A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【新感覚クラシカル】NONCLASSICAL TOKYO Vol.1@六本木SuperDeluxe 2015.4.17(fri)

2015年04月19日 02時45分45秒 | 灰野敬二さんのこと


Nonclassical/Tokyo Vol.1
London x Tokyo x Remix


featuring: アイシャ・オラズバエフ、サム・マケイ、ジェームズ・グリア、灰野敬二、三浦永美子、波多野敦子、網守将平、Nonclassical DJs



ロンドン発のニュークラシックサウンドが日本上陸!かつてThom Yorkeともコラボレーションしたまったく新しいクラシック音楽の潮流その名も”Nonclassical”(ノン・クラシカル)!スティーブ・ライヒ、ヤニス・クセナキスらの楽曲が新しい音楽の血流とともにここに蘇る!スペシャルゲストの灰野敬二(中世音楽DJセット)も必見!




NONCLASSICAL Official Site

筆者が20年程前にクラシック専門クラブDJを夢見た経緯は「爆クラ」の記事に書いたっきりで、結局イベントには行かず仕舞い。最近はクラシックを聴くことも減ってしまった。ところがレコード店のノイズ・アヴァンギャルド・コーナーでは、ノイズや前衛ロックよりも現代音楽や初期エレクトロ系の方が幅を利かせている。これは如何にと思っていたところ、現音ブームの一端を担うイベントが開催された。「非(ノン)クラシカル」というネーミングはそのまんま過ぎる気もするが、変に捻った名前よりストレートでいいのかも。灰野がDJで出演するのも何かの縁か。
DANCE with CLASSIC~爆音クラシック、世界プレミアDJの夢、そして現存する世界最高齢のクラブDJ

●アイシャ・オラズバエフ、サム・マケイ、ジェームズ・グリア

(写真の撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

ノン・クラシカルの中核メンバーのマケイとグリア、そして新進気鋭のヴァイオリニストのオラズバエフによるショーケース演奏。全体的にアンビエントなドローン演奏で、既存のクラシックの枠を超えていない気がした。水を打ったような客席の静けさも、クラブイベントと云うより鑑賞会。最初だから仕方が無い。

●灰野敬二


スクリーンで四方を囲われたDJブースで灰野の中世音楽DJが始まる。DJタイムの気軽さで、リラックスした観客の話の輪が出来る。複数の音源をミックスする灰野のプレイは、じっと聴くと相当ディープだが、背景音と位置づけると、クラブと云う非日常空間の演出に相応しい。

●三浦永美子


「ロンドン×東京×リミックス」というタイトル通りに日本の若手アーティストが出演。ピアニストの三浦はレーベル主催者ガブリエル・プロコフィエフの作品とジョン・リチャーズのエレクトロニクスとのデュオ曲を演奏。正確無比な指さばきは間違いなく音大育ち。その才能を野蛮ギャル度120%に転化する潔さがナイス。

●波多野敦子


もうひとり若手女子演奏家、波多野敦子のビオラ演奏。「フジツボの叫び」(初演)とされるが、即興部分も多いように思えた。会場で入手したチラシによれば、波多野は”オーダーメイドミュージック”として楽曲・音源制作を請け負っている。三浦と同じ野蛮ギャルぶりを発揮した。

●アイシャ・オラズバエフ


会場は満員の大盛況。クラブイベントらしく演奏中もところどころで会話を続ける声がする。音量的には小さい演奏に聴こえるペチャクチャを諌めるべきか許容すべきか、ちょっと心が靄ついた。網守将平のターンテーブル演奏の予定が変更になり、再びアイシャ・オラズバエフが登場してヴァイオリン・ソロ。スティーブ・ライヒ 作曲「ヴァイオリン・フェイズ」はテープとの共演で予定調和的。それはそれでとても面白いが、続く即興的な奇想曲で、彼女本来の自由度と野蛮度と実験度の高い伸びやかな演奏を披露。惚れ惚れするほど素晴らしかった。



次に登場したノンクラシカルDJのチェンバーロック/テクノ/ダンス音楽的なプレイに観客が立ち上がりダンスを始めた。やはりクラブは深夜過ぎなきゃ盛り上がらないのだろう。クラシックでクラブイベント、の神髄を見届けたい気がしたが、終電時間でアウト。



現代音楽が如何にヒップでスマートか、21世紀的センスが発揮されたイベントだった。定期的に開催されるようになれば面白いだろう。

現代音楽
同時代音楽
新時代音楽

主催者のガブリエル・プロコフィエフは作曲家のプロコフィエフの孫。実験打楽器奏者のルーカス・リゲティは、作曲家リゲティの息子である。現代音楽二世三世が活躍する時代になった。 



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ガレージ女子の逆襲~That's a NO! NO!/トーキョーキラー/ザ・喫茶店/野佐玲奈とブルーヴァレンタインズ

2015年04月17日 00時38分38秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


キノコホテルはもとより、THE 5.6.7.8's、drop'sといったガレージ女子バンを観るにつけ、R&B/モッズ/GS/R&B/サイケに気触れた女子ほどチャーミングな生き物はいないな、なんて思ったりする。勿論アイドル界隈への萌えキュンハートと捧げる気持ちに違いは無いが、楽器、特にエレキギターで武装した女子には、逆に守ってあげたい父性愛がキュンキュンするのも確か。本格的な春の訪れにWKTK気分100%のエイプリルにピッタリの燃えキュンガレージ女子が出揃った。(以下斜体はamazonのコピペ)



That's a NO NO!
CARROT or STICK?


