんよろしくお願いします。
ところで、今作『ダストDUST』では、黒沢明監督の『用心棒』(1961年)よろしく腕をくわえた犬が出てきます。
監督も、マカロニウエスタンを撮りたかったんですよね!!
現代を、舞台にしないと商業的に何かいけなかったんでしょうかね??せっかく、ランニングタイムが125分もあるのに、現代のシーンが余計としか思えないです!現代のニューヨークの部分が、ストーリーの流れを完全に停めてますからネ。
現代のニューヨークの部分を持ってきているのは、「物語」は、それを語る人間によって変わって行くなんていう寓話性を持たせているのかもしれなしけど、自分的には、完全に不必要な部分でした。
マカロニウエスタン全盛のころの作品なんて、ランニングタイム90分で、かなりストーリーがありましたもんね。125分もあるのに、もったい無かったです。
凄腕のガンマンの兄弟の確執!
政府軍とレジスタンスの戦い!
とか、いくらでも面白くなる要素たっぷりなのに!!!
これで、映画の雰囲気がウエスタンとまるっきりかけ離れたセンスの無い映像だったら
「惜しかったね」ですみますけど、100年前のストーリー、シーン、がまさにマカロニウエスタンだったんで、本当に残念です。
マカロニウエスタンへのオマージュのようなシーンはたくさん出てくるので、こういうジャンルが好きな人は必見です! 65点
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