●白石民夫:大凶風呂敷『YUU』
サックス歴38年の大ベテランにして、他に追随する者がいない、ボッチの孤高サックス奏者。徹頭徹尾マウスピースを歯で咬んでリードを軋ませ独自の奏法を貫く異端者白石民夫の最新録音はカミッサ・ビュアハウスとのデュオ大凶風呂敷初のレコード『YUU』。2013年の様々な場所での音源集。白石は音源のセレクションまで携わったが、2014年夏に大病をして心臓を大手術したので、残りの作業はカミッサが行ったという。賛否両論のユニークなジャケット・デザインもカミッサの手になる。米国の若者が日本にどんなイメージを持っているかが伺い知れて興味深い。サックスの高周波と、クローム・カラー・オルガンの低音ドローンが干渉し合う音像は、ホワイトハウスのパワーエレクトロに近い感触。
⇒Cammisa Beurhaus公式サイト
●吉田野乃子『サックスソロ』
白石同様にNYに棲みながら演奏活動を行う女子変態サクソフォニスト初のソロ音源。昨年から始めたループステーションを駆使した重層的なひとりアンサンブルは、作曲されたリフレインを基に構築されるが、自ら破壊するような狂気のフラジオソロは、ZEN当局の関与するところではない。小学生の林間学校やバンガロー遊びに欠かせない重要グッズである。
●橋本孝之:.es(ドットエス)『SENSES COMPLEX』
大阪ギャラリーノマルを本拠地とする即興デュオ。橋本孝之の東京でのソロ活動が増えライヴ年間となった2014年を経て、2015年2,3月全国3ヶ所でのライヴ音源を収録。やはりsaraのピアノと共感を喜び合うのがドットエスらしい。それぞれの会場の雰囲気・気分の違いがそのまま演奏にも影響し、以前考察したように「場を鳴らすユニット」としての彼らの本領発揮である。同時リリース、ピアノのsaraと4人のミュージシャンとの共演作『Tinctura』にも注目。
→.es公式サイト
●望月治孝・近藤秀秋『el idioma infinito』
静岡の異形サックス奏者望月と理知的即興ジャズの専門家近藤なら、きっと上手く行くさ。フリージャズのノイズを発し、反対側はどうしているのか、想像しながら。。。不安定な情緒の塊と知性派禁欲学徒の間の距離は、そのまま聴き手のフレキシビリティレンジの広さの試金石と言える。
⇒望月治孝公式サイト
凝り固まる
凝固する。
溶け込まれる
●クリス・ピッツイオコス・トリオ『ゴーディアン・トゥワイン』
「21世紀型阿部薫がNYに現れた」(JazzTokyo 横井一江)
「これはヤバイ!!
こんなに突抜けたサックスも久々です。
もう絶対体感いただきたいプレーヤー!!」(Disk Union Web)
ディスクユニオン初回限定特典は未発表音源CD-Rだ!!
⇒Disk Union Jazz Tokyo
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