ファーストアルバムから3年。さらに勢いを増し続けるガレージロックバンド、That's a NO NO!(ザッツアノーノー! )。東京モッズシーンから誕生し、60年代のR&BやR&Rなどのルーツミュージックをベースとして、ある時はサイケデリックに、ある時はホラーに、またある時はポップに、ココロゆさぶる音を紡ぎ出す彼らの、待望のセカンドアルバム。疾走感あふれるオルガンガレージロックナンバーや、60年代のクラブシーンをイメージしたダンスナンバーなどの多彩なオリジナル曲のほか、The AnimalsのInside Looking OutやNina Simoneの名曲Ain't Got Noなどのカバーも収録。
メンバー:吉田ケイ(Vo,G,Or)、松田れな(B)、菊池ともか(G)、新道文宜(Dr)


2008年5月にサザナミレーベルの女子コンピ『Girls Sazanami Besa! Vol.1』イベントで初めて観て以来、2013年8月の同アルバムVol.5のイベントまで何度か観たThat's a NO! NO!、訳せば「それはダメよダメダメ」。長身のケイの姐御っぷりがカッコいい。スレンダーなれなと小柄なともかがWプリティー。ドラムの新道がやっていたGS男子バンド、ザ・シャロウズは解散してしまった。PVでは男前なステージでは観られないエロい姿態のケイに下腹部キュンキュン。






トーキョーキラー
トーキョー★キラーストリート


21世紀ファズ・ギター・ヒロインのケメ、元GO!GO!7188のベーシストのアッコほか、ツワモノ・ミュージシャン四人が集結したインストゥルメンタル・ロック・グループ「トーキョーキラー」のデビューアルバムが登場。オリジナルと60年代のガレージ・サーフ・ナンバーに加え、さらに頭脳警察のカバーも収録した、最新型ロックンロール・インストの最高峰。
メンバー:ギターキラーケメ、ベースキラーアッコ、ケンバンキラーケイ、ドラムキラーキョウイチ


これまたエグい。キノコホテルのイザベル=ケメ鴨川と元GO!GO!7188ベーシストのアッコの2大ガレージ女子をメインに、前衛都市繋がりのくせ者男子が脇を固めるガレージ・サーフ・インストバンド。キノコホテルの実演会のソロで魅せるパイプラインのテケテケファズギターを存分に弾き倒すケメには、フォーキー女子の面影は無い。男尊女卑のエレキ界で独り気を吐く女性上位万歳エレキ女子に股間もゴー!ゴー!






ザ・喫茶店
ザ・喫茶店のミュージック集 その1


大阪なんば発! 鍵盤2台のギターレス和モノ系ガールズバンド『ザ・喫茶店』デビューアルバム登場!
昭和歌謡~GS~ブルース等をベースにしたあくまでポップなサウンドと、コテコテのユーモアを散りばめた寸劇仕立てのライヴで人気上昇中の4ピースガールズバンド!フランス・ギャル『夢見るシャンソン人形』、ザ・ダイナマイツ『トンネル天国』、ひみつのアッコちゃんテーマ曲『すきすきソング』の絶品カバーも収録!!!
バイオグラフィー:昭和40年代、大阪のとある商店街にあるザ・喫茶店。そこで働く雇われママのファイヴ、学生アルバイトのスーザン、オーナーの娘の大菜乃子、不思議なアルバイトのりんごちゃん。この4人をとりまく物語とともに楽しい音楽をお届けします。


バンド名/ルックス/ファッション/PV、ドギツイやリ過ぎ感こそ関西人の証。吉本新喜劇の幕間の余興にピッタリの、と思っていたらアレレ?身長よりも大きいロケットベースを構える不二家ペコちゃん風の娘に見覚えが。。。7年前に最大の推しのザ・ミルキィズのベリーちゃんじゃね?こんなお店で再会するとは、「世の中狭いねー。マスター、コーヒーもう一杯!」とエミルー・ハリスをナンパするボブ・ディランを気取ってみる。






野佐怜奈とブルーヴァレンタインズ
Lady or Girl?


2014年2月14日に結成後、4月と11月に限定7インチ・シングルを立て続けにリリースした野佐怜奈とブルーヴァレンタインズが待望の1stアルバムをリリース!マスタリングはピチカート・ファイブをはじめ数多くの小西康陽作品を手掛けた竹中昭彦が担当。全曲歌えて踊れる最新型の歌謡モッド・ポップ・アルバム!
野佐怜奈:ヴォーカル/清涼感溢れる正統派の歌心がモットー。
菊池ともか:ギター/グレッチのシルバージェットがトレードマーク。若くして骨太なプレイを聴かせる。
横山由佳里:ベース/レコーディング、ライブサポートなど多方面で活躍中。
なかじまはじめ:ドラムス/かせきさいだぁ&ハグトーンズ、m-floのサポートでも活躍中のドラムマスター。


Valentine Dayに結成されたからブルーヴァレンタインズ。昨年4月19日のレコードストアデイに7インチシングルでデビューした。ピチカートの遺伝子を21世紀に伝える野佐怜奈も魅力的だが、決定打は元キノコホテルのエマニエル小湊=横山由佳里と、That's a NO! NO!の萌えポイント菊地ともかちゃん。オレ得過ぎて未だヴァレンタインズ・ライヴ童貞のまま貞操を貫いている。



ガレージに
集う女子には
最敬礼

▼オレ得バンド・リンク満載!
●キノコホテル「もえつきたいの」:ケメ(トーキョーキラー)&横山由佳里(野佐怜奈とブルーヴァレンタインズ)


●GO!GO!7188「ああ青春」:アッコ(トーキョーキラー)


●The MILKEES「LOVELEVER」:りんごちゃん(ザ・喫茶店)


●ザ・シャロウズ「キミがいなくちゃ」:新道文宜(That's a NO! NO!)


