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『ボーン・アルティメイタム』シリーズ第3弾

2008-04-30 01:55:16 | アクション

ボーン・アルティメイタム
THE BOURNE ULTIMATUM(2007年アメリカ、ドイツ)
 監督          ポール・グリーングラス
 脚本          トニー・ギルロイ
              スコット・Z・バーンズ
              ジョージ・ノルフィ
 原案          トニー・ギルロイ
 原作          ロバート・ラドラム
 出演          マット・デイモン
              ジュリア・スタイルズ
              デビッド・ストラザーン
              アルバート・フィニー
              ジョーン・アレン
              スコット・グレン

 ■ストーリー■
 ジェイソン・ボーンは失われた記憶をたどり各地を転々としていた。一方、イギリスのガーディアン紙の記者ロスが、CIAの秘密作戦「ブラックブライアー」のことをかぎつけ取材を始めていた。
「ブラックブライアー」作戦とは、ジェイソン・ボーンたちを生み出した「トレッドストーン」作戦のアップグレード版の作戦だったのだ。ロスの新聞記事を読んだボーンは、ロンドンに飛びウォータールー駅でロスと接触を試みようとする。一方、記者のロスがCIAの「ブラックブライアー」のことに気づいたと思ったCIAのヴォーゼンはロスを確保しようとしていたのだった。

 ■感想■
 ロバート・ラドラムの「暗殺者」シリーズの映画化第3弾。
 『ボーン・アイデンティティー』(2002年)、『ボーン・スプレマシー』(2004年)とシリーズを追うごとに面白くなっていくシリーズです。
 シリーズを追うごとに予算と爆破シーンだけはハデになっていくのに、ストーリーが薄っぺらになるシリーズは多いですけど、今シリーズは、その逆!とにかく、面白くなっていきます!
 監督は前作に引き続きポール・グリーングラス。1作目の監督ダグ・リーマンは製作総指揮にまわったままです。
 監督が『ボーン・スプレマシー』のポール・グリーングラスのままで良かったです。1作目のダグ・リーマン監督は、細かいカット割が多すぎて、何が起きてるか良く分からなかったですから。 

 ランニングタイムは、今作が115分と少し長めですけど、全然退屈しません。
 1作目の『ボーン・アイデンティティー』が119分、2作目の『ボーン・スプレマシー』が108分ですけど、2作目、3作目は本当に短く感じる面白さです。

 今作には1作目から登場している、トレッドストーン作戦の生き残りのジュリア・スタイルズ演じるニッキー・パーソンズが出てくるんですけど、全然活躍しないんで、少しガッカリでした。
 1作目に登場したエージェントの“教授”クライヴ・オーウェンみたいに暴れなくて良いですけど、もっと活躍する場面が観たかったです。あの展開じゃ、CIAの普通の事務職の女性職員みたいな感じでした。
 トレッドストーン作戦って、1人のエージェントを養成するのに何千万ドルも投資してるんでしょ。ジュリア・スタイルズが、彼女を追ってきた「掃除屋」を軽くノシてしまうようなシーンがあっても良かったのに。
 今作にも、ブラックブライアー作戦のエージェントの「掃除屋」が何人か出てくるんですけど、あんまり特長が無かった気がします。敵のキャラクターが、もう少し特長があってキャラクターが立ってても良かったかも。

 ところで、「トレッドストーン」作戦のアップグレード版の「ブラックブライアー」作戦って、良く分からないんですけど。権限がかなりある「汚い仕事をする部署」の存在のコトなんでしょうかね。
 アップグレードした「ブラックブライアー」作戦の「掃除屋」も、「トレッドストーン」作戦のジェイソン・ボーンと腕前は大して変わらないし。何がアップグレードしたんでしょう?? 

 今作は、日本語吹き替えで観たんですけど、前半のCIAの会議の場面で、ヴォーゼンが「我が社」って何回か言ってるシーンがあるんですけど、「我が社」って表現は一般的なんですか??“COMPANY”を“会社”に訳したんですよね。冒険映画、ミステリ映画好きならなんとも思わないかもしれないですけど、何の説明も無く「我が社」とか「会社」とかじゃ、余りにも不親切で「意味不明」じゃ無いんでしょうかね??
 「カンパニー」ってもちろん「CIA」を表すんですよね。スパイ映画とかスパイ小説に慣れしたんでいないと、まるっきり意味不明な表現です!!だから、この表現にちょっと違和感を感じちゃいました。
 訳すなら「我が社」じゃなくて、「CIA」とか「我が局」とかの方が良かった気がするんでうsけどね。でも「我が局」だと、また「局」って何??って思う映画ファンがいそうですけどね。(ちなみに、CIA:アメリカ中央情報局だから、局ですよね)
 最後の方で、ジョーン・アレンも「殺人マシーンを作るために“会社”に入ったわけじゃない」って言うシーンが出てきます。やっぱり、日本だと「会社」って「CIA」って思わないと思うんですけどね。
 「なんでCIAが会社なの??
  それとも日本のエンタメ映画ファンには“COMPANY”が「CIA」を表しているっていうのが、すでにそんなに一般的なんでしょうかね??そんなにみんな冒険映画ファン、ミステリ映画ファンばっかりじゃないと思うんですけど。

 でも、良く同じようなトーンでシリーズを3作も作れましたよね。こういうトーンのスパイ映画好きです。でも今作って、シリーズの中で1作目が1番どうしようも無い作品なんですよね。3作を比べてみればって意味で、どうしようも無いって意味ですけど。でも、本当は1作目も、ポール・グリーングラス監督に撮って欲しかったです。どうせならリメイクしちゃえば良いのに!!(←冗談ですけど)
 
 同じスパイ映画でも、ダニエル・クレイグの007映画『007カジノ・ロワイヤル』(2006年)も、ハードなスパイ物とかいわれましたけど、今作の「ジェイソン・ボーン」のシリーズと比べたら、メジャー感いっぱいのハデな作品って印象ですもんね。
 やっぱり、007は荒唐無稽な作品を作って欲しいですね。『007ダイ・アナザー・デイ』(2002年)は、透明になるボンドカーが出てきたりして、ちょっと荒唐無稽すぎる気もしましたけど、あれくらいがちょうど良い感じですよね。ハードなスパイ物を観たければ、わざわざ007映画を観るコトは無いんで荒唐無稽なシリーズのままでいて欲しいです。
 
 本当にハードなマジメなスパイ物のジェイソン・ボーンシリーズも、この3作目で一応の終了になりましたけど、もっともっとこのシリーズを観てみたい気もします。
 ジェイソン・ボーンシリーズが終わったあと、マジメなスパイ物がまたしばらく観れなくなりますけど、何か、新しいスパイ映画が登場しないでしょうかね?? 75点 

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『沈黙の激突』セガールVS超人

2008-04-29 13:55:21 | アクション
沈黙の激突
ATTACK FORCE(2006年アメリカ、イギリス、ルーマニア)
 監督 ミヒャエル・ケウシュ
 脚本 スティーブン・セガール、ジョー・ハルピン
 原案 ジョー・ハルピン
 出演 スティーブン・セガール、リサ・ラヴブラウド、デビッド・ケネディ

 ■ストーリー■
 ローソン中佐が訓練中の部下3名が、バーで遊んだあと何者かに殺される事件が起きる。ローソン中佐とディクソン曹長は、捜査の結果、この事件には新種の薬CTXが関わっていることを知るのだった。この薬物は攻撃性を感じると、超人的な力で周りを攻撃する効果をもっていたのだった。化学者アルーンは、この薬物を上水道に混入させようと企んでいたのだった。

 ■感想■
 スティーブン・セガールが、超人と戦う「沈黙」シリーズ。
 まぁ、「沈黙」シリーズと言っても、スティーブン・セガールが主演しているっていう共通点しか無いんですけどね。
 向かうところ敵無しのセガールは、もはやステルス機を盗んだパイロットや誘拐犯や、ギャングでは相手にならないとばかりに、今回は、薬物で超人的な力を身につけた集団を相手にすることになりました。
 
 相手がギャングだろうと、敵国のスパイ組織だろうと、超人だろうと関係無し!観る前から分かってましたけど、超人相手に、いつものセガールのパンチ(合気道??)が炸裂!!あっという間に全員倒して終り!!
 いつものセガール映画でした!暗いシーンも多いし、超人たちも強そうじゃないし、ストーリーもわかりずらいし、いつものセガール映画より、一層、普通の作品になっちゃってます。スティーブン・セガール以外のキャラクターは死にまくりの展開ですけど、「だから何??」って感じで全然盛り上がらないです。何も考えずに観るアクション映画なんだから、そんなに登場人物を殺しまくらないでも良いのに。
 脚本家のクレジットが出たときにジョー・ハルピンって。
 「少しイヤな予感が…」
 ジョー・ハルピンといえば同じくスティーブン・セガール主演の『沈黙の奪還』(06年)、『沈黙のステルス』(07年)の脚本家ですからね。ストーリーも一貫性が無いし、良く分からない!第一、面白く無い!!って感じの脚本家だったんで、イヤな予感がしたんですよね!!
 もはや、スティーブン・セガール主演の作品って、こういう脚本家しか書かないんですかね??

