次の総選挙は自民党・公明党政権がなくなる?
私はそうはならないと思う。小選挙区制という選挙制度は、そんなに簡単に政権政党が変わるシステムではない。創価学会=公明党が一定の集票能力を持って自民党を支えるという構図があるなら、小選挙区制では自民党・公明党は強い。
もし政権交代を可能とするためには、ある種の政権交代のブームを生み出さなければならない。
しかし今、そのブームはあるか。ない。
立憲民主党という政党の支持率は何%だろうか?10%にはるかに届かない数値である。この低い支持率を補うためにこそブームは必要だ。
立憲民主党がこんどこそ政権をとるのだという強い決意が報じられているか。否、である。立憲民主党だけでは政権はとれるものではない。もし多くの議席を得たければ共産党の協力を得る必要がある。しかし、立憲民主党は、共産党に対してかなり失礼な態度を取り続けているし、組織率が低い労働組合の連合に色目を使い、共産党との協力関係をそのために渋り続けている。最大野党としてのリーダーシップに欠けているというしかない。
立憲民主党が共産党を含め(それは共産党を政権に入れるというものではない)、新たな政権をつくるというある種のテーゼを示すことが出来なければ、国民には変化を夢想することさえできない。
私は、自民党・公明党にはもう権力を持ってもらいたくはない、と思いながら、それとは別の選択肢が可能になるとは全く思えないことが情けない。
コロナパンデミックの中、多くの国民が政府によって見捨てられ、自民党・公明党政権に対する不信任をつきつけているこの絶好の機会を、立憲民主党は正確に認識できていない。もし私が立憲民主党の議員であったなら、ほかの野党とともに、児玉龍彦さんや上昌広さんなどのコロナ対策を積極的に提案している人々から意見を聞き、無為無策・愚策の政府に対して、こういうことをやれば台湾やニュージーランドのようにすることができる、という案を出す。国民は、そういう提案を待っているはずだ。
私自身も、コロナで自由な行動を抑制せざるを得ず、もっと自由に動けるようなコロナ禍以前の社会を夢みるほどだ。
ところがどの野党も、そういう動きを見せていない。あまり報じられないところで、官僚からヒアリングをするだけだ。あるいは国会の委員会で質疑をするだけだ。
政権を握ったら、コロナ対策はこうするのだ、こうすることによって苦しんでいる国民を救出する・・・という提案はできないものか。それが出来たら、政権は変わることができる。
だが立憲民主党にはその気がない。コロナが始まって一年半以上が経過する。立憲民主党は動かない。
自民党総裁選挙の報道がテレビを席捲して、野党の存在は影が薄くなる。そして総選挙。自民党・公明党政権がまた成立する。
立憲民主党はこのままでは分裂していくことだろう。