●アーバンギャルド「さくらメメント(SPECIAL LIVE Ver)」:ケイ&キョーイチ(トーキョーキラー)



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【試聴室】JAZZの概念を拡張するNYシーンの鮮烈なドキュメント。C.ピッツイオコスの新作を聴く

2015年04月16日 00時15分15秒 | 素晴らしき変態音楽


NYハードコアジャズの新星クリス・ピッツイオコスの新作2作
『クリス・ピッツイオコス、フィリップ・ホワイト/パロクシズム』
『ウィーゼル・ウォルター&クリス・ピッツイオコス/ドゥローン・アンド・クウォータード』




『Chris Pitsiokos, Philip White / Paroxysm』 Carrier 029

Chris Pitsiokos (as)
Philip White (electronics)

1. Part I
2. Part II
3. Part III
4. Part IV
5. Part V
6. Part VI

All music by Chris Pitsiokos and Philip White
Recorded, mixed and mastered by Philip White
Recorded at JACK in Brooklyn, NY
Art by Paola Hivelin



『Weasel Walter and Chris Pitsiokos / Drawn and Quartered』 One Hand Records 0H0004 (LP)

Weasel Walter (ds)
Chris Pitsiokos (as)

A1 Hanged
A2 Drawn
B1 Quartered

Recorded in Queens, NY on May 1st and 3rd, 2014
Artwork by Paola Hivelin



「ジャズ」の概念を拡張するニューヨーク即興シーンの鮮烈なドキュメント

音楽情報サイト『JazzTokyo』でスタートしたマンスリー・コラム『Jazz Right Now』で「最もエキサイティングな若い才能」と評されるクリス・ピッツイオコスの新作が2ヶ月連続でリリースされた。1月にスウェーデンの即興アーティストとのトリオで来日したニューヨーク・シーンのベテラン・サックス奏者ジョン・イラバゴンも「彼は面白いね。それにすごく若い」と相好を崩していた。まるでブルックリン即興音楽スクールの在校生が、久々のフレッシュマンを歓迎し、温かい目で見守っているかのようである。2012年にブルックリンにやってきた20歳そこそこの若きサックス奏者クリス・ピッツイオコスが、風雲児として活躍することが、先輩音楽家たちを奮い立たせ、シーンの活性化の一因となったと言えるのではなかろうか。

ピッツイオコス自身が語るように、住居費が高騰するブルックリンでの芸術家・音楽家の生活は楽ではない。それでもこの場所で常に新たな芸術表現が創造され続ける理由は、ニューヨークという街の磁力と言うしかない。それは即興音楽に於いては、数多くの才能が出会い切磋琢磨することで生まれるケミストリー(化学反応)でありアルケミー(錬金術)に他ならない。シーンに飛び込んで3年目になるピッツイオコスの新作には、数多くの先輩音楽家との共演によるケミストリーで磨き上げられた輝きが宿っている。

ハンドメイドの電子楽器によるエレクトロニクス演奏で知られ、これまでジム・ジャームッシュ、ジョン・ブッチャー、中村としまる、足立智美など数多くのフリージャズ、即興音楽家と共演して来たフィリップ・ホワイト(1981年生まれ)とは、2013年夏に初めて共演した。即座にお互いの音楽志向・演奏態度の共通性を認め合い、6ヶ月間リハーサルとライヴを重ね、ジャズ、現代音楽、ノイズを有機的に融合した独自の音楽言語を生み出した。同年12月、コラボレーションの節目としてスタジオ・レコーディングされたのが『パロクシズム Paroxysm』である。「発作」を意味するタイトル通り、音と音が突発的な痙攣を起こし、摩擦で軋み合い、聴き手の脳髄を麻痺させるように刺激する。60年代半ばにアンディ・ウォーホルがヴェルヴェット・アンダーグラウンドを起用して開催したマルチメディア・イベント「不可避的に爆発するプラスティック Exploding Plastic Inevitable」に準えて、ピッツイオコスとホワイトがここで描き出す世界を「発作的に共振する即興演奏 Resonating Improvisation Paroxysmally」と呼んだらニュアンスが伝わるだろうか。

FIVE by FIVE #1148で紹介した『マキシマリズム Maximalism 』で共演したドラマー、ウィーゼル・ウォルター(1972年イリノイ州生まれ)との共作『ドゥローン・アンド・クウォータード Drawn and Quartered』は、2012年のピッツイオコスのデビュー作『アンプランド・オブソレセンス Unplanned Obsolescence』(ugEXPLODE)に続くデュオ2作目にあたる。どちらもアナログLPのみのリリースで、前作は100枚、今作は150枚の限定盤。2014年5月のライヴ録音で、前作から2年間の濃密なコラボレーションを経て驚異的に進化・深化した演奏を聴かせる。ハードコア・パンク出身のウォルターの激烈なドラミングに、ノン・ブレス奏法による永続フリークプレイで応じるピッツイオコスの驚異的なテクニックには、即興音楽に馴染みのない者でも驚くだろう。またLP片面を占めるB1「Quartered」の日本の能にも通じる”間”を活かした空間的な演奏には、ハードコアなイメージを塗り替えるような、理知的な音と音の対話が記録されている。