 今回、超人相手にも不死身ぶりを発揮したスティーブン・セガールなんで、もう次回からの敵は、「スティーブン・セガールVSエイリアン」とか「スティーブン・セガールVSプレデター」とか「スティーブン・セガールVSジェイソン」とか観てみたい気が!!でも、エイリアンも、プレデターも「13日の金曜日」のジェイソンも権利はメジャー会社が持ってるから無理でしょうから、オリジナルの宇宙怪獣とかと戦って欲しいです!!
 
 最近のスティーブン・セガールの映画って、ストーリーがわかりづらい作品が多いんですけど、それは、自分が年をとったせい??なんか観続けるのに、かなり忍耐力が必要になってきてるんですけど。製作される本数が多いからかもしれないですけど、もう少し1本、1本、脚本を練りこんで面白い作品を作って欲しいです。
 なんて文句を言っても、今作はオリジナルビデオ作品なんですよね。2005年の『イントゥ・ザ・サン』以来、本国アメリカではほとんどがビデオ作品ですからね。そういえば一時製作のウワサのあった“UNDER SIEGE 3”も結局、企画自体お流れになっちゃいましたしね。残念ながら、ケイシー・ライバックの活躍ももう観れそうに無いですね!
 「スティーブン・セガールが出演するアクション映画だから」ていう理由だけで観続けるアクション映画ファンがいることを忘れずに1本1本大事に映画を作って欲しいです。ほとんどの作品で製作や製作総指揮で関わってるんだから、作品に口を出せるでしょう。製作や製作総指揮で関わってなくても、脚本や演出に口とかだしてるでしょ、どうせ!!

 あとは、スティーブン・セガールもアクション俳優なのに、体がほとんど動いていないのも問題かも。体が動かないなら、もうマーシャルアーツ系のアクションシーンは止めて、拳銃の撃ちあうシーンだけにすれば良いのに。本当はもう少し、体を絞って欲しい気がしますけどね。
 キレのあるスティーブン・セガールのアクションシーン、やっぱり観てみたいです!年齢的には、アクションシーンはかなり厳しいのかもしれないですけどね。
 香港映画『ドラゴン・スクワッド』(05年)を製作総指揮したように、主演よりもスタッフで外国のアクション映画に関わった方が良いかも。(外国っていっても香港のアクション映画ですけど。)40点

沈黙の激突

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『ブラッドウルフ』アーレン・クルーガー脚本

2008-04-27 21:00:47 | ホラー
ブラッドウルフ
BLOOD AND CHOCOLATE(2007年イギリス、ドイツ、ルーマニア)
 監督 カーチャ・フォン・ガルニエ
 脚本 アーレン・クルーガー、クリストファー・ランドン
 原作 アネット・カーティス・クローズ
 出演 アグネス・ブルックナー、ヒュー・ダンシー、オリビエ・マルチネス、カーチャ・リーマン、ブライアン・ディック

 ■ストーリー■
 10年前、コロラドの山奥で襲われたビビアンは家族を殺されるが1人生き延びるのだった。現在、生き延びたビビアンはブカレストでおばのもとで暮らしていた。ある日、ビビアンは真夜中の教会で、グラフィックノベルのスケッチを描いているエーデン・ガルビンという青年と出会うのだった。エーデンは「ルー・ガルー」の伝説の残るこの街にスケッチのためにやってきたのだった。

 ■感想■
 アーレン・クルーガー脚本、製作総指揮の狼男物ホラー映画。
 アーレン・クルーガーと言えば『隣人は静かに笑う』(98年)、『レインディア・ゲーム』(00年)、『スクリーム3』(00年)、『クローン』(01年)等々のサスペンス映画が得意な脚本家です。
 その他の作品は『スケルトン・キー』(05年)、『ブラザーズ・グリム』(05年)でも脚本を書いてます。
 主な作品での共通点は、「誰かが誰かになりすますことによって起こる事件を描くコト」が描かれてることです。
 『レインディア・ゲーム』では同じ監房の囚人になりすましてしまった男が味わうスリラー。
 『クローン』では、宇宙人が作った人間爆弾にすり替えられてしまったと疑われた天才化学者が遭遇する恐怖。
 『隣人は静かに笑う』では善良そうな隣人が、引っ越してきたことによって起こる恐怖、等々。
 
 今回は趣を変えて、人間界にひっそり暮らす「ルー・ガルー」を描いています!!まぁ、こじつければ、人間のフリをしている「ルー・ガルー」のヒロインを描いているってコトになりますかね。
 「ルー・ガルー」ってフランス語で「狼人間」とか「狼男」とかの意味なんですよね。突然「ルー・ガルー」って単語が出てきて、なんの説明も無いのって、やっぱりアメリカやイギリスやヨーロッパの国のエンターテイメント映画ファンにとって「ルー・ガルー」っていう単語自体が一般化してるコトなんでしょうね!!

 映画が始まって、冒頭、コロラドの山奥で少女の家族が何者かのグループに襲われ家族が殺され、少女だけ生き残ります。てっきり狼男の集団に襲われたのかと思いきや、ヒロインとヒロインの家族の方が「狼人間」でした。
 「てっきり、だまされちゃいました!!」
 次のシーンで、10年後のブカレストの街で跳ぶように走るビビアンの姿が映されるんで、状況が少しわかってきます。「ビビアンたちが狼人間だったのね」

 アーレン・クルーガーは今作で脚本以外に製作総指揮も兼ねてるんで、アーレン・クルーガーって、こういうB級ホラー映画っぽい作品が好きなんでしょうね!『スケルトン・キー』も、ケイト・ハドソンが出演してますけど、作品のノリ自体は、まさに1970年代チックなオカルト作品でしたもんね!
 
 『隣人は静かに笑う』とか『レインディア・ゲーム』とか、主人公が巻き込まれ型のスリラー映画の脚本で華々しくメジャーになったので、「サスペンス映画が得意なんだろうな」と思っちゃいそうですけど、アーレン・クルーガーって実は、B級ホラーが好きなんでしょうね!!完成した作品は、B級ホラーって言うよりは、ほとんどA級みたいな、準A級みたいなB級作品ですけどね!!
 
 でも、本当にB級、C級ホラー映画が好きなのは、スティーブン・キングですよね!監督作『地獄のデビルトラック』(86年)を観れば、それが良く分かります。『地獄のデビルトラック』も吹き替え付きでDVD化して欲しいです!!

 話題を、今作『ブラッドウルフ』に戻すと、「狼人間」物とかでは、おなじみのストーリーです。人間を好きになってしまったヒロインが悩むのがメインストーリーです!
 今作の「狼人間は」自分の意思で変身できちゃいます。かなり便利な変身です。でも銀には異様に弱いのが特徴です。けっこう不便かも??高級レストランでナイフとフォーク使えないですから!と思ってると、そんなシーンが出てきます。ヒロインが好きになる青年が高級レストランでナイフを盗むシーンが出てきますから!考えることはみんな一緒ですね。
 悲劇的な「狼男」映画が多い中で、今作のようなラストって良いですよね!このラストにプラス10点!!

