同級生と先晩呑んだときに話題になったのが、館山の同級生である。秀夫ちゃんは、子供の頃、館山の町営住宅に住んでいて、今もそうだが、鳩や、ウサギ、鶏を飼っていて、飼育や、餌にする植物に詳しかった。秀夫ちゃんが藁を一束くれとその同級生に言ったら、10円取られたという。当時、私は冬になると、納豆売りをしていたが、一つ10円で売っていた。最近その同級生が、管理している、江戸時代の古屋の茅葺き屋根が抜けていたから、直すように勧めたら、持ち主が壊れるままにするからと、壊れるにまかせるのだというから、それなら、その中の使えるものを貰いたいと言ったら、それは自分が自由にできるというので、雨漏りして濡れかかっている畳などをくれと言ったらやはり、金を請求された。これが、55年前と変わらない同級生だから、とてもこういうのとの寄り合いで呑む気はしないとなった。これは、まだ55年前の話だが、先日、横寛という私の姉と同級生の人にアッシーをするからといわれ佐沼のホテルの下見に彼の車で行った。隣りの藤原家の息子が車をバックして門に入れようとしていたら、それに向かって横寛が注意を喚起して、ププーとクラクションを鳴らした。急かせたのかと思ったら、そうではなく、
「あれのひい婆ちゃんは、おらいの子守りをしていたんだ。今もそれで、付き合いがあんのだ」と挨拶を促したのだ。この息子の嫁は、ゴミ袋を倹約して、私の姉の建てた家の直ぐそばで燃やすため、ビニールの燃える臭いが酷くするので、先日、私が、その姑に、ゴミを燃やすなら、隣家のない、高校の校庭に面した反対側でするように注意したところ、その息子とその数日後目が合ったときに、挨拶もなしに睨みつけられた。可愛くない隣家の息子だが、三代前まで遡って見下されるような言い方をされ続けるのでは、気の毒な気がしないでもない。この横寛は、元中学校長をしたらしいが、私の同級生でも、女小学校長だったのが、「元町長を呼んだから、一緒に飲みにございん」と誘うことがある。私のほうは、元町長とは時々呑んでいるし、元女校長とも呑む必要などないのだが、しょうがないから行って付き合う。この町の人は、ステータスを重んじるようだ。『登米物語』の歴史の項で、私の祖母が、嫁に来たときに、道で行き会った知らない老婆から、「家老のお姫様に挨拶もしない」といわれた話を書いたが、学校の先生からして、ステータスに拘るのは、いまだに変わらないらしい。インドのカーストと似ている。しかし、インドのカーストは、身分には拘るが、困ったときには助けあう仕組みがある。この登米では、子守り女の曾孫が、仕事にあぶれて、元の主人に相談に行ったら、たすけて貰えるのだろうか。
しかし、保健所、消防署、病院と皆隣町に持って行かれても、殆どの町民がそれを座視しているのだから、困ったときに助け合っているとは思えない。先日の病院廃院の説明会に参加しているのもせいぜい300名だろう。住民の1割にも満たない。元女校長も参加していなかった。町民全体の医療より、行政から教育委員会などの仕事を貰うのが優先なのか。
「あれのひい婆ちゃんは、おらいの子守りをしていたんだ。今もそれで、付き合いがあんのだ」と挨拶を促したのだ。この息子の嫁は、ゴミ袋を倹約して、私の姉の建てた家の直ぐそばで燃やすため、ビニールの燃える臭いが酷くするので、先日、私が、その姑に、ゴミを燃やすなら、隣家のない、高校の校庭に面した反対側でするように注意したところ、その息子とその数日後目が合ったときに、挨拶もなしに睨みつけられた。可愛くない隣家の息子だが、三代前まで遡って見下されるような言い方をされ続けるのでは、気の毒な気がしないでもない。この横寛は、元中学校長をしたらしいが、私の同級生でも、女小学校長だったのが、「元町長を呼んだから、一緒に飲みにございん」と誘うことがある。私のほうは、元町長とは時々呑んでいるし、元女校長とも呑む必要などないのだが、しょうがないから行って付き合う。この町の人は、ステータスを重んじるようだ。『登米物語』の歴史の項で、私の祖母が、嫁に来たときに、道で行き会った知らない老婆から、「家老のお姫様に挨拶もしない」といわれた話を書いたが、学校の先生からして、ステータスに拘るのは、いまだに変わらないらしい。インドのカーストと似ている。しかし、インドのカーストは、身分には拘るが、困ったときには助けあう仕組みがある。この登米では、子守り女の曾孫が、仕事にあぶれて、元の主人に相談に行ったら、たすけて貰えるのだろうか。
しかし、保健所、消防署、病院と皆隣町に持って行かれても、殆どの町民がそれを座視しているのだから、困ったときに助け合っているとは思えない。先日の病院廃院の説明会に参加しているのもせいぜい300名だろう。住民の1割にも満たない。元女校長も参加していなかった。町民全体の医療より、行政から教育委員会などの仕事を貰うのが優先なのか。