フランスの女流ヴィジュアル・アーティスト、パオラ・ハイヴェリンの鮮烈なアートワークに彩られた両作とも、既存の「ジャズ」の概念を拡張するニューヨーク即興シーンの鮮烈な息吹を伝える生々しいドキュメントに他ならない。しかし、いずれも10ヶ月以上前の録音なので、継続して共演を重ねる彼らの進化のスピードを考えれば、今現在の彼らの演奏が更なる変化を遂げていることは間違いない。本当に「今ここにある(Right Now)」音楽を体験するにはライヴの現場に接するしかないだろう。いつの日かその機会が訪れることを祈ってやまない。(剛田武)



関連リンク
Chris Pitsiokos
Philip White
Weasel Walter
Carrier Records
One Hand Records
JazzTokyo
Jazz Right Now
購入⇒Disk Union Online

核心の
革新的な
確信犯

JULY 2015 Release


『Chris Pitsiokos Trio/Gordian Twine』 New Atlantis Records

Chris Pitsiokos(as)
Kevin Shea(ds)
Max Johnson(b)

コメント (3)
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Merzbow x Balázs Pándi x 灰野敬二/KK Null+Bastard Noise@六本木SDLX 2015.4.12(sun)

2015年04月14日 00時15分15秒 | 灰野敬二さんのこと


Merzbow x Balázs Pándi x 灰野敬二
with KK NULL / BASTARD NOISE




ハンガリーからの怪物ドラマーBALAZS PANDIが、親友でもあり日本のアンダーグランドシーンを代表するMERZBOW、灰野敬二と生み出す濃厚な一夜が実現!これまでBALAZSは両者ともに多くの競演や制作の機会を経て来ましたが、この三者が一堂に会すのは本当に貴重な機会となります。ただのセッションでは終わらないであろうこの夜は必ずや見応え溢れる最高の演奏を披露してくれることでしょう!そしてスペシャルゲストは日米のノイズアーティストによる対決となるKK NULL/BASTARD NOISE。脅威的な二組が登場する奇跡の一夜をどうぞお見逃し無く!

出演: Merzbow x Balázs Pándi x 灰野敬二/KK NULL / BASTARD NOISE



ハンガリー語で「バラージュ・パンヂ」と発音するらしい1983年ハンガリー生まれのドラマーは、母国のグライドコア・バンドで活動しつつ、2010年からメルツバウとのコラボレーションをはじめ、マッツ・グスタフソン、サーストン・ムーア、ラズウェル・ラッド、ワダダ・レオ・スミスなどとも共演歴がある。恐らく初めての今回の来日では他にメルツバウやKK Nullとの共演ライヴも行われる。 "OUR EARTH'S BLOOD JAPAN TOUR 2015"で来日中のバスタード・ノイズ(以下BN)も交えて、ギロッポンで「悶絶ウルトラ☆Noisy Night」が開催された。

●KK NULL / BASTARD NOISE

(写真の撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

KK Null(岸野一之)を観るのは2005年に高円寺ペンギンハウスで3回行われた灰野との共演ライヴ以来(2010年にZeni Gevaは観た)。80年代初頭から活動するノイズ/極端音楽の求道者はギター、断線シールド、電子楽器、エフェクター、自作楽器と様々な機材を駆使して30年以上も独自の音世界をクリエイトしてきた。この日はデスクトップPCとマイクボックスを中心とした演奏。初共演のBNは今回はエリック・ウッドのひとりユニット。ブラック・サバスのTシャツを着て、ラップトップ・ノイズ・ジェネレイターを操る。前半はアンビエントなドローン音響に時折エリックがトレードマークの放送禁止用語をシャウトする静的な演奏。突如岸野が激しいアクションと共に怒涛のノイズ演奏に突入。エリックもカオスパッドで絡みあう。久々に経験する純粋ノイズの空間を埋める音圧が心地よい。音の凶悪さとに反比例して快感が高まっていくのを感じた。

●Merzbow x Balázs Pándi x 灰野敬二


2000年代後半に「きくり」というユニット名で活動していたメルツバウ(秋田昌美)×灰野敬二は、その後もセッションで何度か観ているが、ドラムとの共演は吉田達也以外は初めてだと思われる。バラージュ・バンヂは、灰野のファンで、今回の来日で特に共演を望んだらしい。念願適った初コラボは、灰野にとっても久々の轟音ライヴだったこともあり。高密度の極みの時間となった。灰野はスプリングコイル、エアシンセ、ヴォイス、ギターと持ち替えて、アクションプレイが冴え渡る。ヴィジュアルの派手さは譲るとしても、音圧ではメルツバウが圧倒的だった。一瞬たりとも気を抜けないパワーサウンドの渦の中、バンヂの轟くドラミングが稲妻のように間を割って前面に飛び出す。立体的な音像バトルは三者三つ巴の開眼の儀であった。