 ところで、アーレン・クルーガー脚本での未公開作品があるんですよね。1999年の“NEW WORLD DISORDER”です。ルトガー・ハウアー、アンドリュー・マッカシー出演のアクション映画です。「なぜ??なぜ??」アーレン・クルーガーが脚本書いても未公開になっちゃうんですよね!! 70点
ブラッドウルフ

CKエンタテインメント

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アーレン・クルーガーといえば、やっぱり
隣人は静かに笑う

日本ヘラルド映画(PCH)

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レインディア・ゲーム

松竹

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『バンテージ・ポイント』ジグソーパズルアクション

2008-04-26 14:22:50 | サスペンス
バンテージ・ポイント
VANTAGE POINT(2008年アメリカ)
 監督 ピート・トラヴィス
 脚本 バリー・L・リーヴァイ
 出演 デニス・クエイド、フォレスト・ウィティッカー、エドゥアルド・ノリエガ、ウィリアム・ハート、シガニー・ウィーヴァー、マシュー・フォックス

 ■ストーリー■
 テロ撲滅のための国際会議が、スペインのサラマンカで、アシュトン米国大統領のもと行われようとしていた。大統領を守るために、自ら銃弾を受け大統領を助けたことのあるシークレット・サービスのトーマス・バーンズは今回の警護が仕事復帰の初めての仕事だった。そんなとき、広場でのアシュトン大統領のスピーチが始まろうとした瞬間、大統領が何物かに狙撃されてしまうのだった。混乱の中、爆発も起こり、広場では一層の混乱が起きるのだった。

 ■感想■
 大統領狙撃の現場にいた8人の証言をもとに違った視点で描くアクションスリラー。
 てっきり登場人物の視点が変わるごとに意味が変わってくる「羅生門」系の作品??と思って観たんですけど、同じシーンが何回も描かれて少しづつ真実が明らかになる手法のサスペンス&アクション映画でした。同じ23分間が色んな登場人物で描かれ、ホンの少しだけストーリーが進んでいきます。「羅生門」っていうよりも、バラバラになったジグソーパズルのピースが埋まっていく感じです!!
 それはそれで、斬新ですべてのパズルが埋まったときは、すごく快感なんですけどね!!

 8名の登場人物とは、大統領の護衛のシークレットサービスのデニス・クエイド、広場に来ていたアメリカの旅行者のフォレスト・ウィティッカー、市長の護衛のスペインの警官エドゥアルド・ノリエガ、大統領ウィリアム・ハート、母親に連れられてきた少女です!!あれ、5人しかいない!!
 実は、エドゥアルド・ノリエガが好きになったスペイン女性と、スペイン女性と話していた男性ハピエルと、テロリストで3名足して合計8名なんですけど、しっかり8名の視点で描かれるワケじゃないんですよね。(多分、この8名で合ってると思うんですけど、どうでしょう??)
 8名の中に入っているのかもしれないんですけど、実はTV局の上司役で「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーヴァーが出演してます。全然、活躍の場が与えられていないんですけど、すごくもったいないキャスティングのような気がします。
 
 少しづつ、少しづつストーリーが進んでは23分前に戻る趣向なんで、「また23分前に戻るんでしょ!!」とか思って油断して観ていると、いつのまにか、パズルのピースが埋まっていて、すべての要素がまとまってクライマックスに向かっていきます!!
 「あーっ、もう戻らないのね」
 そう気づいたとこは、映画はもうクライマックスに突入してます!!それにしても、主人公のデニス・クエイドが不死身すぎなのと、彼が一般市民から奪うブルーの自動車が全然壊れないんですけど、そこがいかにもアクション映画的!!
 そういうところがエンターテイメント映画の良いところなんですけどね!!まるで、その車会社の宣伝の映画かと思っちゃいました!(どこの車会社の車か分からなかったですけど、スポンサーについてないですよね??)

 スペインが舞台なんで、スペインの車ですかね??フランス車のプジョーかもしれないですけど、自分は外車は良く分からないんですよね。

 あと1点だけ!!アメリカからの旅行者のフォレスト・ウィテッカーですけど、普通の旅行者に見えないです。FBIの捜査官か、アフリカの某国の大統領か、殺し屋か、どう見ても普通の旅行者には見えないのだけは確かです!!でも、有名な俳優をキャスティングしておかないと、観客が混乱しちゃいますからね!!

 今作の同じ場面を何回も見せる手法ですけど、何回も使える手法では無いですけど、1回観る分には十分斬新です!『アイデンティテー』(03年)を観たときも変わったトリックに驚かされましたけど、違った意味で、ジグソーパズルのピース埋まり系映画にも驚かされました!この手法にプラス10点!!
70点 
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『メモリー 殺戮のビジョン』未公開サスペンス

2008-04-23 22:17:19 | サスペンス
メモリー 殺戮のビジョン
MEMORY(2006年カナダ、アメリカ)
 監督 ベネット・ダヴリン
 脚本 ベネット・ダヴリン、アンソニー・バダラッコ
 原作 ベネット・ダヴリン
 出演 ビリー・ゼイン、トリシア・ヘルファー、アン=マーグレット、デニス・ホッパー、テリー・チェン

 ■ストーリー■
 記憶喪失の権威ブリッグスは、アルツハイマー病の講演会のあと病院に呼び出される。病院に担ぎ込まれた患者は脳内出血と思われたがMRIを撮ったところ、脳の中の記憶中枢に関連した部位にのみ腫瘍が出来ていた特殊な事例だった。
 ブリッグスは患者が持っていた持ち物を調べた際に手を傷つけてしまい、患者が持っていた「謎の粉」を指から吸収してしまうのだった。その夜から、ブリッグスは不思議な幻を見るようになるのだった。それは、十数年前に起きた連続少女誘拐殺人事件の幻だったのだ。

 ■感想■
 『メダリオン』(03年)の脚本家の1人、ベネット・ダヴリンが監督したスリラー映画。
 ベネット・ダヴリン「夢で殺した少女」(ビレッジブックス)の映画化作品です!
 親の記憶を見ることが出来る(というより、「見てしまう」って表現の方が正しいですね)ようになった男が遭遇するスリラー作品です。
 でも、父親か母親の記憶しか見ないので、犯人は父親か母親なんで、すぐにネタが割れちゃいます。
 今作は、内容的にはB級スリラー映画なんですけど、主人公がビリー・ゼイン、脇を固めるのがデニス・ホッパーにアン=マーグレットって出演者が豪華すぎ!!
 このキャストを見ただけで、犯人の想像がついちゃうところが、B級の低予算作品っぽいって印象もあるんですけどね!
 このキャスティングはいかにもすぎてダメ!!ダメ!!ダメ!!
 怪しいと思わせる、キャストを、もう2~3人配役しておかないとダメでしょ!!大したストーリーじゃ無いので、サスペンス映画を観慣れてる映画ファンには、あんまり驚けない展開になります。これで、メジャーな俳優があと2~3人出演していたら、観ている映画ファンも犯人探しで喜べたのに!!

 まぁ、そんなキャスティングや大して驚けないストーリーとかを差し引いても、映画としてしっかりマジメに作ってあるので、それなりに面白く観れます!!劇場未公開の作品で、これくらいの作品を観れれば十分です!!少なくても、自分は大満足です!!映画を観るときに、期待しないで観るっていうのは大事なコトですよね!!
 「あれ、これってホメてるのか、けなしてるのか、良くわからない!!」
 ストーリー的には、主人公が見る幻影が親の物に限定しないで、どこかから勝手に流れ込んでくるイメージにした方が良かったのに!!容疑者が絞られすぎになっちゃうでしょ!!
 あと、ヒロインが描いた、森の中のマントの男の絵画なんですけど、あれって偶然なんですね!!「そんなぁ~、映画じゃあるまいし!!」って思っちゃいます。あの絵画って、ただ、主人公が、ヒロインと出会うためだけの小道具だったんですね!!
 もっと意味があると思っちゃいました!!普通は、意味があると思いますよね!!あの森の中のマントの男の絵画がストーリーと全然関係ないなんて、逆に驚きでした!! 

 ところで、本編が始まるときに“MEM-(O)-RE”って出るんで、てっきり現代はそうなのかな??って思ったら、最後にしっかり“MEMORY”ってクレジットが出てきました!!変わった原題だと思ってたのにね。65点

2009年10月23日にDVDが発売に!!
それも廉価版での発売!!未公開サスペンス映画ファンはぜひ!!
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夢で殺した少女 (ヴィレッジブックス)
ベネット・ダヴリン
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『パンズ・ラビリンス』暗いファンタジー

2008-04-22 23:43:49 | ファンタジー
パンズ・ラビリンス
EL LABERINTO DEL FAUNO(2006年スペイン、メキシコ、アメリカ)
 監督 ギレルモ・デル・トロ
 脚本 ギレルモ・デル・トロ
 出演 イバナ・バケロ、セルジ・ロペス

 ■ストーリー■
 1944年スペインでは、内戦終結後もレジスタンスが山に残り活動を続けていた。山間部の治安を守る軍隊のビダル大尉と、母親が再婚したため、少女オフィリアが山間部にやって来るのだった。オフィリアは林の中で不思議な昆虫と出会い、地下に住むという妖精たちと出会うのだった。

 ■感想■ 
 『ブレイド2』(02年)、『ヘルボーイ』(04年)のメキシコの監督ギレルモ・デル・トロの描くダークファンタジー。
 スペイン内戦時代を舞台に、妖精たちと出会った少女が体験する暗い、暗いファンタジー映画になってます。正確には内戦は終わったあとが時代背景になってます。ギレルモ・デル・トロ監督といえば、同じくスペイン内戦時代を描いた作品『デビルズ・バックボーン』(01年)という作品もありました。
 ギレルモ・デル・トロ監督も『ブレイド2』、『ヘルボーイ』といった誰が観ても楽しめる超エンターテイメント作品を撮ったかと思えば、今作のような趣味性の強い作品を撮って、ちゃんとバランスをとってます。
 観客が喜ぶ作品と自分の趣味のような作品を撮るジョニー・トゥ監督みたいですね。あそこまで極端じゃないですけどね。今作を観ながら、そんなコトを思っちゃいました。(観ながらというより、本当は“観終わってから”ですけどね)

 ところで、今作は2006年のアカデミー賞で「撮影賞」「美術賞」「メイク賞」を受賞してます。
ノミネートでは「外国映画賞」「脚本賞」でもノミネートもされてます。今作は、世間的にも、すごくメジャーな作品なんですよね。こんなに不気味な怪物がたくさん出てきて、現実描写も残酷な作品でありながら、それでいて十分エンターテイメントしてる作品が「アカデミー外国映画賞」にノミネートだなんて、2006年のアカデミー賞はエンターテイメント作品が強かったんですね。
 ちなみに、その年の「外国映画賞」は『善き人のためのソナタ』(06年)が受賞しました。「う~ん、どっちも良い作品です」。
 外国映画でなく、2006年のアメリカの作品で、アカデミー賞の作品賞は『ディパーテッド』、脚本賞は『リトル・ミス・サンシャイン』(06年)でした。

 今作は、ファンタジー的な要素を持ってますけど、アカデミー賞にノミネート、受賞するようなマジメな作品です。ギレルモ・デル・トロ監督の作品なんで、マジメな作品っていうよりも、正真正銘な本当のファンタジー映画だと思っていたんですけど、ごくごく普通なマジメな映画でした。
 今作では、普通に不気味な妖精たちやモンスターが出てくるんですけど、結局、ヒロイン、オフィリアの幻想だったんですね。こんなオチを持ってくるなんて!!
 現実の描写の場面が、やたら残酷なんで、ある意味全然救いの無いラストの作品になってます。まぁ、ヒロインのオフィリアにとって、あのラストは幸せなのかもしれないですけどね。
 
 今作の登場人物なんですけど、ビダル大尉のキャラクターが強烈です。“疑わしきは罰する”でビダル大尉は、怪しい(怪しくなくても)住民たちを殺しまくりです!あのウサギ狩りの親子を殺す場面は衝撃的です!!登場してくる住民たちは、ほとんどレジスタンスに協力的か、レジスタンスだから、まるっきりの無罪とは言えないですけど(当時の法律では)、すごく残酷!!
 あまり語られるコトの無いスペインの圧制時代ですけど、すごく怖い時代だったんですね。そういったスペイン軍のビダル大尉とレジスタンスとのエピソードの印象が強すぎて、オフィリアの体験するファンタジーの世界の印象が薄く薄く薄くなっちゃってます!!
 それはスタッフも分かっていたのか、監督の趣味なのか分からないですけど、妖精たちやモンスターの造形は悪夢に出てきそうな1度見たら忘れないような不気味な造形になってます。でも現実描写の方がインパクトが強いです!!オフィリアがブドウを食べてしまう部屋の怪物とかって、かなり気持ち悪かったです!!良く考えつきますよね、あんなモンスター!!想像しようと思っても普通は思いつかないです。多分、ギレルモ・デル・トロ監督の趣味なんでしょうけどね。

 でも、今作は本当に面白い作品になってます!!後味は良くない(そんなに悪くも無いですけど)ですけど、ランニングタイム119分、一切退屈しないです!!普通110分も超えると、「長い!!長い!!長い!!」と思っちゃう@KOBAですけど、今作は119分で正解です!!長くも無く、短くも無く丁度良い長さです。
 ギレルモ・デル・トロ監督はやっぱりウマイですね!!こういうテーマの作品でも、ちゃんとした誰が観ても楽しめる作品にしちゃうんだから。作品数はそんなに多くは無いですけど、これからもドンドン、ファンタジーやホラー映画を監督していって欲しいです!!これからもホラー映画やファンタジー映画での活躍、期待してます。60点 

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『ステルス』暴走人工知能

2008-04-21 00:21:32 | SF
ステルス
STEALTH(2005年アメリカ)
 監督 ロブ・コーエン
 脚本 W・D・リクター
 出演 ジョッシュ・ルーカス、ジェシカ・ピール、ジェイミー・フォックス、サム・シェパード 

 ■ストーリー■
 近未来、アメリカ海軍ではテロ対策のため最新鋭のステルス戦闘機に3名のパイロットが選ばれた。訓練後に3名ともう1機のステルス戦闘機が配備されるが、その1機とは人工知能EDI(エディ)が操縦する無人戦闘機だった。

 ■感想■
 ロブ・コーエン監督の戦闘機アクション映画。
 「見よう!見よう!」と思ってるうちに、昨日の日曜洋画劇場で時間枠を15分延長で放送されました。オリジナルのランニングタイムが120分なんで、10分~15分くらいのカット版でしたけど十分な感じでしたけど、どうなんでしょう??
 でも、日曜洋画劇場版を観たあとで、レンタルして観ようとは思えないんですけど…。

 劇場公開時やレンタル開始したことから、すごく評判になってた今作ですけど、評判とおりスゴイ作品でした!

 人工知能をつけたステルス戦闘機がおかしくなって、アメリカ国内で主人公たちと戦う映画だと思っていたんですけど、甘かったです!甘い!甘い!極甘!!
 ふざけて作ってるのか、真剣に作ってるのかわからないですけど、すごすぎ!(多分、真剣に作ってるんでしょうけど)

 テロリストがいるという情報を得て、ミャンマーまで行って高層ビルを破壊!!その後、一応、空母のアナウンスで「一般人の犠牲者0」って言ってますけど、なんでわかるの??外国に行って空爆って何??これって戦争になっちゃうでしょ!! 
 その後も、ウズベキスタンにテロリストがいるという情報を得て、またも外国に勝手に攻撃しに行きます!!
 なおかつ攻撃しようとしたとき、ここで攻撃すると核の放射線がウズベキスタンとパキスタンに広がることが分かるのに、人命無視で攻撃開始!!(ここは、3人の上官サム・シェパードが命令しちゃうのと、EDIが攻撃始めちゃうからなんですけど)
 でも、でも、でも、まだまだまだまだ続きます!!命令違反したEDIがより一層暴走!!以前に仮戦闘プログラムにアクセスしていて、勝手に判断してロシアの核施設を攻撃しに向かいます!!暴走した人工知能っていう設定はOKですけど、領空侵犯してきた主人公たちをロシア空軍が襲ってきますが、それをEDIと主人公が協力して返り討ちにしちゃいます!!ロシア空軍のパイロット、何も悪いコトしてません!!

