A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【モグモグ主催イベント第2弾決定!】MOGRE MOGRU presents『DEEP DIVE vol.2』7月15日(金) 大久保水族館~NRYY/平岡俊之/Oriental Love

2022年06月23日 22時46分13秒 | 素晴らしき変態音楽


MOGRE MOGRU presents
DEEP DIVE vol.2

2022.7.15 fri 東京・大久保水族館
Open 18:30 / Start 19:00
2,000 Yen +1drink

NRYY
平岡俊之
Oriental Love
MOGRE MOGRU

4月10日にvol.1が開催されたMOGRE MOGRU主催イベント『DIVE DEEP』のvol.2の開催が決定した。<表現の深海に深く潜る>ことをテーマにしたイベントに相応しく、会場は熱帯魚に囲まれた異世界で演奏を楽しみながらお酒やお食事を楽しめるライブ・バー大久保水族館。深化するインプロ・アンビエントユニット、モグモグことMOGRE MOGRUに加え、海外のレーベルから作品をリリースする個性派アーティスト3組が出演。15年以上の活動歴を誇るノイズギタリストNRYY、ホラー映画のサントラで知られる平岡俊之、現代の民俗音楽を志すOriental Love。それぞれのソロ演奏に加えスペシャル・コラボも予定。TOKYO NEOUNDERGROUNDシーンの深淵に潜る貴重な音楽体験になるでしょう。
★Vol.1の模様はコチラ⇒【イベントレポート】MOGRE MOGRU主催イベント『DIVE DEEP vol.1』~山本万結/MOGRE MOGRU/DJ SubRosa/DJ Inibura/DJ stutter

TIME TABLE
19:00-19:30 MOGRE MOGRU + Oriental Love
19:40-20:10 Oriental Love Solo
20:20-20:50 平岡俊之 Solo
21:00-21:30 NRYY Solo
21:40-22:00 All Members Session



【出演アーティスト・プロフィール】
●NRYY

Improvised guitar,Harsh Noise,Noise performer,ragtime guitar。大阪出身。国内のみならずマレーシアを拠点に東南アジア各国で活動。ソロの他にもコラボレーションも積極的に行なってきている。

NRYY@UFO CLUB



●平岡俊之

ウォーターフォン奏者、作曲家。
コステス、Dave-iD Busaras(バージン・プルーンズ)、THE INSTIGATORS(UK)などとレコーディング、ツアーを行っている。
ニューアルバム WaterohoneⅡ発売中(CDおよびストリーミング)

ウォーターフォン2/平岡俊之 CD発売中!



●Oriental Love

北海道生まれ、東京在住。現在は東京を中心にライブと制作を中心に活動中。
自然界の持つ暴力性と美しさを自身の表現理念の中心に置き、現代の民族音楽の構築を志す。
音源は海外から7枚のアルバムをリリース

Polyrhythm for Organ / オルガンのためのポリリズム (千駄木 / Sendagi : Psychedelic Tokyo with Experimental Music )



●MOGRE MOGRU

剛田武(flute, clarinet, violin, accordion,etc)、Tanao(guitar)、黒い瞳(musical saw, glockenspiel, recorder, toy instruments, voice, etc)からなるトリオ。2021年7月結成。ライヴ・パフォーマンスを“DIVE ACTION”と呼び「DIVE DEEP!/深く潜れ!」を合言葉に表現活動を行っている。アコースティック楽器の即興演奏とディープなアンビエントギターで“Improv-Ambient(インプロヴアンビエント)サウンド”の新たな地平を切り拓く。2022年6月限定メタル缶入り4枚組CD-R BOX『DIVE ACTION BOX 1』をリリース。

MOGRE MOGRU / DIVE ACTION -DIGEST-


モグモグと
地下音楽の
水族館デート

▼7/15(金)主催イベントの前に7/2(土)週末ライヴがあります。こちらもどうぞお越しください。


2022月7月2日(sat) 東京・吉祥寺NEPO
【grazin'(in the sea)】

1F open 17:30
B1 open/start 18:00/18:30
adv/door ¥2,200(+1order)
streaming ¥1,000

〈出演〉
MOGRE MOGRU
海の上のプールサイド(duo set)
ヌルオ the 部族×タダフジカ
DISCO WITCH

<チケット予約方法>
・NEPOのHP予約
https://nepo.co.jp/contacts/index/1545?tab=booking
・各アーティストの取り置きも受け付けます。
<配信>
https://nepostream.myshopify.com


▼MOGRE MOGRU『DIVE ACTION BOX 1』Los Apson?にて販売中です!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【地下女子レビュー】オルガンを慰撫する慈しみの聖歌~『デルフィーヌ・ドラ(Delphine Dora) / 否定神学聖歌(Hymnes Apophatiques)』