●ALL SESSION


最後は5人全員の共演。日本勢3人だけでルックスも含め存在感で重力が歪みそう。余りの迫力に恐れをなしたのか、エリックが開始5分で逃亡を試みるが、灰野に呼び戻されてヴィオス対決となる。エリックのデス声と灰野の深い声明が、秋田と岸野とバンヂのサディスティックノイズと交じり合い、区別がつかない天国(地獄)絵図を描き出す。再びエリックが離脱すると、灰野が高音のファルセット・ヴォイスにシフトする。3人のノイズの響宴は激しさを増すばかり。聖と業、ふたつの異世界を空気の流れが横断する。音圧はこの日最も高かったが、緊張感よりも祝祭感の方が強く、満員の聴衆を歓喜の渦に巻き込んだ。

怒鳴っても
心がなければ
届かない



<灰野敬二LIVE SCHEDULE>
4月17日(金)六本木Super Deluxe
Nonclassical/Tokyo Vol.1 London x Tokyo x Remix
featuring:アイシャ・オラズバエフ/サム・マケイ/三浦永美子/波多野敦子/網守将平/ジェームズ・グリア
Nonclassical DJs
Special Guest DJ:灰野敬二(中世音楽DJセット)

4月22日(水)新宿PIT INN
新宿 PIT INN 50th Anniversary 坂田 明 2DAYS
「即興一発新橋へ、早また汽車は煙はく!」
【MEMBERS】坂田 明(As,Cl)灰野敬二(G)本田珠也(Ds)

4月24日(金)六本木Super Deluxe
Peter Brötzmann with Strings
出演:ペーター・ブロッツマン (サックス、クラリネット)/ジム・オルーク (ギター)/灰野敬二 (ギター)
ゲスト:八木美知依(エレクトリック21弦箏、17弦ベース箏、エレクトロニックス、歌)ソロ

5月3日(日・祝)高円寺ショウボート
灰野敬二 生誕記念公演 ~不失者
不失者  灰野敬二 / 亀川千代 / Ryosuke Kiyasu



5月6日(水)新宿JAM, 新宿NINE SPICES etc.
JAM FES2015に出演

5月21日 (木)
マハンニャワ 2 DAYS:インプロ!!!!!~センヤワ with 内橋和久 と セッション仲間
出演:マハンニャワ(センヤワ with 内橋和久)/灰野敬二/山川冬樹/大野由美子/吉田達也/小山田圭吾

5月29日 (金) 六本木Super Deluxe
灰野+石橋 / 勝井+ユザーン two drums & two flutes
出演:灰野敬二 + 石橋英子 two drums & two flutes duo/勝井祐二 + ユザーン violin & tabla duo
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工藤冬里/à qui avec Gabriel/Reiko.A@大久保ひかりのうま 2015.4.11(sat)

2015年04月13日 01時44分44秒 | 素晴らしき変態音楽


「Enka Mood Collection発売記念ライブ」
出演:工藤冬里/à qui avec Gabriel
ゲスト:Reiko.A




フランスのAn'archivesレコードからリリースされた、日本の地下音楽家が演歌を演じる10インチLPシリーズ『情趣演歌/Enka mood collection』のレコ発イベント。会場は渋谷Last Waltzの前店長マルタが新たに大久保にオープンしたばかりの珈琲と音楽の店。以前はキャバレーだったらしく、まだその頃の「キューピッド」の店名の看板が設置したまま。然程広くないので、工藤くらいの人気アクトだと立見がでるのは必至。運良くカウンター席を確保した。
【ビビッと☆演歌ジャックなう!】JOJO広重/白石民夫/À Qui Avec Gabriel/工藤冬里/灰野敬二

●à qui avec Gabriel

(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

ピアノ弾語りなので、愛用のアコーディオンGabrielは抜き。とはいえ名義はやはりアキ&(アヴェック)ガブリエルのままとのこと。レコードに収録したのは「女のブルース」(藤圭子)、 「好きになった人」(都はるみ)、「港町ブルース」(森進一)など有名な演歌だが、改めてムーディなピアノとアキの妖艶な歌で聴くと、殆どシャンソン。越路吹雪や美輪明宏が流行歌手だった時代を思えば、演歌とシャンソンは異母姉妹と云って良かろう。女の業の深み水圧に押し潰される思いがするが、チャーミングな赤いボブカット女子ならば本望である。

1. 伊勢佐木町ブルース (青江三奈)
2. 女のブルース (藤圭子)
3. 星の流れに (菊地章子)
4. 北の蛍 (森進一)
5. 逢わずに愛して (内山田洋とクールファイブ/水原弘)
6. ストロベリーキッス (田畑満)
7. 港町ブルース (森進一)

●Reiko.A


ゲスト出演のReiko.Aは、中森明菜と風船遊びと一人芝居のステージ。予期せぬ展開に唖然とするが、辻褄が合わない不思議より、ピッタリ合うことの不自然さを取沙汰すべきという真理すら黙殺される理不尽に、誰かが警告を発するべきだと思わないだろうか。

●工藤冬里


レコード収録の工藤の演歌パートは、普通のファンなら聴く前に不良と罵るだろう。遠距離トラック野郎の荷台にノルとは、どういうことか。カラオケビデオの投射スクリーンの手前でシリアス&非シリアスに演じられる言葉は、工藤らしい理不尽の創造性の極みであった。

