先日、アマゾンで、中国の古典、秦朝末期、漢王朝創設期、ご存じ項羽と劉邦のDVD(17巻)を購入しました。なかなかの大作で、針は司馬遷の史記や曾 先之の十八史略等で読んで多少の記憶はありますが、かなり史実に忠実に描かれています。時間がないと見れる代物ではありません。
中国の歴史物は中国政府がバックアップして、要は国の威信をかけて、兵隊も紅衛兵を使っていますし、衣装もかなりの経費を費やしていますので、当時そのままなのがいいです。
しかし、今の中国=共産党支配の国家がいくら力を入れようが、のぼせ上がる要素を増長させるだけで、何の意味を持たない。日本人ならば、そこそこ、教育がいきわたっているので歴史からいろいろなことを学びとります。倫理観なんかをね。中国の最大の欠点は、折角の諸子百家等の文化を持ちながら広大な国土から生まれてきた国民性なのか、慈愛の心と残虐な心が両極端ですね。このことは、中国すべてに言える事です。昔から、国家の体系が如何に変わろうとも、国家の首長は、弾圧に近い武力で国民の統制をしてきた国です。そうしないと統制がとれないんですね。
幸い日本は小さい島国でありますので、国の教育、文化が国の隅々にまで行きわたり易い。ま、日本は「島国根性」という欠点がありますが、教育によって、多少は改善されました。それに引き替え中国は、国が大きすぎて、国民の教育度もとんでもなくピンキリです。理想や総論だけでは収支がつかないのだ。
「先んずれば人を制す」の天下無双、軍神項羽、鴻門の会。食料が足りなくて投降した秦卒20余万人を坑めにした事。(穴埋)股くぐりの国士無双韓信、十面埋伏の計(車掛かり)、離間の計。人の忠言を良く聞き、部下を兄弟のように接し天下を取った劉邦。良家の出ながら、軍師の茫増の事に悉く聞き入れず、万夫不当の勇を持ちながら結局は「四面楚歌」に会い最後は自決して、懸賞金欲しさに漢卒に五体をバラバラにされた項羽。 虞美人草で有名な虞美人=虞妃。孫子の兵法に匹敵する張良(子房)。
呂雉皇后が戚夫人の目を刳り貫き、鼓膜を破り手足を切り「人豚」にして、豚小屋で生きながらえさせた事。と到底日本人では考えられない国民性です。
日本人のルーツは北、南、西から渡ってきたのは周知の事だと思いますが、針は嫌気をさして、戦乱を避けて大陸から渡ってきた、温厚な人々がそうだと思っています。
この漢王朝えさえ、折角辛い思いをして建てたのですが、首長が死ぬと、途端に、粛清が始まります。功労者が呂后によって粛清されていきます。
左から劉邦 呂雉(呂太后) 張良 茫増の俳優さん。
針が中国の古典文化が好きな理由はすべての事が凝縮している事です。ことわざ一つとっても、下手な教科書なんか見ているより、よっぽど為になります。