 一方、無人ステルスとの戦闘中に被弾したジェシカ・ピールは帰艦中に、戦闘機が爆破、不時着して「エネミー・ライン」状態に!!ここでもジェシカ・ピールと、彼女を助けに来た主人公が暴れまくりです!!ジェシカ・ピールを助けに行くとき、主人公に空母の艦長が「お前が行けば戦争になる!」ってオカシイ!!
 今まで、さんざん外国の領空まで行って攻撃しまくりだったのに、今さら何を言ってるの??って感じです!!

 それにしても、無人の戦闘機なんて、いかにも危ないのに、なんで採用しちゃうの??大体、考える力をもったコンピュータなんてろくなコトないんだから!!
 『地球爆破作戦』(70年)のコロッサス、ガーディアンとかを例に出さなくても、『ターミナーター』のスカイネットとか、『ウォー・ゲーム』(83年)とかろくなコトが無いんだから!!
 そういえば、なんでジョセフ・サージェント監督の傑作Sci-Fi映画『地球爆破作戦』ってDVD化されないんでしょう??つまらない最新作をDVD化するなら、こういう大傑作をDVD化して欲しいです!!
 2大大国の冷戦時代もですけど、現代の世界各地でのテロを考えると、アメリカ合衆国のコロッサスとソ連のガーディアンに支配されていた方が世界が平和な気もするんですけどね!10点
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『キャプティビティ』ラリー・コーエン脚本

2008-04-20 18:57:03 | ラリー・コーエン
キャプティビティー
CAPTIVITY(2007年アメリカ、ロシア)
 監督 ローランド・ジョフィ
 脚本 ラリー・コーエン、ジョセフ・トゥーラ
 原案 ラリー・コーエン
 出演 エリシャ・カスバート、ダニエル・ギリス

 ■ストーリー■
 トップモデルのジェニファーは、ソーホーのバーで飲んでいる最中に意識を失う。ジェニファーは目を覚ますと、暗い密室に閉じ込められたことを知るのだった。ジェニファーを閉じ込めた犯人は、徐々にジェニファーを痛めつけていくのだった。脱出する方法も無い中、同じく、監禁されている青年ゲーリーと出会うのだった。

 ■感想■
 ラリー・コーエン原案、脚本のサスペンス映画。
 脚本はジョセフ・トゥーラと共同脚本になってます。
 『探偵マイク・ハマー俺が掟だ!』(82年)のラリー・コーエンが脚本の作品なんで期待して観ました!ラリー・コーエンは、最近では、電話ボックスを使ったスリラー映画『フォーン・ブース』(82年)の脚本や、ケータイ電話を使ったサスペンス映画『セルラー』(04年)の原案をして、まだまだ大活躍してます!!
 でも、良くスタッフを見たら、なんと監督が『キリング・フィールド』(84年)のローランド・ジョフィ監督でした!!なんで、ローランド・ジョフィ監督がこういったサスペンス映画を撮るの??もう、この監督名を見ただけで、かなり暗~い気分に!!
 
 「なんで、ローランド・ジョフィなの??」
 「なぜ??なぜ??なぜ??」
 
 サスペンス映画が最も似合わない監督の1人!!(そんなエンターテイメントに向いてない監督なんて何百人もいますけどね) 
 案の定、映画が始まってすぐに、全然、映画に入っていけない感じに。
 いかにも「『SAWソウ』(04年)を狙いました!どう??面白いでしょ」みたいな展開に!!
 
 自分的には、あんまり好きな監督でないですけど、それなりのエンターテイメント作品にする『フォーン・ブース』のジョエル・シューマッカーとかにでも監督させれば良かったのに!!ジョエル・シュマッカー監督って、悪い意味で「職人監督」ってイメージが強いんですよね。なんでもかんでも、適当にチョチョイのチョイって感じで作ってる印象なんですよね。なんの色も無い作品を、ただ「完成させました!」って感じを受けちゃうんですよね。
 でも、脚本が、ラリー・コーエンでシッカリしてるんだから、そんな特長の無いジョエル・シュマッカーが監督でピッタリでしょ!!

 あと、監督候補としては、かつては、なんでもかんでも破壊していた超大作の監督でしたけど、最近では『マインドハンター』(04年)で、小規模なサスペンス映画も、ちゃんと撮れることを証明したレニー・ハーリン監督とかも良いかも??エンターテイメント作品は、お手の物でしょ!!
 
 あと、『ファイナル・デスティネーション』(01年)、『ザ・ワン』(01年)のジェームズ・ウォン監督とか、こういったエンターテイメント作品を撮るのにちょうど良い監督かも??
 
 ちょっと思いつくだけでも、ちゃんと映画を撮れる監督はうるのに!!なのに、“なぜ??”“なぜ??”“なぜローランド・ジョフィ監督なの??”

 とにかく、ランニングタイム86分が180分にも感じる演出!!ローランド・ジョフィ監督には、2度とエンターテイメント作品を監督しないで欲しいです!!もう観てて、不快な感じで延々と続いてつらかったです!!
 ローランド・ジョフィ監督には、観てて眠くなるような文化的な作品を撮ってて欲しいです。最近は、ラリー・コーエンもあんまり脚本を書いていないので、せっかく書いた脚本をこんな監督に撮らせるなんて、ちょっとショックです!!まぁ、今作の場合、監禁物なんでエンターテイメントにするにはけっこう大変なんでしょうけどね!それにしても今作は、平凡すぎです!!ところで、今作ってTSUTAYAさんでは別バージョンをレンタルしてるんですよね!!どんなラストなんでしょうか??気になっちゃいます。自分的には、DVDのこのラスト好きですけどね!!いかにもヒネリがあって、ハッピーエンディング版より面白いです!!55点
キャプティビティ (特別編)

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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『カタコンベ』Z級ホラー

2008-04-19 19:03:56 | ホラー
カタコンベ
CATACOMBS(2007年アメリカ)
 監督 トム・コッカー、デビッド・エリオット
 脚本 トム・コッカー、デビッド・エリオット
 出演 シャニン・ソサモン、アリシア・ムーア、ラデュ・アンドレイ・ミク 

 ■ストーリー■
 約200年前、パリ市は人口の急増で墓場が不足した。王の命令により700万体の死体がパリ市の地下にある石切り場跡に移された。世界1ロマンチックといわれれる街パリ、その30メートル下には史上最も巨大な墓地が眠っている。
 ヴィクトリアは、ソルボンヌ大学に通っている姉キャロリンが住んでいるパリに呼ばれ、旅行にやってくる。ヴィクトリアはキャロリンと彼女の友人たちに誘われカタコンベで行われているパーティに参加するのだが。

 ■感想■
 「ソウ」シリーズの製作者たちが作ったホラー映画。
 フランスの地下にあるカタコンベを舞台にしたホラー映画ですけど、ホラー映画ファン向きでは無いかも!!
 「え、何。それ??」
 みたいな脱力感いっぱいになるコト必至の脱力系ホラーです。
 フジTVのタモリがホストのアンソロジー「世にも奇妙な物語」の1エピソードみたいな作品です。せいぜい20分が限度の内容の作品です。
 なんで、この作品が“R-15”なのか分からない作品です!!もうホラー映画は、どんな内容でも“R-15”とか“R-18”にしちゃえば良いと思ってるんですかね??
 それとも、あまりのつまらなさに年齢制限をつけたんでしょうか??今作に比べたら、ほとんどのスラッシャームービーが傑作に思えてきちゃいます。本当に今作って劇場映画なんですか??TVムービーでも、もっともっと面白いサスペンス映画がいくらでもあるでしょう!!久々にこんなオチの映画を観ました!!夢オチや、主人公が実は死んでたオチとともに、今作のオチも禁止にして欲しいくらいです。