演歌とは
歌だけじゃなく
生き方か


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でんぱ組.inc@大宮ソニックシティ 2015.4.9(thu)/Negicco@赤坂BLITZ 4.10(fri)

2015年04月12日 11時05分31秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


でんぱ組とNegicco、秋葉原と新潟、それぞれ地元の活性化に貢献してきたユニットながら、その佇まいはある意味対照的。エキセントリックなマキシマリズム(最大主義)で先にブレイクしたでんぱ組、素朴なお洒落イズムであとを追うNegicco。どちらも紆余曲折と様々な転機を乗り越えて、今ここに立っている自信に満ちたステージは、アイドルだろうとなかろうと、今ここにある女子スタイルの在り方を映す鏡としてキラキラチューンな光のシュプールを描いていた。

でんぱ組.inc
WWD 大冒険 TOUR 2015
~この世界はまだ知らないことばかり~

4月9日(木)大宮ソニックシティ 大ホール



3rdアルバム『WWDD』全国ツアーの折り返し地点。ピンキー☆藤咲彩音の育った街での凱旋公演は、PandAダンスとシュールな動物クイズで、超絶ウルトラHappy☆な一夜となった。

       



Set List
1.でんぱーりーナイト
2.W.W.D
3.ダンス ダンス ダンス
4.NEO JAPONISM
5.Future Diver
6.FD2~レゾンデートル大冒険~
7.サクラあっぱれーしょん
8.P and A(藤咲彩音ソロ)
9.Dear☆Stageへようこそ♡
10.まもなく、でんぱ組.incが離陸致します♡
11.ファンシーほっぺ♡ウ・フ・フ
12.イロドリセカイ
13.ブランニューワールド
14.キラキラチューン
15.バリ3共和国
16.ちゅるりちゅるりら
17.でんでんぱっしょん
18.檸檬色
アンコール
19.イツカ、ハルカカナタ
20.でんぱれーどJAPAN




Negicco
Negicco First Tour
Never Give Up Girls!!!&Rice&Snow 東京公演

4月10日(金)東京・赤坂ブリッツ


Negiccoワンマン参戦は2013年8月の10周年イベント以来2度目。女子が目立つでんぱ現場に比べて男子率の高さに何となく安心する。アンプラグドを含む横ノリグルーヴ中心のセトリが前日の筋肉痛が残る両肩を優しく癒す。後半ぐいぐい盛り上がるダンスビートとラインダンスのカタストロフは、プログレ組曲に近い恍惚感となり、ダブルアンコールのNAO生誕の菜の花畑でエクスタシーを迎えた。





Set List
M01 光のシュプール
M02 トリプル!WONDERLAND
M03 二人の遊戯
M04 Space Nekojaracy
M05 パジャマ・パーティー・ナイト
※M01~05は永田こーせー(Sax)、真砂陽地(Trumpet)が参加
--MC--
M06 クリームソーダ Love
M07 1000%の片想い
M08 相思相愛(あら恋remix)
M09 新しい恋のうた(※ショートバージョン)
--MC--
M10 Falling Stars
M11 イミシン☆かもだけど
※M10~11は長谷泰宏(Key.)が参加
M12 ルートセヴンの記憶
※M12は長谷泰宏(Key.)、永田こーせー(Sax)、真砂陽地(Trumpet)が参加
--MC--
M13 サンシャイン日本海
M14 裸足のRainbow
※M13~14は木暮晋也(Guitar)が参加
M15 Summer Breeze
※M15は木暮晋也(Guitar)、永田こーせー(Sax)、真砂陽地(Trumpet)が参加
--MC--
M16 パーティーについて。
M17 ネガティヴ・ガールズ!
M18 ときめきのヘッドライナー
M19 さよならMusic
--アンコール--
En1 自由に
En2 圧倒的なスタイル
--ダブルアンコール--
En3 SKY
※En3は全ゲストミュージシャンが参加




卒論は
電波とネギの
相対性

●おはスタ木曜日、見逃した。。。。

       
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【今週末おススメ展覧会情報】でんぱ組@でんでんパーク/日本のフリージャズポスター展

2015年04月11日 02時00分06秒 | アート!アート!アート!


4月も10日が過ぎ、新入生・新入社員諸君は新たな環境に少しずつ慣れてきた頃だろう。桜もすっかり散ってしまったし、土曜日は天気が良くなさそうなので、この週末は展覧会で文化的に過ごしてみては如何だろうか。丁度今偶然にも、東京で日本の先端カルチャーに触れるのに最適のユニークな展覧会がふたつ同時開催されている。欲張ってハシゴして効率的に体験するも良し、二日間かけてじっくり味わうのも良し、楽しみ方は自由自在。どちらも物販グッズや商品CDも充実しており、でんぱ展はバッジ、ジャズ展はポスターの特典付きのお得企画。

ばびゅっと過ごそう、素敵な週末!