2022年06月23日 00時05分39秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


『Delphine Dora / Hymnes Apophatiques』 『デルフィーヌ・ドラ / 否定神学聖歌』
text by 剛田武 Takeshi Goda

CD : Morc Tapes morc 86 / DL : bandcamp

Delphine Dora : Pipe organ, vocals

1. l’espace transcendant (超越的な空間)
2. la plénitude des signes (記号の充満)
3. s’extraire de l’abîme (奈落の底からの脱出)
4. ritournelle scolastique #1 (スコラ哲学的リトルネッロ #1)
5. athanor (錬金炉)
6. mystère indicible (言いようのない謎)
7. ritournelle scolastique #2 (スコラ哲学的リトルネッロ #2)
8. allégresse (歓喜)
9. l’immuable sous-jacent (根底にある不変のもの)
10. la table d’émeraude (エメラルド色のテーブル)
11. l’abîme qui les sépare (二人を隔てる奈落の底)
12. kaïros (カイロス)
13. eon (イーオン)
14. l’esprit vide (空っぽの心)
15. opus divinum (神聖な作品)
16. immobilité (不動)
17. saisir l’éternité dans le temps (時間の中で永遠を把握する)

Mastering by Michael Anderson
Composed by Delphine Dora in St Saphorin Church (July 2021)
Thanks to Yan & Jon from Jolie Vue Festival and Wim (Morc Tapes)

Delphine Dora Official Site
bandcamp

神を否定した先に生まれる新たな“歓喜の歌”。
デルフィーヌ・ドラは1980年フランス・パリ生まれの即興音楽家、作曲家、ピアニスト、レーベルオーナー。独学でピアノと声楽を学び、様々な鍵盤・管・弦・打楽器・電子楽器を身につけ、さらにフィールド・レコーディングやサウンド・オブジェへと守備範囲を広げて活動するマルチミュージシャンである。2005年頃から自主制作で作曲・即興作品を発表し、現在までに30作を超えるアルバムをフランス国内外のレーベルからリリースしている。その多くは限定リリースのため物理メディアでの入手は困難だが、デジタルで聴くことは可能であり、探してでも聴く価値がある。

2021年7月16日に彼女はスイスのアルプス山嶺の村サン・サフォランで開催される“ジョリー・ヴ―(素敵な眺め)フェスティバル”に出演した。それに先立つ数日間、レジンデンシーとして現地のサン・サフォラン教会に滞在し、教会のパイプオルガンを好きなだけ演奏する機会を得て、即興を中心に何時間にも亘りオルガンと歌の演奏をレコーディングした。その中から1時間余りの音源を選んで制作された小品集が本作『否定神学聖歌』である。

パイプオルガンという楽器は、私のように宗教的背景の異なる日本人から見ても荘厳で神々しい存在だが、キリスト教が主流の国の人々にとっては、幼い頃から教え込まれた<絶対的な神>を象徴する存在への畏怖心と、同時に打ち負かすべき存在への反抗心というアンビバレンツを内包する楽器と言えるだろう。筆者はオリヴィエ・メシアンのオルガン曲を愛する者だが、熱心なキリスト教者であったメシアンの教条主義的な思想やスタイルにはひと欠片の興味も魅かれはしない。それでもなお、壮麗なパイプオルガンの音色の人知を超えた美しさに陶酔し、主の足元に身を投げ出す恥辱をも厭わず、敬虔な信徒を装うが如く、忘我の果ての昇天に身を任せることを禁じ得ない。

ドラ自身が信者かどうかは知らないが、化け物のように巨大なパイプオルガンを自分の演奏で跪かせたい、自分の腕で支配したいという無意識のサディスティックな願望が自然な形で実を結んだのが、パイプの先に火を灯す仄かな熱を帯びた器楽音と、揺れる炎を吹き消そうとする些かフラット気味の嬌声の吐息の相姦作用が克明に記録されたこのアルバムである。初めは恥じらっていたパイプとヴォイスが、曲が進むにつれて寄り添い、語り合い、睦み会う音の連なりは、恰も両者を包み込む教会建築のナチュラルリバーヴに隠れて密会する神(Divine)と人(Human)のアバチュールである。

それにしても神性を剥ぎ取られたパイプオルガンの音色は何と無垢で脆いのだろう。デルフィーネ・ドラのヴォーカライズが教会オルガンの空っぽの心を慈しみで満たす。21世紀の“歓喜の歌”は斯様にあるべきなのかもしれない。(2022年6月1日記)
初出:JazzTokyo#289 2022年6月3日公開

Delphine Dora - Psychic Mind - A Stream of Consciousness (2012)


神と人
鍵盤と手の
アバンチュール

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする