Air raid vol.265
LIVE : 灰野敬二+山崎怠雅 /沢田ナオヤ/大島輝之
渋谷LUSHは隣接するHOMEとともに若い音楽ファンに人気のライヴハウスである。高校生は割引のイベント『Beat Happening!」の拠点のひとつとしても知られる。音響・照明設備もよく、若手は勿論、ベテランアーティストにも評判がよい。灰野敬二は2014年1月石川浩司との共演以来2回目の出演。アコースティック弾語りのイベントである。
●大島輝之
(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)
大谷能生、植村昌弘とのエクスペリメンタル・バンド『sim』の中心的存在の大島輝之の弾語りソロ。エレクトリックな感触のsimでのプレイから一転、歌心のある人間的な演奏を聴かせる。素朴な歌声、大陸的なメロディー、込み入ったコード展開、「サンマにツナ/サムバディトゥナイト」といった乾いたユーモアに、たぶんにプログレッシヴロック、特にロバート・ワイアットやデイヴ・シンクレアなどカンタベリーロックの香りを感じた。脳内でプログレ風にオーケストレーションしながら楽しんだ。
⇒大島輝之公式サイト
●沢田ナオヤ
飄々とした佇まいで、前髪の下から睨みつけるように歌うスタイル、時折強いアタックでアコギをストロークするプレイから、パンキッシュな人なのかと想像したが、特にパンクは意識していないとのこと。ロックバンドのフロントに立てば映えそうなルックスだから、翌日出演する「Beat Happening!」の若い客層に受けそうな気がする。ギター女子が盛り上がる弾語りシーンだが、ブームとは関係なく沢田のような芯のある男子シンガーが支えていることを実感した。
⇒沢田ナオヤ公式ブログ
●灰野敬二+山崎怠雅
2014年12月30日の灰野の年末公演で初登場してから、たぶん4回目となる灰野×山崎デュオ。「毎回僕が胃痛を抱えて挑むDUO」(山崎怠雅FBより)と語るように、両者の呼吸がひとつになった繊細な演奏は、強すぎる空調と相俟ってクールな気合いを伝える。卓越したギタープレイと表現力豊かなヴォーカリゼイションは、演奏者の素性を知らなくても鳥肌レべルだと思う。自らのルーツとも言えるアーティストの楽曲を英語で歌う灰野の心に「祈り」があるのは間違いないだろう。
Set List
1. Light My Fire (The Doors)
2. Song to the Siren (Tim Buckley)
3. Cosmic Dancer (T.REX)
4. Hurt Me (Johnny Thunders)
5. In My Room (Walker Brothers)
6. Dandy in the Underworld (T.REX)
7. All or Nothing (Small Faces)
8. People Are Strange (The Doors)
9. Life's Gas (T.REX)
10. So Alone (Johnny Thunders)
11. 黒い花びら<English>(水原弘)
12. Morning Glory (Tim Buckley)
13. Strange Fruits (Billie Holiday)
⇒灰野敬二公式サイト
⇒山崎怠雅公式サイト
コズミック
アコースティック
ファンタジック
いま達郎さんのラジオでもかかりました(笑)
もう共演していただくしかないのでは?