●でんぱ展.inc~Welcome toでんでんパーク~


でんぱ組.inc初となる展覧会イベント、
その名も『でんぱ展.inc~Welcome toでんでんパーク~』開催決定!
でんでんパークエントランスで案内人となるメンバーを一人選び、そのメンバーとともにでんぱ組.incのヒストリーがギュッと詰まったパーク内を散策。メンバーそれぞれのコンセプトに基づく展示エリアでは、でんぱ組の歴史を彩る実際に使用された衣装や小道具、懐かしのスティル写真、MVコレクション、ここでしか聞けない秘蔵エピソードなどなどでんぱ尽くしの内容でお届け。
<イベント概要>
タイトル:でんぱ展.inc ~Welcome to でんでんパーク~
期  間:2015年3月31日(火)~4月22日(水)(23日間)
時  間:平日13時~21時 土日祝11時~21時閉場(最終入場は閉場30分前)
会  場:東京 六本木ヒルズumu(ウム)
入場料金:【当日券】入場料500円(税込)音声ガイド各種500円(税込)
※音声ガイド各メンバー計6種類
でんぱ展.inc~Welcome toでんでんパーク~公式サイト

               
でんぱ組.inc、グループ初の展覧会を堪能「毎日来たいし住みたい」


●「今、日本のフリー・ジャズを聴く」 ポスター展


4/8発売「今、日本のフリー・ジャズを聴く」シリーズ15タイトルが発売にあたりまして、貴重な当時のポスターも発掘されました。
日本のフリー・ジャズ史において、今日に至るまで歴史的なイベントとして語り継がれる、1973年にアート・シアター新宿文化劇場で14夜に渡って行われた黒田征太郎デザインの「フリー・ジャズ大祭1」のポスターです。そちらを復刻いたしまして、展示を行うことになりました。

■期間:4/7(火)~5/11(月)
■場所:ディスクユニオンJazzTOKYO
■住所:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-1-45 ニュー駿河台ビル2F
■営業時間:11:00~21:00(日祝11:00~20:00)
■電話番号:03-3294-2648
ディスクユニオン JazzTOKYO

     

▼Disk Union新宿JAZZ館でも展開中


フリー・ジャズ
CD復刻
おめでたい

▼コチラもCD化きぼんぬ
Derek Bailey & Japanese company in Kyoto 1978




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進水・浸水・心酔の水圧ポップ~ブライアン・ウィルソン『ノー・ピア・プレッシャー』

2015年04月09日 00時15分15秒 | こんな音楽も聴くんです


中学1年で初めて洋楽ポップスと出会ったとき夢中になったのはジョン・デンバーとビーチ・ボーイズだった。初めて買ったLPレコードは『ジョン・デンバー・ライブ』、2枚目が『ビーチ・ボーイズ・コンサート』、さらに『ビーチ・ボーイズ'69(ライブ・イン・ロンドン)』。何故かライヴ盤が続いた。その後キッスやエアロスミス、ジョニー・ウィンターやジェネシス、さらにパンクロックへと興味は広がったが、中学時代を通してビーチ・ボーイズが大好きで、転校した東京の中学校でついた渾名は「Bach Boy バチボーイ」。ばちへび(つちのこ)が由来だが、Beach Boys好きも揶揄された。

 

「サーフィンU.S.A.」や「ファン・ファン・ファン」のような海だ!太陽だ!女の子だ!と歌うリア充ソング(ジャン&ディーン「サーフ・シティ」は”男子ひとりあたり女子ふたり”と歌われる)ではなく、「アイ・ゲット・アラウンド」や「グッド・バイブレーション」などマイナー調の曲が好きだった。実際にサーフィンが出来るのは末っ子のデニスだけで、長男のブライアンは引きこもりの変わり者、スタジオに砂を敷き詰め椰子の木を植えて、何時間も孤独にダビングを重ねた、という非リア充・コミ障エピソードに惹かれた。愛聴盤は『ペットサウンズ』や『オランダ』。特に金沢に一軒だけの輸入盤店で買った『サーフズ・アップ』は、習いたての英語で哲学的な歌詞を翻訳しながら、幻想的なコーラスの森の中で迷子になる気がした。

   

しかし中学卒業祝いでエレキギターを手に入れると、ギター中心のパンクやブルースに取り憑かれ、楽器よりも歌メインのビーチ・ボーイズを聴くことは少なくなった。「海岸少年達」は80年代以降も来日したり、新作をリリースしたり、『スマイル』の海賊盤がCDリリースされたりした。精神を病んでいたブライアン・ウィルソンも完全復活し、ソロ・アルバムを定期的にリリースし、サイケデリックな世界観を持つ『スマイル』の再現ライヴも開催された。しかし敢てそれを追うことはなかった。リアリティを感じることも無かった、避けていた訳ではないが。



だから通算11作目のソロ・アルバムをふと耳にして、40年前の自分に戻るというより、初めて出会う夢の世界の出来事のような気がしたのである。どっぷりノスタルジアに浸ることも可能だろうが、それよりもっと普遍的なエンターテインメントの形、例えば開園33周年の浦安のテーマパークのように、いつ訪れても楽しめる安心印の快適さを堪能する方が面白い。マイナスからのNo.1を成し遂げた72歳のエンターテイナーに心からの感謝と敬意を表したい。



ジャケットを
見るとこいつを
思い出す
⇩⇩⇩



ピア・プレッシャー
【peer pressure】職場などでの、同僚からの圧力。
【pier】 埠頭。
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【リズムの時代】才能と狂気。青年ジャズドラマーと鬼教師の物語、音楽青春映画『セッション』

2015年04月08日 00時20分37秒 | 映画やDVDのこと


世界的ジャズドラマーを目指し名門音楽学校に入学した青年ニーマンと、超サディスティックなカリスマ音楽教師フレッチャーの姿を描いた音楽青春映画『セッション(原題:Whiplash)』。本編映像の一部とインタビュー映像(日本語字幕付き)がシネマトゥデイのYouTubeチャンネルにて公開。日本での劇場公開は4月17日より