 夢オチや今作と同じようなオチでも、ストーリーが面白ければ良いですけど、最初から最後まで、延々と暗くて良く分からない映像を見せられて、感情移入できる登場人物も登場させないなんて!!
 ランニングタイム94分は、異常に長すぎ!!まぁ、今作の場合、たとえ70分でも長すぎですけどね!!
 TVの90分枠の映画劇場とかで、1980年代とかに今作を観てれば、そんなに酷評しないですけどね。

 でも、今作を公開するくらいならいくらでも公開して欲しい作品があるんですけどね!!ヴァンサン・カッセルの西部劇“BLUEBERRY”とかって、結局日本ではDVDスルーにもならないんですね!!
 「いつ公開されるんだろう??」って思ってるうちに誰も話題にしなくなっちゃいました!残念!!0点
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『シテイ・オブ・ザ・デッド』ギャングVSゾンビ

2008-04-16 22:03:31 | ホラー
シティ・オブ・ザ・デッド
LAST RITES(2006年アメリカ)
 監督 デュアン・スティネット
 脚本 クリッサン・シプリー、デュアン・スティネット
 出演 ノエル・G、ハワード、エーサン・エドニー

 ■ストーリー■
 流星群がやって来る日、隕石がロサンゼルスに落下する。その場にいたホームレスたちは全員死亡する。そんなとき、アフリカ系アメリカ人のギャング、マック、ドッグ、ジェロームの3人が取引きのために、取引相手のミッチ倉庫にやってくる。一方、取引時間を間違えたヒスパニック系ギャングのシーザーたちが同じく倉庫にやってきて、マックたちと鉢合わせしてしまうのだった。いがみ合う2つのグループだったが、隕石により死亡したホームレスたちがゾンビとなりミッチの倉庫に向かっていた。シーザーのグループを捜査していた警察隊は、突然現れたゾンビの群れに襲われてしむのだった。倉庫の外の騒音から、異変に気づいたギャングたちの前に、ゾンビに襲われた警察の生き残りの警官2名が逃げ込んでくるのだった。

 ■感想■
 2つのギャンググループと警察と気象予報士がゾンビに襲われ倉庫に立てこもるホラー映画。
 襲われるのが、ギャングに警官なんで、武器がたっぷりあると思いきや、すぐに弾切れ状態に!それに仲の悪そうなギャングたちに、警官たちなんで、逆に一触即発状態で、どう考えても協力して助かりそうなイメージがわかないです!
 
 今作の主人公は、冒頭の方に出てくるアフリカ系アメリカ人ギャングのマックと思いきや、途中であっさりと画面から退場しちゃいます!!もうこの展開で、みんな死んじゃうんだろうなぁって感じです!!
 登場人物の中でも、どちらかといえば冷静な感じだし、最初から登場してるから主人公なんだろうなぁ。と思っていたらこの展開ですからね。最初にアフリカ系アメリカ人のギャングのグループが描かれるのに、途中からは、ヒスパニック系のギャングの極悪そうなシーザーが中心に描かれるんですもんね!このストーリーの一貫性の無さもいかにも低予算映画です。
 まぁ、低予算のゾンビ映画だし、誰が主人公かわからない感じだし、皆殺しになっちゃうんだろうなぁって想像できちゃいます。

 それにしても、こういう作品を観ると、ブルーノ・マッティ監督のゾンビ映画がいかにちゃんと作られてるのか実感できます!!ゴアシーンがキツイのと、ゴブリンの音楽しか印象に残らない『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』(80年)も今作に比べたら、全然マトモな作品に思えてきちゃいます!!

 まぁ、ゾンビ映画ファンは必見なんでしょうけど(ゾンビ映画だからっていう理由でだけですけど)、それ以外のホラー映画ファンにはあんまりオススメできないかも??
 途中、警官の1人が無線するために倉庫の屋上に上がるシーンがあるんですけど、街の景観が映るんですけど、普通に自動車が走ってました!!こういうところもいかにも低予算な感じです!!そんなこと言ったら、今作に比べたら大作な『サンゲリア』(79年)なんか、普通に自動車が走ってましたけどね!映画が面白ければ、自動車が走っていようが、走っていまいが関係ないんですけど、今作の場合は、ランニングタイム84分なのに、やけに間延びした感じなんで、つい突っ込みたくなっちゃいました。
 
 ゾンビに襲われた、対立するギャングのグループや警官や気象予報士とかが倉庫に立てこもるっていう設定自体は、ゾンビ映画としては、発想は面白いと思うんですけどね。立てこもり系のストーリーはゾンビ映画としては、定番中の定番だし。
 ちゃんと制作費をかけて、ホラー映画の得意な監督がリメイクしたら、もっと面白く観れると思うんですけどね!!30点
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「13 thirteen」感想

2008-04-15 00:52:56 | マスターズ・オブ・ホラー/13thirteen
 2007年話題になったアメリカのケーブルTVのホラーアンソロジー「マスターズ・オブ・ホラー」の第2シーズン「13 thirteen」13エピソードすべて観終わりました!今回はシリーズに対しての感想です。
 
 第2シーズン、実はもっと早く観終わる予定だったんですけど、けっこう時間かかっちゃいました。シリーズ全体を通しての感想なんですけど、第1シーズンに比べると、なんかごくごく普通のホラーシリーズになっちゃった気がします。
 
 「ロッド・サーリングの「ミステリーゾーン」のようにバラエティに富んだシリーズを作れ!!」なんて言いませんけど、この第2シーズンは、ちょっと余りにも同じような作品ばっかりだったっていう印象になっちゃいました。

 アメリカ、カナダのホラーアンソロジー「ナイトビジョン」の方が、よっぽどバラエティに富んでるような印象を受けちゃいます。「ナイトビジョン」は放送時、あまり話題にならなかったですけど、けっこう好きだったんですよね。放映時にエアチェックしておかなかったんんですけど、今考えるとエアチェックしておけば良かったです。関東ではNTVで深夜に放映してたんでしたっけ??
 すぐにソフト化でもされるのかな??とか思っているうちに時間が経っちゃったんで、ソフト化は厳しいかもしれないですね。

 話題を「13 thirteen」に戻すと、幽霊物みたいなオカルト作品が多かった気がします。第1シーズンは、殺人鬼物やモンスター物、終末物とけっこうバラエティ豊かだったのに残念です。第3シーズンがあるときは、もっと色々な作品を作って欲しいですね。

 「13 thirteen」でのオススメのエピソードは、ジョー・ダンテ監督の「男が女を殺すとき」と、トビー・フーパー監督の「災厄の街」の2つのエピソードですかね??
 あと、けっこう面白かったのがピーター・メダック監督の「ワシントン・コード」ですかね。ジョン・カーペンター監督の「グッバイベイビー」もバイオレンス度が高くてけこうオススメかも。サスペンス物+モンスター物みたいな感じで楽しめました。

 実は、自分は「幽霊物」みたいなオカルト作品が苦手なんですよね。オカルト物で好きな作品といえばピーター・メダック監督の『チェンジリング』(79年)と『ヘルハウス』(73年)ぐらいです。
 宗教系のオカルト映画だと『エクソシスト2』(77年)、『悪魔が最後にやってくる』(77年)、『センチネル』(77年)とか大好きな作品がいくつもあるんですけど、「幽霊物」って全然盛り上がれないんですよね。

 『呪いの人形』(77年)、『暗闇のささやき』(76年)とかTVの映画劇場で日本未公開のホラー映画を観る場合は、「幽霊物」でもけっこう楽しく観れちゃうんですけど、自分はやっぱり、ホラーアンソロジーの1エピソードとして期待して観ちゃうとどうしても「幽霊」系の作品は魅力が薄い気がしちゃうんですよね!!

 またまた話題がずれたんで、話題を「13 thirteen」に戻すと、今回のシリーズの監督なんですけど、ブラッド・アンダーソンや、アーネスト・ディッカーソンが選ばれてるのはなぜ??
 他にも「マスターズ・オブ・ホラー」の選ばれても良い監督は大勢いるでしょう!何人かあげてみます!!

 『夕暮れにベルが鳴る』(79年)、『新・夕暮れにベルが鳴る』(93年)のフレッド・ウォルトン監督。

 『ヘルハウス』、『ハウリングⅣ』(88年)のジョン・ハフ監督。

 『ヒッチャー』(85年)の脚本や『ボディ・パーツ』(91年)、『バッド・ムーン』(96年)のエリック・レッド監督。

 『ドリームスケープ』(84年)、『Wダブル』(87年)、『フォーガットン』(04年)のジョセフ・ルーベン監督。

 評判の悪いですけど、自分はそんなに嫌いじゃない『ハウス・オブ・ザ・デッド』(03年)のウーヴェ・ボル監督。

 『ブラッダ』(00年)、『スパイダーパニック』(02年)の昆虫映画が得意なエロリー・エルカイェム監督。

 『シャドー・チェイサー地獄の殺戮アンドロイド』(92年)、『陰謀』(95年)、『オクトパス』(00年)、『RIPPER地獄からの手紙』(01年)ホラー、SFムービー、1筋のジョン・エアーズ監督等々。

 オファーしても忙しそうなんで厳しそうですけど、イーライ・ロス監督やポール・W・S・アンダーソン監督、ニール・マーシャル監督といった監督もいるし!! 
 ちょっと思いつくだけでもこれだけいるのに!第3シーズンはあるんでしょうか??期待してるんで面白い作品をお願いします!!!
コメント (2)
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13 thirteen「Vの伝染」

2008-04-13 11:15:52 | マスターズ・オブ・ホラー/13thirteen
13 thirteen
「Vの伝染」
THE V WORD
 監督 アーネスト・ディッカーソン
 脚本 ミック・ギャリス
 出演 アージェイ・スミス、マイケル・アイアンサイド

 ■ストーリー■
 ジャスティンとケリーは、ちょっとした話から肝だめしに本物の死体を見るために深夜の葬儀屋に忍び込むことになるのだった。交通事故で死んだいじめっ子ビリーの死体を見る為いとこのジェームスが働いているコリンズウッド葬儀場へ向かうのだった。葬儀場では、開いていなかったはずの棺は開き、床には血がこぼれていた。

 ■感想■
 『サバイビング・ゲーム』(94年)、『ネバー・ダイ・アローン』(04年)のアーネスト・ディッカーソン監督作です。
 最近は、アーネスト・ディッカーソン監督はTV作品を手がけてることが多いみたいですね。
 作品としては「CSI:マイアミ4」やら「Lの世界」等で監督してるみたいです。今回の第2シーズンですけど、なんで「マスターズ・オブ・ホラー」の監督に選ばれたの??って監督が多くありませんか??
 今作のアーネスト・ディッカーソン監督も、ホラー映画の“マスター”って聞かれたら、絶対に「ノー」って言っちゃいそうですもんね。なんで??なんで??なんで??
 「ホステル」シリーズのイーライ・ロス監督。
 ホラー映画っていうより、SF映画のマスターかもしれないですけど『リベリオン』(02年)『ウルトラヴァイオレット』(06年)のカート・ウィマー監督。
 『夕暮れにベルが鳴る』(79年)、『超高層の死角』(89年)のフレッド・ウォルトン監督。
 『バーニング』(81年)、『スプリット・セカンド』(92年)のトニー・メイラム監督。(トニー・メイラム監督はイギリス人だから厳しいですかね??)
 『血のバレンタイン』(81年)、『サイキック・ウォー』(91年)のジョージ・ミハルカ監督。
 『殺人狂THE GUNS & KILLERS』(97年)、『ザ・コンヴェント』(99年)のマイク・メンデス監督。
 とか、ホラー映画が得意な監督がいくらでもいるでしょう!!この件は、「13 thirteen」シリーズの感想の記事で最後にまとめて、もう1度書きます。
 
  
 で、今作「Vの伝染」なんですけど、葬儀場に潜入したジャスティンとケリーがふざけて
「奴らが捕まえにやってくるぞ!バーバラ」って言ってふざけるシーンが1番面白かったですね!『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(68年)がごくごく普通の常識としてホラー映画ファンの間で浸透しているってことですよね!!
 
 日本で『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』なんて言ったら、ホラー映画ファンか、ゾンビ映画ファンしか、相手にしてくれないですもんね。(ゾンビ映画もホラー映画の1ジャンルでした、すみません)

 今作「Vの伝染」ですけど、ちょっとした、TVシリーズのホラーアンソロジーの1エピソードとしては、ちょうど良い感じの作品ですけど、特に面白いのかって言われるとね。ごく普通のデキです。こんな感じでソフト化されるから観ますけど、TVで放映されたら、しっかりとエアチェックしてまでは観ないかも??それくらいの感じの作品です。
 吸血鬼物は傑作が多いから、これくらいの作品だとどうしても評価が厳しくなっちゃいます。


13 thirteen 「Vの伝染」

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13 thirteen「グッバイベイビー」

2008-04-12 10:08:10 | マスターズ・オブ・ホラー/13thirteen
13 thirteen
「グッバイベイビー」
PRO-LIFE
 監督 ジョン・カーペンター
 脚本 ドリュー・マクウィニー、スコット・スワン
 出演 ロン・パールマン、マーク・フォイアスタイン

 ■ストーリー■
 中絶を行う診療所に勤める若いカップルの医師が運転する自動車の前に、森から若い妊婦が飛び出してくる。ショックを受けているだろうと診療所に妊婦を連れて行くが、その妊婦はワケのわからないことを言い出すのだった。一方、若い妊婦の父親で中絶反対派のドゥエインが診療所に娘を返すよう言ってくるのだった。

 ■感想■
 まさに「マスター・オブ・ホラー」の1人、ジョン・カーペンター監督のホラー。
 前回の「マスターズ・オブ・ホラー」のエピソード「世界の終り」が傑作エピソードだったんで、今回はどんな話を見せてくれるのか、やたら期待しちゃいました。
 期待して観たら、「ごくごく普通のモンスター物」+「異常な家族(親父)」って感じの作品でした!これが新人の監督の作品だったらめちゃくちゃ評価しちゃいますけど、ジョン・カーペンター監督の作品だと思うと、及第点って感じになっちゃいますかね??
 でも、実は、この作品、ホラー作品としては普通の感じですけど、ヴァイオレンス度は異常です!
 
 ホラー度     ★★★
 ヴァイオレンス度 ★★★★★
 サスペンス度   ★★★
 って印象です。あ、ちなみに★マークは5個で満点です。だから「ヴァイオレンス度」は満点!!良くTVドラマでここまでやりましたね。ケーブルTVとはいえ。
 今般の第2シーズン「13 thirteen」では今作がヴァイオレンス度が満点!ダリオ・アルジェント監督の「愛と欲望の毛皮」が血まみれ度満点って感じですかね??
 
 ところで、今作「グッバイベイビー」途中までは、まるですごいモンスター物って印象で進んでいくんですけど、怪物の子どもが生まれてからの展開が、B級作品っぽくなって「あれ、これで終り??」って思っちゃいます。
 怪物よりも、ロン・パールマンが演じる狂信的な親父さんの方が怖いです。
 診療所の警備員を殺して、所長を殺して何とも思ってないあたり、すごく怖いです!いくら、神からの声を聞いたからって、この行動にはついていけないです。

 ジョン・カーペンター監督の傑作SFアクション『ニューヨーク1997』(81年)は、当初、内容がシリアスすぎたので、観客に受けるように少しユーモアの要素を入れたってエピソードがあったような気がしますけど、この「グッバイ・ベイビー」の緊張感あるアクション映画風な演出を観ると、なるほどジョン・カーペンター監督って、アクション映画向きなんだなって思います。
 ロン・パールマンと息子たちが診療所を襲撃するシーンはかなり緊張感のあるシーンになってます。人もそんなに大勢が死んでるわけじゃないのに、すごくインパクトが強いシーンになってます!
 ジョン・カーペンター監督には、ホラー系、SF系なハードなアクション映画が似合いますね!
 『ゴースト・オブ・マーズ』(01年)以降、新作の劇場映画を撮っていないジョン・カーペンター監督ですけど、ドンドン劇場映画の新作が観たいです!

 ジョン・カーペンター監督の作品として今作を観ると、「普通」って感じです。でも、ジョン・カーペンター監督ファンなら必見です(当たり前か)

ジョン・カーペンター監督といえば『要塞警察
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TV東京の「午後ロー」の吹き替え音源とかなら最近だし絶対にあるはず!
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13 thirteen 「グッバイベイビー」

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13 thirteen「妻の死の価値」

2008-04-11 00:40:50 | マスターズ・オブ・ホラー/13thirteen
13 thirteen
「妻の死の価値」
RIGHT TO DIE
 監督 ロブ・シュミット
 脚本 ジョン・エスポジート
 出演 マーティン・ドノヴァン、ジュリア・アンダーソン

 ■ストーリー■
 浮気をしたクリフは、妻アビーとドライブ中に仲直りをして車を走らせていた。しかし、道路に転がっていた木に衝突、車は横転してしまう。クリフは無事に助かるが、アビーは車が炎上し、大やけどをを負ってしまうのだった。病院で目覚めたクリフは、アビーを尊厳死させるか、皮膚移植による延命措置をとるか選択するよう迫られるのだった。しかし、皮膚を移植させるためにもタイムリミットがせまっているのだった。

 ■感想■
 1980年代風のスラッシャームービー『クライモリ』(03年)のロブ・シュミット監督のホラー。
 『クライモリ』の監督なんで、どんな作品を見せてくれるのか期待してたんですけど、普通のTV作品のようなオカルト物でした!!アメリカ人をはじめ、西洋の人って、いわゆる「幽霊物」が好きなんでしょうかね??
 「ホラー」といってすぐに「幽霊物」とかいうと、自分なんかは、逆に安易な気持ちがしちゃうんですけどね。

 幽霊屋敷物はクラシックな『たたり』が1963年に作られてますし、1973年には「地獄の家」の映画化の大傑作『ヘルハウス』が作られてますし、これ以上に面白い作品を作るのは、ストーリー的にかなり厳しそうですけど、それ以後も、ダン・カーティス監督の『』(76年)、ピーター・メダック監督の『チェンジリング』(79年)といくつもの幽霊屋敷物の傑作は作られてるのに、「幽霊物」はあんまり面白い作品を観た記憶が無いんですよね。
 西洋って「幽霊」そのものを描く作品よりも「幽霊屋敷」系の作品を描く方が得意なんでしょうかね??でも、今作では、その「幽霊」そのものを描いちゃいました!!
 「えーっ、また幽霊物なの??」
 もうその時点で、かなり期待感が薄まったおかげか、あんまりショックは受けませんでしたけど、最後に見たエピソードがこれなんて、そうは言ってもちょっとショックでした。
 「好きな題材で60分を使って予算内にホラー作品を作って良い」って言われてあえて「幽霊物」を撮るなんて。日本では1980年代くらいまでは「土曜ワイド劇場」でも普通に幽霊物とかを作ってましたし、1970年代は普通のドラマでも幽霊が出てくるような「夏の怪奇シリーズ」みたいなのがあったりして、幽霊物って安易な感じがするんですよね。フジTVの「時代劇シリーズ」とかTBSの「キィハンター」とかってなんか夏に怪奇シリーズを放映してませんでしたか??
 
 だから、幽霊物でない「ホラー作品」を観たいと思ってたのに、「マスターズ・オブ・ホラー」で幽霊物を観るなんて、ちょっとガッカリでした。それも監督が『クライモリ』の監督の作品なのに!!
 まぁ、そうは言っても、直接的な描写は無いですけど、かなりスラッシャームービー的な展開も用意されてるので、そういうファンにはちょっとは満足できるかも。

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13 thirteen「愛と欲望の毛皮」

2008-04-10 00:37:24 | マスターズ・オブ・ホラー/13thirteen
13 thirteen
「愛と欲望の毛皮」
PELTS
 監督 ダリオ・アルジェント
 脚本 マット・ヴェン
 原作 F・ポール・ウィルソン
 音楽 クラウディオ・シモネッティ
 出演 ミート・ローフ、ジョン・サクソン、エレン・ユージー

 ■ストーリー■
 毛皮業者のジェイクは、ジェイムソンから上物の毛皮が手に入ったと連絡を受けるのだった。半信半疑でジェイムソンの家に行ってみると、動物の罠で自殺したジェイムソンの息子ラリーと、バットで撲殺されたジェイムソンの死体を発見するのだった。ジェイムソンの家にあった上物のアライクマの毛皮を手に入れたジェイクは、その毛皮でコートを作ろうとするのだった。

 ■感想■
 ダリオ・アルジェント監督の血みどろ系ホラー作品。
 音楽は「ゴブリン」のクラウディオ・シモネッティ。ダリオ・アルジェント監督の作品では、何度も何度も仕事をしてます。ダリオ・アルジェント監督のファンならもうお馴染みのスタッフです。第1シーズンの「マスターズ・オブ・ホラー」のダリオ・アルジェント監督のエピソード「愛しのジェニファー」でも音楽を担当してました。
 原作はF・ポール・ウィルソン。
 
 第1シーズンの三池崇史監督の「インプリント ぼっけい、きょうてい」も拷問シーンが、かなりな感じで生理的に痛いシーンがありましたけど、ダリオ・アルジェント監督の今作も、違った意味で生理的に怖い血みどろなゴアシーンの連続です。
 ケーブルTVの作品とはいえ、裸シーンやゴアシーンの連続で、少しだけあ然としちゃいました!今作も、ストーリー的には、本当に大したコト無いのに、数々のゴアシーンのおかげで、退屈することなく楽しく観れました。

 ホラー作品だからって、なんで、毛皮に触れた人間たちがオカシクなっちゃうのか説明もなく、どんどん自殺していっちゃいます。「えーっ、説明くらいして」って感じですけど、なんてたってダリオ・アルジェント監督の作品だから、しょうがないですね!
 劇場映画『インフェルノ』(80年)だって、なんの説明も無く肉屋のオヤジが人を殺してましたもんね!
 「論理的なストーリーよりも、ゴアシーンが大事!!」なダリオ・アルジェント監督ですからね!
 
 もうゴアシーンを描くのが好きなんだから、しょうがないですよね!!同じ作品を違う監督が作ったら文句を言いたくなっちゃいますけど、ダリオ・アルジェント監督なんで全然OKです!!
 好きな監督には、甘いんです!!期待してたんで、ちょっと期待はずれでしたけど、まぁまぁ、及第点って感じですかね。ダリオ・アルジェント監督には『ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック ?』(05年)みたいなゆるめの作品でいいので、ジャッロ映画を撮って欲しいんですけどね。
 
 1970年代にはイタリアのTVドラマのアンソロジー「サイコ・ファイル」を作ったことがあるんだから、ダリオ・アルジェント監督にはホラー映画にこだわらないでジャッロ作品を撮って欲しいんですけどね。でも、ジャッロとかだと、こだわりがあって、逆に60分のエピソードとかでは撮りたくないんでしょうかね??
 でも、自分が、ダリオ・アルジェント監督に期待するのは「魔女」シリーズでもなく、こういう「マスターズ・オブ・ホラー」のエピソードのようなホラー作品でもなく、ジャッロなんですよね。

 魔女3部作の“LA TERZA MADRE”を撮ったあとは、ジャロを撮って欲しいんですけど、次回作はどうなんでしょう??

 
13 thirteen 「愛と欲望の毛皮」

角川エンタテインメント

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