主演の若いジャズドラマー、ニーマン役は『21オーバー 最初の二日酔い』『ダイバージェント』のマイルズ・テラーが、鬼教師フレッチャー役はJ・K・シモンズが演じている。監督は『グランドピアノ 狙われた黒鍵』の脚本家デイミアン・チャゼル。熱­いドラマはもちろん、マイルズが繰り出すパワフルなドラミングにも注目。


公式サイト

●映画『セッション』
4月17日よりTOHOシネマズ新宿ほかにて全国順次公開

リスムの時代
象徴的な
映画也

【バディ・リッチ】狂気のドラムソロ」


【ネタバレ注意】驚異のドラムソロ

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【朗報】サーストン・ムーア等がフリー・ジャズのドキュメンタリー映画を製作中。支援者募集も。

2015年04月07日 00時22分09秒 | 映画やDVDのこと


『ファイアー・ミュージック』
~フリー・ジャズ革命の歴史


Starring : John Tchicai / Peter Brotzman / Han Bennink / Dave Burrell / Gunter Baby Sommer / Urlich Gumpert / Paul Lytton / Ken Vandemark / Evan Parker / Gunter Hampel / Marshall Allen etc.

『ファイアー・ミュージック』は現在制作中のフリー・ジャズ革命の絶対的な歴史を伝える長編ドキュメンタリー映画である。監督:トム・サーガル、制作:ダン・ブラウン、エグゼクティブ・プロデューサー:サーストン・ムーア(Sonic Youth)とネルス・クライン(Wilco)。この活力に満ちたアメリカ生まれの芸術形式は、何世代にも亘り世界中のファンを魅了しており、今また音楽愛好家の間で新たなルネサンス(復興期)を迎えている。

『ファイアー・ミュージック』プロジェクトを完成させ、世界中のファンのために各地の映画祭や劇場で公開することを可能にするためにキックスターター・キャンペーンを開始する。間もなく開設される「KICKSTARTER」ページで映画製作への支援を募集する。支援者は出資金額に応じた報酬が得られるクラウドファウンディング形式。

「フリー・ジャズは解放であリ、新たなる現在のエキサイトメント(興奮剤)です」とエグゼクティブ・プロデューサーのサーストン・ムーアは語る。「敬意と情熱と知識を持つトム・サーガル監督が描き出す映像作品は、その対象であるフリー・ジャズと同様に、美しさと団結の集合体として輝いている。」

『ファイアー・ミュージック』は、余りにも長い間映像記録化されること無く犯罪的に無視されてきた芸術形態フリー・ジャズの豊かな音楽性と貴重な歴史に関する決定的なアーティファクト(芸術遺産)となるだろう。


サーストン・ムーア/ネルス・クライン/トム・サーガル

脚本・監督のトム・サーガルは、ソニック・ユース、ペイヴメント、ブルース・エクスプロージョン等最先端のオルタナティヴ・バンドの音楽ビデオの監督として知られている。10代でブライアン・デパルマに認められ、デザイン、キャスティング、ライターとして幅広く映画製作に携わってきた。また、ミュージシャンとしてネルス・クラインやサーストン・ムーア、ジム・オルークやマイク・ワッツ(Minutemen, The Stooges)等と共演を重ねる一方、即興アンサンブルのWhite Outの共同リーダーでもある。さらにジョン・ゾーンが経営するザ・ストーンをはじめとするニューヨーク・ダウンタウンのライヴハウスでイベント企画のキュレイターとしても活躍している。
トムは世界有数のフリー・ジャズ・レコードの蒐集家であり前衛ジャズのオーソリティーとして認められている。

サブマリン・エンタテインメントの共同社長であるダン・ブラウンが製作を担当する、賞を受賞したドキュメンタリー『Kill Your Idols』やNo Waveのドキュメンタリー映画『Blank City』のエグゼクティブ・プロデューサーである。また現在進行中のアレックス・ギブニー監督『マイルス・デイヴィス・イン・パリ』や話題のドキュメンタリー『サンシャイン・スーパーマン』のエグゼクティブ・プロデューサーでもある。

サブマリン・エンタテインメントはオスカー賞受賞ドキュメンタリー『Searching for Sugar Man』『20 Feet from Stardom』『Man on Wire』『The Cove』等の他、多数のドキュメンタリー映画を製作するリーディング・カンパニーである。

.エグゼクティブ・プロデューサーのサーストン・ムーア(Sonic Youth)とネルス・クライン(Wilco)は「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」にランクインしている。

公式サイト(予告編視聴可)


セシル・テイラー


オーネット・コールマン


ファラオ・サンダース


アルバート・アイラー


ジョン・チカイ


アート・アンサンブル・オブ・シカゴ


ハン・ベニンク


ペーター・ブロッツマン


アーチー・シェップ


エヴァン・パーカー


ラシッド・アリ


エリック・ドルフィー

フリー・ジャズ
来るべきもの
今ここに

【特報】NAZORANAI(灰野敬二, Stephen O'Malley, Oren Ambarchi)2014年Big Ear Festivalでの50分に亘るドキュメンタリー映像期間限定公開中!

BIG BENT EARS
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